がんは全身にどのように広がるか?-イヴァン・シア=ユジャン
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0:07 - 0:11がんは大抵 身体の特定の部位において
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0:11 - 0:14単独の腫瘍として始まります
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0:14 - 0:15もし腫瘍が除去されなければ
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0:15 - 0:19がんは近くの臓器に広がったり
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0:19 - 0:23脳のようなとても離れた場所に広がる
可能性もあります -
0:23 - 0:26では がんは新しい場所にどのように移動し
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0:26 - 0:30また なぜ特定の臓器が他の臓器よりも
がんを発生しやすいのでしょうか -
0:30 - 0:35他の臓器にがんが広がる過程は
「転移」として知られています -
0:35 - 0:40転移は原発巣のがん細胞が
近くの正常な組織に侵入した時に始まります -
0:40 - 0:42がん細胞は増殖する過程で
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0:42 - 0:463つの共通する転移ルートのうち
1つを通じて広がります -
0:46 - 0:503つのルートとは 播種性、リンパ行性、血行性です
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0:50 - 0:55播種性転移では 悪性細胞が体腔の被覆面を
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0:55 - 0:57突き破ることで広がります
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0:57 - 1:00これらの被覆面は腹膜として知られており
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1:00 - 1:03体腔を分ける壁の役割を果たします
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1:03 - 1:06例えば 卵巣がんのがん細胞は
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1:06 - 1:10卵巣から肝臓につながっている
腹腔を介して広がり -
1:10 - 1:13肝臓の表面に転移します
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1:13 - 1:19次に血行性転移では
がん細胞が血管に侵入します -
1:19 - 1:22血管はほとんど身体中にあるので
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1:22 - 1:26がん細胞は身体のより遠い部位に
広がることができます -
1:26 - 1:31最後にリンパ行性転移は
がんがリンパ節に侵入し -
1:31 - 1:35リンパ系を通じて身体の他の部位に
広がることにより生じます -
1:35 - 1:38リンパ系は身体の多くの部位に
つながっているので -
1:38 - 1:41がん細胞が全身に広がるには好都合です
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1:41 - 1:45さらに リンパ管は血管に流入するので
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1:45 - 1:49リンパ系に侵入したがん細胞は
血行性転移も可能にします -
1:49 - 1:53転移した場所で がん細胞は再び増殖し
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1:53 - 1:57「微小転移巣」と呼ばれる
小さな腫瘍を形成します -
1:57 - 2:00これらの小さな腫瘍が
やがて一人前のがんへと成長し -
2:00 - 2:03転移が完了します
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2:03 - 2:07がんの種類によって
転移する場所が異なることが知られています -
2:07 - 2:11例えば 前立腺がんは骨に好んで
転移するのに対して -
2:11 - 2:14結腸癌がんは肝臓に転移します
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2:14 - 2:18がん細胞の転移パターンを説明するために
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2:18 - 2:20様々な理論が提唱されてきました
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2:20 - 2:232つの対立する理論が特に興味をひきます
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2:23 - 2:25イギリスの外科医 ステファン・パジェットは
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2:25 - 2:29「種と土壌」説を用いて転移を説明しました
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2:29 - 2:32「種と土壌」説では
がん細胞は不適な微小環境では -
2:32 - 2:34簡単に死んでしまうため
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2:34 - 2:39類似の性質をもった場所にのみ転移する
と説明されました -
2:39 - 2:44しかし コーネル大学の最初の病理学教授である
ジェームス・ユーイングは -
2:44 - 2:46「種と土壌」説に異議を唱え
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2:46 - 2:50がんが転移する場所は原発巣につながる
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2:50 - 2:56血管やリンパ管のルートによって決まる
という理論を提案しました -
2:56 - 3:00血管で肺につながる病原巣を持つ患者であれば
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3:00 - 3:03やがては肺転移を生じるというものです
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3:03 - 3:07今日 両説ともに貴重な真実を含むことが
知られています -
3:07 - 3:10しかし 提唱されたどちらの理論よりも
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3:10 - 3:13転移の全真実ははるかに複雑です
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3:13 - 3:15がん細胞の性質や
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3:15 - 3:19がん細胞を殺す免疫系の有効性などの要素も
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3:19 - 3:23転移の成否を決める要因になっています
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3:23 - 3:28残念ながら 今日でも転移については
解明されていないことが多くあります -
3:28 - 3:31転移の正確な仕組みを理解することは
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3:31 - 3:34進行したがんの治療を見つける
重要な手かがりになります -
3:34 - 3:37転移の成否に影響する
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3:37 - 3:40遺伝的要素や環境的要素を研究することで
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3:40 - 3:43転移を阻止する方法を特定できます
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3:43 - 3:46がんに対する挑戦は絶え間なく
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3:46 - 3:51科学者は転移に対する新しい治療法を
開発すべく研究に勤しんでいます -
3:51 - 3:53最近注目されているのは免疫療法です
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3:53 - 3:57免疫系の威力を利用して
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3:57 - 4:00移動中のがん細胞を破壊する治療法です
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4:00 - 4:01免疫療法には様々な方法があり
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4:01 - 4:07例えば ワクチンによりがん細胞を認識するよう
免疫細胞を教育する方法があります -
4:07 - 4:09免疫細胞が成長し活動するように
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4:09 - 4:13人工インタールーキンを注射して
刺激する方法もあります -
4:13 - 4:17インタールーキンは普通
免疫細胞により分泌される化学物質です -
4:17 - 4:20これら2つの免疫療法は
氷山の一角に過ぎません -
4:20 - 4:24官、民、学が連携して研究することで
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4:24 - 4:28多分がんの転移は永遠に止まるでしょう
- Title:
- がんは全身にどのように広がるか?-イヴァン・シア=ユジャン
- Description:
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がんは大抵、体の特定の場所で1つの腫瘍から始まります。しかしもし腫瘍が除去されないと、近くの臓器や脳のように原発巣からとても離れた場所に広がる可能性があります。がんはそれらの場所にどのように転移し、またなぜ転移しやすい場所があるのでしょうか?イヴァン・シア=ユジャンが3つの主要な転移経路を説明します。
レッスン:イヴァン・シア=ユジャン
アニメーション:アンドリュー・ フェルスター*このビデオのレッスン: http://ed.ted.com/lessons/how-does-cancer-spread-through-the-body-ivan-seah-yu-jun
- Video Language:
- English
- Team:
closed TED
- Project:
- TED-Ed
- Duration:
- 04:44
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Natsuhiko Mizutani approved Japanese subtitles for How does cancer spread through the body? - Ivan Seah Yu Jun | |
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Masaki Yanagishita accepted Japanese subtitles for How does cancer spread through the body? - Ivan Seah Yu Jun | |
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Takamitsu Hirono edited Japanese subtitles for How does cancer spread through the body? - Ivan Seah Yu Jun | |
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Takamitsu Hirono edited Japanese subtitles for How does cancer spread through the body? - Ivan Seah Yu Jun |