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児童虐待撲滅のためのグローバル戦略

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    [成人向けコンテンツが含まれています]
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    私の仕事が何か聞かれたら
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    こう答えます
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    「児童虐待撲滅のため
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    世界の子供たちのために活動しています」
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    多くの人は黙り込み
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    時には こんな反応もあります
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    「コメントに困るね」
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    そして 質問が続きます
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    「どんな虐待?」
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    「どれくらいひどいの?」
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    「ここでも起きてるの?」
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    私の答えを聞くと 皆 動揺します
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    虐待の程度や
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    内容に衝撃を受けるのです
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    でも そんな会話は
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    悲観的に終わらないようにします
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    私たちは 今 歴史上初めて
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    児童虐待を
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    撲滅できるはずなのです
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    今 新たな動きが始まっています
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    各国政府や自治体
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    地域等が動き始めています
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    皆で団結して 撲滅できれば
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    人類の歴史を変えられるのです
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    児童虐待とは何でしょうか
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    身体的暴力をはじめ
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    性的、精神的、感情的虐待のことで
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    家庭で
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    学校、ネット、地域で起こる
    全ての虐待を含みます
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    同様の活動をする世界中の団体から
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    度々 児童に関する
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    悲惨な話を聞きます
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    例えば 10歳のサラは
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    継父から性的虐待を受け続け
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    暴力で 口封じをされます
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    ファイサルは 学校で ケーブルで手を叩かれ
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    ウスノロ扱いされ
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    解答を間違えただけで寒い屋外に立たされます
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    ネットの危険から子供を守る団体からは
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    アンジェリカの話を聞きました
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    12歳の少女は
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    叔父に性行為を強要され
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    その様子が生中継で
    世界中に有料配信されました
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    未成年の少女の約1割が
    性的虐待を受けています
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    世界の子供たちの半数は
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    体罰が違法でない国に
    住んでいます
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    米国では 昨年だけで
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    暴力や性的虐待の動画投稿が
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    4,500万件も報告されています
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    前年に比べて2倍に増えました
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    形態に関係なく 虐待は
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    信じられない数にまで増加し続けています
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    毎年 10億もの子供たちが
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    何らかの虐待を受けています
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    その数は2人に1人です
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    これは世界規模の問題です
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    では 希望はあるのか
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    スウェーデンとウガンダ
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    全く異なる国に思えますが
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    経済学者が説明すると
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    スウェーデンの平均年収は
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    約5万ドル
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    ウガンダは 2千ドルです
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    歴史学者の説明だと
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    スウェーデンは200年も戦争がなく
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    ウガンダは 北部で
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    未だに内戦が続いています
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    音楽家ならこうでしょう
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    ウガンダの国歌「おおウガンダ 美しき地」は
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    世界一短いので
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    繰り返し歌われます
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    スウェーデンの国歌はそれより長いはずです
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    深刻な話に戻すと
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    両国とも 固い決意で
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    共通の目標に取り組んでいます
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    児童虐待の撲滅です
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    両国とも対策を始めており
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    目標は国内の児童虐待を
    2030年までにゼロにするというものです
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    そして 世界中の国々や地域も
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    動き始めました
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    では その取り組みとは
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    実際には どんな行動を伴うのでしょうか
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    それは 国家行政レベルでの取り組みです
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    法を整備し 施行します
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    イニシアチブを立ち上げ 政策を変更し
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    国レベルで議論することで
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    問題の認識を高め 人々の意識を変えさせて
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    子供に対する暴力や虐待を
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    許さない社会を作ります
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    子供の虐待の実情を
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    分野の壁を超えて把握し
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    組織的に解決していく必要があります
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    個別の対応ではダメなのです
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    政府内外の各種機関、
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    宗教団体、民間組織、メディア、
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    教育機関、市民団体等が関わり
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    最良の慣行や実証例を
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    世界中から集めて参考にする一方で
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    国内のデータから
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    表に出ないことも多い
    隠れた虐待の事例を見つけ出し
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    そのデータを 国レベルでの対策の決定や
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    取り組みの状況把握に使います
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    成功例はもちろん
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    失敗例も隠さず公表し
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    実績として暴力が減少すれば
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    そこから得られた学びを広めるというものです
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    しかし 世界規模での実現は
    可能なのでしょうか?
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    虐待を受ける子供の数は
    1年間で10億もいるのです
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    私は可能だと考えます
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    2015年 193ヵ国の首脳が
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    2030年の児童虐待撲滅目標に合意しました
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    児童虐待は
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    子供の健康や教育に注いだ努力を
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    台無しにしてしまいます
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    その害は数年に渡り
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    時には 一生つきまとい
    後の世代に受け継がれさえもします
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    国際協定や政府の動きは もちろん大切ですが
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    その他にも
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    もっと根本的な変化が起きつつあります
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    世界ではようやく
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    長らく容認されてきた非人道的行為を
    糾弾する動きが
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    起こり始めました
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    ひとつは#MeToo 運動です
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    ありとあらゆる分野や産業において 次々と
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    加害者をあぶり出し
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    責任を追及しようとしています
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    先は長いけれど 第一歩を踏み出したのです
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    また 慈善事業界も
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    職権を乱用した暴行事例を受け
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    世界中の子供の身の安全に
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    特に目を光らせています
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    それだけではありません
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    今では 子供たちや若者たち自身が
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    新たな技術を活用して
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    声を上げ始めました
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    今までにはあり得なかったことだと思います
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    そして 彼らは自らの声を使い
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    自分を取り巻く環境の実態や
    その改善の必要性について
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    伝えるだけでなく
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    自らが解決策の一部になることで
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    情報を発信し 自らの人生を変えるのです
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    若き活動家たちは
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    女性器切除、児童婚、ネットいじめ、
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    学校の安全、内戦など多くの問題の根絶を
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    声高に訴えています
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    その子供たちが変化の鍵なのです
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    そして今 政治的リーダーシップ、
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    若き活動家たち、
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    実証に基づいた解決策、
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    高まる社会の意識などの条件が揃い
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    2030年までの児童虐待撲滅への
    軌道に乗りました
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    では 解決策とはいったい何でしょうか?
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    3年前の2016年
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    10の国際団体が結束して
    ある枠組みを整えました
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    児童虐待撲滅に向けた
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    総合的かつ段階的な戦略で
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    INSPIREと呼ばれるものです
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    戦略には 関連法律の必要性、
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    社会的規範の見直し、
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    親と養育者に対する支援、
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    暴力や虐待を経験した子供への対応などが
    含まれます
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    そして 安全な学校―
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    子供が健全に成長する
    安全な学習環境の確保です
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    4年前のウガンダでは
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    8歳の少女が
    30歳の男と結婚させられていました
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    今はできません
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    2016年に児童法が制定され
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    18歳未満の結婚を禁止しました
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    これが INSPIREの 「I」 —
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    法の制定と施行(implement)です
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    カンボジアは全国規模で
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    親と養育者への支援を開始しました
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    子育て支援を充実させ
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    家庭での 体罰によらないしつけを
    目指すものです
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    それが親(parent)の「P」―
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    親と養育者の支援です
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    フィリピンでは
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    女性と子供の保護のために
    100の施設を全国に作りました
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    暴力と虐待を受けるリスクが高いか
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    受けた経験のある人たちのためです
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    これが「R」
    対応(response)と支援です
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    ウガンダでは学校を安全な場所にする
    ツールキットを導入し
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    現在 国内の半数の教師が
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    体罰に頼らずに学級をまとめる方法を
    実施しています
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    それが「E」
    教育(education)とライフスキルです
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    これらはINSPIREの枠組みの
    ほんの一部に過ぎません
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    さらに多くの国々がこの枠組みの導入を決め
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    自国に合わせて改正し
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    関連データに基づいて調整し
    計画を立て
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    分野の壁を越えて
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    暴力ゼロへの道のりを歩み始めています
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    カナダ、メキシコ、UAE、タンザニア、
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    スウェーデン、ウガンダ
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    日本、フィリピン、インドネシア
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    導入する国の数は増え続け
    今では都市も動き始めています
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    ここ スコットランドでは
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    エジンバラ大学が研究所を立ち上げ
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    スコットランド、フィリピン、
    コロンビアの都市が
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    共同で行っている取り組みを研究しています
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    まず各都市を研究し
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    国レベルで実施しようとしていることを
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    都市レベルで適用させることで
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    短い期間内で
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    迅速かつ実証可能な進展につながると
    考えています
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    これが実現された時
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    成功例は大学の研究所内外で共有されます
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    暴力の撲滅は正しいことですし
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    賢い投資でもあります
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    私たちには実証に基づく解決策があり
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    第一歩を踏み出しています
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    では 児童虐待がなくなれば
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    何が起こるのでしょうか?
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    想像してみましょう
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    サラの話を思い出してください
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    毎晩 ベッドの中で
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    階段を上がって来る継父の足音に
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    怯えなくていいのです
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    ファイサルは学校で
    明るい日々を送れるでしょう
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    学校で 教師からいじめられ 叩かれ
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    屈辱的な扱いを受けると
    怯えなくていいのです
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    アンジェリカやその他の少女たちも
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    はるか遠くにいる大人の快楽のために
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    オンラインで売買される商品ではなくなります
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    これらは 社会的、経済的、文化的に
    相乗効果をもたらします
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    そして すべての家庭や地域、
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    市町村や国にも恩恵をもたらし
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    突然 新たな「普通」が生まれます
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    虐待を経験しない世代が生まれます
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    私たち全員が当事者です
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    これは かつてないチャンスなのです
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    そして 私たち大人には
    行動を起こす責任があります
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    そうすれば
    「お仕事は何を?」と聞かれたとき
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    一人ひとりが答えられるでしょう
  • 10:46 - 10:48
    「人類の歩む歴史を変えているのだ
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    児童虐待撲滅に 自分なりの
    小さな貢献をしているのだ」と
  • 10:53 - 10:55
    今 一緒にやりましょう
  • 10:55 - 10:56
    ありがとう
  • 10:56 - 11:02
    (拍手)
Title:
児童虐待撲滅のためのグローバル戦略
Speaker:
ハワード・テイラー
Description:

毎年、10億人もの子供たちが家庭、学校、ネットや地域で虐待を経験しています。これは社会的、経済的、政治的問題であり、その解決は急務です。子供にとっての安全な世界を目指す活動家ハワード・テイラーが、児童虐待撲滅に取り組み、子供たちの明るい未来を作るのが、なぜ今なのかを語ります。

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDTalks
Duration:
11:15

Japanese subtitles

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