Return to Video

フランク・ハーバートの『デューン 砂の惑星』を読むべき理由 / ダン・クワートラー

  • 0:07 - 0:10
    果てしのない砂漠を行く
    母親と息子
  • 0:10 - 0:15
    熱を発散し水分を回収する
    ぴったりしたボディスーツを着た―
  • 0:15 - 0:18
    旅人が恐れているのは
    渇きによる死ではなく
  • 0:18 - 0:20
    もっと大きなものです
  • 0:20 - 0:22
    2人は不規則な歩き方をして
  • 0:22 - 0:27
    歩く振動が砂の流れに
    紛れるようにしていますが
  • 0:27 - 0:31
    砂漠の音はやがて
    大きな地鳴りにかき消されます
  • 0:31 - 0:34
    迫ってくる砂の隆起に
  • 0:34 - 0:37
    2人の不自然な歩みは
    全力疾走に変わります
  • 0:37 - 0:40
    2人が近くの岩に
    よじ登ると同時に
  • 0:40 - 0:45
    400メートルある砂虫 (サンドウォーム) が
    砂の中から飛び出します ―
  • 0:45 - 0:48
    これが『デューン 砂の惑星』の世界です
  • 0:48 - 0:52
    フランク・ハーバートによって書かれ
    1965年に出版された『デューン 砂の惑星』は
  • 0:52 - 0:56
    巨大な封建的帝国として
    人類が星々を支配している―
  • 0:56 - 0:59
    はるか未来を舞台にしています
  • 0:59 - 1:02
    この中世的なモチーフは
    政治機構だけに限りません
  • 1:02 - 1:05
    宇宙を舞台とする
    SFの多くとは異なり
  • 1:05 - 1:08
    この物語で人類はコンピューターを使わずに
    星々を征服しています
  • 1:08 - 1:11
    大昔のロボットとの戦争を教訓に
  • 1:11 - 1:16
    人間のような知性を持つ
    機械を作ることを禁じていたのです
  • 1:16 - 1:19
    しかし それによって
    発展を止めることなく
  • 1:19 - 1:23
    人類は驚くような進化を遂げ
  • 1:23 - 1:28
    人間コンピューターや 超能力を持つ魔女や
    予知能を持つ宇宙パイロットが現れます
  • 1:28 - 1:31
    そのような超人的能力を持つ人々を
    雇っているのが
  • 1:31 - 1:39
    覇権を争い 新たな惑星を自らの王国に
    加えんとする公家たちです
  • 1:39 - 1:42
    超人的能力の多くは
  • 1:42 - 1:46
    「スパイス」と呼ばれる
    希少資源に依存しています
  • 1:46 - 1:49
    「メランジ」とも呼ばれる
    この不思議な作物は
  • 1:49 - 1:55
    宇宙の旅に不可欠なものであり
    銀河経済の基盤をなしています
  • 1:55 - 1:58
    そしてそれは砂漠の惑星
    アラキスでしか育ちません
  • 1:58 - 2:01
    そこは荒涼とした
    危険な世界で
  • 2:01 - 2:05
    原住民は昔から
    帝国に抵抗してきました
  • 2:05 - 2:09
    デューン (砂の惑星) とも呼ばれるアラキスが
    ハーバートの小説の舞台で
  • 2:09 - 2:13
    公家であるアトレイデ家の
    ポウルを巡って話は進みます
  • 2:13 - 2:17
    物語はポウルの家族がデューンの管理者として
    赴任するところから始まりますが
  • 2:17 - 2:21
    その裏には 宿敵であり
    残忍な奴隷使いのハルコンネン家の
  • 2:21 - 2:24
    手の込んだ企みがありました
  • 2:24 - 2:29
    2家の争いは アラキスの繊細な政治的均衡を
    崩すことになります
  • 2:29 - 2:33
    ポウルは全惑星的な革命の渦中に
    投げ込まれます
  • 2:33 - 2:37
    この荒涼とした砂漠の世界で
    指導者となり 生き抜く力があることを
  • 2:37 - 2:40
    彼は示さねばなりません
  • 2:40 - 2:43
    アラキスは単なる
    際限のない砂の海ではありません
  • 2:43 - 2:46
    環境問題に造詣の深い著者は
  • 2:46 - 2:50
    デューンの複雑な生態系を作り上げるのに
    5年以上を費やしています
  • 2:50 - 2:53
    様々な気候帯や
    風の通り道があって
  • 2:53 - 2:56
    岩だらけの地形を
    形作っています
  • 2:56 - 2:59
    異なる気候帯は
    異なる植物相を生み出し
  • 2:59 - 3:02
    デューンの生態系の
    様々な要素が合わさってはじめて
  • 3:02 - 3:05
    主要産品であるスパイスは
    生み出されます
  • 3:05 - 3:11
    ハーバートの世界にはまた
    豊かな哲学と宗教があります
  • 3:11 - 3:12
    ボウルの母親ジェシカは
  • 3:12 - 3:17
    古くからあるスパイスを使う能力者のカルトである
    ベネ・ゲセリットのメンバーです
  • 3:17 - 3:21
    その不思議な力のため
    「魔女たち」とも呼ばれるベネ・ゲセリットは
  • 3:21 - 3:25
    何千年もの間
    影の政府として働き
  • 3:25 - 3:28
    社会を啓もうしてきました
  • 3:28 - 3:31
    同様に古くから存在している
    メンタートたちは
  • 3:31 - 3:35
    膨大なデータを処理できる
    人間コンピューターです
  • 3:35 - 3:38
    メンタートは論理と理性の塊ですが
  • 3:38 - 3:40
    その生み出すものは
    単なる計算結果ではなく
  • 3:40 - 3:44
    変化し続ける可能性の流れです
  • 3:44 - 3:49
    しかしデューンの中心的存在といえば
    フレーメンです
  • 3:49 - 3:53
    アラキスの原住民で
    この惑星の秘密の番人です
  • 3:53 - 3:57
    ポウルはフレーメンの排他的組織へと
    深く入り込むことになり
  • 3:57 - 4:00
    そこで危険の度を増していく
    課題をこなして
  • 4:00 - 4:02
    信頼を勝ち取る必要があります
  • 4:02 - 4:06
    物語には それらの種族の
    奥深い歴史が散りばめられており
  • 4:06 - 4:10
    本の構成もスケールの大きさを
    感じさせるものになっています
  • 4:10 - 4:14
    各章は 未来の歴史書からの
    引用で始まり
  • 4:14 - 4:17
    これから起きる出来事を
    予感させます
  • 4:17 - 4:23
    この本には帝国の歴史が分かる
    物語世界の資料が付いており
  • 4:23 - 4:28
    「ゴム・ジャバール」や「シャイ・フルド」といった
    言葉を解説する用語集もあります
  • 4:28 - 4:34
    6巻を通して語られるデューンの
    壮大な物語は数千年に及びますが
  • 4:34 - 4:37
    アラキスの未来の物語はすべて
  • 4:37 - 4:41
    迫りくる嵐に絶えず飲まれそうになる
    危険で過酷な道を
  • 4:41 - 4:46
    ポウルがたどるところから
    始まるのです
Title:
フランク・ハーバートの『デューン 砂の惑星』を読むべき理由 / ダン・クワートラー
Speaker:
ダン・クワートラー
Description:

果てしない砂漠を行く母親と息子。熱を発散し水分を回収する特殊スーツに身を包んだ旅人たちが恐れるのは渇きで死ぬことではなく、もっと大きなもの。砂漠の音はやがて地響きにかき消され、400メートルの砂の隆起が彼らに迫ってくる──これが『デューン 砂の惑星』の世界です。ダン・クワートラーがこの壮大な物語の世界へと飛び込みます。

講師 ダン・クワートラー
監督 Recircle

このビデオの教材 https://ed.ted.com/lessons/why-should-you-read-dune-by-frank-herbert-dan-kwartler

more » « less
Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TED-Ed
Duration:
04:47

Japanese subtitles

Revisions