最も厳重な刑務所における詩 | フィル・ケイ | TEDxFoggyBottom
-
0:14 - 0:16皆さんこんにちは
-
0:18 - 0:22私の名はフィルといい
スポークンワードの詩人です -
0:22 - 0:26それが何を意味するのか
訝しく思うのは構いません -
0:26 - 0:28仕事は何をしているのか
尋ねられ -
0:28 - 0:31「詩人です」と答えると
-
0:31 - 0:34それが「求職中」の婉曲表現だと
取られるのは良くあることなので -
0:34 - 0:35(笑)
-
0:35 - 0:37でも詩人というのは
本当の話です -
0:37 - 0:41私は様々な学校や組織や地域に
出向いていって -
0:41 - 0:43あらゆる年齢層や背景の人を相手に
-
0:43 - 0:48スポークンワードのパフォーマンスをしたり
教えたりすることに多くの時間を費やしています -
0:48 - 0:49その多くは
-
0:49 - 0:52Project VOICEを
通じて行っていますが -
0:52 - 0:57これは素晴らしい友人にして優れた詩人の
サラ・ケイと共同で運営している組織です -
0:57 - 1:00今日は詩で
始めたいと思います -
1:01 - 1:03祖父についての詩です
-
1:03 - 1:05今日は私にとって特別な日で
-
1:05 - 1:10祖父は数年前に亡くなりましたが
生きていれば今日が誕生日でした -
1:10 - 1:12こんな詩です
-
1:14 - 1:18祖父は強い人ではないが
-
1:19 - 1:22築くことの意味を知っている
-
1:23 - 1:281947年に 祖父と大叔父たちは
第二次世界大戦から戻ってくると -
1:28 - 1:31軍払い下げ品の店を始めた
-
1:31 - 1:35彼らはその店を
「ユニオン払い下げ軍用品店」と名付けた -
1:35 - 1:36彼らの謳い文句は
-
1:36 - 1:41「戦艦からハンティングナイフまで
何でも揃えます」だった -
1:41 - 1:43祖父は強い人ではなかったが
-
1:43 - 1:45約束を必ず守った
-
1:45 - 1:49その場所は半分お店
半分百科事典で -
1:49 - 1:54いつか誰かが欲しがる
かもしれない奇妙な物が -
1:54 - 1:56天井まで詰まっていた
-
1:56 - 2:00鋼の爪先のブーツ
耐熱オーバーオール -
2:00 - 2:041947年チェコスロバキア製の
歯科セット -
2:04 - 2:07地下室まで詰まっていた
-
2:07 - 2:11よその誰かになら
忘れられてしまう人々も -
2:11 - 2:13ここでは違った
-
2:13 - 2:16たとえばリチャードだ
彼はそこで働いていたわけではなかったが -
2:16 - 2:21日曜の午後にはいつも
軍服にすっかり身を固めて現れ -
2:21 - 2:23決して何も買うことがなかった
-
2:23 - 2:24(笑)
-
2:24 - 2:29ただ1度だけ 小さな女の子の手を引いて
やってきたことがあり -
2:29 - 2:34「パパが英雄だった頃は
こんな臭いがしたんだよ」と言った -
2:34 - 2:36祖父は強い人ではなかったが
-
2:36 - 2:38私たちを守ってくれた
-
2:38 - 2:41夜 一緒に公園を
歩いていたとき -
2:41 - 2:44酒に酔った 入れ墨が
皮膚の空いた部分より多い男が -
2:44 - 2:47祖父の方に真っ直ぐ
歩いてくると言った -
2:47 - 2:48「よう とっつぁん!
-
2:48 - 2:52ガキの頃 親父がよくあんたの店に
連れてってくれたが -
2:52 - 2:55あんた 俺が大人みたいに
握手してくれたことがあったよな -
2:55 - 2:57今でも良く覚えているよ」
-
2:58 - 3:01祖父の事務所は
上の階にあったが -
3:01 - 3:05祖父は店で仕事するのを好み
誰にでも笑いかけた -
3:05 - 3:08みんな祖父のことを
「陽気なアル」と呼んだ -
3:08 - 3:12太鼓腹に 禿げ頭 長い白髭で
-
3:12 - 3:16小さな子なら 一目見て叫んだろう
「サンタクロース!」 -
3:16 - 3:17(笑)
-
3:17 - 3:22ユニオン払い下げ軍用品店ができて6年して
-
3:22 - 3:26祖父に息子ができた
私の父だ -
3:26 - 3:30父は強い人ではないが
築くことの意味を知っている -
3:30 - 3:33十代のある夏に
父はその店で働いて -
3:33 - 3:37裏にドアを作ったが
それは今も残っている -
3:37 - 3:42ユニオン払い下げ軍用品店ができて40年して
-
3:42 - 3:44父に息子ができた
-
3:44 - 3:46私は強い子供ではないが
-
3:46 - 3:49築くことの意味を学ぼうとしている
-
3:49 - 3:52十代のある夏に
私はその店で働いて -
3:52 - 3:56天井まである陳列を作り上げた
-
3:56 - 3:59父が物の見分け方を
教えてくれたのと同じ天井だ -
3:59 - 4:04「ああ これか
これは古いアメリカ軍の砲弾だ -
4:04 - 4:08持ってみたいと思うかもしれないが
怪我をしないように注意することだ -
4:08 - 4:12ああ あれか
あれは若いアメリカ娘だ -
4:12 - 4:15抱いてみたいと思うかもしれないが
怪我をしないように注意することだ」 -
4:15 - 4:17(笑)
-
4:17 - 4:21ドアを作ったすぐ後に
父はそれを通り抜け -
4:21 - 4:25自分の半分百科事典を作り上げ
祖父に誇らしく思わせた -
4:25 - 4:30自分の陳列を作り上げたすぐ後に
私は祖父の事務所に駆け上がって -
4:30 - 4:35出来上がったものを見せた
「いいなフィル とてもいい」 -
4:35 - 4:37次に何をしたらいいか聞くと
-
4:37 - 4:41祖父は私に古い紙と
くたびれたペンを渡した -
4:41 - 4:43それで何をするのか聞くと
-
4:43 - 4:46祖父はただ肩をすくめて笑い
-
4:46 - 4:51私は自分にやり方の分かる
唯一の道を築きはじめた -
4:52 - 4:54(拍手)
-
4:59 - 5:00ありがとうございます
-
5:00 - 5:02(拍手)
-
5:02 - 5:03ありがとう
-
5:03 - 5:07これはスポークンワードの
ひとつの例です -
5:07 - 5:11紙の上で読むためではなく
演じられるよう作られた詩です -
5:11 - 5:15スポークンワード詩を作るプロセスについて
聞かれることがありますが -
5:15 - 5:18他のものを作るのと
あまり違いません -
5:18 - 5:20草稿があり 改訂版があり
-
5:20 - 5:24そして願わくは 感想を聞かせてくれる
信頼できる人たちがいます -
5:24 - 5:28これは今日 私が話そうと
思っていることに関係しています -
5:28 - 5:30すこし時間を遡ります
-
5:30 - 5:342006年 私が大学に入ってすぐのころ
-
5:34 - 5:37スポークンワードは
何年かやっていましたが -
5:37 - 5:39ワークショップで教えたことは
ほとんどありませんでした -
5:39 - 5:42地元の刑務所で
ボランティアとして -
5:42 - 5:45スポークンワードを教える
機会を見つけました -
5:45 - 5:49友達が申し込むように強く勧めるので
やってみることにしました -
5:49 - 5:51正直に言うと その時は
-
5:51 - 5:54自分がどんなことをすることになるのか
良くわかっていませんでした -
5:54 - 5:58郊外で育った恵まれた若者が
最も厳重な刑務所に行くことの意味合いを -
5:58 - 6:00考えてはいなかったのです
-
6:00 - 6:05でも最初のワークショップに向かう車の中で
不安が頭をもたげ -
6:05 - 6:08ハンドルを握りながら
思いました -
6:08 - 6:12お前 何様のつもりだ?
何を話せばいいんだろう? -
6:12 - 6:17まじめに受け取ってもらえるのか?
自分に何が教えられるだろう? -
6:17 - 6:21会場に行くと
受刑者が1人ひとり入ってきました -
6:21 - 6:2316人いました
-
6:23 - 6:27握手をして
1人ずつ自己紹介をしました -
6:27 - 6:29マーカスが参加したのは
-
6:29 - 6:34数ヶ月後の結婚記念日のため
妻への詩を書きたいと思ったからです -
6:34 - 6:37グラハムは詩を書いたことは
ありませんでしたが -
6:37 - 6:40ラップが好きなので
やってみようと思ったのでした -
6:40 - 6:41それからティムがいて
-
6:41 - 6:46彼は椅子に深くもたれていましたが
肩に力が入っていて 眉をひそめ -
6:46 - 6:49私を真っ直ぐ見つめながら
言いました -
6:50 - 6:53「俺はティム
ただ聴きに来ただけだ -
6:53 - 6:59ただ 俺たちに教えるために連中が
あんたにいくら払ってるのかは ちょっと興味がある」 -
6:59 - 7:03私は本当のことを言いました
ボランティアで何ももらっていないと -
7:03 - 7:06彼は頷いて「ならいい」と言いました
-
7:07 - 7:11時間を進めます
ワークショップの4週目のことです -
7:11 - 7:14彼らはおよそあらゆることを
詩に書いてきました -
7:14 - 7:16刑務所のことだけ書く人もいました
-
7:16 - 7:21日課とか 待ち時間とか
二段ベッドの臭いとか -
7:21 - 7:23刑務所については
何も書かない人もいました -
7:23 - 7:26家族や 近所のこと
-
7:26 - 7:29角の店の山羊肉カレーのこと
-
7:29 - 7:33自分の潔白について書く人もいれば
自分の罪について書く人もいました -
7:34 - 7:38でも誰かが朗読しているときは
みんな静かにしていました -
7:38 - 7:40そのワークショップに
ゲイブという人がいました -
7:40 - 7:42ゲイブはイタリア人で
-
7:42 - 7:45彼の作には よく自分の出のことが
書かれていました -
7:45 - 7:47それは彼にとって
重要なことだったのです -
7:47 - 7:50感想を聞いた後
彼はまわりを見て言いました -
7:50 - 7:55「イタリア人以外の言葉なんかに
耳を貸したことはなかったが— -
7:55 - 7:56(笑)
-
7:56 - 7:59あんたらは すごく賢いってのがわかった」
-
8:00 - 8:02ゆっくりとした変化がありました
-
8:02 - 8:07私たちの間にあった壁が崩れはじめ
私たちはもう他人ではありませんでした -
8:07 - 8:095週目には
-
8:09 - 8:13以前は知らなかった人の隣に
彼らが座るようになりました -
8:13 - 8:147週目には
-
8:14 - 8:17みんな他の人への
肯定的な意見がたくさんあって -
8:17 - 8:18紙に書かなければ
なりませんでした -
8:18 - 8:21みんなに全部伝えられるだけの
時間がなかったからです -
8:21 - 8:229週目
-
8:22 - 8:25彼らは互いの詩を
引用するようになりました -
8:25 - 8:27私は依然よそ者であり
-
8:27 - 8:32年が自分の倍の人相手に刑務所で仕事する
うぶな若造に過ぎませんでしたが -
8:32 - 8:37ありのままの自分を受け容れて
もらえたことを ありがたく思いました -
8:37 - 8:40たとえ週に数時間であっても
-
8:40 - 8:41書き手の集まりの中にいて
-
8:41 - 8:45自分がもっと良くなれるよう
思ってくれる人たちの間にいるのが -
8:45 - 8:47どんなものか分かった
初めての経験でした -
8:47 - 8:51自分の弱い部分を
引き出してみんなに渡し -
8:51 - 8:56相手がそれを優しくこねて
前よりも良いものにして返してくれるのが -
8:56 - 8:57どんな感じか学びました
-
8:57 - 8:59そこは最も厳重な刑務所であり
-
8:59 - 9:04自分の書いたものを無防備にさらけ出すことになるとは
思いもしませんでした -
9:05 - 9:07話を進めます
-
9:07 - 9:1311週目 ワークショップの全員が
自分の詩を読んだわけではありませんでした -
9:13 - 9:18ティムは その場で最も考え深い
意見を言ってくれる人でしたが -
9:18 - 9:21自分の詩を持ってきたことは
ありませんでした -
9:21 - 9:23書くように言ったものか
わかりませんでした -
9:23 - 9:24このようなワークショップでは
-
9:24 - 9:28作品を持ってこないのには
様々な理由があります -
9:28 - 9:31学習障害や
読み書きの問題 -
9:31 - 9:36笑われることへの恐れ
教室外での暴力まで -
9:36 - 9:38でも11週目のワークショップの後
-
9:38 - 9:40ティムが少し一緒に
歩かないかと言いました -
9:40 - 9:42いいよと答えました
-
9:42 - 9:44しかし そう答えてすぐ
-
9:44 - 9:49ワークショップ会場から出口まで歩くには
中庭を通るしかないことに気付きました -
9:49 - 9:53中庭を一緒に歩くというのは
重大な行為でした -
9:54 - 9:59教室の安全な環境における友好と
中庭での衆目は別の話で -
9:59 - 10:012人のどちらにとっても
リスクがありました -
10:01 - 10:06私にとっては 囚人と親しすぎると
思われる危険があり -
10:06 - 10:10それは看守の好まないことで
ワークショップが打ち切られる危険さえありました -
10:10 - 10:14ティムにとっては
ゴマすり屋に見られるリスクがあり -
10:14 - 10:15刑務所の社会構造において
-
10:15 - 10:20評判は 現実の有害な結果を
もたらしうるものでした -
10:21 - 10:22でも私たちは
-
10:22 - 10:26アイデアを交換し 互いに成長しようとする
ワークショップの仲間でした -
10:26 - 10:30だからドアを開け
中庭を通って -
10:30 - 10:32ゆっくりと歩き出しました
-
10:33 - 10:36驚いたことに ティムは
-
10:36 - 10:40なぜ私がまだ自分の詩を1つも
持ってきていないのかと尋ねました -
10:40 - 10:41(笑)
-
10:41 - 10:45それは私の講師としての
未熟さのためだったのかもしれないし -
10:45 - 10:47自信が少し欠けていたため
だったのかもしれませんが -
10:47 - 10:51誰かがそれに気付こうとは
思っていませんでした -
10:51 - 10:54上手く書けなかったんだ
と言いました -
10:54 - 10:56彼は自分もそうだと言いました
-
10:56 - 10:58それで約束を交わしました
-
10:58 - 11:01相手のために
来週書いてくると -
11:01 - 11:03たとえ短いものだろうと
-
11:03 - 11:06それを見るのが
相手ひとりだったとしても -
11:06 - 11:09書くことについて私が
最高のアドバイスをもらったのは -
11:09 - 11:13中3のときの国語の先生
アーリー・パーカーからでした -
11:13 - 11:14パーカー先生は言いました
-
11:14 - 11:18机に向かって最初の草稿を
書くときには 臆することなく -
11:18 - 11:22自分のことをシェークスピア以来の
最高の書き手だと思う人が -
11:22 - 11:25肩越しに覗いていると想像し
-
11:25 - 11:29自分の書いているものを読んで
その人が何と言うか想像するようにと -
11:29 - 11:31私にとって
その相手は母です -
11:31 - 11:35ありがたいもので 私が見苦しい
棒人形を 汚いナプキンに書くと -
11:35 - 11:39母は言ったものです
「これは世紀の傑作だわ」 -
11:39 - 11:40(笑)
-
11:40 - 11:43パーカー先生が教えてくれたのは
-
11:43 - 11:47自分のあらゆる馬鹿げた考えや
自分の取るあらゆるリスクを -
11:47 - 11:51頭の中で その人の声が
肯定するのを聞くということです -
11:51 - 11:53それからパーカー先生は言いました
-
11:53 - 11:55「机に向かって推敲するときには
-
11:55 - 11:58自分が尊敬しているけれど
批判的な意見を言ってくれる人が -
11:58 - 12:01肩越しに覗いているのを
想像しなさい」 -
12:01 - 12:05私にとってその人は
クランプソンという別の国語の先生でした -
12:05 - 12:07クランプソン先生との関係は
素晴らしかったものの -
12:07 - 12:09私に厳しかったのです
-
12:09 - 12:11自分の文章を読み返していると
先生が言うのが聞こえます -
12:11 - 12:13「ここは意味をなしていないね」
-
12:13 - 12:15「ここは何を言おうとしているわけ?」
-
12:15 - 12:18「これは君が思っているほど
可笑しくはないよ」 -
12:18 - 12:23そうやってパーカー先生は
初稿でリスクを取り -
12:23 - 12:27第2稿で そのうちのどれが効果を上げているか
見るように教えてくれたのです -
12:27 - 12:30次の週 ワークショップのはじめに
-
12:31 - 12:33ティムが 私にそっと
紙切れを渡しました -
12:34 - 12:36私の方も彼に渡しました
-
12:36 - 12:39その次の週には
彼は2枚の紙切れを寄越しました -
12:39 - 12:42その次の週には
みんなの前で詩を読みました -
12:42 - 12:45その次の週には
私もみんなの前で読みました -
12:46 - 12:47時間を先に進めて
-
12:47 - 12:49ワークショップの
最後の週のことです -
12:49 - 12:54みんなワークショップ期間に
書いた詩を全部持ってきました -
12:54 - 12:56部屋を笑顔の男達が満たし
-
12:56 - 13:01それぞれの前には
クシャクシャの紙の山がありました -
13:01 - 13:04ティムの山は他のみんなより
少し高くなっていました -
13:04 - 13:08みんな部屋をまわり
詩を交換し -
13:08 - 13:12胸当てを外して
他の人に覗かせました -
13:12 - 13:14そしてワークショップの半ばに
気付きました -
13:14 - 13:16それらの詩の多くにとって
-
13:16 - 13:18これが声に出して分かち合われる
唯一の機会であることに -
13:18 - 13:20もうひとつ気付いたのは
-
13:20 - 13:24その時まで 私が詩を書くのは
人に見せるため— -
13:24 - 13:27「いいね」と言ってくれる人のため
YouTubeでの人気のため -
13:27 - 13:30部屋を満たす拍手のためだった
ということです -
13:30 - 13:35でも彼らの詩は認めてもらうためではなく
書くために書かれたものでした -
13:35 - 13:39何かを見付けるために
自己発見の期待のために -
13:39 - 13:41ティムが詩を読もうと
手を挙げました -
13:41 - 13:43紙についての詩でした
-
13:43 - 13:45刑務所のようなところで
-
13:45 - 13:49自分の考えを
見られる場所があり -
13:49 - 13:52それを手にできるのは
いかに素晴らしいことかと -
13:52 - 13:55私たちはあらゆる事柄について
詩を分かち合いました -
13:55 - 13:58口笛の吹き方を学ぶ詩があり
-
13:58 - 14:00ファーストキスの詩があり
-
14:00 - 14:05絶好のタイミングで素敵な長いオナラをすることの
喜びについての詩がありました -
14:05 - 14:06(笑)
-
14:07 - 14:10私たちは自分のつまらない片隅や
-
14:11 - 14:14誰も尋ねない部分や
-
14:14 - 14:19逮捕歴や芸術家の略歴には
現れることのないものを分かち合いました -
14:19 - 14:25その瞬間の私たちは 年齢や過去ではなく
四方の壁によってだけ限られた -
14:25 - 14:28詩を共有する17人の男でした
-
14:29 - 14:33去年私は詩を教えて
何千キロも旅しましたが -
14:33 - 14:36私の知る最も優れた
芸術家の何人かは -
14:36 - 14:38監房を出ることが
滅多にないのです -
14:38 - 14:43これは私が忘れることなく
引きずり続ける不当な現実です -
14:44 - 14:49最後のワークショップの終わりに
ティムは一緒に少し歩かないかと言いました -
14:49 - 14:50私はいいよと答えました
-
14:50 - 14:54ドアを開け
中庭を通って歩きました -
14:54 - 14:58彼は自分のことを忘れずにいてくれるかと聞き
私はもちろんだと答えました -
14:58 - 15:03「じゃあ 俺たちのために
頑張ってくれよ」と彼は言い -
15:03 - 15:06「やってみるよ」と私は答えました
-
15:07 - 15:10最後にもう1つ詩を読んで
終わりにします -
15:10 - 15:13刑務所で作り始めた詩です
-
15:13 - 15:16この場にいて聞いてくれたことに
感謝します -
15:16 - 15:18とても光栄でした
-
15:21 - 15:24母の教えてくれたコツだが
-
15:25 - 15:28何かを何度も繰り返していると
-
15:28 - 15:30意味が失われてしまう
-
15:30 - 15:32たとえば 宿題—
-
15:32 - 15:36宿題 宿題 宿題 宿題 宿題 宿題 宿題 宿題
-
15:36 - 15:38ほら 何もない
-
15:38 - 15:42人生も同じだと母は言った
-
15:42 - 15:46日没もあまりしょっちゅう見ていると
ただの午後6時になってしまう -
15:46 - 15:50同じ間違いを何度も繰り返していると
それを間違いとは思わなくなる -
15:50 - 15:53ただ起きて 起きて 起きて
起きて 起きて 起きていると -
15:53 - 15:55そのうちなぜなのか
忘れてしまう -
15:55 - 15:58永遠に続くものはないと
母は言った -
15:59 - 16:02両親は僕が7歳のときに別れた
-
16:02 - 16:06最後の口論の前に
両親は僕を近所の家に行かせた -
16:06 - 16:10シャトルから蹴り出された
宇宙飛行士のように -
16:10 - 16:14帰ってくると
家には引力がなくなっていた -
16:14 - 16:17僕は事故かと思っていた
-
16:17 - 16:18でも僕がいなくなると
-
16:18 - 16:202人は「愛してる」と囁き合った
-
16:20 - 16:23あまりに多く繰り返したために
意味を忘れてしまったのだ -
16:23 - 16:28家族 家族 家族 家族 家族 家族 家族
-
16:28 - 16:30母の教えてくれたコツだが
-
16:30 - 16:34何かを何度も繰り返していると
意味が失われてしまう -
16:34 - 16:36これは僕のお気に入りの
遊びになった -
16:36 - 16:38それは言葉の痛みを
霧散させてくれた -
16:38 - 16:40別れ 別れ 別れ
-
16:40 - 16:41ほら 何もない
-
16:41 - 16:43離れる 離れる 離れる 離れる
-
16:43 - 16:45ほら 何もない
-
16:45 - 16:47今では傷ついた便利屋だ
-
16:47 - 16:49一日中言葉に取り組んでいる
-
16:49 - 16:52言わなくていい
皮肉なのは分かっている -
16:52 - 16:54子供の頃
-
16:54 - 16:57言葉を支配するコツは
-
16:57 - 16:58それを分解して
-
16:58 - 17:01無価値だと分からせること
なんだと教わった -
17:01 - 17:05愛してる 愛してる 愛してる 愛してる 愛してる 愛してる
-
17:05 - 17:07ほら 何もない
-
17:08 - 17:12両親が離婚してすぐ
吃るようになった -
17:13 - 17:17運命というのは残酷で
手際の良い教師だ -
17:17 - 17:19吃りに逃げ道はない
-
17:19 - 17:21すべての言葉の意味が
-
17:21 - 17:24喉を這い上がってくるのが
感じられる -
17:24 - 17:27わ わ わ わ 別れ
-
17:28 - 17:31吃りは鏡でできた檻だ
-
17:31 - 17:34「なんて言ったの?」
「慌てないで」 -
17:34 - 17:37「ほら 坊や 思い切って言ってごらん」
-
17:37 - 17:41その1つひとつが 逃れることのできない
存在の まぎれもない反映なのだ -
17:41 - 17:43あらゆる酷い瞬間が
-
17:43 - 17:46自らの告知に
何度も何度も何度も躓き -
17:46 - 17:49ただ部屋の真ん中に
留まっている -
17:49 - 17:53自分の言うことには
引力がなくなったかのように -
17:53 - 17:58母さん 父さん
僕はもう言葉を無駄にしてないよ -
17:58 - 18:03吃りを直そうと
何百時間も練習した後の今でも -
18:03 - 18:07喉の奥に意味の爪が
引っかかっているのを感じる -
18:07 - 18:09聞いてよ
-
18:09 - 18:13宇宙でも引っかかるのが
聞こえるんだって -
18:13 - 18:18「あ あ あ あ あ 愛してる」と
-
18:19 - 18:20ありがとうございました
-
18:20 - 18:23(拍手)
- Title:
- 最も厳重な刑務所における詩 | フィル・ケイ | TEDxFoggyBottom
- Description:
-
優れたストーリーテリングの技術を持つフィル・ケイが、心を掴む2篇の詩とともに、最も厳重な刑務所の受刑者たちと詩を作った体験について語ります。
フィル・ケイは旅するスポークワードの詩人で、仲間とProject VOICEを運営しています。自分の詩の朗読をしたりワークショップをしたりして世界中をまわっています。NPRの番組やリンカーンセンターに出演し、全米大学ポエトリースラムで、詩のパフォーマンスの技術に目覚ましい革新をもたらした者に与えられる Pushing the Art Forward賞を2度受賞しました。この賞を2度受賞しているのは彼だけです。フィルはブラウン大学を卒業し、在学中に Space in Prisons for the Arts and Creative Expression (SPACE)のコーディネーターを務め、最も厳重な刑務所内のワークショップで詩を教えていました。2011年に著書 A light bulb symphony を出版しており、また彼の作品はよくCHAOS Magazineに掲載されています。
このビデオは、TEDカンファレンスの形式で地元コミュニティが独自に運営するTEDxイベントにおいて収録されたものです。詳しくは http://ted.com/tedx をご覧ください。
- Video Language:
- English
- Team:
closed TED
- Project:
- TEDxTalks
- Duration:
- 18:30
![]() |
Yasushi Aoki edited Japanese subtitles for Poetry in maximum security prison | Phil Kaye | TEDxFoggyBottom | |
![]() |
Yasushi Aoki approved Japanese subtitles for Poetry in maximum security prison | Phil Kaye | TEDxFoggyBottom | |
![]() |
Yasushi Aoki edited Japanese subtitles for Poetry in maximum security prison | Phil Kaye | TEDxFoggyBottom | |
![]() |
Yasushi Aoki edited Japanese subtitles for Poetry in maximum security prison | Phil Kaye | TEDxFoggyBottom | |
![]() |
Yasushi Aoki edited Japanese subtitles for Poetry in maximum security prison | Phil Kaye | TEDxFoggyBottom | |
![]() |
Yasushi Aoki edited Japanese subtitles for Poetry in maximum security prison | Phil Kaye | TEDxFoggyBottom | |
![]() |
Claire Ghyselen accepted Japanese subtitles for Poetry in maximum security prison | Phil Kaye | TEDxFoggyBottom | |
![]() |
Claire Ghyselen edited Japanese subtitles for Poetry in maximum security prison | Phil Kaye | TEDxFoggyBottom |