ツイッター・フィクションという新たな試み
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0:00 - 0:03ツイッターでの仕事が休みの時
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0:03 - 0:05ネット上で物語を書いて
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0:05 - 0:07新しいデジタルツールで何ができるか
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0:07 - 0:10試しています
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0:10 - 0:11実は仕事でも
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0:11 - 0:13物語作家に
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0:13 - 0:15ツイッター上での
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0:15 - 0:18新しい物語形式を
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0:18 - 0:20提案したりしています
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0:20 - 0:22今日は いくつか実例を
ご紹介したいと思います -
0:22 - 0:24ネットの特性である
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0:24 - 0:26柔軟なIDや匿名性を利用し
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0:26 - 0:29実話と作り話の区別を
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0:29 - 0:33曖昧にするという
大変面白いものです -
0:33 - 0:35でも まずは1930年代の話から始めさせてください
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0:35 - 0:38ツイッターができる何年も前
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0:38 - 0:41ラジオが番組を流し
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0:41 - 0:43何百万という人々と
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0:43 - 0:46ラジオ局という一箇所を結びつけていました
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0:46 - 0:50それらのラジオ局は
様々な物語を生み出しました -
0:50 - 0:52ありふれた物語もあれば
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0:52 - 0:53新しい物語もありました
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0:53 - 0:56しばらくの間は既存の物語形式でしたが
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0:56 - 0:59ラジオという媒体に応じた独自の形式に
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0:59 - 1:02次第に変化していきました
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1:02 - 1:05ラジオで生放送された物語がいい例です
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1:05 - 1:08ラジオ局から生で
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1:08 - 1:10シリーズ化された物語を放送するという
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1:10 - 1:12新しい物語形式が生まれました
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1:12 - 1:14なぜラジオの話をしているかというと
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1:14 - 1:18どうやって新しい媒体が
新しい物語形式を生み出し -
1:18 - 1:22更にそれが新しい物語を生み出すかの
素晴らしい例だと思ったからです -
1:22 - 1:25現在 私たちには
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1:25 - 1:27インターネットという
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1:27 - 1:28全く新しい媒体があります
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1:28 - 1:32これはツイッターユーザーと彼らの関係が
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1:32 - 1:33わかるマップです
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1:33 - 1:36ユーザーは何千万人といます
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1:36 - 1:37ネットにアクセスさえできれば
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1:37 - 1:39誰でも情報を発信することができます
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1:39 - 1:43一箇所から多くの人へではなく
多くの箇所から多くの人へ配信という次元です -
1:43 - 1:48人々がこの新しい媒体で
話を伝える術を身につけたことで -
1:48 - 1:50様々な新しい物語形式が
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1:50 - 1:52生まれてきたことに
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1:52 - 1:56私たちは気づき始めるでしょう
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1:56 - 1:59目の前に壮大な荒野が広がっていると思ってください
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1:59 - 2:02ここには色々な建物を築くことができます
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2:02 - 2:05私たちはインターネットという未開の荒野の
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2:05 - 2:07仕組みがわかり 慣れてきて
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2:07 - 2:09やっと建物を築ける
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2:09 - 2:11段階にきています
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2:11 - 2:13そして それらの建物は
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2:13 - 2:18インターネットのおかげで生まれた
新しい物語形式なのです -
2:18 - 2:20この新しい形式は
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2:20 - 2:22既存の形式を利用して生まれます
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2:22 - 2:24例えば 短編小説です
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2:24 - 2:25短編小説は
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2:25 - 2:28電子書籍やデジタル市場のおかげで
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2:28 - 2:31再び注目を浴び始めました
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2:31 - 2:34ヒュー・ハウイーという著者が
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2:34 - 2:36『ウール』という超短編小説を
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2:36 - 2:41アマゾンで発売しました
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2:41 - 2:43実はシリーズ化するつもりはなかった
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2:43 - 2:45と彼は言います
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2:45 - 2:47しかし読者の間で大好評だったため
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2:47 - 2:50続編を書くことにしました
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2:50 - 2:53前作よりも少しだけ長い『ウール2』
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2:53 - 2:55中編小説となった『ウール3』
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2:55 - 2:57そして『ウール5』を発売する頃には
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2:57 - 3:006万語の長編小説となっていました
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3:00 - 3:04ハウイー氏は読者の感想を
すぐに見られる電子書籍システムのおかげで -
3:04 - 3:07ここまでのことが出来たのだと思います
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3:07 - 3:08彼は 比較的短期間で
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3:08 - 3:10小説を発売することができました
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3:10 - 3:13彼と読者との間に誰もいなかったので
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3:13 - 3:16読者の感想は直接彼に伝わりました
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3:16 - 3:18読者の意見と要望に応えて
ハウイー氏は -
3:18 - 3:20小説を書き続けることができました
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3:20 - 3:22この取り組みは新しい試みでした
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3:22 - 3:24この試みは
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3:24 - 3:26ある短編小説から始まり
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3:26 - 3:28ハウイー氏の物語形式となったのです
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3:28 - 3:32それは この新しい媒体が可能にしたのです
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3:32 - 3:36試み自体が新しい形式となったのです
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3:36 - 3:39これはジェニファー・イーガン氏による
短編小説で -
3:39 - 3:40『ブラックボックス』です
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3:40 - 3:42『ブラックボックス』は元々
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3:42 - 3:44ツイッター用に書かれた物語でした
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3:44 - 3:46イーガン氏は
ニューヨーカー誌を説得して -
3:46 - 3:48ツイッターに小説用アカウントを
開設してもらい -
3:48 - 3:50『ブラックボックス』を
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3:50 - 3:52ツイッター上で書くようにしました
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3:52 - 3:55もちろん ツイートの文字数は
140字に限られています -
3:55 - 3:58ご覧のように
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3:58 - 4:01イーガン氏はスケッチブックに
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4:01 - 4:04実際のツイート画面の大きさのコマを作り
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4:04 - 4:06そこに各ツイートを
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4:06 - 4:07手書きして行きました
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4:07 - 4:10最終的には600以上のツイートになり
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4:10 - 4:14ニューヨーカー誌によって
連載されました -
4:14 - 4:18毎晩8時にニューヨーカーのフィクションアカウントから
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4:18 - 4:21短編小説を読むことができるのです
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4:21 - 4:23それはかなり画期的な事だと思います
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4:23 - 4:25物語を読むのにテレビをつけるような感覚です
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4:25 - 4:29もちろん ツイッター上なので
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4:29 - 4:32イーガン氏の物語を楽しむ方法は多様でした
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4:32 - 4:33まとめて読むこともできますが
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4:33 - 4:36面白いのは リアルタイムで読んでいる場合
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4:36 - 4:39どうなるか早く知りたい気持ちが高まるということです
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4:39 - 4:41ツイートは定期的に配信されますが
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4:41 - 4:43いつ次のツイートを読むかを
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4:43 - 4:46自分では決められないということです
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4:46 - 4:48通常 物語を読み進める際
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4:48 - 4:52読む速度を決めるのは読者ですが
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4:52 - 4:54この場合 ニューヨーカーでした
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4:54 - 4:57ニューヨーカーは読み手に少しずつツイートを送るので
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4:57 - 5:00次のツイートを待つ読者のドキドキ感は高まりました
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5:00 - 5:03その他のツイッターでの
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5:03 - 5:05フィクションと短編小説の良い例を紹介します
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5:05 - 5:09『エビデンス』という小説の作者 エリオット・ホルトは
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5:09 - 5:11ツイートをこのように始めました
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5:11 - 5:14「11月28日 午後10時13分
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5:14 - 5:16マンハッタンホテルの屋根から
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5:16 - 5:18女性が転落死しました
ブルックリン在住の -
5:18 - 5:21ミランダ・ブラウン(44歳)と確認されました」
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5:21 - 5:23ナレーターとして
ホルト氏が話し始めますが -
5:23 - 5:24ナレーションが徐々に減っていきます
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5:24 - 5:28ホルト氏がツイッター上で作り上げた
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5:28 - 5:31エルサ、マーゴ、サイモンという人物が
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5:31 - 5:33続けて語ります
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5:33 - 5:35様々な視点から語られる話は
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5:35 - 5:38この女性が亡くなった午後10時13分へと
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5:38 - 5:41繋がっていくのです
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5:41 - 5:44この3人の登場人物の視点が
実話であるかのような -
5:44 - 5:45錯覚を引き起こしたのです
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5:45 - 5:48ある読者はホルト氏の物語を
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5:48 - 5:51「ツイッターフィクションならでは」と評しました
まさにその通り -
5:51 - 5:52語り口調
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5:52 - 5:56複数の登場人物 実際の時間との同時進行
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5:56 - 5:58面白いことは ツイッターが
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5:58 - 6:00配信の役割だけでなく
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6:00 - 6:03制作の役割も担ったのです
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6:03 - 6:04後にホルト氏は言いました
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6:04 - 6:08「親指だけで全てを書いた
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6:08 - 6:12ソファーに横たわり
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6:12 - 6:13一行一行違う人物になりきり
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6:13 - 6:16ツイートした」と
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6:16 - 6:19このように登場人物の発言を
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6:19 - 6:21場当たり的に書き上げることが
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6:21 - 6:24登場人物が実在するかのように感じさせ
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6:24 - 6:27ツイッター上のひとつの物語を複数の視点から
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6:27 - 6:32という彼女独自の物語形式に信憑性を与えたのです
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6:32 - 6:34ネット上で変更可能なIDを使って
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6:34 - 6:36現実世界の話題を取り入れることで
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6:36 - 6:38更に面白くなります
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6:38 - 6:40共和党の演説を揶揄した
「見えないオバマ」 -
6:40 - 6:42共和党ロムニー氏の
「女性が詰まったバインダー」発言 -
6:42 - 6:44のような2012年の米大統領選挙の例や
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6:44 - 6:49『ザ・ホワイトハウス』という実在番組のファン・フィクション
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6:49 - 6:51「ザ・ホワイトハウス・ツイッター」
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6:51 - 6:54『ザ・ホワイトハウス』で実在する全ての登場人物
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6:54 - 6:58それは たった一話のワンシーンにしか登場しなかった
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6:58 - 7:02小鳥までもがアカウントを持ち登場します
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7:02 - 7:05これら3つは同じ現象なのです
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7:05 - 7:07これらの作者は この新しい媒体で
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7:07 - 7:10何ができるか挑戦している
想像力豊かな人たちなのです -
7:10 - 7:12ツイッター上の「ホワイトハウス」には
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7:12 - 7:14ドラマの架空人物が
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7:14 - 7:16現実世界と交わります
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7:16 - 7:18登場人物は政界を批評し
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7:18 - 7:23国会の闇を糾弾します
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7:23 - 7:24彼らは民主党派なのですが
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7:24 - 7:28物語の登場人物は現実世界の話題を語り合っています
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7:28 - 7:30要するに現実世界の政治批判をしているのです
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7:30 - 7:32変更可能なID 匿名
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7:32 - 7:34現実世界の話題を使い
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7:34 - 7:38現実の良い面だけを見せる作品や
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7:38 - 7:41パロディを超えた物語を作ると
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7:41 - 7:43本当に面白いものができます
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7:43 - 7:46シカゴ市長選挙中
ツイッター上で -
7:46 - 7:47あるパロディがありました
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7:47 - 7:49ラーム・エマニュエル市長に関するものです
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7:49 - 7:52そのパロディはエマニュエル市長の様々な姿
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7:52 - 7:56特に市長の汚い言葉を使う姿を見せてくれます
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7:56 - 7:58このツイッターアカウントは
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7:58 - 8:02日々の選挙活動を追いかけ
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8:02 - 8:03汚い言葉でつぶやいていました
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8:03 - 8:06好評なツイッターパロディによくある構成でしたが
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8:06 - 8:08途中から少しずつ
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8:08 - 8:12おかしくなりました
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8:12 - 8:15始めは選挙に沿った話でしたが
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8:15 - 8:21リアルタイムでのSF長編小説の主人公として
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8:21 - 8:24エマニュエル市長は
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8:24 - 8:28選挙の日 別次元に行くのです・・・
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8:28 - 8:30しかしそれは実際には起こっていませんでした
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8:30 - 8:34私は新聞を確認しました
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8:34 - 8:37そして なんとパロディは結末に至ったのです
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8:37 - 8:39これはツイッター上のパロディでは
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8:39 - 8:41普段起こらないことです
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8:41 - 8:45まさに物語の結末のようでした
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8:45 - 8:48記者でありこの小説の作者であるダン・シンカーは
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8:48 - 8:50それまで ずっと匿名にしていましたが
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8:50 - 8:54結局 それは物語形式になっていたので
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8:54 - 8:55シンカー氏は書籍化するのが
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8:55 - 8:59最も自然と考えたのでしょう
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8:59 - 9:01ツイッター上のパロディから書籍化に至ることは
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9:01 - 9:05今までにないような物語形式を生み出すという
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9:05 - 9:09新しい形式の代表的なものです
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9:09 - 9:11現在 ツイッター上で特に気に入っているものは
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9:11 - 9:13「クライマーショー」という
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9:13 - 9:17ばかげた番組です
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9:17 - 9:20「クライマーショー」は天才的な犯罪者と
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9:20 - 9:23あわれな探偵の対談で
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9:23 - 9:26テレビで見られるような構成を使って
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9:26 - 9:292人は対面すると とても奇妙な喋り方をします
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9:29 - 9:30制作者は言いました
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9:30 - 9:35「クライマーショー」はイギリスの人気番組のパロディだと
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9:35 - 9:38でも本当に変な話ですよ
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9:38 - 9:40天才的な犯罪者のクライマーは
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9:40 - 9:43よくテレビで見られるようなしぐさをします
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9:43 - 9:45かっこつけてサングラスを外したり
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9:45 - 9:48カメラ目線をしたりします
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9:48 - 9:50でもそれは映像ではなく文章で表現されています
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9:50 - 9:53わざと「エピソード」を「エパソッド」と言い変え
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9:53 - 9:571話ごとに分けられた話は
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9:57 - 10:02テレビを真似して
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10:02 - 10:04構成されたものであり
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10:04 - 10:07とても新しい形式だと思います
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10:07 - 10:11ツイッター上ではほとんど毎日
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10:11 - 10:13新しい「エパソッド」が投稿され
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10:13 - 10:14「エパソッド」ごとにまとめられています
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10:14 - 10:17「クライマーショー」はおもしろい形式を試していると言えます
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10:17 - 10:19テレビ番組を面白おかしく真似することで
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10:19 - 10:23全く新しい形式が生み出されました
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10:23 - 10:26実話に基づいてリアルタイムで楽しめる例も
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10:26 - 10:29ツイッター上に多くあると考えられます
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10:29 - 10:31「リアルタイム第2次世界大戦」
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10:31 - 10:35というツイッターのアカウントは
60年前のこの日に起きたことを -
10:35 - 10:37事細かにリアルタイムで伝えるもので
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10:37 - 10:40当時の新聞を読んでいるかのように感じます
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10:40 - 10:42また作者のテジュー・コールは
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10:42 - 10:45文学的なおもしろみを出すために当時の話題を使って
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10:45 - 10:47様々な方法を試してきました
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10:47 - 10:51ここで彼は無人爆撃について語っています
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10:51 - 10:54この2つの例では
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10:54 - 10:55ツイッターのユーザーが
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10:55 - 10:58様々な新しい方法を使って
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10:58 - 11:01実話に基づいた物語を語る形式が
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11:01 - 11:04出始めたことが分かります
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11:04 - 11:06リアルタイムで語られる物語は
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11:06 - 11:09実話と作り話
すなわち― -
11:09 - 11:11現実世界とデジタルの世界の
境界を曖昧にし -
11:11 - 11:14変更可能なID 匿名とともに
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11:14 - 11:18これらは 私たちの手の届くところにあるツールで
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11:18 - 11:20積み木のようなものです
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11:20 - 11:23この積み木は建物や骨組みを作るための
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11:23 - 11:25資材であり
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11:25 - 11:28やがてインターネットという荒野に街ができあがり
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11:28 - 11:31この街は創造的な物語を試す最適な場所なのです
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11:31 - 11:32ありがとうございました
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11:32 - 11:37(拍手)
- Title:
- ツイッター・フィクションという新たな試み
- Speaker:
- アンドリュー・フィッツジェラルド
- Description:
-
1930年代、ラジオ放送が全く新たな物語形式を生み出しました。現在、ツイッターのような短文投稿のプラットフォームが、また新たな物語形式を生み出しています。アンドリュー・フィッツジェラルドは、フィクションや物語の新しい形式が発展してきている、(まさに)短くも非常に興味深い軌跡を解説します。
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 11:55
Natsuhiko Mizutani approved Japanese subtitles for Adventures in Twitter fiction | ||
Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for Adventures in Twitter fiction | ||
Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for Adventures in Twitter fiction | ||
Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for Adventures in Twitter fiction | ||
Yuko Yoshida accepted Japanese subtitles for Adventures in Twitter fiction | ||
Yuko Yoshida edited Japanese subtitles for Adventures in Twitter fiction | ||
Yuko Yoshida commented on Japanese subtitles for Adventures in Twitter fiction | ||
Yuko Yoshida edited Japanese subtitles for Adventures in Twitter fiction |
Yuko Yoshida
McLeanさん、
Messageもお送りさせていただきました通り、
タスクの期限が近づいたので、変更案を反映させて一度タスクをお戻ししました。
先月、スプレッドシートもお送りしていますので、
内容につきご確認いただけますでしょうか?
どうぞよろしくお願いいたします。
Yuko Yoshida
レビューのときのスプレッドシートです。
https://docs.google.com/spreadsheet/ccc?key=0Ak5zFBqQ1EmSdGw0bHZfWXZzTmF4cU5IY1NiY1dlYkE&usp=sharing