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木が話せたなら

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    人間は木を見ない
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    毎日私たちのそばを
    通りすぎる
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    私たちの陰で座り 眠り
    煙草を吸い ピクニックし
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    ひそかにキスをする
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    私たちの葉をむしり
    果実を食べる
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    私たちの枝を折り
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    私たちの幹に
    ナイフで恋人の名を刻み
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    永遠の愛を誓う
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    私たちの針のような葉で
    首飾りを編み
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    私たちの花を描いた
    作品を作る
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    私たちを刻んだ木切れで
    家を暖め
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    時には眺めを遮るからと
    私たちを切り倒す
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    私たちから揺りかごや
    ワインのコルク栓や ガムや
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    素朴な家具や
    甘美な音楽を作り出す
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    私たちを本に変えて
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    寒い冬の夜に読み耽る
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    私たちの体で棺を作り
    その中で生涯を終える
  • 0:59 - 1:03
    私たちのために
    ロマンチックな詩さえ作り
  • 1:03 - 1:07
    私たちが大地と空とを
    繋いでいると言う
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    なのに私たちを見ない
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    物語が素晴らしいのは
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    誰かの気持ちを
    想像できるところです
  • 1:21 - 1:25
    作家としては
    物語や言葉を愛しむのと同じくらいに
  • 1:25 - 1:30
    沈黙にも関心を
    持つべきだと思います
  • 1:30 - 1:34
    私たちの社会において
    語り難いもの
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    無視され無力化されたものにも—
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    その点では 文学にできることがあり
    していると思いたいです
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    そういう周辺的なものを
    中心に持ってこられるように
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    見えないものが
    見えるように
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    聞かれないものが
    聞かれるように
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    共感や理解の声が
    扇動や無関心よりも大きくなるように
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    物語は私たちを
    ひとつにします
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    語られぬ物語と固い沈黙が
    私たちを隔てているのです
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    でも人間と自然の物語を
    いったい どう語れば良いのでしょう
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    地球が燃え上がり
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    政治的にも 社会的にも
    生態学的にも
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    経験したことのないものに
    直面しようとしているときに
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    でも語らねばなりません
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    何より世界を壊してしまうのは
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    無感覚だからです
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    人々が分断され
    鈍く 無関心になり
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    聞くことも 学ぶことも 気にかけることも
    やめてしまう
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    この場所で よそで あらゆる場所で
    何が起きていようとも—
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    木と人間は時の測り方が違う
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    人間の時間は直線的で
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    終わったものと見なされる過去から
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    手つかずのものとされる未来への
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    連続的な流れだが
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    木の時間は円環をなしている
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    過去も 未来も
    今この時を呼吸している
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    現在が一方向に進むのではない
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    円の中で円を描く
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    私たちを切り倒したときに見る
    あの円のように
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    今度木のそばを通るときには
    歩を緩めて耳を澄ませてほしい
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    私たちが風の中で
    囁き合っているから
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    私たちを見てほしい
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    私たちはあなた方の種族よりも古い
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    私たちが語るのを聞くがいい
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    人類の過去と未来が
    私たちの物語の中に隠されているから
Title:
木が話せたなら
Speaker:
エリフ・シャファク
Description:

地球が燃え上がているときに、人間と自然の物語をどう語ったらいいのか? 小説家のエリフ・シャファクは、人間とは全く異なる時間と静かさとはかなさを経験する木々に耳を傾けるよう誘います。「人類の過去と未来が木の物語の中に隠されている」のだと。

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDTalks
Duration:
03:45
Yasushi Aoki approved Japanese subtitles for If trees could speak
Yasushi Aoki edited Japanese subtitles for If trees could speak
Yasushi Aoki edited Japanese subtitles for If trees could speak
Masako Kigami accepted Japanese subtitles for If trees could speak
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