Return to Video

ラリー・ブリリアントが挑むパンデミック阻止

  • 0:00 - 0:02
    私は世界でいちばん運がいい
  • 0:03 - 0:07
    殺人的な天然痘が世界から消える瞬間に立ち会い
  • 0:07 - 0:09
    この1年滞在していたインドでは
  • 0:09 - 0:13
    世界最後とも思われるポリオ患者に会いました
  • 0:15 - 0:19
    こうした活動に携わる中で
  • 0:19 - 0:23
    この上なく幸せで誇らしいことは
  • 0:23 - 0:26
    恐怖が二度と繰り返されないと分かることです
  • 0:27 - 0:29
    (拍手)
  • 0:31 - 0:34
    悲惨な写真を少しご紹介します
  • 0:34 - 0:40
    目を覆うような写真ですが 楽観的に見てください
  • 0:40 - 0:45
    写真から受ける恐怖は やがて
  • 0:45 - 0:49
    二度と生じないという希望に満ちた結末で打ち消されます
  • 0:50 - 0:54
    まずは少し私の経験をお話しましょう
  • 0:55 - 0:58
    私の経験は、世間の一般的な医学教育とは
  • 0:58 - 1:00
    違っています
  • 1:02 - 1:05
    サンフランシスコでインターンとして働いていたとき
  • 1:05 - 1:08
    アルカトラズ島を占拠したアメリカ先住民の話を
  • 1:08 - 1:10
    耳にしました
  • 1:10 - 1:13
    ある女性が島内で出産したがっていたのですが
  • 1:13 - 1:17
    出産を介助しに行く医者はいなかったのです
  • 1:17 - 1:20
    そこで私がアルカトラズ島に行って 数週間住み込み
  • 1:21 - 1:24
    出産を介助し 赤ん坊を取り出し 島を離れました
  • 1:24 - 1:28
    サンフランシスコに戻ると 多くの報道陣に囲まれました
  • 1:28 - 1:32
    3週間の滞在が私を先住民問題の専門家に変えたのです
  • 1:33 - 1:35
    あらゆるテレビ番組に出演したところ
  • 1:35 - 1:38
    テレビを見た人から映画に出ないかと電話を受けました
  • 1:38 - 1:41
    サンフランシスコからイングランドまで
  • 1:41 - 1:44
    バスで旅する大勢のロックスターたちを相手にする --
  • 1:44 - 1:48
    医者の役でしたので いいよと返事をして出演しました
  • 1:48 - 1:52
    そういうわけで ひどい映画に医者として出演したのです
  • 1:52 - 1:55
    「メディスンボールキャラバン」です
  • 1:55 - 1:57
    1960年代といえば
  • 1:57 - 2:00
    バスに乗る人か 乗らない人かに分かれます
  • 2:00 - 2:03
    バスに乗るタイプだった私は 37歳で妻とバスに乗り
  • 2:03 - 2:06
    サンフランシスコからロンドンまで旅をしました
  • 2:06 - 2:10
    三度もバスを乗り換えながら
  • 2:10 - 2:13
    トルコ イラン アフガニスタン カイバル峠を越え
  • 2:13 - 2:18
    他の若い医者と同じようにして パキスタンに入りました
  • 2:18 - 2:20
    カイバル峠でバスを背に撮った写真です
  • 2:20 - 2:23
    カイバル峠を越えるのは大変でしたが
  • 2:24 - 2:26
    ついにインドで終末を迎えました
  • 2:27 - 2:29
    我々の世代なら誰もがやったように
  • 2:29 - 2:31
    ヒマラヤの修道院に移り住んだのです
  • 2:31 - 2:33
    (笑い)
  • 2:35 - 2:37
    医大生が経験するような
  • 2:37 - 2:39
    研修医制度にそっくりです
  • 2:39 - 2:45
    カロリババという導師の元で修行していたのですが
  • 2:45 - 2:48
    やがて僧衣を脱ぐように言われ
  • 2:48 - 2:50
    三つ揃いのスーツを着させられ
  • 2:50 - 2:53
    外交官として国連に参加して --
  • 2:53 - 2:56
    WHOで働くようにと勧められました
  • 2:56 - 3:00
    導師は天然痘が根絶されるというとんでもない預言をし
  • 3:00 - 3:03
    それは研究者の献身により
  • 3:03 - 3:06
    神様から授かるのだと説いたのです
  • 3:06 - 3:11
    預言は現実となりました このラヒマ バヌという少女は
  • 3:11 - 3:15
    世界最後の天然痘患者です
  • 3:15 - 3:20
    こちらは国際委員会が署名した --
  • 3:20 - 3:25
    史上初めて病気が根絶されたことを証明する書類です
  • 3:26 - 3:32
    天然痘の根絶に重要なことは 早期発見 早期対応でした
  • 3:32 - 3:36
    皆さんも言ってみてください 早期発見 早期対応です
  • 3:36 - 3:38
    繰り返してください
  • 3:38 - 3:40
    早期発見 早期対応
  • 3:40 - 3:43
    天然痘は史上最悪の病気です
  • 3:43 - 3:46
    史上すべての戦争よりも多くの人を殺し
  • 3:46 - 3:51
    20世紀には5億人を殺しました
  • 3:52 - 3:55
    ラリー ペイジのところを読んで笑ったのでしょうね
  • 3:55 - 3:57
    読むのが速い人がいますね(笑い)
  • 3:57 - 4:00
    ラリー ペイジとセルゲイ ブリンには
  • 4:00 - 4:03
    思い入れもあり 新しく提携をすることになりました
  • 4:03 - 4:05
    彼らの生まれた年は
  • 4:05 - 4:08
    200万人が天然痘で亡くなっていましたが
  • 4:08 - 4:12
    1980年には天然痘の根絶が宣言されました
  • 4:13 - 4:17
    こちらは公衆衛生を語る上で最も重要なスライドです
  • 4:17 - 4:21
    見て分かるとおり 世界一裕福で権力が強くても
  • 4:21 - 4:23
    世界を支配する王や女王であっても
  • 4:23 - 4:25
    天然痘による死から逃れられないのです
  • 4:25 - 4:29
    私たちもその一員なのは疑いようがありません
  • 4:30 - 4:34
    高見に座わりながら天然痘を眺めるのは
  • 4:34 - 4:36
    良くありません
  • 4:36 - 4:39
    病に犯されていく子供をただ無力に見守るしかない --
  • 4:39 - 4:43
    母親の立場で見てください
  • 4:43 - 4:54
    1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目
  • 4:54 - 4:57
    皆さんは母親です 子供たちを見守ってください
  • 4:57 - 5:02
    6日目に吹き出物が硬くなります
  • 5:02 - 5:08
    7日目には典型的ともいえる天然痘のくぼみが現れます
  • 5:08 - 5:09
    そして8日目
  • 5:09 - 5:14
    アル ゴア氏の話では 世界一多く被写体となり --
  • 5:14 - 5:16
    世界で一番多く印刷されたのは
  • 5:16 - 5:19
    地球だということでしたが
  • 5:19 - 5:22
    これを撮影した1974年に 一番多く印刷されたのは
  • 5:22 - 5:24
    この写真でした
  • 5:24 - 5:27
    20億枚 印刷されて
  • 5:27 - 5:30
    手から手に 家から家へと配り 写真を見せて
  • 5:30 - 5:35
    家庭に天然痘の人がいないか訪ね回りました
  • 5:35 - 5:39
    それが私たちの監視手法だったのです グーグルもなく
  • 5:39 - 5:42
    ウェブ巡回もせず コンピューターもない時代でした
  • 5:43 - 5:48
    9日目です 皆さんは恐ろしいと感じるでしょうが
  • 5:48 - 5:50
    私なら「助かった」と思います
  • 5:50 - 5:54
    ごく普通の天然痘だとはっきりして
  • 5:54 - 5:56
    生きられると分かるからです
  • 5:57 - 6:02
    13日目までに傷がかさぶたとなり まぶたが腫れますが
  • 6:02 - 6:06
    二次感染がないことが分かります
  • 6:06 - 6:11
    20日目です 跡が一生残りますが 生きていけます
  • 6:11 - 6:15
    これとは違ったかたちの天然痘もあります
  • 6:15 - 6:17
    融合性痘瘡です
  • 6:17 - 6:21
    体は指一本分の隙間もなく
  • 6:21 - 6:24
    斑点で覆われています
  • 6:24 - 6:28
    フラット天然痘の患者は100パーセント死亡しました
  • 6:28 - 6:32
    出血性痘瘡はいちばん残酷で
  • 6:32 - 6:35
    妊婦がかかりやすいのです
  • 6:35 - 6:39
    私が診察した50人程の女性が出血性痘瘡で亡くなりました
  • 6:39 - 6:42
    私が知る限り 妊婦以外の死亡例はありません
  • 6:44 - 6:47
    1967年にWHOは病気の根絶を目指して
  • 6:47 - 6:49
    とてつもない計画に着手しました
  • 6:49 - 6:53
    この年には34か国に天然痘患者がいました
  • 6:53 - 6:57
    1970年までには 18か国に減り
  • 6:57 - 6:59
    1974年には 5か国に減りましたが
  • 6:59 - 7:04
    この年 インド中に天然痘が蔓延しました
  • 7:04 - 7:09
    天然痘が最後に戦いを挑んだのがインドなのです
  • 7:09 - 7:12
    1974年にはインドは6億人をかかえ
  • 7:12 - 7:15
    言語的に21州に分かれていました
  • 7:15 - 7:18
    つまり21の国があるような状態でした
  • 7:18 - 7:21
    道にはいつもバスや電車に乗ったり歩いたりする人が
  • 7:21 - 7:27
    2千万人おり 50万の村に 1億2千万世帯ありました
  • 7:27 - 7:32
    しかし天然痘患者が家にいることを誰も報告しません
  • 7:32 - 7:35
    天然痘は神の訪れだと考えられていたからです
  • 7:35 - 7:37
    冷の神シタラ マタです
  • 7:37 - 7:41
    神が家にいる間は 客人を招いてはいけないので
  • 7:41 - 7:46
    誰も天然痘を報告しようとは思わなかったのです
  • 7:46 - 7:49
    天然痘の神がいるのはインドに限りません
  • 7:49 - 7:53
    天然痘の神は世界中にいます
  • 7:53 - 7:58
    天然痘の根絶のために 完璧に予防接種しても無駄です
  • 7:58 - 8:00
    すべてのインド国民に予防接種できても
  • 8:00 - 8:03
    翌年には2100万人の赤ん坊が生まれてくるのです
  • 8:03 - 8:05
    これはカナダの人口に匹敵します
  • 8:05 - 8:08
    だから全員に予防接種をするやり方はとりません
  • 8:08 - 8:11
    世界中で同時に天然痘患者を一人一人見つけだして
  • 8:11 - 8:14
    その周りを免疫の輪で囲わないといけません
  • 8:14 - 8:16
    私たちはそれをやったのです
  • 8:17 - 8:20
    インドだけで15万人の仲間とともに
  • 8:20 - 8:24
    先ほどの写真を手に インド中のすべての家を
  • 8:24 - 8:28
    一軒ずつ訪ね回りました 10億軒以上訪問しました
  • 8:29 - 8:33
    その過程で とても大切なことを学びました
  • 8:33 - 8:36
    戸別調査をするといつも
  • 8:37 - 8:42
    天然痘の報告数が跳ね上がるのです
  • 8:43 - 8:47
    調査をしないときは患者がいないような錯覚に陥りますが
  • 8:47 - 8:51
    調査をするとぐっと増えるのです
  • 8:52 - 8:54
    だから監視する体制が必要でした
  • 8:54 - 8:59
    早期発見 早期対応が大切だからです
  • 9:01 - 9:04
    調査に調査を重ねて インドの天然痘患者を
  • 9:04 - 9:07
    すべて把握しました 報奨金も出しました
  • 9:07 - 9:11
    報奨金をどんどん上げ続けて
  • 9:11 - 9:15
    家庭ごとに得点をつけたりしました
  • 9:15 - 9:20
    すると 世界中からの報告数がゼロになりましたので
  • 9:20 - 9:26
    1980年に 天然痘が根絶したと宣言したのです
  • 9:26 - 9:32
    イラク戦争前に国連が実施した最大規模の活動でした
  • 9:32 - 9:37
    世界中から15万人の医者が
  • 9:37 - 9:40
    人種 宗教 文化 国を問わず集まって
  • 9:40 - 9:45
    いがみ合うのではなく 兄弟姉妹のように力を合わせて
  • 9:45 - 9:50
    世界を良くしようという共通の目的を掲げて戦ったのです
  • 9:51 - 9:55
    実は 天然痘は根絶を目指した4番目の病気です
  • 9:55 - 9:57
    他の3回は失敗でした
  • 9:57 - 10:00
    マラリア 黄熱病 いちご腫で失敗しましたが
  • 10:00 - 10:04
    ポリオは近いうちに根絶できそうです
  • 10:04 - 10:09
    ポリオ根絶に重要なのは 早期発見 早期対応です
  • 10:10 - 10:13
    今年にもポリオ根絶を宣言できるかもしれません
  • 10:13 - 10:16
    そうなれば史上2番目となります
  • 10:16 - 10:20
    デイビッド ヘイマンが ウェブ配信で見ています
  • 10:20 - 10:25
    デイビッド もう少し頑張ってくれ あと残り4か国だ
  • 10:25 - 10:30
    (拍手)
  • 10:31 - 10:35
    バリーボンズに本塁打記録を抜かれるハンクアーロンのような気分です
  • 10:35 - 10:40
    不安の元となる悲惨な病気を もう一つ根絶させましょう
  • 10:40 - 10:43
    インドでポリオ監視計画を実行していましたが
  • 10:43 - 10:49
    ポリオ監視計画は400万人が一軒一軒訪ね歩くものです
  • 10:49 - 10:51
    それが監視計画です
  • 10:51 - 10:55
    早期発見 早期対応が大切です
  • 10:55 - 10:59
    失明も同じです 失明した人を見つけ出す鍵は
  • 10:59 - 11:04
    疫学的調査を行って失明の原因を探ることです
  • 11:04 - 11:06
    そうすれば適切な対応をとることができます
  • 11:07 - 11:11
    セヴァ財団を始めようと集まったのは
  • 11:11 - 11:14
    天然痘根絶計画に携わった人たちでした
  • 11:14 - 11:17
    世界一困難な山に立ち向かい
  • 11:17 - 11:22
    病気の根絶成功という大きな喜びを味わった人たちが
  • 11:22 - 11:24
    もう一度立ち上がったのです
  • 11:24 - 11:28
    この27年以上 15か国に及ぶセヴァ財団の活動により
  • 11:28 - 11:32
    200万人以上の失明者が視力を回復しました
  • 11:32 - 11:36
    セヴァ財団を立ち上げたのは
  • 11:36 - 11:38
    監視と疫学から学んだ教訓を
  • 11:38 - 11:41
    公衆衛生の問題としては注目されてこなかった --
  • 11:41 - 11:44
    失明に適用したかったからです
  • 11:44 - 11:47
    失明はそれまで臨床疾患として検討されてきただけでした
  • 11:47 - 11:53
    1980年に スティーブ ジョブズ氏がくれたコンピューターの
  • 11:53 - 11:56
    Apple number 12は今でもカトマンズで使われています
  • 11:56 - 12:00
    オークションにかければセヴァの資金になるかも知れませんね
  • 12:01 - 12:05
    ネパールでは史上初めて公衆衛生の調査を行いました
  • 12:05 - 12:08
    失明に関する初めての全国調査で
  • 12:08 - 12:10
    驚愕の結果が得られました
  • 12:10 - 12:13
    予想とは違って
  • 12:13 - 12:17
    失明の原因は 主として緑内障とトラコーマでした
  • 12:17 - 12:23
    白内障が原因ではないことに驚愕しました
  • 12:23 - 12:28
    そこに何があるか知らなければ治療も予防も不可能です
  • 12:30 - 12:34
    お配りしたTEDのDVDには「無限の視野」という
  • 12:34 - 12:37
    ドクターVとアーヴァインド眼科病院の話が入っています
  • 12:37 - 12:39
    ぜひご覧ください
  • 12:39 - 12:41
    セヴァの活動として始まった --
  • 12:41 - 12:44
    アーヴァインドは 今では世界最大で最高の眼科病院です
  • 12:44 - 12:47
    今年 この病院だけで インドのタミール ナドゥ州の
  • 12:47 - 12:51
    30万人の視力を回復させました
  • 12:51 - 12:55
    (拍手)
  • 12:55 - 12:59
    私は深刻な病気のすべてに責任を負っていますが
  • 12:59 - 13:01
    鳥インフルエンザは最悪です
  • 13:02 - 13:06
    鳥インフルエンザのパンデミックを防ぎ 抑制するには
  • 13:06 - 13:09
    早期発見 緊急対処が重要です
  • 13:09 - 13:14
    今後3年間に鳥インフルエンザが流行しても
  • 13:14 - 13:18
    十分に対処できる量の抗ウイルス薬がないのです
  • 13:18 - 13:22
    WHOはパンデミックの進行状況を段階分けしています
  • 13:22 - 13:26
    現在は 警戒レベル3です
  • 13:26 - 13:30
    人から人への感染がごくわずかに起こっていますが
  • 13:30 - 13:34
    人から人 さらに人へと継承していく感染は見られません
  • 13:34 - 13:38
    WHOが警戒レベル4に移行したと発表するときには
  • 13:38 - 13:43
    ハリケーンと違い 全世界が止まります
  • 13:43 - 13:45
    飛行機は飛びません
  • 13:45 - 13:48
    咳やくしゃみをする見知らぬ250人と搭乗できますか?
  • 13:48 - 13:51
    死ぬかもしれない病気の患者が混じっているかもしれず
  • 13:51 - 13:53
    抗ウイルス薬やワクチンが手に入らないと
  • 13:53 - 13:55
    分かっていて乗れますか?
  • 13:56 - 14:01
    10月に世界的な伝染病学者と研究会を開きました
  • 14:01 - 14:05
    インフルエンザを扱う学者や専門家の人たちに
  • 14:05 - 14:08
    皆さんが聞きたいような質問を投げかけました
  • 14:08 - 14:11
    パンデミックが起こる可能性は?
  • 14:11 - 14:14
    起こったら 被害はどの程度になるでしょう?
  • 14:14 - 14:19
    15パーセントの人が 3年以内に起こると答えましたが
  • 14:19 - 14:21
    さらに悪いことに
  • 14:21 - 14:24
    90パーセントの人が予想したところによれば
  • 14:24 - 14:27
    皆さんの子や孫の世代でパンデミックが起こり --
  • 14:28 - 14:31
    パンデミックが起これば
  • 14:32 - 14:34
    10億人が病気にかかり
  • 14:35 - 14:38
    1億6500万人が死亡するというのです
  • 14:38 - 14:41
    世界規模で景気が後退し 不況に陥ります
  • 14:41 - 14:43
    カンバン方式の生産システムが崩壊し
  • 14:43 - 14:46
    世界を結束しているゴムバンドが崩壊するからです
  • 14:47 - 14:51
    世界経済が1兆から3兆ドルを負担するというのは
  • 14:51 - 14:56
    単に1億人が死ぬより はるかに深刻な問題となります
  • 14:56 - 14:59
    なぜなら それほど多くの人が失業者に加わって
  • 14:59 - 15:01
    医療給付金を受け取れなくなれば
  • 15:01 - 15:03
    先行きがほぼ見えなくなるからです
  • 15:05 - 15:09
    移動手段が発達して事態は悪化しつつあります
  • 15:12 - 15:16
    パンデミックの様子をシミュレーションで見てみましょう
  • 15:17 - 15:19
    そうすればよく分かります
  • 15:20 - 15:24
    最初の発生地を南アジアだとしましょう
  • 15:25 - 15:27
    最初はゆっくりと広がります
  • 15:27 - 15:30
    2か所または3か所に広がった後で
  • 15:32 - 15:37
    二次的な流行が起こって 国から国へと病気が広まります
  • 15:37 - 15:41
    あまりに速くて 何が起こっているか分からないほどです
  • 15:41 - 15:45
    3週間以内には 世界全土に広がります
  • 15:45 - 15:51
    でも 取り消しボタンで最初に戻って 病気を隔離できて
  • 15:51 - 15:54
    初期に捕捉できたらどうでしょう? 早期に発見して
  • 15:54 - 15:57
    早期発見 早期対応を実行して
  • 15:57 - 16:00
    各状況でウイルスを封印できたらどうでしょう?
  • 16:00 - 16:05
    パンデミックに対処するにはそれしかないのです
  • 16:07 - 16:09
    理由を説明しましょう
  • 16:10 - 16:14
    あるジョークがあります この曲線がパンデミックです
  • 16:14 - 16:16
    医学関係者なら分かるでしょうが
  • 16:16 - 16:20
    疫学者は この時点でパンデミックに気づいて
  • 16:20 - 16:23
    下り坂で栄誉を手にしたがるというのです
  • 16:24 - 16:26
    でも普通はそうではありません
  • 16:26 - 16:29
    たいてい初期に気づきます
  • 16:29 - 16:34
    実際初期に見つけて パンデミックを防ぎたいのですが
  • 16:34 - 16:37
    いつもできるとは限りません ところが --
  • 16:37 - 16:42
    初期事例の発生時期を知る方法を見つけた組織があります
  • 16:42 - 16:44
    GPHIN --
  • 16:44 - 16:47
    世界公衆衛生情報ネットワークです
  • 16:47 - 16:51
    先ほどのシミュレーションは鳥インフルエンザではなく
  • 16:51 - 16:55
    SARSです SARSはパンデミックに至りませんでした
  • 16:55 - 17:02
    WHOが実際に発表する3か月前に
  • 17:02 - 17:08
    GPHINがSARSの予兆を見つけていたから
  • 17:08 - 17:12
    パンデミックを防ぐことができたのです
  • 17:12 - 17:17
    GPHINとロン セイント ジョンに感謝しましょう
  • 17:17 - 17:20
    会場に来ているといいのですが あちらにいますね
  • 17:20 - 17:22
    GPHINの設立者です
  • 17:22 - 17:23
    (拍手)
  • 17:23 - 17:25
    やあロン
  • 17:25 - 17:33
    (拍手)
  • 17:33 - 17:37
    TEDがGPHINのあるオタワからロンを呼んだのは
  • 17:38 - 17:43
    GPHINがSARSを早期発見したからだけではなくて
  • 17:43 - 17:49
    先週 イランで発表された鳥インフルエンザの発生を
  • 17:49 - 17:55
    2月14日ではなく 昨年9月に発見していたからです
  • 17:55 - 17:57
    早期警告システムこそ
  • 17:57 - 18:02
    私たちを人類最悪の悪夢から守るために必要なのです
  • 18:02 - 18:08
    私のTED精神を支えるのは 以上の経験の共通点です
  • 18:08 - 18:10
    天然痘での 早期発見 早期対応
  • 18:10 - 18:14
    失明やポリオでの 早期発見 早期対応
  • 18:14 - 18:19
    鳥インフルエンザのパンデミックも 早期発見 早期対応 -- 同じことの繰り返しです
  • 18:19 - 18:24
    こういった新しい病気に対処するには 間違いなく
  • 18:24 - 18:29
    早期に発見して 拡大前に消滅させるしかありません
  • 18:29 - 18:33
    私のTED精神は 皆さんのために 世界規模で
  • 18:33 - 18:35
    早期警告システムを作って
  • 18:35 - 18:39
    人類最悪の悪夢から守るための手助けをすることです
  • 18:39 - 18:44
    早期警告 (ED) と名付けようかと思いましたが
  • 18:46 - 18:51
    統合早期警告 (TED) と呼ぶべきでしょうか
  • 18:51 - 18:53
    (笑い)
  • 18:53 - 19:01
    (拍手)
  • 19:06 - 19:08
    冗談は抜きにして
  • 19:08 - 19:11
    このアイデアはTEDで生まれたのですから
  • 19:11 - 19:17
    TEDの遺産にしたいと思います
  • 19:17 - 19:22
    国際的全疾患早期発見システムと名付けましょう
  • 19:26 - 19:30
    INSTEDDがこれからのスローガンです
  • 19:33 - 19:36
    知らぬ間に鳥インフルエンザが爆発的に拡大しないよう
  • 19:36 - 19:38
    見つけ出して すぐに封じ込めます
  • 19:39 - 19:43
    バイオテロやバイオエラーで新しいウイルスが出回ったり
  • 19:43 - 19:48
    連続変異や不連続変異が起こる前に見つけて封じます
  • 19:48 - 19:53
    石油漏出やボパール化学工場の大事故のような産業災害を
  • 19:53 - 19:57
    見つけ出して対応します
  • 19:57 - 20:03
    手遅れになる前に飢饉を見つけ出して対応します
  • 20:04 - 20:06
    政府が所有して
  • 20:06 - 20:10
    政府の陰に隠れてしまうシステムではなく
  • 20:10 - 20:12
    世界中の誰もが各自の言葉で
  • 20:12 - 20:16
    自由に利用できるような早期発見システムを作りましょう
  • 20:17 - 20:21
    透明性があって 政府に所有されず
  • 20:22 - 20:25
    どの国にも どの企業にも属さず
  • 20:25 - 20:28
    中立国に拠点があって
  • 20:28 - 20:32
    どの時間帯でも どの大陸でも利用できる冗長性がある
  • 20:32 - 20:36
    そんなGPHINにしましょう GPHINから始めましょう
  • 20:36 - 20:41
    巡回するウェブサイトを今の2万から2千万に増やして
  • 20:41 - 20:47
    対象言語を今の7言語から70言語以上に増やしましょう
  • 20:47 - 20:50
    テキストや SMSや インスタントメッセージで
  • 20:50 - 20:54
    外部に向けて確認メッセージを送れるようにして
  • 20:54 - 20:58
    噂になっている地域の100メートル以内にいる人から
  • 20:58 - 21:00
    真偽を聞き出せるようにしましょう
  • 21:00 - 21:02
    衛星で送れるようにもしましょう
  • 21:02 - 21:06
    Gapminderのすばらしいグラフィックを使って発表します
  • 21:06 - 21:10
    世界に通じる道徳的な力として育て
  • 21:10 - 21:15
    他の誰よりも先に 恐ろしい病気を発見し
  • 21:15 - 21:19
    対応に力を注いでいくのです そうすれば来年には
  • 21:19 - 21:21
    ここに集まって
  • 21:21 - 21:24
    世界にどれだけ恐ろしい病気が蔓延したか嘆くのではなく
  • 21:24 - 21:27
    力を合わせて 優れた能力を発揮し
  • 21:27 - 21:31
    この社会のすばらしい力を活用して
  • 21:31 - 21:34
    パンデミックや大災害を全力で阻止したと誇れるはずです
  • 21:34 - 21:39
    世界を変えるのです たった今から
  • 21:39 - 21:57
    (拍手)
  • 21:58 - 22:02
    すばらしい講演でした
  • 22:02 - 22:06
    皆さんお聞きのとおり 新しいWebクローラーを作って
  • 22:06 - 22:11
    インターネットを巡回して兆候を探ると言いわれましたね
  • 22:11 - 22:17
    WHOよりも 誰よりも先に 疑わしい情報を
  • 22:17 - 22:19
    見つけられるのですよね
  • 22:19 - 22:22
    本当に実現できるのか例示していただけますか?
  • 22:22 - 22:25
    その前に、著作権侵害を憎んでいたりしませんか?
  • 22:25 - 22:27
    いや 好きなほうです
  • 22:28 - 22:31
    あとでロン セイント ジョンと食事に行って
  • 22:31 - 22:34
    彼に聞いてほしいのですが
  • 22:34 - 22:40
    彼が1997年にGPHINを立ち上げたとき
  • 22:40 - 22:44
    香港で鳥インフルエンザが流行しました そのときは
  • 22:44 - 22:50
    香港の優秀な医者が鶏など150万羽を処理して
  • 22:50 - 22:53
    流行をその場で食い止めたのです
  • 22:53 - 22:56
    即座に発見して 即座に対応したのです
  • 22:56 - 22:58
    それから何年か過ぎて
  • 22:58 - 23:00
    鳥インフルエンザのうわさがたくさん出てきました
  • 23:00 - 23:04
    ロンは仲間たちとオタワで ウェブを巡回しはじめました
  • 23:04 - 23:09
    2万サイトだけで ほとんど定期情報サイトですが
  • 23:09 - 23:14
    高熱や鳥インフルエンザの症状が出たという
  • 23:14 - 23:17
    たくさんの子どもたちを心配する内容を目にしました
  • 23:17 - 23:22
    WHOに報告すると WHOの行動まで少し時間が必要でした
  • 23:22 - 23:27
    WHOは政府からの報告だけを受け取る機関だからです
  • 23:27 - 23:29
    WHOは国の共同体だからです
  • 23:29 - 23:33
    GPHINはWHOに対して 鳥インフルエンザのようだが
  • 23:33 - 23:37
    予期せぬ正体不明の病気が群をなしていると
  • 23:37 - 23:39
    指摘することができました
  • 23:39 - 23:41
    それがSARSでした
  • 23:41 - 23:43
    こうして世界にSARSを知らしめたのです
  • 23:43 - 23:47
    だからSARSを食い止められたのです
  • 23:47 - 23:50
    ここが重要なのですが GPHINができるまでは
  • 23:50 - 23:54
    飢饉でも 鳥インフルエンザでも
  • 23:54 - 23:57
    エボラ出血熱でも何であっても
  • 23:57 - 23:59
    世界中の悪い情報はすべて
  • 23:59 - 24:02
    国から報告されていました
  • 24:02 - 24:07
    オタワの連中が 年間80万ドルの予算で本気を出すと
  • 24:07 - 24:13
    世界の75パーセントの報告がGPHINから提供されたのです
  • 24:13 - 24:15
    他の180か国から集まった情報は
  • 24:15 - 24:17
    25パーセントでした
  • 24:18 - 24:20
    おもしろいのですが
  • 24:20 - 24:23
    GPHINが何年か活動したあとで
  • 24:23 - 24:26
    こういった国々がどうなったと思いますか?
  • 24:26 - 24:29
    みっともなく思って 早く報告するようになったのです
  • 24:29 - 24:32
    今ではGPHINの報告は50パーセントまで低下しました
  • 24:32 - 24:35
    他の国々が報告を始めたからです
  • 24:35 - 24:39
    ウェブを巡回すれば 病気を早期に発見できるか?
  • 24:39 - 24:44
    もちろんできます 今のGPHINよりも早く発見できるか?
  • 24:44 - 24:47
    もちろんできます SARS発見の時は
  • 24:47 - 24:51
    中国語で巡回したほうが
  • 24:51 - 24:55
    英語で巡回するより6週間も早く発見できたのです
  • 24:55 - 24:57
    7か国語でしか巡回していませんが
  • 24:57 - 25:00
    ひどいウイルスが まず英語 スペイン語 仏語でいこう
  • 25:00 - 25:02
    なんて絶対に思わないでしょう
  • 25:02 - 25:03
    (笑い)
  • 25:03 - 25:09
    だから GPHINに
  • 25:09 - 25:13
    世界中のあらゆる言語を組み入れたいのです
  • 25:13 - 25:15
    誰にでも使えるようにすれば
  • 25:15 - 25:18
    ナイロビや パトナや ビハールでも 保健衛生の担当官が
  • 25:18 - 25:23
    オタワやCDCにいるのと同じように情報を入手できます
  • 25:23 - 25:27
    人類最悪の悪夢を警戒する人が集まったコミュニティーを
  • 25:27 - 25:31
    私たちの文化に組み入れて
  • 25:31 - 25:33
    誰でも参加できるようにしたいのです
Title:
ラリー・ブリリアントが挑むパンデミック阻止
Speaker:
Larry Brilliant
Description:

2006年のTED Prizeを受賞したラリー・ブリリアントが、地球上から天然痘を根絶させた経緯を語り、拡大する前にパンデミックの気配を見つけ出して封じ込められるような地球規模の新しいシステムを提案します。

more » « less
Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDTalks
Duration:
25:33
Jenny Zurawell approved Japanese subtitles for My wish: Help me stop pandemics
Satoshi Tatsuhara added a translation

Japanese subtitles

Revisions