難民危機で試される我々の人間性
-
0:01 - 0:04世界的な難民危機について
お話しします -
0:04 - 0:09私の狙いは この危機が
解決不能ではなく -
0:09 - 0:12対処可能だと示すことですが
-
0:12 - 0:17同時に これは最前線にいる
難民達にとっての試練というだけでなく -
0:17 - 0:21我々はいったい何者なのかという問題
でもあることを示したいと思います -
0:21 - 0:26世界中の難民や住む場所を失った人々を支援する
NGOを運営する私にとって -
0:26 - 0:29これは職務上の責務である一方
-
0:29 - 0:31個人的な話でもあります
-
0:31 - 0:34これは私の好きな写真です
-
0:34 - 0:36右のすごい二枚目は
-
0:36 - 0:38私じゃありません
-
0:38 - 0:41私の父ラルフが
1940年のロンドンで -
0:41 - 0:44父親のサミュエルと
一緒にいるところです -
0:44 - 0:462人はベルギーからの
ユダヤ難民でした -
0:46 - 0:50ナチスが侵攻した日に
脱出したのです -
0:51 - 0:52これも好きな写真です
-
0:53 - 0:561946年にポーランドから
逃れてきた難民の子供の一団が -
0:56 - 0:58イギリスに到着した時の一枚です
-
0:59 - 1:03中央にいるのが
私の母マリオンです -
1:03 - 1:05新しい国での新生活を
-
1:06 - 1:07自分一人で始めるようにと
-
1:07 - 1:09送られてきたのです
-
1:09 - 1:10まだ12歳でした
-
1:11 - 1:131つはっきりしているのは
-
1:13 - 1:14もしイギリスが
-
1:14 - 1:181940年代に難民を
受け入れていなかったら -
1:18 - 1:21私はここには
いなかったということです -
1:22 - 1:27それが70年たって
事態は一巡しました -
1:27 - 1:30壁を築く音が響き
-
1:30 - 1:32政治的言辞は
憎しみに満ち -
1:32 - 1:37人道的な価値や道義は
燃え落ちようとしています -
1:37 - 1:42戦争の被害者が国や希望を
失うようなことには二度としないと -
1:42 - 1:4670年前に言っていた
まさにその国々においてです -
1:47 - 1:50去年 紛争や暴力や迫害のために
-
1:50 - 1:541分ごとに 24人が新たに
-
1:54 - 1:57住む場所を追われました
-
1:57 - 2:00シリアでは化学兵器が
再び使用され -
2:00 - 2:03アフガニスタンでは
タリバンが荒れ狂い -
2:03 - 2:09北東ナイジェリアではボコ・ハラムにより
女生徒達が学校から拉致されています -
2:10 - 2:12難民達は
より良い生活を求めて -
2:12 - 2:15よその国にやって来る
わけではありません -
2:15 - 2:18生き延びようと
逃れてきたのです -
2:19 - 2:22世界で最も有名な難民が
-
2:22 - 2:27今日この場に話しに来れなかったのは
本当に残念なことです -
2:27 - 2:30多くの人は この写真を
見たことがあるでしょう -
2:30 - 2:322015年に地中海で
命を落とした— -
2:32 - 2:363歳のシリア難民
アラン・クルディの -
2:36 - 2:39亡きがらが写っています
-
2:39 - 2:44ヨーロッパにたどり着こうとした
他の3,700人とともに死んだのです -
2:44 - 2:46翌年の2016年には
-
2:47 - 2:505,000人が死にました
-
2:51 - 2:53彼らはもう手遅れですが
-
2:53 - 2:56でも まだ間に合う人が
何百万人もいます -
2:56 - 2:59たとえばフレデリック
-
2:59 - 3:02タンザニアの
ニャルグス難民キャンプにいる -
3:02 - 3:04ブルンジ難民です
-
3:04 - 3:06いったいどこで教育を修了できるのか
知りたがっていました -
3:06 - 3:1011年間学校に通ったのだから
最後までやりたいと -
3:10 - 3:13「死ぬまでこの難民キャンプで
過ごすことにならないよう -
3:13 - 3:16祈っています」
と言っていました -
3:16 - 3:19ハルードだって間に合います
-
3:19 - 3:21彼女の両親は
-
3:21 - 3:25ダマスカスのヤルムーク難民キャンプに住む
パレスチナ難民です -
3:25 - 3:27難民の両親の元に生まれ
-
3:27 - 3:30今は彼女自身
レバノンに住む難民です -
3:31 - 3:35彼女は他の難民達を助けるため
国際救援委員会で働いていますが -
3:35 - 3:37自分の未来はどこにあり
-
3:37 - 3:39何が待っているのか
-
3:39 - 3:42先行きがまったく見えません
-
3:42 - 3:46これはフレデリックや
ハルードのような -
3:46 - 3:48何百万という人々の話です
-
3:48 - 3:51なぜ彼らは住む場所を追われ
どう生き抜き -
3:51 - 3:56どのような支援を必要とし
我々の責務は何なのか -
3:56 - 3:58私は確信を持っていますが
-
3:58 - 4:0121世紀における
最大の問いが何かと言えば -
4:02 - 4:05それは「他人に対する我々の責務は何か」
ということです -
4:05 - 4:07未来の自分を考えるとき
-
4:07 - 4:11他人に対する責務を
考えないわけにはいきません -
4:11 - 4:12皆さんは
よくお分かりでしょうが -
4:12 - 4:16世界は 未だかつてないくらい
繋がり合っています -
4:17 - 4:20しかし 人々の心が
分断によって支配されてしまうという -
4:20 - 4:22大きな危険があります
-
4:22 - 4:24そして「難民をどう扱うか」
ということ以上に -
4:24 - 4:27それをよく示すものは
ないでしょう -
4:27 - 4:28事実を挙げると
-
4:28 - 4:33去年 暴力や迫害によって住む場所を
追われた人は 6,500万人いました -
4:33 - 4:35それが1つの国だとしたら
-
4:35 - 4:38世界で21番目に
大きな国になります -
4:39 - 4:44過半数の4,000万人は
母国に留まっていますが -
4:44 - 4:452,500万人は難民で
-
4:45 - 4:49国境を越えて近隣の国に
逃れています -
4:49 - 4:52その多くは
比較的貧しい国や -
4:52 - 4:55下位中所得の国で
暮らしています -
4:55 - 4:58ハルードの住む
レバノンなどがそうです -
4:59 - 5:03レバノンでは
4人に1人が難民です -
5:03 - 5:07難民が人口の4分の1を
占めているんです -
5:07 - 5:09そして難民状態は
長く続きます -
5:09 - 5:11避難生活の長さは
-
5:11 - 5:13平均で10年に及びます
-
5:13 - 5:16私は東ケニアにある
ダダーブという -
5:16 - 5:19世界でも最大級の
難民キャンプを訪れました -
5:19 - 5:231991年から1992年に
ソマリア内戦を逃れた人々のための -
5:23 - 5:26「一時的なキャンプ」として
設けられました -
5:26 - 5:28そこでサイロに会いました
-
5:28 - 5:31私は何の考えもなしに
こう尋ねました -
5:31 - 5:33「ソマリアの故郷には
いつか戻れると思う?」 -
5:34 - 5:35すると彼女は
-
5:35 - 5:39「故郷に戻るって どういう意味ですか?
私はここで生まれたんですよ」と言います -
5:39 - 5:41それでキャンプの管理者に
聞いてみました -
5:41 - 5:4433万人のキャンプ住人のうち
-
5:44 - 5:47そこで生まれた人は
どれくらいいるのか -
5:47 - 5:5010万人がそうだ
という答えでした -
5:50 - 5:53「長い避難生活」が意味するのは
そういうことです -
5:53 - 5:56その原因は根深いものです
-
5:56 - 5:59力のない国々は
国民を支えることができず -
5:59 - 6:01国際的な政治システムは
-
6:01 - 6:041945年以降で
最も弱くなっており -
6:04 - 6:06イスラム国家の間には
-
6:06 - 6:11宗教・統治・外国との関わりのあり方に
大きな違いがあります -
6:13 - 6:16これは何世代にも渡る
長期的な問題です -
6:16 - 6:20難民危機は時代の潮流であって
一時的なものではないのです -
6:20 - 6:22しかも 問題は複雑です
-
6:22 - 6:28人は長期的で難しい大きな問題があるとき
どうにもならないと思いがちです -
6:28 - 6:29教皇フランシスコは
-
6:29 - 6:332014年にイタリア沖の
ランペドゥーザ島を訪れたとき -
6:33 - 6:35我々みんなのことを指して
-
6:35 - 6:40「無関心の世界的拡大」
と言って非難しました -
6:41 - 6:43痛烈な言葉ですね
-
6:43 - 6:46みんなの心が石のように
なっているのだと -
6:47 - 6:48教えて欲しいんですが
-
6:48 - 6:53教皇に反論するなどというのは
TEDの場であっても 許されるものなのか -
6:53 - 6:55でも私は正しくないと思います
-
6:55 - 6:57みんな現状を変えたいとは
思っているけれど -
6:57 - 7:00難民危機に解決法があるのか
分からないだけなんです -
7:00 - 7:02私が申し上げたいのは
-
7:02 - 7:05問題は紛れもないものですが
解決法だって紛れもなく存在することです -
7:06 - 7:07解決策1
-
7:07 - 7:10難民達は住んでいる国で
仕事を必要としており -
7:10 - 7:14彼らが住んでいる国も
大きな経済的支援が必要だということ -
7:14 - 7:17ウガンダで2014年に
行われた調査で -
7:17 - 7:20首都カンパラに住む難民の8割は
仕事を持っていて -
7:20 - 7:23人道的支援を必要として
いないことが分かりました -
7:23 - 7:24仕事で生活を
支えていたんです -
7:24 - 7:26解決策2
-
7:26 - 7:30避難がこのように
長期に及ぶ場合 -
7:30 - 7:33子供の教育は 贅沢ではなく
生命線だということ -
7:34 - 7:38読み書きや計算の力と
適切な社会的・精神的な支援が与えられれば -
7:38 - 7:39子供は立ち直れるんです
-
7:39 - 7:42私自身 自分の目で見てきました
-
7:43 - 7:44しかし難民の子供の場合
-
7:44 - 7:48初等教育年齢の子の半数が
教育を受けておらず -
7:48 - 7:52中等教育年齢の子の4分の3が
教育を受けていません -
7:52 - 7:53ひどい話です
-
7:54 - 7:56解決策3
-
7:56 - 8:00難民の多くは難民キャンプではなく
都市域に住んでいること -
8:00 - 8:03自分が都市に住む難民だったら
何を欲しいと思いますか? -
8:03 - 8:06家賃を払ったり
服を買ったりするお金でしょう -
8:07 - 8:08未来の人道的支援システムは
-
8:08 - 8:10少なくとも大部分が
そうあるべきです -
8:10 - 8:12現金を与えることで
難民を力づけることができ -
8:12 - 8:15地元の経済を
助けることにもなります -
8:15 - 8:184番目の解決策もまた
賛否あるでしょうが -
8:18 - 8:20議論する必要のあることです
-
8:20 - 8:23立場の弱い難民は
新しいスタート 新しい生活を -
8:23 - 8:26新しい国で与えられる
必要があり -
8:26 - 8:28それには西欧諸国も
含まれるということ -
8:28 - 8:32数は数十万人と比較的少なく
何百万ではないとしても -
8:32 - 8:35その象徴的な意味は
大きなものです -
8:36 - 8:38トランプ政権が
やっているみたいに -
8:38 - 8:40難民を閉め出している
時ではありません -
8:40 - 8:44恐ろしい体験の被害者である人々を
迎え入れる時です -
8:44 - 8:46覚えておいて欲しいのは—
-
8:46 - 8:48(拍手)
-
8:52 - 8:56もし誰かに「その難民達はちゃんと
審査されているのか?」と聞かれたら -
8:56 - 9:00それは もっともな
良い質問だと思いますが -
9:00 - 9:05真実はと言えば 再定住化のために
やって来る難民というのは -
9:05 - 9:08我々の国にやって来る他のどんな人達よりも
厳しく審査されているんです -
9:08 - 9:10だからその質問は
当を得たものですが -
9:10 - 9:15「難民はテロリストの別名だ」
などというのは見当外れです -
9:15 - 9:17考えてください —
-
9:17 - 9:20(拍手)
-
9:20 - 9:22難民が仕事を得られず
-
9:22 - 9:25子供を学校にやることができず
金が手に入らず -
9:25 - 9:28希望をつかむ合法的な道が
なかったらどうなるか? -
9:28 - 9:31彼らが危険な旅路を
選ばざるを得ないとしたら? -
9:31 - 9:35私は2年前にギリシャの美しい島
レスボス島に行きました -
9:35 - 9:37住民9万人の島ですが
-
9:37 - 9:411年で 50万の難民が
この島を越えていきました -
9:41 - 9:43この島の北に
車で行ったときに -
9:43 - 9:46目にしたものを
お見せしましょう -
9:46 - 9:51岸にたどり着いた人々が残した
救命胴衣の山です -
9:51 - 9:52近づいてみると
-
9:52 - 9:55子供用の小さな
救命胴衣がありました -
9:55 - 9:56黄色いやつです
-
9:56 - 9:58写真に撮りました
-
9:58 - 10:01何と書いてあるか見えないでしょうから
読んであげましょう -
10:01 - 10:05「警告 溺れ防止にはなりません」
-
10:06 - 10:08この21世紀において
-
10:08 - 10:11子供達が 安全を求め
-
10:11 - 10:13ヨーロッパに渡ろうとして
-
10:13 - 10:18ボートから落ちたとき
役にも立たない救命胴衣を -
10:18 - 10:20与えられているんです
-
10:21 - 10:25これは単なる危機ではなく試練です
-
10:26 - 10:29文明が昔から直面してきた試練です
-
10:30 - 10:32我々の人間性を試し
-
10:32 - 10:34我々西欧諸国の人間に対し
-
10:34 - 10:38自分が何者であり
何を信条とするのかを問う試金石です -
10:39 - 10:42政策だけでなく
我々の人格を問う試金石です -
10:43 - 10:45難民というのは扱いが
難しいものです -
10:45 - 10:48世界の遠く離れた所から
やってきます -
10:48 - 10:50心に深い傷を負っています
-
10:50 - 10:52往々にして
異なる宗教を持っています -
10:52 - 10:55でもそれは まさに難民達を
助けるべき理由なんです -
10:55 - 10:57助けない理由ではなく
-
10:57 - 11:02我々が何者かを示すために
彼らを助けるべきです -
11:03 - 11:05我々の価値観が
問われているのです -
11:05 - 11:10思いやりと利他性は
文明の2つの土台です -
11:11 - 11:14その思いやりと利他性を
行動に変えることで -
11:14 - 11:17基本的な道徳的信条を
満たす生き方ができます -
11:17 - 11:19現代の世界において
言い訳はできません -
11:19 - 11:22南スーダンのジュバやシリアのアレッポで
何が起きているのか -
11:22 - 11:25知らなかったと言うわけにはいきません
-
11:25 - 11:28手のひらのスマートフォンに
-
11:28 - 11:29ニュースが出ています
-
11:29 - 11:32無知はまったく
言い訳になりません -
11:32 - 11:37助けないとしたら 我々に道徳的指針など
ないと示すことになります -
11:37 - 11:41それはまた我々が自分たちの歴史を
知っているかを明かすことにもなります -
11:41 - 11:43難民達が世界中で
権利を持っているのは -
11:43 - 11:46西欧諸国の卓越した
リーダーシップが -
11:46 - 11:49第二次大戦後に
発揮され -
11:49 - 11:51普遍的権利が
確立されたからです -
11:52 - 11:56難民の保護を捨てるのは
我々の歴史を捨てることになるのです -
11:56 - 11:58これは —
-
11:58 - 11:59(拍手)
-
11:59 - 12:01独裁制からの避難場所となる
-
12:02 - 12:06民主主義の力を
示すことにもなります -
12:06 - 12:09政治家が言うのを
聞いたことがあるでしょう -
12:09 - 12:14「我々の力の誇示よりも
我々の模範の力を信じている」 -
12:14 - 12:18我々の寄って立つものは
我々の落とす爆弾よりも強いという意味です -
12:18 - 12:21避難先を求める難民は
-
12:21 - 12:25西欧を希望の源
夢の地として見ています -
12:27 - 12:30ロシア人 イラン人
-
12:30 - 12:32中国人 エリトリア人 キューバ人は
-
12:32 - 12:35身の安全のために
西欧諸国にやって来るんです -
12:36 - 12:38彼らを見捨てるなら
相応の覚悟を持ってすることです -
12:38 - 12:40我々について露呈することが
もう1つあります -
12:40 - 12:44自分の間違いに対して
謙虚な気持ちを持っているかということです -
12:44 - 12:45私は別に よくいるような
-
12:45 - 12:48西欧が諸悪の根源だと
信じている人間ではありません -
12:48 - 12:50そんなわけないですから
-
12:50 - 12:53しかし間違いを犯したときには
そう認識すべきです -
12:53 - 12:56他の国より多くの難民を
受け入れてきた米国が -
12:56 - 13:00他の国より多くのベトナム難民を
受け入れてきたのは -
13:00 - 13:02偶然ではありません
-
13:02 - 13:04それは歴史を物語っています
-
13:04 - 13:08もっと最近の歴史では
イラクやアフガニスタンがあります -
13:08 - 13:09人道的な行動によって
-
13:09 - 13:13外交上の過ちを
帳消しにはできませんが -
13:13 - 13:17何かを壊してしまったときには
修復する手助けをする義務があります -
13:17 - 13:20それが今の我々の義務です
-
13:22 - 13:23話のはじめに
-
13:23 - 13:27難民危機は解決不能ではなく
対処可能だと言ったのを -
13:27 - 13:28覚えていますか?
-
13:29 - 13:30本当のことです
-
13:30 - 13:35新しい考え方をして欲しいのですが
同時に行動をして欲しいのです -
13:36 - 13:37雇用者だという人は
-
13:38 - 13:39難民を雇用してください
-
13:40 - 13:43私の話に納得してくれたなら
-
13:43 - 13:46家族や友人や
同僚の考え違いを -
13:46 - 13:48正してください
-
13:48 - 13:50お金があるなら
-
13:50 - 13:53世界中の難民のために
寄付をしてください -
13:54 - 13:56選挙権があるなら
-
13:56 - 14:00私が話した解決策を
実施してくれる政治家に -
14:00 - 14:02投票してください
-
14:02 - 14:05(拍手)
-
14:06 - 14:08他人への責務は
-
14:09 - 14:10小さな形や大きな形
-
14:10 - 14:13平凡な形や英雄的な形で
-
14:13 - 14:15現れるものです
-
14:16 - 14:181942年に
-
14:19 - 14:20私の叔母と祖母は
-
14:20 - 14:23ドイツ占領下のブリュッセルで
暮らしていました -
14:24 - 14:262人はナチスから
-
14:26 - 14:31ブリュッセル駅に来るようにとの
招集を受けました -
14:32 - 14:36祖母はすぐに
何かおかしいと思いました -
14:37 - 14:39親戚のみんなに懇願し
-
14:39 - 14:42ブリュッセル駅には
行かないようにと言いましたが -
14:42 - 14:44誰も耳を貸しません
-
14:46 - 14:48「言われた通りにしなかったら
-
14:48 - 14:50面倒なことになる」と
-
14:51 - 14:54ブリュッセル駅に行った人達が
どうなったか -
14:54 - 14:56想像がつくでしょう
-
14:56 - 14:58彼らの姿を見ることは
二度とありませんでした -
14:58 - 15:00祖母と叔母は
-
15:01 - 15:04ブリュッセルの南にある
-
15:04 - 15:05小さな村に行きました
-
15:06 - 15:09十年前に休日を
過ごした場所でした -
15:09 - 15:13そこで農家の戸を叩きました
-
15:13 - 15:16出てきたモリースさんという
カトリックの人に -
15:16 - 15:19かくまって欲しいと頼むと
-
15:19 - 15:20助けてもらえました
-
15:21 - 15:23戦争の終わる頃には
-
15:23 - 15:2717人のユダヤ人が
その村に住んでいたそうです -
15:28 - 15:3010代の時 この叔母さんに
-
15:30 - 15:33「そのモリースさんに
会ってみたい」と言うと -
15:33 - 15:37「まだ生きているはずだから
会いに行きましょう」という話になり -
15:37 - 15:391983年か84年のこと
だったと思いますが -
15:39 - 15:41会いに行きました
-
15:41 - 15:4410代だからできたこと
かもしれませんが -
15:44 - 15:45その人に会って
-
15:45 - 15:48白髪の紳士でしたが
-
15:48 - 15:50私は尋ねました
-
15:51 - 15:53「なんでかくまったりしたんですか?
-
15:53 - 15:56危険だったでしょうに」
-
15:57 - 16:00彼は私を見つめて
肩をすくめると -
16:00 - 16:01フランス語で言いました
-
16:01 - 16:03On doit.
-
16:03 - 16:04しなきゃいけないだろうと
-
16:04 - 16:07まったく当たり前のことのように
-
16:07 - 16:08自然に言いました
-
16:08 - 16:13これは私達にとっても当たり前で
自然なことであるべきではないでしょうか -
16:13 - 16:14皆さんに言って欲しいのです
-
16:15 - 16:18この難民危機は
解決不能ではなく -
16:18 - 16:19対処可能であり
-
16:19 - 16:21我々ひとりひとりに
-
16:21 - 16:25解決に手を貸す
個人的な責任があるのだと -
16:25 - 16:30これは難民達とその命を
救うと同時に -
16:30 - 16:32我々自身とその価値を
救うことでもあるからです -
16:32 - 16:34どうもありがとうございました
-
16:34 - 16:37(拍手)
-
16:45 - 16:48(ブルーノ・ジュッサーニ) デイヴィッド ありがとう
(デイヴィッド・ミリバンド) こちらこそ -
16:48 - 16:49(ブルーノ) 力強い提案で
-
16:49 - 16:52個人的な責任だという点も
力強いものだけど -
16:52 - 16:551つ引っかかることがあります
-
16:55 - 16:59お話の中で
「西欧諸国の卓越したリーダーシップ」が -
16:59 - 17:0160数年前の
-
17:01 - 17:03人権や難民の扱い
その他についての -
17:03 - 17:06議論に繋がった
ということですが -
17:07 - 17:10そのリーダーシップは
大きな傷跡をかかえ -
17:10 - 17:14みんなが合意する政治的空間に
生まれたものです -
17:14 - 17:16一方で 現代の政治的空間は
分断されており -
17:16 - 17:18難民は 実際
その分断の原因の1つです -
17:18 - 17:21今日のリーダーシップは
いったいどこからくるのでしょう? -
17:21 - 17:24(デイヴィッド) 言われる通り
-
17:24 - 17:28戦争におけるリーダーシップと
平和時のリーダーシップとでは -
17:28 - 17:29性格もスピード感も
-
17:29 - 17:31考え方も違うというのは
-
17:31 - 17:33その通りだと思います
-
17:34 - 17:37私の答えは
リーダーシップは上からではなく -
17:37 - 17:39下から現れなければ
ならないということです -
17:39 - 17:44このカンファレンスで
繰り返し現れたテーマは -
17:44 - 17:46「権力の民主化」です
-
17:46 - 17:48民主主義は
守らなければなりませんが -
17:48 - 17:51民主主義を
活性化する必要もあります -
17:51 - 17:52あと 私の場合
-
17:52 - 17:54「難民に対する反発がある」
と言う人には -
17:54 - 17:56こう答えています
-
17:56 - 17:58「いや あるのは二極化で
-
17:58 - 18:00今は 誇り高い人々よりも
-
18:00 - 18:01怯えた人々のほうが
-
18:01 - 18:03声が大きいだけだ」と
-
18:03 - 18:04ご質問に対する
私の答えは -
18:04 - 18:07我々が力を結集すれば
リーダーシップに対して -
18:07 - 18:10支持と激励と自信を
与えられるということです -
18:10 - 18:14そしてリーダーシップを
探している立場の人は -
18:14 - 18:16自分のコミュニティの中を見て
内部の力を結集し -
18:16 - 18:18異なった形の
解決のための条件を -
18:18 - 18:20作ろうとすべきでしょう
-
18:20 - 18:23(ブルーノ) デイヴィッド
TEDに来てくれてありがとう -
18:23 - 18:26(拍手)
- Title:
- 難民危機で試される我々の人間性
- Speaker:
- デイヴィッド・ミリバンド
- Description:
-
2016年には6,500万人が紛争や災難のため住む場所を追われました。これは単に危機というだけでなく、我々が何者であり、何を信条とするのかが問われる試金石だとデイヴィッド・ミリバンド は言います。そして我々ひとりひとりに問題解決に手を貸す個人的な責任があるのだと。この必見の講演でミリバンドは、難民を助け、思いやりと利他性を行動に移すための具体的で実現可能な方法を示します。
- Video Language:
- English
- Team:
closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 18:38
![]() |
Riaki Ponist approved Japanese subtitles for The refugee crisis is a test of our character | |
![]() |
Riaki Ponist accepted Japanese subtitles for The refugee crisis is a test of our character | |
![]() |
Riaki Ponist declined Japanese subtitles for The refugee crisis is a test of our character | |
![]() |
Riaki Ponist edited Japanese subtitles for The refugee crisis is a test of our character | |
![]() |
Yasushi Aoki edited Japanese subtitles for The refugee crisis is a test of our character | |
![]() |
Riaki Ponist declined Japanese subtitles for The refugee crisis is a test of our character | |
![]() |
Riaki Ponist edited Japanese subtitles for The refugee crisis is a test of our character | |
![]() |
Riaki Ponist edited Japanese subtitles for The refugee crisis is a test of our character |