Jane Eyre (1983) - Episode 7

BBC 1983 TV Mini-Series

Timothy Dalton ... Edward Rochester
Zelah Clarke ... Jane Eyre

やあ

帰ってきたね

さあ　こっちへ来て!

よければ　だが

いかにもジェーン・エアだ

そう　徒歩で来るとは
いかにも君らしい

一体この一ヶ月何をしてた?

叔母のところにいました
亡くなりました

いかにもジェーンらしい答だ

守護天使よ　私を守り給え

彼女は死人の国から来てる

君は妖精だ

妖精なんかじゃありません

怠け者!

丸一ヶ月留守で

すっかり私を忘れたのだ

あなたはロンドンにいるとばかり

千里眼で分かったのだな

だが私は戻った

フェアファックス夫人の
手紙で分かったんです

じっとしてろ

何の為に行ったか書いてあったか？

勿論です

新しい馬車を買いー

イングラム様との結婚の
支度をする為です

君はあの馬車を見てー

ロチェスター夫人にぴったりか
私に言うべきだね

時々　あの人と似合う為に

もう少し見栄えよければと思うよ...

外見的にね

教えてくれ 君は妖精なんだから

魔力か　媚薬か
そういう類のものを貰えないか?

それは魔力を超えるでしょう

じゃ　行って

行って その疲れた
小さい足を休めるといい

友達の家でね

親切にしていただいて
有難うございます

また戻れて 妙に嬉しいです

あなたがいるどこでも
私の家です

私のただ一つの家です

不審な静けさの二週間が続いた

主人の結婚について
何の話もなく

何の準備も目にしなかった

F夫人は何も知らなかった

最も不思議なのは
彼がイングラム荘へ訪れないことだった

そうした　ある朝
彼は私を応接間に呼んだ

座れ

ジェーン...

ソーンフィールドは
いいところだね?

はい

君はこの家にある程度　愛着を
覚えるようになったね

本当に

あの愚かな子供アデレや

単純なF夫人にさえもね

二人に対し愛情をもっています

別れるのは残念だろうね

はい

可哀想に

いつもそんなものだ

心地よい休息場所に
落ち着いた途端

立って進まなくてはならない

私が? ソーンフィールドを
出なくてはいけない?

そうだ　気の毒だが
そうせねばなるまい

命令が出たら　すぐに

今がそうだ

では結婚なさる？

まさに

その通りだ

いつもの敏感さで

君はぴったり言い当てた

すぐに?

早急にだ　私の...

...エアさん

イングラム嬢を私の胸に
抱くつもりだと

最初に言った時のことを
覚えてる筈だ

私が感心する思慮深さで
君は言った

君とアデレは先に
家を出た方がいいと

すぐに新しい勤め口を捜します

一ヵ月内に
私は花婿になるつもりだ

その間に　君の勤めを
捜してあげよう

お手間をとらせてすみません

謝ることはない
君は務めを立派に果たした

君には私に要求する
一種の権利がある

実際　ふさわしい職を
聞いていた

西アイルランドの
D・オゴール夫人の５人の娘

アイルランド?!

アイルランドが気に入る筈だ

そこの人達はとても人情に
厚いそうだから

だけどとても遠い!

何から?

英国から　ソーンフィールドから
それから...

それから?

あなたから

私達はいい友達だった ジェーン...

そうだね?

はい

じゃ今夜は安らかに
一緒に座ろう

二度とそうなる運命で
ないとしてもだ

アイルランドまでは遠い

可愛い友達をそんな
うんざりする旅に送るのは悲しい

だがそれ以上できないなら

どうすればいいのか?

君は私にどこか似ていないか
ジェーン?

というのも君に関して
奇妙な感情があるからだ

特に今のように近くにいる時はね

私達の間に　あの荒れた海峡と

200マイルの陸地を隔てると

親交の弦が切れ 私は内部で
出血しそうな気がする

君の方は...

私を忘れるだろう

そんなことはありません

ナイチンゲールの鳴き声が
聞こえる?

ほら

生まれなければよかった

ソーンフィールドを
見なければよかったのに

なぜ? 去るのが悲しいから?

ソーンフィールドが大好きです

ここで充実した楽しい暮らしを
したからです

踏みつけにされず

尊敬するもの　喜ばしいものと
面と向かって話してきた

あなたを知った

あなたから永遠に引き裂かれるのは
恐怖と苦痛を覚えます

発たねばならないと判っています

それは死ぬような思いです

どこにその必要がある?

あなたが私の前におきました

イングラム様　あなたの花嫁です

私の花嫁? どの花嫁?

私に花嫁はいない

でも結婚なさる

ああ　そうだ

では私はお別れしないと

いや ジェーン　居るんだ

誓って

何としても行かないと

私が貧しく無名で不器量で
ちっぽけだから

魂も心もないと思うのですか?

私にはあなたと同じに
魂も心もあります

私が美と富に恵まれていたら

あなたも私と同じ位
別れを辛く思っただろうに!

あなたの魂に呼びかけるのは
私の魂です...

まるで両方の魂が墓を通り抜け

私達が神の足元に
あるがままに平等に立ったように

あるがままに

では...

では ジェーン...

あなたは結婚してるのと
同じです

自分より劣った方

本当は愛してもいない方と
結婚してるのです

そんな結婚を軽蔑します

だから私はあなたより
立派です　放して!

ジェーン　狂乱した鳥みたいに
もがくな

私は鳥じゃないわ

私は自立した意思をもつ
自由な人間で

あなたとお別れします

君の運命を決めるのは
君の意思だ

私は君に心も...

手も持っている全てを捧げる

あなたは茶番を演じてるんだわ

君の一生を私のそばで過ごしー

第二の私になり　この世の
良き伴侶となってほしいのだ

おいで ジェーン

こっちへおいで

あなたの花嫁が私達の間にいるわ

花嫁はここにいる

私と等しいものがここにいるから...

私に似たものが

ジェーン　結婚してくれるか?

私を疑うのか ジェーン?

全く

私を信じない?

少しも!

君の目には嘘つきなのか?

私がイングラム嬢にどんな愛を
抱いてる?

何もない! それは君も知ってる!

彼女は私にどんな愛を?

私はあの欲得づくと結婚しない

君を... このふしぎな...

この世のものとも思えない君を

自分の肉体のように愛する

頼む

夫として私を受け入れてくれ

ジェーン　君を私のものに
せねばならない

完全に私のものに
私のものになってくれるか?

受け入れてくれ

結婚してくれ

ロチェスター様 顔を見させて

本気ですか?

本当に私を愛してる?

心から私に妻になってほしいと?

そうだ

得心する為に誓いが必要なら

私はそれを誓う

それでは...

あなたと結婚します

私を幸せにしてくれ

私は君を幸せにする

神よ許し給え
私に干渉する人がいませんように

私はこの人を得　放さない

エドワード
干渉する人は誰もいないわ

私には邪魔する親族はいない

ああ　それが一番だ

君は幸せか ジェーン?

はい

それはあがなわれるだろう

私の愛と忠誠はあがなわれる

神は私を優しく裁くだろう

人の意見には... 私は従わない

エドワード?

ああ　来て　お早うを
言っておくれ ジェーン!

君は　花開き　にこやかできれいだ

今朝は本当にきれいだ!

これが私の蒼ざめた小妖精か?

これが私のけし粒か?

ジェーン・エアですよ

すぐにジェーン・ ロチェスターだ

４週間したらだ ジェーン
一日ものばさない

君は赤くなってる! どうして?

ジェーン・ロチェスターは
とても変な気が

そうだ ロチェスター夫人だ

エドワード・フェアファックス・
ロチェスターの花嫁だ

人間はこの世で完璧な幸福を
得ません

私も例外ではなく
これは白日夢です

私にはそれができるし
実現させる

今朝ロンドンの銀行に手紙を書き

保管中の宝石を送るようにと

- それらを君の膝にそそごう
- やめて

君の首にダイヤの首飾りを

私が美人かのように
話さないで

私はあなたの目立たない
クェーカー教徒のような家庭教師です

私の目には美人だ

世界に君の美しさを
認めさせてやる

それでは私がわからなくなるわ

私はもうジェーン・エアで
なくなる

あなたがハンサムかのように
私は話さないわ

とても愛していても
愛しすぎてお世辞を言えないの

お世辞はやめて

その手紙は出さないで

だが何か他のものをねだってくれ

分かったわ

私の好奇心はあることに
とてもそそられてるんです

何? 好奇心とは剣呑だね

なぜ苦心して
イングラム様と結婚すると

私に思い込まそうと？

それだけ? よかった

白状するよ...

君をひどく怒らせるとしてもね

私と同じ位　君を私に夢中に
させたかったんだ

君を嫉妬させようとした

何とひどい恥ですこと

イングラム様の感情は
考えなかったの?

イングラム嬢の感情は
ただの誇りと欲だ

私と別れて喜んでいた

あなたは物見高く
企みのある方ね

私の行動原則は訓練されていない

とても驚いてるわ

何と言ったらいいか　エアさん

彼を受け入れたのですか?

ええ

思いもよらなかったわ

彼は本気で結婚すると?

そう言っていますわ

そんなことが

あなたがそう言うからには
そうなのね

年齢には20歳の開きが
あるんですよ

彼はあなたの父親に近い

いいえ　とんでもない

私達が一緒にいるのを見てー

誰もそう思わないでしょう

ロチェスター様は若くみえて
25歳位の青年と同じです

彼が結婚するのは
ほんとに愛の為だけですか?

ごめんなさい
悲しませたくはないけど

あなたはとても若く

男性と知り合った経験が少ない

ご自分に用心してほしいの

何に対して?

この場合　あなたか私が
期待したこととー

違った結果になるかと
心配なんです

なぜ? 私は怪物なの?

ロチェスター様が私に真の愛を
抱くことはあり得ないんですか？

いいえ
彼はあなたをお気に召してる

だが　彼の身分の紳士は

家庭教師との結婚に
慣れていませんよ

彼の好意が目立ち過ぎ

あなたの為に
少し不安な時もありー

あなたが用心してくれたらと
思いました

でも悪いことがおきそうだと
仄めかしたくもなかった

悪いこと?
私達は結婚するんです

夕べは　あなたがあんな晩くに

彼と一緒に帰るのを見て
どんなに苦しかったことか

十分ね　大丈夫でしたから

終わりまで大丈夫なら
いいのだけど

ソフィー?

あなたなの?

ソフィー　何をしてるの?

あれは
グレース・プールじゃなかった!

君の想像の産物に過ぎないんだ!

ああ　私は君の神経に配慮せねば
私の宝物

あれは現実だったの

その前の夢は現実だったか?

館は廃墟か?

君はまた夢を見たんだよ

これは?
あなたの贈り物のこのベール!

昨夜　確かに何か悪いものが

君の近くに来たんだ

傷つけられたのがベールだけで
よかった

ああ　君がどうなったかと思うと

でも　あの女が誰か
何なのか教えて

ジェーン　いいか

それは半分夢で　半分現実なんだ

昨夜　女が君の部屋に
入ったのははっきりしてる

その女はG・プールだ

変わった人だと
君自身も言ってたろ

彼女は私に何をした?

メーソンには?

君は夢と現実の間にいたんだ

その夢のあと　熱っぽく
うなされていたんだよ

それで彼女が鬼のように見えた

実際と違った恐ろしい顔でね

悪い夢をみたんだ ジェーン

だがベールが悪意で
引き裂かれたのは現実だ

いかにも彼女らしい

ではなぜ...
ーまた訊くのか

なぜそんな女を家におくかと!

結婚後一年したら教えよう

その前はだめだ

いいかい?

行って荷造りするわ

あ　待って

ソフィーは子供部屋で
アデレと眠ってないか?

ええ

今夜は君も二人と一緒に
寝た方がいい

喜んでそうします

内側からドアをロックして

よく眠り
今夜は悪夢をみないで

幸せの夢をみて

いらっしゃい

聖餐台手すりまでどうぞ

これはとても嬉しい機会です

ロチェスターさん
私は何度も栄誉に...

浴して...
-進めよう　ウッドさん

勿論

私達は今ここに集まり

神と証人との前で

この男女の結婚式を挙げようと
しています...

...二人の結婚に異議あるものは

申し立てよ　さもなくば
永遠の沈黙を守りたまえ

汝ら二人に求め命じる

恐ろしき裁きの日に答える如く

全ての心の秘密が暴かれる時

汝のどちらかがー

合法的に結婚し得ざるー

障害あるを知るならばー

今　申し立てよ
汝らのよく知るところ...

障害があると断言します!

結婚は続けられない

続けてくれ

今言われたことに関して

問い合わせなければ続けられない

私は申し立てを証明する
状態にあります

この結婚には克服できない
障害があります

ご説明を

以前の結婚が存在しており

ロチェスター氏には今生きている
妻がいます