ステロイドで命を救えるか?―アニーズ・バージ
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0:07 - 0:11スポーツでの使用で悪名高い
「ステロイド」は -
0:11 - 0:16吸入剤、 漆かぶれや湿疹を
治療するクリーム -
0:16 - 0:18そして炎症を和らげる注射にも
含まれています -
0:18 - 0:23これらの薬に含まれるステロイドは
筋肉を作るためのものとは異なります -
0:23 - 0:27実は それらは全て もうひとつ別の
ステロイドが基になっています ― -
0:27 - 0:32それは 私たちの体内で自然に生成され
生きるために欠かせないものです -
0:32 - 0:35客観的に考えてみると
非常に多くの異なるステロイドがあるのは -
0:35 - 0:40この用語が
共通の身体への効果を有する物質ではなく -
0:40 - 0:43共通の分子構造を有する物質を
指すためです -
0:43 - 0:46ステロイドには 天然のものと
合成のものがありますが -
0:46 - 0:50分子構造は
全てのステロイドに共通しており -
0:50 - 0:563つの6員環と1つの5員環に配置された
17個の炭素原子から成る -
0:56 - 0:594環構造を基本とします
-
0:59 - 1:04ステロイドであるためには
分子は必ずこの配置でなければなりません -
1:04 - 1:07しかし 多くの分子は側鎖を持ち
-
1:07 - 1:12追加の原子が 分子の機能に
劇的な影響を及ぼし得ます -
1:12 - 1:16ステロイドという名前は
脂質分子のコレステロールに由来しています -
1:16 - 1:20実際 私たちの身体は
コレステロールからステロイドを作ります -
1:20 - 1:23脂質であるコレステロールが
基となっているということは -
1:23 - 1:28ステロイドが 脂質を含む細胞膜を越えて
細胞の中に入れるということです -
1:28 - 1:31細胞内では ステロイドが
遺伝子発現やタンパク質合成に -
1:31 - 1:34直接 影響を与えます
-
1:34 - 1:37多くの他の種類のシグナル分子は
-
1:37 - 1:39細胞膜を透過できず
-
1:39 - 1:44効果を発揮するためには 細胞の外から
より複雑な経路を介す必要があるという点で -
1:44 - 1:46ステロイドとは異なります
-
1:46 - 1:51ステロイドが 他の分子よりも
早く効果を発揮できるのはこのためです -
1:51 - 1:55さて 抗炎症薬としてのステロイドの話に
戻りましょう -
1:55 - 2:00これらは全て「コルチゾール」という
天然のステロイドが基になっています -
2:00 - 2:03コルチゾールは
身体の主要なストレス信号で -
2:03 - 2:06非常に幅広い機能を持ちます
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2:06 - 2:08私たちは ストレス要因を経験すると ―
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2:08 - 2:11つまり 友人と喧嘩したり
クマを発見したり -
2:11 - 2:14感染症や低血糖になると ―
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2:14 - 2:20脳は 視床下部から脳下垂体に
信号を送ることで反応します -
2:20 - 2:24更に 脳下垂体は副腎に
信号を送ります -
2:24 - 2:29副腎は コルチゾールを産生し
常にいくらか放出していますが -
2:29 - 2:33下垂体から信号を受け取ると
-
2:33 - 2:35コルチゾールを大量に放出し
-
2:35 - 2:38エネルギーのためのブドウ糖を
より多く生成するよう 身体を駆り立てます -
2:38 - 2:43そして 生存にすぐには関係のない
消化のような機能を低下させ -
2:43 - 2:47「闘争・逃走・凍結」反応を
起こします -
2:47 - 2:51これは短期的には有益ですが
長く続くと 不眠症や気分の低下といった -
2:51 - 2:55望ましくない副作用を
引き起こす可能性があります -
2:55 - 3:00また コルチゾールは
免疫系と複雑に相互作用します ― -
3:00 - 3:01状況に応じて
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3:01 - 3:05特定の免疫機能を
高めたり低下させたりするのです -
3:05 - 3:07感染症と戦う過程では
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3:07 - 3:10免疫系が炎症を引き起こすことが
よくあります -
3:10 - 3:14コルチゾールは
免疫系が炎症を引き起こすのを抑制し -
3:14 - 3:17このこともまた
短期的には有益ですが -
3:17 - 3:20コルチゾールが多すぎると
骨髄やリンパ節の再生といった -
3:20 - 3:26免疫系の機能を低下させるなど
悪影響を及ぼしかねません -
3:26 - 3:29コルチゾールレベルの高い状態が
長く続かないようにするために -
3:29 - 3:33コルチゾールは 副腎がより多くの
コルチゾールを放出させる信号を抑制します -
3:33 - 3:35コルチゾールは 副腎がより多くの
コルチゾールを放出させる信号を抑制します -
3:35 - 3:40副腎皮質ステロイド薬は
コルチゾールの免疫系への影響に作用し -
3:40 - 3:44アレルギー反応や発疹
喘息と戦います -
3:44 - 3:47これらは全て炎症の一形態です
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3:47 - 3:51合成ステロイドには 共通の基本メカニズムを
持つものがたくさんあります ― -
3:51 - 3:53体内のコルチゾール作用に追加して
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3:53 - 3:57炎症を引き起こす過剰免疫反応を
停止します -
3:57 - 3:59炎症を引き起こす過剰免疫反応を
停止します -
3:59 - 4:03これらの副腎皮質ステロイドは
細胞内に潜り込み -
4:03 - 4:09炎症シグナルの遺伝子発現を抑制して
「火災報知器」をオフにできます -
4:09 - 4:14吸入剤やクリームに含まれるステロイドは
皮膚や肺など -
4:14 - 4:16罹患臓器にだけ影響を与えます
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4:16 - 4:21静脈内投与や経口投与のステロイドは
SLEや炎症性腸疾患などの -
4:21 - 4:26慢性的な自己免疫疾患の治療に使用され
全身に影響を与えます -
4:26 - 4:31これらの病気では 身体の免疫系が
自分の細胞を攻撃しており -
4:31 - 4:35これは 繰り返す喘息発作や発疹と
類似したプロセスとなっています -
4:35 - 4:38低用量のステロイドを
継続的に投与すれば -
4:38 - 4:42この逸脱した免疫反応を
制御し続けることができます -
4:42 - 4:44しかし 長期間の投与を行うと
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4:44 - 4:47心理的・生理的な悪影響の恐れがあり
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4:47 - 4:51緊急時や再発に備えて
高用量のステロイドは留保されます -
4:51 - 4:55喘息発作、漆かぶれによる発疹
炎症性腸疾患は -
4:55 - 5:00一見 何の関係もないようですが
全てに共通していることがあります -
5:00 - 5:04それは 有害無益な免疫反応だ
ということです -
5:04 - 5:07副腎皮質ステロイドは
巨大な筋肉を作れませんが -
5:07 - 5:11自分の身体に対する
最高の防御にはなり得るのです
- Title:
- ステロイドで命を救えるか?―アニーズ・バージ
- Speaker:
- アニーズ・バージ
- Description:
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スポーツでの使用で悪名高い「ステロイド」は、吸入剤、漆かぶれや湿疹を治療するクリーム、炎症を和らげる注射にも入っています。これらの薬に含まれるステロイドは、筋肉を作るのに使用されるものとは異なります。実は、それらは全て、もうひとつ別のステロイドを基にしています。それは私たちの体内で自然に生成され、生きるために欠かせないものです。アニーズ・バージが副腎皮質ステロイドの科学について解説します。
講師:アニーズ・バージ、 監督: ニック・ヒルディッチ
*このビデオの教材:https://ed.ted.com/lessons/can-steroids-save-your-life-anees-bahji - Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TED-Ed
- Duration:
- 05:11
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