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脳が運動好きな理由 | アンダース・ハンセン | TEDxUmeå

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    目の前に薬が1錠あると
    想像してください
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    その薬を飲めば
    創造性が高まり
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    やる気が上がり
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    記憶力が向上し
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    ストレスにより強くなり
    集中力はさらに高まります
  • 0:19 - 0:21
    頭が良くなることも
    あるかもしれません
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    そんな薬あるはずがない
    と思うでしょう?
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    でも 実はあるのです
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    「運動」と呼ばれる薬です
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    運動が脳に及ぼす影響は
    計り知れず
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    脳は運動することで
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    プラスの影響を
    最も受ける器官の一つです
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    恐らく唯一の器官と
    言ってもいいでしょう
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    運動すれば気分が良くなるのは
    皆さんご存知だと思いますが
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    ほとんどの人は
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    運動が基本的にすべての認知機能を
    高めることを知りません
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    記憶力、創造性、集中力
    すべてが向上するのです
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    では一つ取り上げてみましょう
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    記憶力です
  • 0:58 - 1:01
    まず 残念なことに
  • 1:01 - 1:05
    記憶容量は加齢とともに減り
    物理的に小さくなるのです
  • 1:05 - 1:08
    赤い部分が海馬です
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    ここが脳の記憶中枢です
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    他の機能もありますが
    記憶力にとって非常に重要な部位です
  • 1:13 - 1:15
    海馬は2つあって
  • 1:15 - 1:18
    一つは脳の左半球
    もう一つは右半球にあります
  • 1:18 - 1:20
    海馬の大きさは
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    25歳~30歳頃がピークとなり
    その後は縮んでいきます
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    残りの人生で
    年間1%ずつ小さくなります
  • 1:29 - 1:32
    この進行は避けられない
    これを変える方法はないんだと
  • 1:32 - 1:35
    考えられてきました
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    大量のアルコールを飲んだり
    薬物を摂取すれば
  • 1:38 - 1:40
    萎縮が早まることは
    知られていましたが
  • 1:40 - 1:45
    それを遅らせることは
    不可能と考えられてきました
  • 1:45 - 1:48
    ある時 カリフォルニアの研究者が
  • 1:48 - 1:52
    運動が委縮に影響を与えるのではと
    考え始めました
  • 1:52 - 1:54
    なぜ研究者は
    運動を思いついたのしょう?
  • 1:54 - 1:58
    なぜクロスワードパズルや
    数独ではなかったのでしょう?
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    なぜなら 実験用マウスのケージに
    回し車を置き
  • 2:01 - 2:06
    マウスが回し車に乗って
    走り始めると
  • 2:06 - 2:09
    海馬に新しい脳細胞ができるのを
    研究者は見てきたからです
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    実際 海馬には新しい脳細胞が
    たくさん作られています
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    海馬は実際に成長するのです
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    これはマウスの実験結果です
  • 2:17 - 2:20
    ヒトにも同じことが起きると
    単純に考えられるのでしょうか?
  • 2:20 - 2:23
    そうはいきません
    まず確かめる必要があります
  • 2:23 - 2:26
    ある実験が行われました
  • 2:26 - 2:30
    約100人を集め
    2つのグループに分けました
  • 2:30 - 2:32
    一つはウォ―キングをするグループで
  • 2:32 - 2:38
    週に3回 40分ずつ
    走らず 早歩きをしました
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    もう一つは
    ストレッチ体操をするグループで
  • 2:41 - 2:44
    週に3回 40分ずつ行いました
  • 2:44 - 2:46
    大きな違いは
    ストレッチのグループでは
  • 2:46 - 2:49
    心拍数を上げなかったことです
  • 2:49 - 2:52
    これを12か月間続け
  • 2:52 - 2:54
    海馬の大きさを
  • 2:54 - 2:57
    実験の前と後に測定しました
  • 2:57 - 3:00
    その測定は
  • 3:00 - 3:02
    MRI装置で行われます
  • 3:02 - 3:04
    その結果は?
  • 3:04 - 3:06
    ストレッチのグループでは
  • 3:06 - 3:11
    海馬が1年で
    1.4% 縮んでいました
  • 3:11 - 3:13
    1.4% は 正に予想通りの結果でした
  • 3:13 - 3:19
    通常 海馬は1年で
    約1% 縮むからです
  • 3:19 - 3:21
    しかし 非常に驚いたのは
  • 3:21 - 3:25
    ウォーキングのグループでは
  • 3:25 - 3:28
    海馬の大きさは縮んでおらず
  • 3:28 - 3:30
    2%大きくなっていたことです
  • 3:30 - 3:33
    つまり 大きさという点では
  • 3:33 - 3:37
    1歳老いるどころか
    2歳若返ったのです
  • 3:37 - 3:40
    さて この黄色の部分が海馬です
  • 3:40 - 3:44
    この写真で見ると
    脳のこの辺りの部位です
  • 3:44 - 3:49
    赤い線がストレッチのグループで
    海馬が縮んでいました
  • 3:49 - 3:53
    青い線がウォーキングのグループで
    海馬が大きくなっていました
  • 3:53 - 3:57
    左右両半球の海馬で同じことが
    起きていたことが分かります
  • 3:57 - 4:00
    皆さんはこう思うかもしれません
    「私には関係ない」
  • 4:00 - 4:02
    「海馬の大きさなんて気にしない」
  • 4:02 - 4:04
    「自分の記憶力には影響ない」と
  • 4:04 - 4:05
    でも 実際に影響します
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    ウォーキングのグループでは
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    海馬が大きくなっただけでなく
  • 4:10 - 4:13
    この1年の間に
    記憶力も向上したのです
  • 4:13 - 4:17
    記憶力を測るため
    幾つかのテストが行われました
  • 4:17 - 4:20
    ウォーキングのグループでは
    記憶力が増しました
  • 4:20 - 4:22
    特に 空間記憶 つまり
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    位置や空間を学習し
  • 4:25 - 4:27
    方向を把握する能力です
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    一方 ストレッチのグループでは
    記憶力への影響はありませんでした
  • 4:32 - 4:37
    つまり 体を動かしていれば
  • 4:37 - 4:41
    脳の最も重要な部位の一つの
    萎縮を遅らせたり
  • 4:41 - 4:43
    回復させることさえ
    可能なようです
  • 4:43 - 4:46
    これは 身体活動が
    脳に与える影響で
  • 4:46 - 4:48
    私がここ数年見てきた
  • 4:48 - 4:52
    驚くべき結果の
    一つに過ぎません
  • 4:52 - 4:54
    他のテスト結果もあります
  • 4:54 - 5:00
    1時間のウォーキング後
    創造性のテスト結果が50%以上向上しました
  • 5:00 - 5:02
    20分間の運動で
  • 5:02 - 5:05
    読解力テストの点数が
    向上しました
  • 5:05 - 5:08
    これは子供たちが
    学校で行ったテストでした
  • 5:08 - 5:11
    ランニングは
    幸福度を非常に高めるため
  • 5:11 - 5:15
    実際には 軽度・中等度のうつ病に
    使用される抗うつ剤に
  • 5:15 - 5:18
    匹敵するほどです
  • 5:18 - 5:22
    それでは
    運動で頭が良くなるのでしょうか?
  • 5:22 - 5:25
    そんなうまい話はありませんよね
  • 5:25 - 5:29
    ある研究者が その答えを
    長年 探し求めてきたのですが
  • 5:29 - 5:31
    非常に難題でした
  • 5:31 - 5:35
    一方 スウェーデン発のデータは
    解決に極めて重要であるか
  • 5:35 - 5:39
    少なくとも何らかの答えを
    示唆するものでした
  • 5:39 - 5:40
    そのデータの内容は?
  • 5:40 - 5:42
    およそ10年前まで
  • 5:42 - 5:44
    スウェーデンでは
  • 5:44 - 5:49
    18歳の男子全員に
    徴兵検査が義務付けられていました
  • 5:49 - 5:52
    18歳の男子は全員
    軍の施設で
  • 5:52 - 5:57
    心肺持久力検査、筋力検査
    知能指数検査を受ける必要がありました
  • 5:57 - 6:03
    18歳のスウェーデン人120万人から
    データが集められ
  • 6:03 - 6:05
    分かったことは
  • 6:05 - 6:08
    心肺持久力が高いほど
    知能指数も高いということです
  • 6:08 - 6:11
    x軸が心肺持久力です
  • 6:11 - 6:14
    9が最高で 1が最低です
  • 6:14 - 6:17
    ご覧の通り
    心肺持久力が高いほど
  • 6:17 - 6:19
    知能が高かったのです
  • 6:19 - 6:22
    筋力と知能指数に
    相関関係はありませんでした
  • 6:23 - 6:27
    筋力の強い18歳の知能指数は
    それほど強くない18歳と比べ
  • 6:27 - 6:29
    高くも低くもありませんでした
  • 6:30 - 6:34
    これらの結果をまとめると
    非常に簡単な表現になります
  • 6:34 - 6:37
    つまり 脳は運動が好きなのです
  • 6:37 - 6:40
    体を動かせば脳の働きが良くなる
  • 6:40 - 6:42
    でも なぜなのでしょう?
  • 6:42 - 6:45
    我々の視点からすると
    非常に奇妙に思えるかもしれません
  • 6:45 - 6:48
    でも 一歩引いて
    人類の歴史を見てみると
  • 6:48 - 6:50
    理解しやすいと思います
  • 6:50 - 6:53
    人類が100万歳だとするとー
  • 6:53 - 6:55
    これはよく使われる時間軸です
  • 6:55 - 6:57
    それが長いか短いかの
    議論はありますが
  • 6:57 - 6:59
    ここでは100万歳としましょう
  • 6:59 - 7:04
    我々は1万年前までは
    このように暮らしていました
  • 7:04 - 7:07
    サバンナで狩猟採集生活を行い
  • 7:07 - 7:10
    常に動き回り
    食料を追い求め
  • 7:10 - 7:12
    一か所に定住せず
  • 7:12 - 7:16
    必要な食料やエネルギーための
    農耕は行っていませんでした
  • 7:16 - 7:19
    そして 約1万年前に
    農耕が始まり
  • 7:19 - 7:23
    200年前には
    工業化され
  • 7:23 - 7:29
    そして ここ20年~30年間で
    デジタル化されました
  • 7:29 - 7:31
    この時間軸は非常に長く
  • 7:31 - 7:35
    直観的に理解し難いものです
  • 7:35 - 7:40
    もはやインターネットのない世界は
    考えられません
  • 7:40 - 7:42
    また 200年は恐ろしく長い時間です
  • 7:42 - 7:44
    まして1万年というのは
  • 7:44 - 7:48
    実際の時間軸というより
    理論的な概念だと思います
  • 7:48 - 7:51
    したがって 人類の歴史を
    24時間として見る方が
  • 7:51 - 7:53
    分かりやすいと思います
  • 7:53 - 7:59
    そうすると これが午前零時から
    23時40分までの生活です
  • 8:00 - 8:05
    そして 農耕生活は
    23時40分から 23時59分40秒まで―
  • 8:05 - 8:08
    真夜中の20秒前です
  • 8:08 - 8:10
    そして最後にこれです
  • 8:10 - 8:11
    (笑)
  • 8:11 - 8:14
    実際は まず工業化されたので
  • 8:14 - 8:20
    デジタル化されたのは
    23時59分59秒 真夜中の1秒前です
  • 8:21 - 8:23
    自然界の他の種を見てみると
  • 8:23 - 8:27
    進化は通常 ゆっくりとした
    変化であることが分かります
  • 8:27 - 8:30
    進化により
    ある種が大きく変化するまでには
  • 8:30 - 8:34
    1万年あるいは
    何十万年もかかります
  • 8:34 - 8:37
    人類にも同じことが言えます
  • 8:37 - 8:41
    我々は1万年どころか
    2万年経っても変化していません
  • 8:41 - 8:45
    タイムマシーンで
    1万年前に戻れれば
  • 8:45 - 8:47
    我々のような人々に
    出会うでしょう
  • 8:47 - 8:49
    当然 違う言葉を話し
  • 8:49 - 8:51
    異なった経験を
    持った人々ですが
  • 8:51 - 8:55
    基本的には
    我々と同じ脳や知力
  • 8:55 - 9:00
    そして 知の可能性も
    持っていました
  • 9:01 - 9:04
    つまり 生物学的には
    まだ1万年前にいるのです
  • 9:04 - 9:06
    このように我々は形作られました
  • 9:06 - 9:11
    人類史の24時間の大半を
    我々はこのように生きてきたのです
  • 9:13 - 9:14
    では 我々に起きた変化は
  • 9:14 - 9:19
    サバンナからネット社会に至るまで
    どのようなものだったのでしょう?
  • 9:19 - 9:21
    非常に大きく多様な変化でした
  • 9:21 - 9:26
    その一つが
    運動量の減少です
  • 9:26 - 9:28
    どのくらい
    減少しているのでしょう?
  • 9:28 - 9:30
    正確には答えられません
  • 9:30 - 9:34
    祖先には活動量計や
    歩数計がなかったからです
  • 9:34 - 9:37
    それでも
    ある程度 適切な予測はできます
  • 9:37 - 9:41
    今なお 狩猟採集のような
    生活を営む人々を観察するのです
  • 9:41 - 9:42
    地球上には
  • 9:42 - 9:46
    タンザニアのハッザ族のように
    狩猟採集生活を営む人々がいます
  • 9:46 - 9:49
    数少ない最後の狩猟採集民で
  • 9:49 - 9:53
    毎日 約11~12キロを歩きます
  • 9:53 - 9:57
    1万5千~1万7千歩です
  • 9:57 - 9:59
    農耕生活者については
  • 9:59 - 10:01
    アメリカのアーミッシュを
    見てみましょう
  • 10:01 - 10:04
    彼らはペンシルベニア州や
    オハイオ州に住み
  • 10:04 - 10:06
    電気のない生活を選択しました
  • 10:06 - 10:09
    テレビや電話
    インターネットを持たず
  • 10:09 - 10:11
    伝統的な農耕社会に暮らし
  • 10:11 - 10:15
    1日に約1万8千歩
    歩いています
  • 10:15 - 10:18
    西洋社会の我々と比較してみると
  • 10:18 - 10:21
    我々は1日に7千歩ほどです
  • 10:22 - 10:25
    結論的には
    非常に大きな違いが
  • 10:26 - 10:28
    運動量に見られました
  • 10:28 - 10:31
    その違いは
    比較的短期間で作られました
  • 10:31 - 10:35
    我々の運動量が
    半分に減ったのは
  • 10:35 - 10:38
    恐らく サバンナの暮らしから
    現代社会に至る間です
  • 10:38 - 10:42
    非常に短い期間で減ったため
  • 10:42 - 10:44
    生物学的には 変わりませんでした
  • 10:44 - 10:46
    生物学的には まだサバンナにいます
  • 10:47 - 10:49
    これまでの説明と
  • 10:49 - 10:52
    体を動かすことで
    創造性が増し
  • 10:53 - 10:55
    記憶力が向上し
    集中力が高まり
  • 10:55 - 10:57
    頭も良くなることを
    考え合わせれば
  • 10:57 - 11:01
    現代社会の人々の多くは
  • 11:01 - 11:04
    運動の時間を
    もう少し取るだけで
  • 11:04 - 11:06
    脳の働きが向上する可能性があるのだと
    気づくのです
  • 11:06 - 11:08
    また これまでの説明と
  • 11:08 - 11:10
    体を活発に動かせば
    ストレスや
  • 11:10 - 11:13
    不安や憂鬱感が減ることを
    考え合わせれば
  • 11:13 - 11:16
    現代社会で見られる幾つかの
  • 11:16 - 11:18
    メンタルヘルス問題の原因が
  • 11:18 - 11:19
    恐らくここにあると
  • 11:19 - 11:22
    我々は気づくのです
  • 11:22 - 11:26
    実際 運動を治療に使うことも
    確かにあります
  • 11:26 - 11:28
    進化という文脈の中で
  • 11:28 - 11:32
    脳への影響の多くには
    合理的な点が更に多くあります
  • 11:32 - 11:35
    生物学的に我々は
    まだサバンナにいると考え
  • 11:35 - 11:38
    こう自問自答してみます
  • 11:38 - 11:40
    運動するとなぜ気分が良くなるのか?
  • 11:40 - 11:44
    我々の祖先は マラソンに
    参加するために走ったのではありません
  • 11:44 - 11:48
    食料を手に入れるため
    捕食動物から逃げるため
  • 11:48 - 11:53
    定住のための新たな土地を
    見つけるために走ったのです
  • 11:53 - 11:57
    これらすべては
    生存の可能性を高めるためです
  • 11:57 - 12:02
    また 生存の可能性を
    高める行動をとると
  • 12:02 - 12:06
    ご褒美に 脳がドーパミンや快感を
    更に与えてくれます
  • 12:06 - 12:11
    これがジョギングのときに
    我々が入り込むメカニズムです
  • 12:11 - 12:14
    走っている時
    脳は我々が生存のために
  • 12:14 - 12:16
    走っていると考えます
  • 12:16 - 12:18
    なぜ記憶力が高まるのか?
  • 12:18 - 12:20
    これは恐らく
  • 12:20 - 12:21
    我々の祖先が
  • 12:21 - 12:24
    狩りや新たな土地を探して
    走っている間に
  • 12:24 - 12:26
    新たな物事を目にしたためです
  • 12:26 - 12:27
    新しい環境を認識し
  • 12:27 - 12:30
    狩りの間に
    新しい経験をすることで
  • 12:30 - 12:35
    新たな重要情報が
    入ってくるため
  • 12:35 - 12:38
    脳が少しでも記憶力を
    高めることは合理的です
  • 12:38 - 12:39
    「これは記憶しておくべきだ」と
  • 12:39 - 12:41
    一か所に留まっているだけなら
  • 12:41 - 12:44
    何も新しいことが起きていないと
    脳は解釈するでしょう
  • 12:44 - 12:46
    脳はスマホやタブレットから
  • 12:46 - 12:51
    情報を受け身で得るよう
    発達してこなかったからです
  • 12:51 - 12:56
    ある所に留まっている間
    脳は状況の変化はないと考えるのです
  • 12:56 - 12:58
    なぜ集中力が高まるのでしょう?
  • 12:58 - 13:01
    恐らく狩りが理由です
  • 13:01 - 13:03
    我々の祖先は 狩りで走っている間
  • 13:03 - 13:06
    集中力を高めることが
    多分 有利だったのです
  • 13:06 - 13:09
    狩りで最も集中力を
    高められる人が
  • 13:09 - 13:12
    多分 獲物を捕まえる人なのでしょう
  • 13:13 - 13:17
    このような進化過程を考慮すると
    脳に及んだ影響の多くは
  • 13:17 - 13:18
    非常に合理的だと思います
  • 13:18 - 13:23
    また なぜ進化が運動から
    多大な恩恵を受けるられるよう
  • 13:23 - 13:28
    脳を形作ったのかも
    容易に理解できます
  • 13:29 - 13:31
    私が考えていたのは
    このことです
  • 13:31 - 13:34
    体に良いのなら
    なぜ好きではないのか?
  • 13:34 - 13:35
    なぜそれが一番ではなく
  • 13:35 - 13:37
    こちらが実際一番なのか?
  • 13:37 - 13:42
    テレビの前でくつろぐことが
    やはり一番ですから
  • 13:42 - 13:46
    これもまた進化の観点から見れば
    理解できると思います
  • 13:47 - 13:51
    人類は ほぼすべての歴史において
    カロリー不足でした
  • 13:51 - 13:54
    カロリーを手に入れるのは
    非常に困難だったのです
  • 13:54 - 13:58
    祖先が運良くサバンナで
    甘いベリーやハチミツなど
  • 13:58 - 14:01
    高カロリーなものを
    見つけたとすれば
  • 14:01 - 14:04
    食べ尽くしたい衝動に
    駆られたはずです
  • 14:04 - 14:08
    明日には無くなっている
    可能性があるからです
  • 14:08 - 14:12
    また 誰かに取られて
    明日は食料が無いかもしれません
  • 14:12 - 14:16
    このカロリーへの渇望が
    非常にうまく機能するのは
  • 14:16 - 14:19
    カロリー摂取が困難な
    世界での話で
  • 14:19 - 14:22
    ファストフードレストランが
    溢れる世界では
  • 14:22 - 14:24
    その渇望はあまり意味をなしません
  • 14:25 - 14:29
    カロリーの摂取が困難だった
    何百万年もの間の進化により
  • 14:29 - 14:33
    カロリーへの渇望が
    我々に組み込まれました
  • 14:33 - 14:37
    そして カロリーが
    基本 いつでも手に入る現代社会では
  • 14:37 - 14:41
    糖尿病や肥満などの問題が
    発生するのです
  • 14:42 - 14:44
    体内のエネルギー量は
  • 14:44 - 14:48
    食料などによって
    体内に溜め込まれる量だけでなく
  • 14:48 - 14:51
    その使用量にも左右されます
  • 14:51 - 14:58
    ソファに居座る理由は
    ここにあると思います
  • 14:58 - 15:01
    貴重なカロリーを
    無駄にしないためです
  • 15:01 - 15:03
    「エネルギーを浪費してはならない」
  • 15:03 - 15:08
    この言葉は なぜ脳にとって運動は
    非常に重要なのに
  • 15:08 - 15:10
    我々は基本 怠惰なのかという
    矛盾を説明しています
  • 15:12 - 15:14
    私が皆さんであれば
    話を聞き こう考えるでしょう
  • 15:14 - 15:18
    「それは言い過ぎだ
  • 15:18 - 15:21
    これが事実なら そんなこと
    とっくに分かっていたはずだ」と
  • 15:21 - 15:23
    それに対し私はこう考えます
  • 15:23 - 15:25
    「それはずっと分かっていたんだ」と
  • 15:25 - 15:26
    これはヒポクラテスです
  • 15:26 - 15:31
    医学の父と呼ばれた彼は
    2500年前こう言いました
  • 15:31 - 15:33
    「歩くことは 人類(man)にとって
    最良の薬である」と
  • 15:33 - 15:35
    女性(woman)も
    加えられたはずですね
  • 15:35 - 15:38
    それはさておき
    これは非常に的を射ています
  • 15:38 - 15:43
    ヒポクラテスは 研究報告や
    MRI装置がなくとも分かっていました
  • 15:43 - 15:46
    人類にも ずっと分かっていたのですが
    この150年の間に
  • 15:46 - 15:49
    忘れてしまっていたのだと思います
  • 15:49 - 15:52
    過去200年や150年間に
  • 15:52 - 15:58
    医療が目覚ましく発展したことが
    その理由です
  • 15:59 - 16:01
    現代の医療で
    当たり前となっているものすべてー
  • 16:01 - 16:06
    MRI装置、ワクチン、レントゲン
    抗生物質などは
  • 16:06 - 16:09
    基本的に
    過去150年間に
  • 16:09 - 16:11
    日の目を見るように
    なったものばかりです
  • 16:11 - 16:16
    また この驚異的な進歩で
    この旧来の知識は裏に追いやられました
  • 16:16 - 16:19
    つまり
    こう説明できると思います
  • 16:19 - 16:21
    仲間外れはどれでしょうか?
  • 16:21 - 16:23
    深く考えないでください
  • 16:23 - 16:30
    MRI装置、手術支援ロボット、
    がんを見つける粒子 そして運動靴です
  • 16:30 - 16:31
    当然 運動靴が仲間外れです
  • 16:31 - 16:34
    これはフィットネス産業を
    思い出させるものです
  • 16:34 - 16:36
    その業界には
    何の問題もありませんが
  • 16:36 - 16:39
    そこには医学的な価値は
    付加されていません
  • 16:39 - 16:42
    これこそが我々が繰り返し
    犯してきた過ちです
  • 16:42 - 16:45
    我々はこんな単純なものが
  • 16:45 - 16:48
    何十億ドルも投資されてきた
    あらゆる技術と
  • 16:48 - 16:53
    同等の価値があるはずがないと
    考えます
  • 16:53 - 16:55
    でも 実際 あるはずです
  • 16:55 - 16:57
    どの技術よりも
    優れていると言ってもいいでしょう
  • 16:57 - 17:03
    運動が脳に及ぼす影響に関する
    研究結果が
  • 17:03 - 17:05
    MRI装置を使い
    多く得られています
  • 17:05 - 17:07
    なんとも皮肉なのは
  • 17:07 - 17:10
    最先端の医療技術の一つが
    手助けとなり
  • 17:10 - 17:12
    先進性に乏しい
  • 17:12 - 17:17
    最も単純な医療技術が
    見直されていることです
  • 17:17 - 17:20
    つまり 運動靴や運動時に着用する
    お気に入りアイテムのことです
  • 17:22 - 17:25
    時々聞かれるのがこの質問です
    「あなたにとって運動とは?」
  • 17:25 - 17:27
    私の考えはこうです
  • 17:27 - 17:31
    我々と共に育まれてきた
    生活様式に戻るということです
  • 17:31 - 17:34
    運動=スポーツの発想は
    やめましょう
  • 17:34 - 17:38
    運動とは それよりもはるかに
    根本的なことなのです
  • 17:38 - 17:41
    運動は体を最適化する
    手段であるのみならず
  • 17:41 - 17:45
    脳を最適化する手段でもあります
  • 17:45 - 17:46
    ご清聴ありがとうございました
  • 17:46 - 17:48
    (拍手)
Title:
脳が運動好きな理由 | アンダース・ハンセン | TEDxUmeå
Description:

創造性、記憶力、気分、集中力、ストレス耐性をもっと高めたいと思いますか?そう願うなら、動きましょう!運動は人間の脳に驚異的な効果を及ぼします。このトークでは、精神科医で医学博士のアンダース・ハンセン氏が、脳が運動を好む仕組みと理由をお話します。運動が脳に及ぼす影響について書いたハンセン氏の著書『The real happy pill(一流の頭脳)』は、2017年中にアメリカや中国、その他の国々で発売される予定です。

このビデオはTEDカンファレンスとは独立して運営されるTEDxイベントにおいて収録されたものです。
詳しくは https://www.ted.com/tedx をご覧くさい。

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDxTalks
Duration:
17:56

Japanese subtitles

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