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細胞分裂のしくみを、話していく前に
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数多くあるDNA関連の用語について、
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少し話しておくと、役立つと思う。
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たくさんの用語があって、けっこう似てるものもあるので
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相当ややこしいかもしれない。
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なので、まず最初に少し
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DNAがどうやってDNAを作るか、
つまり複製するかってことや
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どうやってタンパク質を生みだすかについて、
話しておきたい。
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これはDNAの動画で、やったことだけどね。
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そしたら、ここにDNAの一部を
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描いてみよう。
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A、G、T、Tは2つと、
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Cが2つ。
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ほんの一部だね。
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これがずっと続いていく。
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そしてもちろん、これは二重らせんになっている。
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対応する塩基配列があるわけだ。
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この色で、描こうか。
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なので、AはTに対応し、GはCに、水素結合していて
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TはAに、CはGに対応している。
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そしてもちろん、これも
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ずっと続いていくんだ。
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そして、この2組の異なるDNAが
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行う活動がある。
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ひとつは、体の細胞に関連したもので
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肌の細胞をより多く作らなければならないような場合、
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DNAが自分のコピーをつくる必要がある。これは、
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「複製」と呼ばれる。
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DNAを、複製するんだ。
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この複製から、説明しよう。
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一体どうやって、DNAは自らのコピーをつくるのか?
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そして、これはDNAの構造の最も美しい
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部分の1つでもある。
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「複製」
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そして、ここではかなり単純にして話をするけど
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基本的には、この2つは別々だけれど、
切っても切れない関係にある。
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基本的には、この2つは別々だけれど、
切っても切れない関係にある。
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その反応がタンパク質や酵素で促進される。
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これについて詳しくは、微生物学の動画で
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また話すとしよう。
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まぁこいつらは、分かれていくわけだ。
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こっちの上にもってこよう。
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分かれていきますよと。
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こいつも。
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大きすぎたな。
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こいつは、こうして…
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こうやって分かれていくわけだけど、
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それが終わると、何が起こるだろう?
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ここのいらないやつは、消しておこう。
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消しておきます。
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ここでは、二重らせんになっている。
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これらの塩基対は
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くっついていたけれど、
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それが、今離れていった。
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それじゃあ離れてしまうと、何をするんだろう?
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実は、お互いの「型」になっていくんだ。
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実は、お互いの「型」になっていくんだ。
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こいつが一人でいると、突然
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チミンがやってきて、ここに加わる。ここで
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新しくヌクレオチドが、並んでいく。
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なので順番に、チミン、シトシン、アデニン
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アデニン、グアニン、グアニン、こうして続いていく。
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そしてこっち側でも、この緑の配列の方
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これは元々、青で書いた配列にくっついてたんだけど
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同じことが起こっていく。
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アデニン、グアニン、チミン、チミン、
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シトシン、シトシン。
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それじゃあ、何が起こったか?
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こいつらが別れて、それを補うように配列がつくられてことで
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この分子が、複製されたよね?
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これは微生物学の動画でやっていくけど、
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基本的な考えは、こんな感じ。
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これが、DNAが自らのコピーを作り出す方法なんだ。
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そして、有糸分裂と減数分裂のときに
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これはまた後から話していくけど、
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この複製が起こる。
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そしてもう1つが、これからたくさん聞くだろうし、
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すでにDNAの動画でも話したけど、「転写」だ。
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DNAの動画では、DNAの複製については
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詳しくやらなかったけど、この二重らせん構造の
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最も美しいところが、複製が簡単に
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できるとこなんだ。
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ただ2つのらせんが分かれるだけで、
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それがもう一方の「型」になり、
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そして、そこから複製ができる。
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今から「転写」について話すけど、このDNAは
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最終的にタンパク質になる必要があって、転写は
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その途中の段階にあたる。
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DNAから、mRNAへと変わる段階なんだ。
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そしてmRNAは、細胞の核を出て
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リボソームへと向かう。これはまた、後で話すとしよう。
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実は、転写でも同じことが起こる。
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つまり、転写の間、こいつがもう一度
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分かれて離れていくんだ。
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そして片方はこっちに、もう一方は
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こっち。
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こっち。
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たぶんこっちだけでやった方が、分かりやすいな。
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こっちは消します。
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こっちは消します。
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それじゃあ、この緑の方を
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複写していくとしよう。
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これは消してしまって…あ、間違えた。
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消します。
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そして何が起こるかって言うと、このDNAと
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デオキシリボ核酸、ヌクレオチドがペアになる代わりに
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リボ核酸、つまりRNAがペアを作っていく。
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赤紫色で書いてくよ。
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RNAが、ペアを作っていく。
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なので、DNA側のチミンと、アデニンがペアになる。
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グアニンは、mRNAでは、チミンの代わりに
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ウラシルがきて、ウラシル、シトシン、シトシンと
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続いていく。
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これが、mRNAだ。
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mRNA
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そして、これが別れていく。
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mRNAは分かれて、核を離れていく。
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核を離れて、「翻訳」されるんだ。
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「翻訳」
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これはmRNAから、DNAの動画で話したの覚えてるかな
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小さなtRNAへと変わる。
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この転移(トランスファー)RNAは、
アミノ酸をmRNAへ運ぶ
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トラックみたいなもので、これは全て
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リボソームという、細胞の一部で起こる。
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でも翻訳は、本質的には
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mRNAからタンパク質への変化で、
その仕組みは、すでに見てきたね。
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こいつが、これをコピーして…
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全体をコピーしよう。
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こいつが別れて、核を離れ
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そこに、tRNAのトラックがやってくる。
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少し書いておこう。
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ええと、アデニン、アデニン、グアニン、またグアニン。
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これが、tRNA。
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遺伝暗号だ。
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遺伝暗号は、3つで1組になっていて
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そこにアミノ酸がくっついている。
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そして他の部分でも、tRNAがあって
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ウラシル、シトシン、アデニン
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それがまた別のアミノ酸にくっつく。
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別のアミノ酸ね。
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そして、アミノ酸がお互いにくっつくことで
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つまり、長いアミノ酸の鎖がつくられて、
タンパク質になる。
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なのでタンパク質は、ちょっと変わった
複雑な形をしてるんだ。
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それじゃあ、理解を深めるために整理しよう。
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DNAから始まって、まずはそのコピーがつくられた。
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これは、複製。
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DNAの複製だ。
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そして、DNAからはmRNAもつくられる。
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DNAの「型」からね。これが転写。
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転写
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一方の情報を、もう片方に写すこと
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これが、転写だ。
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そして、mRNAは細胞の核を離れたら
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これは話したけど、ポイントをおさえるために
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細胞を描いておこう。これが1つの細胞だとしよう。
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これが1つの細胞だとすると、核がその中心にある。
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これが1つの細胞だとすると、核がその中心にある。
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この核が、DNAがある場所で
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ここで全ての複製と転写が行われる。
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けどmRNAが細胞を離れると、リボソームの内側では
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これもまた別の動画で説明するけど
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翻訳が行われて、タンパク質が形成される。
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mRNAからタンパク質への翻訳だ。
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遺伝子コードから、いわばタンパク質コードへの
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翻訳がされるわけ。
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なので、これは翻訳と呼ばれる。
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翻訳
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この言葉も、こうした一連の活動について考える時に
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正しい言葉をつかえるよう
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知っておかないとね。
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そして、別のDNA関連の言葉として、
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実は僕も最初に勉強した時、
ほんと混乱しちゃったんだけど
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染色体って言葉がある。
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こっちに書くとしよう。
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見たらややこしいのがすぐに分かるよ。
染色体(chromosome)、
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染色質(chromatin)、
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染色分体(chromatid)
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「染色体」については、すでに話したね。
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DNAがあって、
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DNAの束があって
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二重らせん構造になっている。
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この束を拡大すると、2つのらせんになっているわけだけど
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それぞれが、もちろん
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塩基対とセットになっている。
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こんなふうに、塩基対が続いている。
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ちょっと確認しておきたいのは、この今緑で書いた細い線は
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実際には、二重らせんになってるってこと。
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この二重らせんが、タンパク質に巻き付いていて
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ヒストンと呼ばれている。
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ヒストンと呼ばれている。
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なので、こんなふうに巻き付いてたり
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こっちではこうなってたり、くねくねしてるんだけど
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ここには、ヒストンと呼ばれるものがある。
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これが、タンパク質なわけ。
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これが、タンパク質なわけ。
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そして、この構造は、DNAとそれを形作っている
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タンパク質と組み合わさって、
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それが何重にも、つむがれていく。
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そして、その形状は細胞の年齢によって
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変わってくるんだ。
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でも核酸、つまりタンパク質と結合したDNAについて
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いうときは、「染色質」という
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言葉を使う。
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「染色質」
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これは、DNA+みたいなもので、DNAをまとめる
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構造的なタンパク質だと思えばいい。
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構造タンパク質だ。
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この染色質は元々、
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昔の人が細胞を見た時、
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かなり
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描いてきた。
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そうだな、これを細胞の核としよう。
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こんなふうに、かなりはっきりと輪郭をとってきた。
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ここに1つ、そしてこっちのもう1個
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ちょっと短くしようか。そして、それぞれの相同染色体。
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これは、「染色体」だね。
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そして前の動画でやった、この1つ1つの染色体だけど
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これはそもそもDNAのつながった構造で、DNAの鎖が
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お互いにギュッとつながったものだった。
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なので拡大してみると、こんな感じ。
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1つの束は、こんなふうに
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巻き巻きになってる。
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そして、これは変異についての動画で話したけど
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相同染色体は、そもそも
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同じ遺伝子だけど、別の情報を
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持つやつだったんだ。
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この青がパパからもらったやつだとすると、
赤はママからもらってる。
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それは基本的に、同じ遺伝子に対する情報だ。
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なので、この1つの鎖について考えれば
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このパパからもらったものだけを指して、
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「染色体」という。
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「染色体」
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それじゃあ、もう少し一般的に、ここで整理しておこう。
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DNAは、その周期のある段階でしか、この形にはならない。
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それはつまり、自分のコピーを作るときなんだけど、
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「複製」ではないよ。
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細胞が分裂する前に、DNAはこのはっきりとした
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形をつくる。
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ほとんどの細胞の周期において、DNAは様々なことを
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しているんだけど、実際にはタンパク質を作ったり、
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つまり、タンパク質がDNAから転写されたり
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翻訳されたりしてるんだけど、
こんなふうにいつも束になってるわけじゃない。
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もしこんなに束になったら、複製や転写でDNAを
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いじくって、タンパク質をつくるときとかに
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大変だからね。
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普通DNAは…ちょっとこれも同じ核を描いておこう。
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普通は、普通の光学顕微鏡では見ることさえ
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できない状態だ。
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とても薄くて、DNAの束は細胞全体に
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散らばっている状態。
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青いやつがこんな感じなら、もう片方は
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こんな感じだよね。
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そして、短めのやつもこんな感じ。
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でもほんとは、見ることもできない。
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こんなふうに、はっきりした形じゃないんだ。
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これが普通の状態。
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もう1つ短いのも、こんな感じだな。
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こんなふうに散らばった
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DNAとタンパク質の状態、
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これが、「染色質」なんだ。
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染色質
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なので、言葉はものすごくあいまいで、ややこしいんだけど
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一般的な使い方として、
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DNAが鎖状でしっかりとした形をとっているとき
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これを、「染色体」という。
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染色質は、染色体の構造を言ったり
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構造を生み出すDNAとタンパク質の組み合わせを指す。
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もしくは、この染色体が散らばって
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複合染色体のDNAと、すべてのタンパク質が
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ごちゃまぜになった状態を
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「染色質」という。
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ちょっとはっきりさせたかったんだ。
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それじゃあ、次の言葉
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「染色分体」って、何だろう?
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「染色分体」とは、何か?
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実は、さっき言ったかもしれないけど、
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これの名前を書いておこう。
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この染色質を形成するタンパク質、つまり
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染色体を形成している部分を、
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「ヒストン」という。
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ヒストンには様々な段階で、構造に影響する
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いろんなタイプがあるんだけど、
それは、また後で詳しくやろう。
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それじゃあ、染色分体とは何か?
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DNAが複製されるとき、それじゃあ
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この前のDNAを使って話そうか。
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これは、普通の状態。一つは
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お父さんからので、もう1つはお母さんから来た。
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それじゃあ、こいつを複製しよう。
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まず、お父さんからもらったのは、
最初はこんな感じなんだ。
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大きなDNAの束だ。
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そして、きちんと機能していれば、
これと全く同じものを、
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もう1つ作りだす。なので、新しく作られたのは
-
こんな感じになる。
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そして、こいつらは元々
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お互いにくっついていたんだ。
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「動原体」と呼ばれるところで、元々お互いに
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くっついていた。
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動原体
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ここに今2つの束を描いたけど、
-
これは今はくっついている状態。
-
ここに今2つの束を描いたけど
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これは…そうだな、
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ちょっと描き方を変えよう。
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並列したような形で、描いてみよう。
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これが1つ目の束で、
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こっちがもう1つの方。
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これで、2つのコピーができた。
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こいつらは、完全に同じ遺伝情報を持っている。
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そう、全く同じ。
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でも、このときはまだ「染色体」と呼ばれる。
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染色体
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この全体は、まだ染色体と呼ばれているけど、
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1つ1つのコピーは、「染色分体」と呼ばれる。
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なので、これも「染色分体」だし、こっちも「染色分体」。
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これをまとめて、「姉妹染色分体」とか、
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「双子染色分体」と呼んだりする。
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全く同じ遺伝情報を持っているからね。
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なので、この染色体は、
2つの染色分体を持っているわけだ。
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そして、DNAの複製が起こる前、つまりDNA量が
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2倍になる前に、ここにある染色体は
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お父さんからもらった染色体は、1つの染色分体を持つ。
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普通はそうは言わないけど、これを染色分体と
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呼ぶこともできるわけだ。
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普通は、染色体に2つある状態のときに
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それぞれを染色分体と考える。
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そして、有糸分裂と減数分裂のとこで勉強したけど、
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この2つの染色分体は分かれて、元々「染色分体」と
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呼ばれていたDNAの束は、
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それぞれ、「染色体」と呼ばれるようになる。
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これがそのうちの1つで、もう1つは
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こっちの方向に分かれていく。
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これは緑で囲んでおこう。
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なので、こっちのが左に
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そして、オレンジの方が、右に動いていく。
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元々2つの染色分体が中心体でつながり、
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1つの「染色体」と呼ばれていたものは、
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この段階になると
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2つの染色体として、扱われる。
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別の言い方をすると、1つの染色分体でできた
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2つの染色体が離れた染色体がある、といえる。
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これで、DNA関連の用語が、少しでも
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分かってもらえると嬉しい。
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僕もいつも混乱していたからね。
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でもこれで、有糸分裂や減数分裂で
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「染色体が染色分体になる」とか言った意味が
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分かりやすくなると思う。
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たぶん「どうやって1つの染色体が
2つになるんだ?」って
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思うだろうからね。
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他にも、「染色分体が
どうやって染色体になるんだ?」とか。
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これで、そこら辺の言葉の意味は分かってもらえるはずだ。
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この1つの染色体と、離れたあとの染色体で
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違う言葉を使ってたかもしれないけど、
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今説明したようにして、
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呼び方が決まってたんだ。
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ところで、「染色(chromo)」って言葉
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どこから来たか、気にならない?
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昔のコダックのフィルムには、「染(chromo)」って
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色があったんだ。
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そして「染(chromo)」は、
色の基本的な部分に関係している。
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たぶん、色を表すギリシャ語からきてると思うんだけど。
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昔細胞の核が、初めて観察されたとき
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そこには、染料が使われていた。
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そしてその染料で染まっていた部分が、
まさに今の「染色体」にあたる部分だった。
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なので、光学顕微鏡ではっきり見ることができたわけ。
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そしてその中には、「体」に由来するものがあったので
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「染められた体」ってことで、
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「染色体」と呼ばれるようになったんだ。
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そして「染色質」は…と言いたいとこだけど、
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ここで詳しく話すのはやめよう。
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まぁでもこれで、染色分体、染色体、そして染色質の
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違いが分かってもらえると嬉しい。
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そして、それができれば、有糸分裂と減数分裂の
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話に入っていけると思う。