< Return to Video

The Games That Designed Themselves

  • 0:04 - 0:09
    ゴリラがいない『Ape Out』は
    ほとんど想像できない
  • 0:09 - 0:12
    しかし最初はまさにそうだった
  • 0:12 - 0:18
    開発者 Gabe Cuzzillo によると
    最初は時間ループ系のステルスゲームになるはずだった
  • 0:18 - 0:21
    押す・つかむ仕様で
    壁沿いをコソコソ移動するのだ
  • 0:21 - 0:28
    だがゲームに警備員がいるなら、当然
    同じ仕組みで警備員をつかむことが可能なはずで
  • 0:28 - 0:33
    これが警備員を拘束して
    壁にブン投げる遊びに発展した
  • 0:33 - 0:37
    これが作中で一番面白い部分だと
    判明したので
  • 0:37 - 0:43
    Gabe は方針を大胆に変えて
    この概念を中心にゲームを開発していった
  • 0:43 - 0:48
    彼はステルスや時間ループなどの
    不要な要素は全て削除した
  • 0:48 - 0:51
    そしてこのアイデアを強調するためなら
    何でもやった
  • 0:51 - 0:58
    最も顕著なのは、主人公のハゲ男を
    300 ポンドの暴れゴリラに替えたことだ
  • 0:59 - 1:04
    これは「楽しさを追う」と呼ばれる
    ゲーム設計手法の一例だ
  • 1:04 - 1:10
    これは一見単純な考え方で
    開発者は計画や先入観を無視して
  • 1:10 - 1:15
    代わりにゲーム自体に目を向けて
    開発の方向性を見出そうという意味だ
  • 1:15 - 1:19
    緻密な戦術ゲームの傑作
    『Into the Breach』を見てみよう
  • 1:19 - 1:23
    このゲームは標準的な
    ファミコンウォーズ系の作品として始まった
  • 1:23 - 1:28
    敵はランダムに攻撃を選び
    ターンが来るまで次の行動を隠していた
  • 1:28 - 1:33
    だがある敵は自分のターンで
    何をするつもりなのか正確に示していた
  • 1:33 - 1:36
    攻撃する予定のマスを
    強調していたのだ
  • 1:36 - 1:41
    Subset の開発者はこれが
    一番楽しい部分であると気づき
  • 1:41 - 1:46
    ゲームの他の部分を
    もっぱらこの予告攻撃に集中させることにした
  • 1:46 - 1:52
    またこれはスタジオが行うべき
    他の設計判断にも役立った
  • 1:52 - 1:58
    敵が何をするつもりか分かっているなら
    自分のユニットを攻撃ゾーンの外に移動できないのか?
  • 1:58 - 2:02
    それなら、このゲームの目的は
    動かない建物を守ることになるだろう
  • 2:02 - 2:07
    だから敵を押し出して
    攻撃を失敗させるというゲームにする
  • 2:07 - 2:11
    だがこれを使えば
    敵の同士討ちも可能になる
  • 2:11 - 2:14
    この手法を使う開発者が——
  • 2:15 - 2:19
    「ある程度は、ゲームが自らを設計した」と
    よく言う理由が分かるだろう
  • 2:19 - 2:24
    『Crashlands』を開発した Butterscotch Shenanigans
    の Sam Coster は次のように述べる
  • 2:24 - 2:29
    「私たちはこの工程をゲームが時間をかけて
    自らを発見することだと考えています」
  • 2:29 - 2:35
    「設計作業ではなく反復作業として、私たちの仕事は
    ただゲームを遊んで、聞いて、感じて」
  • 2:35 - 2:39
    「このゲームがどうなりたいのか
    探るようなものです」
  • 2:39 - 2:41
    「何が楽しいのかを
    ただ追いかけるのです」
  • 2:41 - 2:46
    ゲームが自らを設計するという発想は
    次の大ヒットを狙っている人間にとって
  • 2:46 - 2:49
    確かに刺激的な話だろう
  • 2:49 - 2:53
    だが素晴らしいアイデアが
    自然に生まれるわけではない
  • 2:53 - 2:54
    ではどこから生まれるのか?
  • 2:54 - 3:00
    リズム型のローグライク
    『Crypt of the Necrodancer』の原点を見てみよう
  • 3:00 - 3:05
    開発者の Ryan Clark は『Spelunky』の
    目まぐるしい意思決定を
  • 3:05 - 3:08
    伝統的なターン制のダンジョン探索ゲームに
    組み込もうとした
  • 3:08 - 3:14
    そこで彼は、次のターンまで1秒しかないという
    ローグライクの簡単な試作品を作った
  • 3:14 - 3:19
    それを遊んでみると
    リズムゲームに近い性質があると気づき
  • 3:19 - 3:22
    ゲームを音楽に合わせるべきだと
    ハッキリしたのだ
  • 3:25 - 3:30
    また『Rocket League』を象徴する
    空中技を見てみよう
  • 3:30 - 3:33
    Psyonix がゲームの前身である——
  • 3:33 - 3:35
    『Supersonic Acrobatic Rocket-Powered Battle-Cars』
    を作っていたとき
  • 3:35 - 3:38
    彼らはそれ以来
    マーケティングをたくさん学んだ
  • 3:38 - 3:43
    彼らは車同士が戦うゲームを作ったが
    加速する仕様を追加したかった
  • 3:43 - 3:47
    そこで開発者は単純に
    車両後部に物理的な力を加えた
  • 3:47 - 3:53
    テストでは、空中でその力を使って
    競技場を飛び回れることが分かった
  • 3:53 - 3:56
    これは計画していなかったが
    開発者たちは気づいた
  • 3:56 - 4:02
    これがゲームに巨大な深みと高さの次元を加えていたのだ
    だからそのまま残した
  • 4:02 - 4:07
    スタジオは「この仕様をほぼ偶然によって
    開発しました」と言っている
  • 4:07 - 4:10
    実際、ゲームの歴史では——
  • 4:10 - 4:15
    開発過程で生じたバグ、不具合、偶然が
    機能に変わったことがある
  • 4:15 - 4:22
    例えば神谷英樹は『鬼武者』で、敵を空中で
    何度も斬って手玉にとれるバグを発見した
  • 4:22 - 4:28
    修正されてしまったが、神谷はこれを
    『Devil May Cry』で一番重要な仕様に発展させた
  • 4:28 - 4:33
    重要なのは、この工程には
    最初のアイデアが必要だということだ
  • 4:33 - 4:39
    それがどんなに散漫で、不明瞭で、独創性がなくても
    実際に動く試作品を作るのだ
  • 4:39 - 4:45
    そして試作と試遊の過程で
    新しいアイデアが生まれることがある
  • 4:45 - 4:49
    そのためゲームの声を素直に聞くどうかは
    開発者次第だ
  • 4:49 - 4:54
    何が面白いのかを認識し
    その側面を積極的に探求すること
  • 4:54 - 4:58
    たとえそれが最初に考えていたものと
    完全に一致していなくてもだ
  • 4:58 - 5:03
    こうして『Gunpoint』は宇宙ロボが
    人に向けて冷蔵庫を落とすという内容から
  • 5:03 - 5:07
    建物の配線を変えるスパイの
    パズルゲームに変わったのだ
  • 5:07 - 5:12
    この配線の仕組みは
    『Deus Ex』に触発された横スクロールの
  • 5:12 - 5:15
    ミニゲームの1つに過ぎなかった
  • 5:15 - 5:19
    だが開発者の Tom Francis が
    試作を始めるとすぐに
  • 5:19 - 5:23
    最終的に『Gunpoint』となる
    ゲームが現れた
  • 5:23 - 5:24
    Tom は述べる
  • 5:24 - 5:29
    「これをパズルゲームにすべきだとすぐに分かりました
    パズルの仕組みでした」
  • 5:29 - 5:33
    「Gunpoint が何になりたいのか教えてくれたのです
    パズルになりたがっていたのは明らかでした」
  • 5:33 - 5:37
    「そして私は方針を転換して
    ハッキングの仕様を拡張し」
  • 5:37 - 5:40
    「それを中心にゲーム全体を設計しました」
  • 5:41 - 5:47
    そのためこの手法は一般的に
    ゲーム開発の序盤に最も重要な変化を起こす
  • 5:47 - 5:53
    そのため Sam Coster はゲームのことを
    「柔軟なマグマの白熱球」と表現している
  • 5:53 - 5:59
    だが開発が進んでゲームの形が決まり始めても
    この手法はまだ使うことができる
  • 5:59 - 6:04
    例えばコンテンツの制作だ
    Jonathan Blow は『Braid』のパズルは
  • 6:04 - 6:09
    時間操作エンジンが生んだ予期せぬ結果を
    単に展示しただけだと述べている
  • 6:10 - 6:12
    彼が言うには
    「私は学芸員の役割でした」
  • 6:12 - 6:17
    「正解を整理して、プレイヤーが楽しめるように
    提示したのです」
  • 6:17 - 6:19
    詳細はこの動画を見てほしい
  • 6:19 - 6:25
    またプレイヤーの感想を聞くときにも使える
    Chris Hecker が『Spy Party』を作ったとき
  • 6:25 - 6:29
    プレイヤーは色々な裏技や
    予想外の遊び方を発見した
  • 6:29 - 6:35
    これらの「バグ」を修正するのではなく
    Chris はバグをゲームの公式要素にした
  • 6:35 - 6:40
    ゲーム体験を心理戦や心理トリックの方向へ
    変えたのだ
  • 6:40 - 6:45
    または単にゲーム開発の
    全体的な指針にも使える
  • 6:45 - 6:48
    『Subnautica』の開発者
    Charlie Cleveland はこう述べる
  • 6:48 - 6:52
    「自分の行き先は分かってる気がする
    この先のどこかにあると」
  • 6:52 - 6:54
    「そして道が多くて行き方が分からない」
  • 6:54 - 6:57
    「でもゲームを聞けば作品の方向が
    分かるでしょう」
  • 6:57 - 7:03
    それで彼のスタジオはホラーゲームを作ったのだが
    企画の開始時にそんなつもりは無かったのだ
  • 7:05 - 7:12
    さて、明らかにこのような設計工程では
    ゲーム制作にかかる時間が非常に予測しづらくなる
  • 7:12 - 7:17
    そのため、この方法論は
    独立系ゲームの世界では人気だが
  • 7:17 - 7:21
    超大作ゲームを作る厳しい統制の世界では
    あまり使われていない
  • 7:21 - 7:25
    Tom Francis が2作目の
    『Heat Signature』を作ったとき
  • 7:25 - 7:31
    彼は「宇宙船に入る」という曖昧なアイデアが
    魔法のように良作を生むと期待していた
  • 7:31 - 7:35
    『Gunpoint』で起きたことの再現だ
    だが…そうはならなかった
  • 7:35 - 7:38
    少なくとも長い間はダメだった
  • 7:38 - 7:44
    実際、彼はゲームを面白くする要素を見つけるためには
    大量の要素を作る必要があると気づき
  • 7:44 - 7:49
    これが開発の長期化に繋がり
    彼は船の生成システムや、人工知能
  • 7:49 - 7:54
    格闘システム、経済を含む銀河全体マップなどを
    作ることになった
  • 7:54 - 7:59
    船内の戦闘が一番面白いと理解するまでに
    Tom は何年もかかってしまった
  • 8:00 - 8:06
    だから本当の文言は、ただの「楽しさを追う」よりも
    少し長いことは覚えておく価値がある
  • 8:06 - 8:10
    僕はこの言葉の起源をこの男まで遡った
    Marc LeBlanc だ
  • 8:10 - 8:13
    彼は『Thief』や『System Shock』を
    手がけた開発者で
  • 8:13 - 8:17
    「MDA フレームワーク」などを考案した
    教育者でもある
  • 8:17 - 8:24
    彼がこの言葉を作ったとき
    実は起業家精神の世界で有名な慣用句が発端だった
  • 8:24 - 8:26
    「早く失敗する」だ
  • 8:26 - 8:32
    これはゲームをできるだけ早くまとめ上げて
    上手くいくものとそうでないものを見極める作業だ
  • 8:32 - 8:35
    時間を無駄にしていないので
    失敗しても問題ではない
  • 8:35 - 8:41
    だがいわゆる「失敗」は、次の試作がどの方向へ
    行くべきかたくさん教えてくれる
  • 8:41 - 8:46
    では、試行錯誤を高速化するための
    具体的な手法はあるのか?
  • 8:46 - 8:51
    GMTK の視聴者は知っているだろうが
    その1つが「Game Jam」だ
  • 8:51 - 8:58
    これは大慌てのゲーム開発マラソンであり
    たぶん1回の週末でゲームを作らないといけない
  • 8:58 - 9:02
    Arvi Teikari は Game Jam で受賞したパズルゲーム
    『Baba is You』を考案した人物で
  • 9:02 - 9:05
    このイベントの威力について
    語っている
  • 9:05 - 9:10
    「要は、頭の中にある試作品を元に
    何かを作ろうということです」
  • 9:10 - 9:13
    「上手くいかなくても大丈夫
    Game Jam の後で捨ててもいい」
  • 9:13 - 9:18
    「Game Jam より長くそのアイデアに
    専念することはありません」
  • 9:18 - 9:24
    別の方法は、Game Maker や Godot などの
    手早く試作できるツールを使うことだ
  • 9:25 - 9:30
    あるいは紙での試作や、LEGO や
    PS4 のゲーム制作ソフト『Dreams』を使う
  • 9:30 - 9:34
    既にゲームの大部分を作っていて
    コンテンツを増やしたいだけなら
  • 9:34 - 9:39
    独自のステージ制作ツールを開発すれば
    制作作業を高速化して
  • 9:39 - 9:41
    たくさんの人に手伝ってもらえる
  • 9:41 - 9:46
    任天堂は『マリオギャラクシー2』で
    簡単なステージ設計ツールを作り
  • 9:46 - 9:50
    チーム全員が独創的な仕様を
    考案できるようにした
  • 9:50 - 9:56
    また設計や仕様に素早く集中するために
    仮のアート、音楽、筋書きを利用できる
  • 9:56 - 10:00
    Klei が『Don't Starve』の
    最初の Game Jam 試作品を作ったとき
  • 10:00 - 10:03
    主人公の実際の見た目は……
  • 10:03 - 10:05
    ゼルダの伝説のリンクだった
  • 10:05 - 10:11
    そして最後に、絶対に変更できない要素が
    実際に役立つこともある
  • 10:11 - 10:13
    thatgamecompany の
    Sunni Pavolic によると
  • 10:13 - 10:18
    『風ノ旅ビト』の制作時
    スタジオは試行錯誤をかなり繰り返したが
  • 10:18 - 10:23
    このゲームは「愛」を探求する作品であるという
    考えを常に持っていたらしい
  • 10:23 - 10:26
    これによりチーム全員が従うべき
    方向性が明確になり
  • 10:26 - 10:32
    発見、開発できるアイデアの範囲を
    狭めることができた
  • 10:34 - 10:38
    だからこの動画から1つだけ
    持ち帰ってほしいことがあるとすれば
  • 10:38 - 10:42
    完璧なアイデアが現れるのを待つことを
    止めることだ
  • 10:42 - 10:47
    『Ape Out』『Crypt of the Necrodancer』
    『Crashlands』などのゲームを見て
  • 10:47 - 10:50
    これらのゲームは
    直感の閃きで設計されており
  • 10:50 - 10:53
    停滞せずに完成したと
    思い込むのは簡単だ
  • 10:53 - 10:58
    そういう良いアイデアが思いつかないなら
    なぜ作らないといけないのか?
  • 10:58 - 11:02
    だが僕がこの動画で示したように
    それは誤解にもほどがある
  • 11:02 - 11:06
    実際、これらの開発者全員を
    結びつけているのは
  • 11:06 - 11:09
    彼らは始めて
    何かを作ったという点だ
  • 11:09 - 11:15
    そして開発者が新しいアイデアを試し
    試作品を遊び、バグさえ作ったときに初めて
  • 11:15 - 11:18
    今のゲームが形作られたのだ
  • 11:18 - 11:22
    彼らが偉大なのは
    素晴らしいアイデアを考えたからじゃなく
  • 11:22 - 11:27
    ゲームを聞く方法や
    辿るべき道を知っていたからであり
  • 11:27 - 11:30
    早く頻繁に失敗する方法や
  • 11:30 - 11:34
    異なるアイデアを融合させて
    一貫性を作る方法を知っていたからなのだ
  • 11:34 - 11:39
    だから Game Maker’s Toolkit を視聴して
    ゲームを作りたいと思ったら
  • 11:39 - 11:42
    完璧なアイデアを待つのはダメだ
    何かを作ってみよう
  • 11:42 - 11:47
    そしてゲームを聞いて楽しさを追うといい
    運が良ければ——
  • 11:47 - 11:53
    ゲームがささやかながら自らを設計していることに
    気づくかもしれない
  • 11:54 - 11:55
    (字幕翻訳:Nekofloor)
Title:
The Games That Designed Themselves
Description:

more » « less
Video Language:
English
Duration:
12:15

Japanese subtitles

Revisions Compare revisions