< Return to Video

幻覚剤を用いた心理療法の未来

  • 0:02 - 0:05
    私にとってこの講演は
    幻覚剤を用いた心理療法よりも
  • 0:05 - 0:07
    恐ろしい存在でした
  • 0:07 - 0:09
    (笑)
  • 0:09 - 0:12
    「幻覚剤を心の研究に用いることは
  • 0:12 - 0:15
    顕微鏡を生物学で使用し
  • 0:15 - 0:18
    望遠鏡を天文学で使用するのと同じだ」
  • 0:18 - 0:21
    スタニスラフ・グロフ教授の言葉です
  • 0:21 - 0:24
    彼は幻覚剤の世界的な先端研究者の1人で
  • 0:24 - 0:26
    私の恩師です
  • 0:27 - 0:32
    本日は 幻覚剤が
    それを適切に用いれば
  • 0:32 - 0:35
    私たちを癒し 私たちを鼓舞し
  • 0:35 - 0:37
    私たちの命を救ってくれる力を
  • 0:37 - 0:39
    秘めていることをご紹介します
  • 0:39 - 0:41
    1950年代から1960年代にわたり
  • 0:41 - 0:44
    幻覚剤研究は世界で
    盛んに行われていました
  • 0:44 - 0:48
    そして精神医学分野での利用が
    大変期待されていました
  • 0:48 - 0:50
    心理学や心理療法そして神経科学
  • 0:50 - 0:54
    非科学的体験の研究
    などについても同様です
  • 0:54 - 0:57
    しかし幻覚剤は研究の対象から外れ
  • 0:57 - 0:59
    反体制派団体や反ベトナム戦争運動に
  • 0:59 - 1:02
    利用され始めました
  • 1:02 - 1:05
    これは幻覚剤の適切な
    使い方では無かったため
  • 1:05 - 1:06
    反動を招きました
  • 1:06 - 1:12
    そして1970年 アメリカ政府は
    全ての幻覚剤を非合法とし
  • 1:12 - 1:15
    全ての幻覚剤研究を
    停止し始めたのです
  • 1:15 - 1:19
    この幻覚剤研究の禁止は世界中に広まり
    数十年に渡り続きました
  • 1:19 - 1:20
    これは悲劇です 何故なら
  • 1:20 - 1:23
    幻覚剤はただの道具であり
  • 1:23 - 1:26
    利益が得られるか 有害かどうかは
  • 1:26 - 1:28
    使用者の使い方に委ねられるからです
  • 1:29 - 1:33
    幻覚とは「心を表面化する」を意味し
  • 1:35 - 1:40
    LSDやマジックマッシュルーム
  • 1:40 - 1:46
    メスカリンやイボガイン
    その他の薬剤に関連します
  • 1:46 - 1:48
    私は18歳の時
  • 1:48 - 1:51
    当時 大学の新入生だったのですが
  • 1:51 - 1:54
    LSDとメスカリンを試しました
  • 1:54 - 1:58
    それがきっかけで
    自分の感情に目を向けるようになりました
  • 1:58 - 2:02
    それは バーミツバ(ユダヤ教の成人式)
    では得られなかった—
  • 2:02 - 2:04
    神との繋がりを感じることが出来ました
  • 2:04 - 2:06
    (笑)
  • 2:07 - 2:09
    両親をからかうときには
  • 2:09 - 2:11
    バーミツバで大人になれなかったので
  • 2:11 - 2:15
    両親が僕を幻覚剤に追いやった
    と言ったものです
  • 2:15 - 2:17
    (笑)
  • 2:18 - 2:19
    最も重要なことは
  • 2:19 - 2:21
    幻覚剤が私に
    人間が持つ人間らしさや
  • 2:21 - 2:25
    全ての生命との繋がりを
    感じさせてくれたということです
  • 2:25 - 2:28
    そして他の人も
    同じ内容を語っています
  • 2:28 - 2:32
    こういった体験は可能性を
    秘めていると思います
  • 2:32 - 2:34
    部族主義や原理主義
  • 2:34 - 2:39
    虐殺や環境破壊などに
    対する解毒薬としての可能性です
  • 2:39 - 2:42
    そこで私は自分の人生を
  • 2:42 - 2:44
    幻覚剤を用いた心理療法の合法化に向けて
  • 2:44 - 2:48
    法律を変えることに捧げようと決めました
  • 2:49 - 2:52
    (拍手)
  • 2:52 - 2:55
    幻覚剤の禁止から半世紀経った今
  • 2:55 - 2:59
    私たちは幻覚剤研究を
    世界中で復興させている最中です
  • 2:59 - 3:02
    幻覚剤を用いた心理療法は
  • 3:02 - 3:07
    心的外傷後ストレス障害(PTSD)や
  • 3:07 - 3:11
    うつ 社会不安障害 薬物依存
    アルコール依存 自殺念慮などの治療に
  • 3:12 - 3:13
    大いなる可能性を示しています
  • 3:13 - 3:17
    幻覚剤心理療法は
    問題の根本原因に対する
  • 3:17 - 3:18
    治療の試みであり
  • 3:19 - 3:21
    数回の薬物投与で行われます
  • 3:21 - 3:26
    これに対し 現在 精神科治療に
    用いられている多くの薬剤は
  • 3:26 - 3:29
    主に症状を軽減させるだけであり
  • 3:29 - 3:32
    毎日の服用が必要です
  • 3:34 - 3:37
    幻覚剤はまた 脳機能の研究や
  • 3:37 - 3:41
    長きに渡り解明されていない
    ヒトの意識の研究を行う
  • 3:41 - 3:43
    神経科学の道具としても
    使われています
  • 3:43 - 3:47
    さらに幻覚剤が生み出す
    神秘的的体験は
  • 3:47 - 3:50
    瞑想やマインドフルネスとの繋がりが
    指摘されています
  • 3:50 - 3:53
    つい最近発表された報告では
  • 3:53 - 3:55
    生涯にわたり禅の瞑想を
    行なっている人々が
  • 3:55 - 3:59
    瞑想の最中にシロシビンを
    摂取していると書かれており
  • 3:59 - 4:02
    長期的な効能と
    脳の変化を示しています
  • 4:03 - 4:06
    そういった薬物は
    どのように作用するのでしょうか
  • 4:06 - 4:08
    現代神経科学での研究は
    幻覚剤が
  • 4:08 - 4:10
    通常に利用される脳領域の
    活動を減少させると
  • 4:10 - 4:13
    実証しています
  • 4:13 - 4:15
    これは 私たちの自我が
    形成される領域です
  • 4:16 - 4:18
    そして自我は エゴと同等であり
  • 4:18 - 4:21
    個人の必要度と優先順位に基づいて
  • 4:21 - 4:24
    入力情報の取捨選択を行います
  • 4:24 - 4:28
    脳の通常領域での活動が
    減少すると
  • 4:28 - 4:32
    エゴは意識の背景へと姿を潜め
  • 4:32 - 4:38
    さらに大きな意識の一部となります
  • 4:38 - 4:41
    これは コペルニクスとガリレオが
  • 4:41 - 4:43
    望遠鏡を使用して
  • 4:43 - 4:44
    地球は宇宙の中心ではなく
  • 4:44 - 4:48
    地球より大きな太陽の周りを
    回っているのだという発見を
  • 4:48 - 4:50
    人類にもたらし
  • 4:50 - 4:54
    天文学の転換点となった
    ことと似ています
  • 4:54 - 4:57
    この幻覚剤による意識の変化は
    一部の人にとって
  • 4:57 - 4:59
    最も重要な
  • 4:59 - 5:03
    生命に関する体験です
  • 5:03 - 5:07
    自身よりも大きな世界と
    繋がった感覚を持つのです
  • 5:07 - 5:09
    自己犠牲の精神を感じ取り
  • 5:09 - 5:12
    死に対する恐怖心が無くなります
  • 5:12 - 5:14
    全ての幻覚剤が同じには働きません
  • 5:14 - 5:18
    エクスタシーやモリーという
    別名で知られるMDMAは
  • 5:18 - 5:20
    根本的に異なる働きをします
  • 5:20 - 5:22
    マルセラの物語を
    その事例として紹介します
  • 5:22 - 5:26
    マルセラは性的暴行による
  • 5:26 - 5:28
    心的外傷ストレス障害を
    患っていました
  • 5:29 - 5:32
    MDMAがまだ合法だった1984年
  • 5:32 - 5:35
    私たちは出会いました
  • 5:35 - 5:39
    それは治療目的の使用から
    薬剤が外れ始める時期でもありました
  • 5:39 - 5:43
    マルセラは嗜好目的で
    MDMAを試しました
  • 5:43 - 5:46
    服薬すると 過去の記憶が
    彼女の意識に溢れ出し
  • 5:46 - 5:50
    彼女の自殺念慮を増強しました
  • 5:51 - 5:53
    初めての会話の中で
    私はマルセラに
  • 5:53 - 5:57
    MDMAが治療目的に用いられる場合
  • 5:57 - 6:00
    耐え難い感情に対する恐怖を軽減し
    過去のトラウマ症状を
  • 6:00 - 6:04
    乗り越えられるかもしれないと
    説明しました
  • 6:04 - 6:07
    そして 共に治療を行いたいのなら
  • 6:08 - 6:10
    自殺しないと誓ってほしいと
    伝えました
  • 6:10 - 6:13
    彼女は 自殺をしないと
    誓ってくれました
  • 6:13 - 6:15
    治療を重ねるにつれ
  • 6:15 - 6:21
    マルセラは自身のトラウマ体験を
    よりスムーズに より簡単に
  • 6:21 - 6:24
    辿れるようになりました
    さらには レイプ犯から
  • 6:24 - 6:28
    もしこの話を誰かに漏らしたら
    お前を殺すと言われた事も
  • 6:28 - 6:29
    語れるようになりました
  • 6:30 - 6:34
    その体験が 犯人を忘れられない
    原因だと気づいたのです
  • 6:34 - 6:39
    その物語や体験 心に秘めた感情や思いを
    話せるようになることで
  • 6:39 - 6:41
    彼女はトラウマから
  • 6:41 - 6:42
    解放されたのです
  • 6:42 - 6:44
    そして彼女は
    生きて自分の人生を
  • 6:44 - 6:46
    前進させようと
    決めることができました
  • 6:46 - 6:47
    その瞬間 私は
  • 6:47 - 6:52
    MDMAがPTSDの治療に
    大変効果的かもしれないと気づきました
  • 6:53 - 6:56
    マルセラを治療してから
    35年経った現在
  • 6:56 - 6:59
    彼女は心理療法士として
  • 6:59 - 7:04
    MDMAを使用したPTSDの治療法を
    他の療法士に指導しています
  • 7:06 - 7:08
    では MDMAはどのように
    作用するのでしょうか
  • 7:08 - 7:10
    MDMAはどのように
    彼女を助けたのでしょう
  • 7:10 - 7:14
    PTSD患者の脳は
  • 7:14 - 7:16
    健常者の脳と異なります
  • 7:16 - 7:20
    恐怖を処理する偏桃体が
    過度に活発になっています
  • 7:20 - 7:24
    そして 論理的思考を司る
    前頭前野の活動が
  • 7:24 - 7:25
    低下しています
  • 7:25 - 7:29
    さらに 短期記憶を長期記憶へ
    移行させる
  • 7:29 - 7:32
    海馬の活動も低下しています
  • 7:32 - 7:36
    MDMAはそういった脳の活動を
    反対方向に変化させます
  • 7:36 - 7:38
    MDMAは偏桃体の活動を抑え
  • 7:38 - 7:42
    前頭前野の活動を活発にし
  • 7:42 - 7:45
    偏桃体と海馬のやり取りを
    活発にします
  • 7:45 - 7:49
    トラウマ的記憶が制御され
    長期記憶へ移行していくのです
  • 7:50 - 7:54
    最近 ジョンズ・ホプキンス大学の研究者が
    『Nature』に投稿した論文によると
  • 7:54 - 7:57
    MDMAが オキシトシンという
    愛と育成のホルモンを
  • 7:57 - 8:00
    分泌させると実証しています
  • 8:01 - 8:04
    同研究室はタコを用いて研究を行いました
  • 8:04 - 8:08
    タコは 発情期でない限り
    社会性を持ちません
  • 8:08 - 8:11
    しかし驚いたことに
    MDMAを投与すると
  • 8:11 - 8:13
    社会性が現れたというのです
  • 8:13 - 8:14
    (笑)
  • 8:15 - 8:18
    私がマルセラの治療にあたった数ヵ月後
  • 8:18 - 8:23
    MDMAを用いた心理療法について
    何も知らないまま
  • 8:23 - 8:25
    麻薬取締局がエクスタシーを
    非合法としました
  • 8:25 - 8:27
    そこで 私はワシントンへ行き
  • 8:27 - 8:31
    麻薬取締局本部を訪ねました
  • 8:31 - 8:33
    そして公聴会の開催を求める
    訴訟を起こしました
  • 8:33 - 8:36
    MDMAが非合法とならないよう
    精神科医と心理療法医が
  • 8:36 - 8:40
    心理療法でのMDMAの
    使用に関する情報を示すための
  • 8:40 - 8:42
    公聴会です
  • 8:42 - 8:45
    公聴会の途中で 麻薬取締局は酷く動揺し
  • 8:45 - 8:48
    緊急事態を宣言したのち
  • 8:48 - 8:50
    全てのMDMAの使用を非合法としました
  • 8:50 - 8:53
    そしてMDMAを合法に戻すには
  • 8:53 - 8:55
    科学的に 医学に基づいて
  • 8:55 - 8:58
    アメリカ食品医薬品局(FDA)の
    承認過程を通す必要がありました
  • 8:58 - 9:03
    そこで 私は1986年に
    非営利の幻覚剤製薬会社として
  • 9:03 - 9:05
    MAPSを立ち上げました
  • 9:06 - 9:09
    そして FDAに提出するための
    データを収集し
  • 9:09 - 9:12
    処方薬使用の承認を目指し
  • 9:12 - 9:16
    安全性と有効性を証明する
    大規模な研究の
  • 9:16 - 9:19
    第3相治験へ進むための
    許可申請を行いました
  • 9:19 - 9:22
    それらの活動は2016年まで行われ
    30年かかりました
  • 9:23 - 9:27
    トニーは退役軍人で
    先行研究対象者の1人です
  • 9:27 - 9:29
    退役軍人省によると
  • 9:29 - 9:32
    現在 100万人以上の退役軍人が
    PTSD障害を来しています
  • 9:33 - 9:36
    そして 1日で少なくとも20人の退役軍人が
    自殺をしているといいます
  • 9:36 - 9:39
    自殺の多くはPTSDによるものです
  • 9:40 - 9:44
    トニーの治療は3か月半ほどでしたが
  • 9:44 - 9:46
    その間に
  • 9:46 - 9:49
    MDMAを用いた治療機会は3度ありました
  • 9:49 - 9:53
    12回、各回90分の
    薬剤を使用しないセッションを行います
  • 9:53 - 9:56
    最初の3回はMDMA投与前の準備に
  • 9:56 - 10:00
    各回のMDMA投与後に3度づつ
    治療統合の目的に行います
  • 10:00 - 10:04
    私たちはこの治療法を
    「内向療法」と呼んでおり
  • 10:04 - 10:08
    患者の心理や身体の中に現れるものを
    ― それが何であれ
  • 10:08 - 10:10
    患者が体験するのを手助けします
  • 10:11 - 10:14
    これはMDMAを用いたとしても
    難しい治療です
  • 10:14 - 10:16
    多くの被検者は
    こう言ってきました
  • 10:16 - 10:18
    「MDMAがなぜエクスタシーと
    呼ばれるのか分からない」
  • 10:18 - 10:20
    (笑)
  • 10:20 - 10:23
    トニーは初回MDMA投与の際
  • 10:23 - 10:26
    ソファーに横たわり 目隠しをして
  • 10:26 - 10:28
    音楽を聴いていました
  • 10:28 - 10:30
    そして彼が話をしたいと
    思ったときにいつでも
  • 10:30 - 10:31
    男女で構成された
    心理療法士チームと
  • 10:31 - 10:34
    話をしました
  • 10:34 - 10:35
    数時間後
  • 10:35 - 10:38
    落ち着いて 思考が明瞭になった状態で
  • 10:38 - 10:42
    トニーは 自身のPTSDが友人と
    繋がる手段だと気づき
  • 10:42 - 10:48
    私たちにそう語りました
  • 10:48 - 10:52
    PTSDは 亡くなった友人との記憶に
    敬意を表わす手段だったのです
  • 10:52 - 10:57
    トニーは 亡くなった友人の瞳を通して
    自分自身を見つめ前進することができました
  • 10:57 - 10:59
    そして トニーが苦しみ
    人生を浪費することを
  • 10:59 - 11:01
    彼らは望まないと気付きました
  • 11:01 - 11:02
    自身が生きられなかった分
  • 11:02 - 11:04
    生きて欲しいと
    望んでいることに気付いたのです
  • 11:04 - 11:08
    トニーは彼らとの記憶に敬意を表す
    新たな方法を見つけました
  • 11:08 - 11:11
    それは できる限り自由に
    人生を歩むことです
  • 11:12 - 11:15
    さらにトニーは 痛みを抑えるため
    麻薬鎮痛剤を服用していたとも
  • 11:15 - 11:17
    語りましたが
  • 11:17 - 11:20
    実際には逃避のために飲んでいたのだと
    気付きました
  • 11:21 - 11:24
    そこで今後は鎮痛剤もMDMAも
  • 11:24 - 11:25
    服用しないと決心しました
  • 11:25 - 11:27
    そしてトニーは研究対象から外れました
  • 11:28 - 11:29
    これは7年前の話です
  • 11:29 - 11:32
    トニーはPTSDから解放され
  • 11:32 - 11:34
    以来 麻薬鎮痛剤は服用していません
  • 11:34 - 11:38
    そして彼は今 カンボジアで
    不幸に見舞われた人々の手助けをしています
  • 11:39 - 11:44
    (拍手)
  • 11:44 - 11:46
    FDAに提出したデータは
  • 11:46 - 11:49
    トニーを含む107名の先行研究データに
    基づいており
  • 11:49 - 11:55
    23%の被験者が MDMAを用いない治療により
    最終的にはPTSDを克服できたと
  • 11:55 - 11:58
    示しています
  • 11:58 - 12:01
    この種の患者集団にしては
    かなり良い結果ですが
  • 12:01 - 12:04
    MDMAを用いた場合
  • 12:04 - 12:08
    倍以上の56%の被験者が
    PTSDを克服しました
  • 12:09 - 12:13
    (拍手)
  • 12:13 - 12:14
    しかし最も重要なことは
  • 12:14 - 12:17
    トラウマを抑制することなく
  • 12:17 - 12:19
    それを処理できることに気付けば
  • 12:19 - 12:21
    自分自身で回復に向かえます
  • 12:21 - 12:25
    1年の経過観察期間後
    つまり最後の治療から1年後
  • 12:25 - 12:28
    3分の2の被験者はPTSDを
    再発していませんでした
  • 12:28 - 12:30
    残りの3分の1の被験者については
  • 12:30 - 12:33
    多くの人に 臨床的に有意義な
    症状の軽減が見られました
  • 12:33 - 12:37
    (拍手)
  • 12:38 - 12:39
    このデータに基づいて
  • 12:39 - 12:44
    麻薬取締局は MDMAが
    PTSD心理療法の
  • 12:44 - 12:45
    画期的治療薬であると宣言しました
  • 12:46 - 12:49
    FDAはまた シロシビンを
    治療不可能だった うつの
  • 12:49 - 12:51
    画期的治療薬であると
    宣言しています
  • 12:51 - 12:55
    さらに最近では エスケタミンを
    うつ治療に用いることを承認しています
  • 12:57 - 13:02
    現在私たちは 研究の第3相治験を開始したと
    胸を張っています
  • 13:03 - 13:05
    もし研究結果が
    私たちの望む結果で
  • 13:05 - 13:08
    第2相治験と同様の結果であれば
  • 13:08 - 13:13
    FDAは2021年末までに MDMAを補助に使った
    PTSDの心理療法を承認するでしょう
  • 13:14 - 13:15
    もし承認されれば
  • 13:15 - 13:19
    我々の訓練を受けた
    心理療法士だけが
  • 13:19 - 13:23
    患者に対しMDMAを直接投与できる
    心理療法士となります
  • 13:23 - 13:25
    そしてそのような心理療法士だけが
  • 13:25 - 13:28
    臨床における直接監督のもと
    MDMAの投与が許されます
  • 13:29 - 13:33
    数十年のうちに 幻覚剤を用いる診療所が
  • 13:33 - 13:36
    たくさん開設されると予想しています
  • 13:36 - 13:39
    そういった診療所では
    心理療法士が
  • 13:39 - 13:43
    MDMAやシロシビン
    ケタミンやその他の幻覚剤を
  • 13:43 - 13:46
    多くの患者に用いることが
    できるでしょう
  • 13:47 - 13:49
    さらにそのような診療所は
  • 13:49 - 13:54
    自己啓発活動 パートナー間の心理療法
    精神的 心霊体験などに
  • 13:54 - 13:56
    幻覚剤を用いる
  • 13:56 - 14:00
    治療センターになることも可能です
  • 14:01 - 14:08
    人類は今 破滅と自覚の間の
    競争の真っただ中にいます
  • 14:08 - 14:14
    幻覚剤の復興は
    自覚の勝利を助けます
  • 14:14 - 14:18
    そして今 皆さんが座席の下を
    覗き込んだとしたら
  • 14:18 - 14:19
    冗談です
  • 14:19 - 14:21
    (笑)
  • 14:21 - 14:22
    ありがとうございます
  • 14:22 - 14:24
    (拍手)
  • 14:24 - 14:25
    (笑)
  • 14:25 - 14:30
    (拍手)
  • 14:30 - 14:31
    ありがとうございます
  • 14:31 - 14:35
    (拍手)
  • 14:36 - 14:39
    (コリー・ハジム)あと数分
    ここに居てください
  • 14:39 - 14:40
    ありがとうございました リック
  • 14:40 - 14:42
    温かい聴衆ですね
  • 14:42 - 14:44
    (ドブリン)ええ とても
  • 14:46 - 14:48
    多くの方は「バーニングマン」に
    参加されていますね
  • 14:48 - 14:49
    (笑)
  • 14:49 - 14:51
    (ハジム)相乗効果があると思います
  • 14:51 - 14:52
    (笑)
  • 14:52 - 14:55
    (ハジム)さて本日の講演では
    幻覚剤を用いて
  • 14:55 - 14:59
    深刻な心的トラウマを治療する方法について
    お話しされましたが
  • 14:59 - 15:02
    不安障害やうつといった
    より一般的な精神疾患での
  • 15:02 - 15:04
    少量投与については
  • 15:04 - 15:06
    どのようにお考えでしょうか
  • 15:06 - 15:09
    (ドブリン)少量投与はうつに
    効果的です
  • 15:09 - 15:12
    実際うつに用いている
    知人がいます
  • 15:12 - 15:15
    しかし一般的に 治療目的の場合
  • 15:15 - 15:18
    少量投与よりもむしろ
    多量投与が好まれます
  • 15:18 - 15:21
    病の根本原因を治療するためです
  • 15:21 - 15:23
    少量投与はより創造力を高め
  • 15:23 - 15:25
    芸術的ひらめきや集中力を上げるために
  • 15:25 - 15:26
    使用されます
  • 15:27 - 15:30
    さらに気分を上昇させる
    力も持っています
  • 15:30 - 15:32
    ですが深刻な疾患の場合
  • 15:32 - 15:35
    毎日服用する幻覚剤が
    必要だということではなく
  • 15:35 - 15:37
    より深く 強烈な作用が必要だ
    ということです
  • 15:37 - 15:41
    (ハジム)アメリカそして北米外での
  • 15:41 - 15:43
    研究は進んでいますか?
  • 15:43 - 15:45
    (ドブリン)はい 私たちは
    国際的に拡張しています
  • 15:46 - 15:48
    実際 我々の第3相治験は
  • 15:48 - 15:51
    イスラエル カナダ そしてアメリカで
    行われています
  • 15:51 - 15:52
    FDAからの承認を得れば
  • 15:52 - 15:56
    イスラエルそしてカナダからも
    承認を得ることができます
  • 15:56 - 15:59
    そして現在はヨーロッパでの
    研究を開始するところです
  • 15:59 - 16:03
    さらには中国から何人かの心理療法士を
    招き訓練をしている最中です
  • 16:03 - 16:05
    (ハジム)素晴らしいですね
  • 16:05 - 16:06
    今日の治療法が良い考えであるか
  • 16:06 - 16:09
    研究を進めるべきかどうかを確認するため
  • 16:09 - 16:11
    TEDで投票を行う予定でしたが
  • 16:11 - 16:14
    答えは既に分かった気がします
  • 16:14 - 16:15
    リック どうもありがとう
  • 16:15 - 16:17
    (ドブリン)皆さん ありがとうございます
  • 16:17 - 16:19
    (拍手)
Title:
幻覚剤を用いた心理療法の未来
Speaker:
リック・ドブリン
Description:

幻覚剤を用いて、心的外傷や精神疾患を治療できるでしょうか? 研究者のリック・ドブリンは過去30年にわたりこの問いについて研究してきました。そして結果は期待できるものでした。幻覚剤の科学にのめり込んでしまう程魅力的なこの講演の中で、LSDやマジックマッシュルーム、MDMAといった薬物が脳にどの様な影響を及ぼすのかをドブリンが説明します。そして、いつどのように幻覚剤を心理療法に用いれば、PTSDやうつ病、薬物依存などを治療できるのか、紹介します。

more » « less
Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDTalks
Duration:
16:32

Japanese subtitles

Revisions Compare revisions