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ゼルダのオープンワールドの問題と任天堂の解決策

  • 0:00 - 0:04
    どんなオープンワールドなら
    プレイヤーに自由に探索させながら
  • 0:04 - 0:08
    同時に、物語を進める重要な場所にも
    誘導できるのか?
  • 0:08 - 0:11
    これは任天堂が
    初めてのオープンワールドゲーム
  • 0:11 - 0:16
    『ゼルダの伝説 Breath of the Wild』の開発時に
    直面した最大の課題だった
  • 0:16 - 0:19
    プレイヤーに与えたかったのは
    自由と探検の感覚だ
  • 0:19 - 0:23
    これはファミコンの初代ゼルダ以来
    シリーズになかった要素だ
  • 0:23 - 0:30
    だが同時に、ゼルダ姫を救うという最大の目標に向かって
    プレイヤーが確実に進むようにもしたかった
  • 0:30 - 0:33
    解決は簡単ではなかった
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    任天堂は出だしの失敗や悪いプレイテストを経て
    ようやく現在の形に辿り着いたのだ
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    オープンワールドの探索について
    考え直すことになった作品だ
  • 0:44 - 0:48
    実は任天堂はこの困難な開発プロセスの
    経験を公開している
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    2017 年、日本で開催された
    CEDEC の講演だ
  • 0:53 - 0:55
    とても興味深い講演だった
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    任天堂がゲーム設計と開発の肝心な詳細について
    包み隠さず話すのは珍しいからだ
  • 1:01 - 1:05
    だが残念ながら
    その情報にアクセスするのは非常に難しい
  • 1:05 - 1:09
    講演映像はアップロードされず
    記事はどれも日本語で書かれている
  • 1:09 - 1:14
    唯一の英訳は Twitter のせいで
    メチャクチャになった要約スレだけだ
  • 1:14 - 1:19
    さらに任天堂の要請によって
    元のスライド写真は取り下げられている
  • 1:19 - 1:22
    そこでこの間違いを
    正すときが来たと思った
  • 1:22 - 1:26
    ゼルダの新作『Tears of the Kingdom』の発売が
    間近に迫るなか
  • 1:26 - 1:29
    僕はかつての講演を復活させることにした
  • 1:29 - 1:33
    講演の記事を色々とかき集めて
    英訳してもらった
  • 1:33 - 1:37
    インターネットアーカイブを使って
    消えたスライドを再発見し
  • 1:37 - 1:39
    モーショングラフィックスで
    動きをつけた
  • 1:39 - 1:43
    AI アップスケールで
    古いスクリーンショットを復活させた
  • 1:43 - 1:47
    では早速、僕はマーク・ブラウン
    GMTK mini へようこそ
  • 1:47 - 1:52
    任天堂が『Breath of the Wild』の
    最大の問題をどう解決したか紹介しよう
  • 1:53 - 1:59
    任天堂はハイラルの馬鹿でかい世界マップを作り
    好きな方向へ探索できるようにしたが
  • 1:59 - 2:04
    なんとかしてプレイヤーを重要な場所へ
    誘導する必要があった
  • 2:04 - 2:08
    最初のアイデアは「点と線」のシステムを
    使うことだった
  • 2:08 - 2:14
    「点」はシーカータワーのことだ
    巨大でネオンで輝くそびえ立つ尖塔だ
  • 2:14 - 2:19
    これらは遠くからでもハッキリ見えるし
    プレイヤーに大きな恩恵がある
  • 2:19 - 2:22
    頂上に行くと周辺の地図情報が
    明らかになるのだ
  • 2:22 - 2:26
    だから 15 本ある塔は
    明確なプレイヤーの目印になって
  • 2:26 - 2:29
    マップ周辺で効果的に導いてくれるはずだ
  • 2:29 - 2:32
    「線」は塔と塔をつなぐ
    経路と街道のことだ
  • 2:32 - 2:36
    任天堂はその線に沿って
    色々なイベントを配置できる
  • 2:36 - 2:42
    プレイヤーが塔に向かって歩いていくと
    キャラ、敵の基地、その他の良いモノが見つかるだろう
  • 2:42 - 2:45
    だがこのアイデアは…完全に失敗した
  • 2:45 - 2:48
    誘導はできたが
    実際は上手くいきすぎた
  • 2:48 - 2:52
    テスターは一本道感や、塔への移動の
    「やらされている感」が強いと感じた
  • 2:52 - 2:56
    見えないあからさまな導線に
    縛られているという不満が多かった
  • 2:56 - 3:02
    線から外れた人はただ道に迷い
    調べる価値があるものにほとんど遭遇しなかった
  • 3:02 - 3:09
    データもこれを裏付けた 任天堂がテスターの移動を記録し
    探索した場所を示すヒートマップを作ると
  • 3:09 - 3:12
    プレイヤーは全く異なる
    2つのグループに分かれていた
  • 3:12 - 3:17
    約 80% は塔をつなぐ街道を
    忠実に辿っており
  • 3:17 - 3:20
    残りの 20% はただ闇雲に
    散策していた
  • 3:21 - 3:24
    どちらのプレイスタイルも
    任天堂が求めていたものではなかった
  • 3:24 - 3:27
    そこでやり方を変えることにした
  • 3:27 - 3:31
    シーカータワーへの移動を
    常に促すのではなく
  • 3:31 - 3:38
    多様な目印や、興味のある所へ誘導することで
    マップをあちこち移動させることができる
  • 3:38 - 3:42
    祠、馬宿、敵の基地などだ
  • 3:42 - 3:48
    灯に集まる蛾のように
    プレイヤーをそこへ引き寄せる引力が必要だった
  • 3:48 - 3:52
    そこでまず、それぞれの場所が
    明確にお得になるようにした
  • 3:52 - 3:55
    祠をクリアすると
    体力やスタミナが増える
  • 3:55 - 3:58
    敵基地には武器がいっぱいある
  • 3:58 - 4:01
    馬宿は当初
    馬を登録するだけの場所だったが
  • 4:01 - 4:06
    任天堂は馬宿の引力を強くするために
    回復できるベッドやお店
  • 4:06 - 4:09
    噂やサイドクエストをくれる
    NPC を追加した
  • 4:09 - 4:13
    他の場所はそこにある素材が
    立ち寄る引力になる
  • 4:13 - 4:18
    任天堂はハートのような単純な回復アイテムを
    意図的に削除したので、プレイヤーは森へ入って
  • 4:18 - 4:21
    キノコや動物を狩る必要がある
  • 4:21 - 4:26
    またルピーは極めて貴重なので
    プレイヤーは山や採石場へ行って
  • 4:26 - 4:29
    高価な鉱石を掘って
    店に売る必要がある
  • 4:29 - 4:32
    この計画には他の調整も必要だった
  • 4:32 - 4:38
    シーカータワーは巨大で見つけやすいが
    小さな目印はそうではない
  • 4:38 - 4:42
    そのため遠くや高所からでも
    目立つようにする必要があった
  • 4:42 - 4:45
    祠は独特な照明で光らせる
  • 4:45 - 4:48
    焚き火の煙は高くのぼる
  • 4:48 - 4:51
    敵の基地は巨大な頭蓋骨の形をした
    岩に建設する
  • 4:52 - 4:55
    馬宿には巨大な木製の
    馬の像がある
  • 4:55 - 5:00
    また一度に画面に映るシーカータワーは
    通常1〜2本しかないが
  • 5:00 - 5:03
    小さな目印は
    近くに何十もあるだろうし
  • 5:03 - 5:08
    オープンワールドで選択肢が多すぎると
    プレイヤーは手に負えなくなる
  • 5:08 - 5:12
    そういう理由もあって
    任天堂は「三角形の法則」を生み出した
  • 5:12 - 5:19
    任天堂はハイラルの地形や風景を
    ほぼ三角形で構成した
  • 5:19 - 5:24
    丘、山、岩石層はどれも
    ピラミッドや円錐のような形をしている
  • 5:24 - 5:27
    これはワールドデザインに
    様々な利点がある
  • 5:27 - 5:32
    例えば、巨大な山に直面するたびに
    プレイヤーは登るか迂回するかを選択し
  • 5:32 - 5:35
    探索中に意思決定をする必要がある
  • 5:35 - 5:39
    またプレイヤーの目は自然と
    三角形の先端へ向かうので
  • 5:39 - 5:43
    頂上に特異物を置いて
    プレイヤーを引き寄せることもできる
  • 5:43 - 5:46
    だが一番重要なのは
    三角形が背後にあるものを隠すことだ
  • 5:46 - 5:50
    つまりやることが多すぎて
    プレイヤーが圧倒されることはほぼない
  • 5:50 - 5:56
    引力のある場所は画面に数ヶ所あるだけで
    残りは丘や山の後ろに隠れている
  • 5:56 - 6:02
    だがこれらの山へ向かっていくと
    背後にあるものが徐々に見えてくる
  • 6:02 - 6:07
    丘を登っても、迂回しても
    より多くの景色が見えてくる
  • 6:07 - 6:10
    これは興味深い結果をもたらした
  • 6:10 - 6:15
    新たな場所が見えてくるにつれ
    驚きと好奇心が絶えず生まれるのだ
  • 6:15 - 6:22
    プレイヤーは1つの目印に向かっていても
    移動すると2〜3の新たな場所が現れる
  • 6:22 - 6:25
    地平線に祠が見えたり
    角に敵の基地が見えたり
  • 6:25 - 6:29
    特徴的な岩や
    山頂からの奇妙な景色が見えるかもしれない
  • 6:29 - 6:36
    どこに行って何をしても、新たなものが現れて
    目を釘付けにし、プレイヤーを引き寄せるだろう
  • 6:36 - 6:41
    新たな目印に気を取られ、さっきの予定を捨てて
    新しい場所へ行くかもしれない
  • 6:41 - 6:47
    終わったらどこへ行くつもりだったか思い出して
    戻ろうとするが、また気を取られるだけだ
  • 6:47 - 6:50
    いずれにしても
    連鎖反応が発生する
  • 6:50 - 6:53
    発見の無限ループだ
  • 6:53 - 6:55
    目印によるパン屑の道だ
  • 6:55 - 7:00
    いずれもマップをゆっくり移動する要因になる
    中毒的な探索が続いて
  • 7:00 - 7:04
    「おっ 何だあれ?」「おっ 何だあれ?」
    「おっ 何だあれ?」
  • 7:04 - 7:08
    そしていつの間にか…
    シーカータワーに着いていた!
  • 7:08 - 7:12
    任天堂が最初に行かせようとした場所だ
  • 7:12 - 7:17
    この引力のある目印システムでは
    プレイヤーが点から点へ移動するのは同じだが
  • 7:17 - 7:24
    今回は特定の線を辿るのではなく
    単に面白そうなパン屑の目印を辿るようになった
  • 7:24 - 7:29
    それが最終的に『BotW』の一番重要な場所へ
    プレイヤーを導くのだ
  • 7:29 - 7:34
    また塔を辿ることでプレイヤーは
    やらされている感を感じていたが
  • 7:34 - 7:38
    目印を散りばめる手法によって
    より自然で、プレイヤー主導になった
  • 7:38 - 7:45
    プレイヤーは自分の好奇心、今の目的、気分に基づいて
    自然と行きたい場所を選ぶ
  • 7:45 - 7:49
    場所の引力は
    必要に応じて変化する
  • 7:49 - 7:56
    強くなりたい人にとっては、馬宿や塔よりも
    祠や敵基地の引力の方が高くなる
  • 7:56 - 8:00
    そして夜になると他の場所が目立って
    引力が変わる
  • 8:00 - 8:06
    プレイヤーは特定の目印や目的の強制感を感じることなく
    行きたい場所に移動できた
  • 8:06 - 8:10
    任天堂のヒートマップでも
    この改善は明らかだった
  • 8:10 - 8:14
    「80 対 20」というゲーム体験の
    厄介な二極化はなくなり
  • 8:14 - 8:17
    誰もが任天堂の理想通りにプレイした
  • 8:17 - 8:23
    プレイヤーは様々な場所を自由に探索し
    好奇心に従って目印から目印へ移動したが
  • 8:23 - 8:27
    最終的にほぼ全てのプレイヤーが
    重要な場所に辿り着けた
  • 8:27 - 8:30
    僕も『BotW』をプレイして
    これを実感した
  • 8:30 - 8:37
    特に誘導されているとは全く感じなかったし
    ただ好奇心に従って思うがままに探索していた
  • 8:37 - 8:42
    だがそれでも僕は重要な場所に遭遇し
    物語が常に進んでいった
  • 8:42 - 8:46
    これは任天堂にとって初めての
    ちゃんとしたオープンワールドゲームだった
  • 8:46 - 8:49
    チームには学ぶことがたくさんあった
    講演の後半で——
  • 8:50 - 8:55
    任天堂は規模と密度を把握するために
    最初は Google マップのデータを使って
  • 8:55 - 9:00
    リンクを任天堂の地元京都で走らせたり
    日本の有名な姫路城を登らせたりしたと説明した
  • 9:00 - 9:06
    また大規模チームが1つのマップで共同作業するために
    新しいツールを作ったことを紹介した
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    だがプレイヤーに具体的な経験をさせたいという
    願望から生まれた巧妙な設計によって
  • 9:11 - 9:14
    『BotW』の最大の問題は解決されたのだ
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    任天堂は誘導と探索のバランスが美しい
    オープンワールドゲームを作った
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    自由な冒険の感覚は『エルデンリング』以来
    見てないが
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    ほぼ確実に『Tears of the Kingdom』で
    見られるだろう
  • 9:27 - 9:31
    今週後半に遊べるのが楽しみだ
    ご視聴ありがとう
Title:
ゼルダのオープンワールドの問題と任天堂の解決策
Description:

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Video Language:
English
Duration:
09:31

Japanese subtitles

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