新聞にプライバシーを踏みにじられた私がいかに巻き返しを図ったか
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0:01 - 0:055年前 私はTEDのステージに立ち
自分の仕事についてお話ししました -
0:05 - 0:07しかしその1年後
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0:07 - 0:10ある夜 友達とパブを出たところで
ひどい事件に見舞われました -
0:10 - 0:12スコットランドでのことです
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0:12 - 0:17森の小道を歩いていた時
突然強い衝撃を感じ -
0:17 - 0:182度目の衝撃を受けた時
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0:18 - 0:20私は地面に倒れました
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0:20 - 0:22何が当たったのか
全く分かりませんでした -
0:22 - 0:27後で分かったのは
あるお宅の庭の門を開けた瞬間 -
0:27 - 0:31そこにいた野生の牡鹿が 歩道に沿って
私めがけて突進してきたということです -
0:32 - 0:35その鹿の角が
私の気管と食道を突き刺して -
0:35 - 0:38脊髄に至り 頚椎を折ったのです
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0:40 - 0:42親友が 私が倒れているのに気づきました
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0:42 - 0:45私は助けを求めて首の穿孔から
声にならない声を出していました -
0:45 - 0:47親友と見つめ合い
私は声を出すことができなかったのですが -
0:47 - 0:49親友は 思いを理解してくれました
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0:49 - 0:52彼女は言いました 「息をして 」
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0:53 - 0:57言われたとおり 息をすることに集中しながら
私はとても冷静でしたが -
0:57 - 0:59絶対死ぬと思っていました
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0:59 - 1:01どうも私はその状況に満足でした
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1:01 - 1:04私はそれまでいつだってベストを尽くそうと
努力してきたのですから -
1:04 - 1:07それで落ち着いて
呼吸を1回1回続ける作業に興じ -
1:07 - 1:09息を吸っては 吐いていました
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1:10 - 1:12救急車が到着した時
私には はっきりと意識があり -
1:12 - 1:15病院までの道のりにおける全てを分析しました
私は科学者ですから -
1:15 - 1:19道路を通るタイヤの音や
街灯の数 -
1:19 - 1:21やがて見えてきた街の灯り
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1:21 - 1:23それらを分析して
「助かるかも」と思いました -
1:23 - 1:25そして気を失いました
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1:26 - 1:30いったん近くの病院に搬送された後
ヘリコプターでグラスゴーまで運ばれました -
1:30 - 1:34そこで私の喉は治療され
私は昏睡状態に陥りました -
1:35 - 1:38昏睡状態に陥ってる間は
パラレルワールドにいました -
1:38 - 1:42『ウエストワールド』と『ブラック・ミラー』を
滅茶苦茶に混ぜたような世界でした -
1:42 - 1:44それはまた別の話ですが
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1:44 - 1:48地元のテレビ局は病院の前から
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1:48 - 1:51ケンブリッジの科学者が昏睡状態に陥ったと
生中継で伝えましたが -
1:51 - 1:55その科学者の生死やケガの程度についての
情報は得ていませんでした -
1:56 - 1:591週間後
私は昏睡状態から目覚めました -
2:00 - 2:02目覚めたこと自体 奇跡でしたが
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2:02 - 2:05さらに奇跡的なことに
思考機能や運動機能 -
2:05 - 2:07呼吸機能や
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2:07 - 2:09摂⾷嚥下機能にも
障害が残りませんでした -
2:09 - 2:123ヶ月半でそれらの機能は
回復したのです -
2:12 - 2:15ですが元に戻せないものが
1つありました -
2:15 - 2:17プライバシーです
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2:17 - 2:19ジェンダーにまつわる記事を
タブロイド紙は掲載しました -
2:19 - 2:23私はトランスジェンダーなんです
大した事実ではありません -
2:23 - 2:27まあ この髪の色や靴のサイズには
関心を持たれるでしょうが -
2:27 - 2:29前回ここでお話をした時―
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2:29 - 2:30(拍手)
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2:30 - 2:31その時は―
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2:31 - 2:32(拍手)
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2:32 - 2:35ジェンダーの話など面白くないので
その話はしませんでした -
2:36 - 2:39しかしあるスコットランドの新聞には
こんな見出しの記事が載りました -
2:39 - 2:41「オスの鹿に突き刺されたおネエの科学者」
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2:41 - 2:44他にも5紙が同じような見出しを
付けていました -
2:44 - 2:45一瞬 憤りを覚えましたが
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2:45 - 2:48すぐに落ち着き
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2:48 - 2:51そして頭によぎったのは
「敵に回してはいけない女に歯向い -
2:51 - 2:53いずれ寝首をかかれる者たち」
という文言です -
2:53 - 2:55(笑)
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2:55 - 2:56私は 親切な忍者です
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2:56 - 2:58忍者がすることを
ちゃんとは知りませんが -
2:58 - 3:01勝手なイメージでは 暗がりの中を
こっそり通り抜け 下水道管を這い -
3:01 - 3:03屋根伝いに走り
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3:03 - 3:05知らぬ間に人の背後に迫る存在です
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3:05 - 3:07忍者は敵の前に現れませんし
抗議活動もせず -
3:07 - 3:091つのプランに とことん集中します
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3:09 - 3:11私も病院のベッドの上で
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3:11 - 3:14他の人の身に こんなことが
起きることを減らすための -
3:14 - 3:16計画を考えました
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3:16 - 3:21やり方としては 現行の仕組みを利用し
自分のプライバシーを犠牲にします -
3:21 - 3:25新聞社が百万人に伝えたことを
1千万人に伝える計画です -
3:25 - 3:27怒っている人間に対しては
人は守りを固めると考え -
3:27 - 3:29新聞社を攻撃はしなかったので
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3:29 - 3:30彼らは防衛的ではありませんでした
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3:30 - 3:34私は親切で冷静な内容の手紙をしたため
新聞社に送りました -
3:34 - 3:38米国で言えば『FOXニュース』のような
英国の The Sun紙は -
3:38 - 3:40私の「穏当な要求」に対して
お礼を言ってきました -
3:41 - 3:45私が求めたのは 謝罪や 記事の撤回や
損害賠償金ではなく -
3:45 - 3:47自分たちが報道倫理違反を
犯したことを認め -
3:47 - 3:50あんな書き方は間違っていたと
認めることでした -
3:51 - 3:55一連のやりとりの中で
私は記者たちについて知り -
3:55 - 3:57記者たちは私のことを知り始めました
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3:57 - 3:59私たちは奇妙にも友達になりました
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3:59 - 4:03以来 The Sun紙のフィリッパと
ワインを酌み交わすことさえしています -
4:03 - 4:063ヶ月後 その新聞社は
要求を全て受け入れ -
4:06 - 4:08ある金曜日に謝罪声明が
発表されて -
4:08 - 4:09この件は結末を迎えました
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4:09 - 4:10新聞社にとっては 結末でした
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4:11 - 4:14次の日 私は夕方のニュースに
出演しました -
4:14 - 4:18「英国紙6社が報道倫理違反を認める」
と銘打ったコーナーでした -
4:18 - 4:19司会者に
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4:19 - 4:24「事実をショッキングに表現することが
記者の仕事だとは思いませんか」と聞かれ -
4:24 - 4:28こう答えました「鹿に角を刺されて
森の地べたに倒れたんです -
4:28 - 4:30それで十分ショッキングでは?」
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4:30 - 4:33(笑)
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4:33 - 4:35そこで今度は自ら見出しを考えました
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4:35 - 4:36気に入ったのはこうです
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4:36 - 4:40「鹿は私の喉を踏みつけ
新聞が私のプライバシーを踏みにじった」 -
4:40 - 4:44その日のBBCニュース・オンラインでは
アクセス数ナンバーワン記事でした -
4:44 - 4:45とても愉快でした
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4:46 - 4:48意見をメディアで
表明したその週が終わり -
4:48 - 4:51新しい声と意見を言う機会を
得た私は -
4:51 - 4:53愛と思いやりのメッセージを
広め始めました -
4:54 - 4:57新聞社や記者に
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4:57 - 4:59怒りや憎悪を抱いた瞬間に
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4:59 - 5:02私は自分の中に その人たちに対する
偏狭な考えがあるのに気づかされました -
5:03 - 5:07批判に走ることなく
その人たちと対話をする必要がありました -
5:07 - 5:10私はその人たちを理解しようと努め
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5:10 - 5:12そうすることにより
自分のことも理解されるようになりました -
5:13 - 5:18半年後 報道を規制する委員会に入るよう
要請がありました -
5:19 - 5:22それから年に何回か Daily Mail紙の編集者
ポール・デイカーたちと -
5:22 - 5:26お茶とお菓子を囲み
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5:26 - 5:28「ところでケイト 最近どう?」
なんて聞かれています -
5:29 - 5:30私は彼らを尊敬しています
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5:30 - 5:34そして今 私は 議決権を持つ3人の
市民代表委員のうちの1人です -
5:34 - 5:36私が他の人と違うからではなく
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5:36 - 5:39私の意見が他の人の意見と同様に
重要だからです -
5:40 - 5:41皮肉なことに
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5:41 - 5:44時々 斜陽業界である印刷業界の方から
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5:44 - 5:46会いたいと言われます
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5:46 - 5:47TEDで話した
インタラクティブ印刷 -
5:47 - 5:53その技術が業界の起死回生に
つながると -
5:53 - 5:55考える人がいるのです
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5:55 - 5:58自分の中の偏狭な考えに用心して
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5:58 - 6:00敵の中から友達を作りましょう
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6:00 - 6:01ありがとうございました
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6:01 - 6:05(拍手)
- Title:
- 新聞にプライバシーを踏みにじられた私がいかに巻き返しを図ったか
- Speaker:
- ケイト・ストーン
- Description:
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恐ろしい出来事に見舞われたケイト・ストーンは、タブロイド紙に面白おかしく書き立てられた後、自分のストーリーを語る主導権を握り、さらに人々が自分と同じようにプライバシーを失うのを防ぐ助けになる方法を模索しました。ストーンがどのように自らの手で名誉を回復したのか、ユーモアと勇気に満ちた、プライベートな内容のトークが教えてくれます。
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 06:18
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