再生不可能なものを可能にする
-
0:01 - 0:03いつもと変わらない
土曜日のことでした -
0:03 - 0:06父は庭で芝を刈り
-
0:06 - 0:08母は2階で洗濯物をたたみ
-
0:08 - 0:10姉は自分の部屋で
宿題をしており -
0:10 - 0:12私は地下で
テレビゲームをしていました -
0:13 - 0:15飲み物を取りに
1階に上がった時 -
0:15 - 0:17窓の外に目をやると
-
0:17 - 0:20自分のやるべき事が
そこにあるのに気づきました -
0:20 - 0:21これがその時見たものです
-
0:24 - 0:27ええ これは我が家の
調理風景ではなく -
0:27 - 0:30私の科学プロジェクトでした
-
0:30 - 0:32火が吹き出し
-
0:32 - 0:33煙が出て
-
0:33 - 0:36ウッドデッキには
今にも火が燃え移りそうでした -
0:36 - 0:38私はすぐさま大声を出しました
-
0:38 - 0:40母はパニックに陥り
-
0:40 - 0:42父は火を消そうと走り回り
-
0:42 - 0:46勿論 姉は
ビデオを回し始めました -
0:46 - 0:48(笑)
-
0:48 - 0:51これは私の科学チームの
プロジェクトが始まったばかりのことでした -
0:51 - 0:54チームは私と3名の学生で
構成されています -
0:54 - 0:56皆 ここに来ているんですよ
-
0:56 - 0:58私達はFIRST LEGOリーグに
出場しました -
0:58 - 1:02それは子どもが参加する
国際LEGOロボットの競技でした -
1:02 - 1:04ロボットの大会だけではなく
-
1:04 - 1:06別の科学プロジェクトにも
取り組みました -
1:06 - 1:09これが
そのプロジェクトです -
1:09 - 1:12その発想は全て
その数か月前に始まったのです -
1:12 - 1:15何名かのチームメートが
中央アメリカを旅行し -
1:15 - 1:17発泡スチロールや
発泡ポリスチレンフォームで -
1:18 - 1:19散らかった海岸を
目にしたのです -
1:20 - 1:22彼らが戻って
この事を伝えてくれた時 -
1:22 - 1:26毎日どんな形で発泡スチロールを
目にしているか考え始めました -
1:26 - 1:28新しいテレビを買ったら
-
1:28 - 1:31テレビそのものより大きな
発泡スチロールが付いて来ます -
1:31 - 1:33コーヒーを飲むと
-
1:33 - 1:36発泡スチロールのカップが出てきます
-
1:36 - 1:391度使われた後
こういった物はどこへ行くのでしょうか? -
1:39 - 1:43使用済み発泡スチロールの
有効な処理法は存在しないので -
1:43 - 1:45殆どは ごみ処理施設、海、ビーチに
-
1:45 - 1:46結局は置き去りになり
-
1:47 - 1:49分解するのに
500年以上かかるのです -
1:49 - 1:51事実 毎年アメリカだけで
-
1:51 - 1:54900万トンの発泡スチロールが
生産されており -
1:54 - 1:57ごみ処理施設の25%を
占拠し続けています -
1:57 - 2:00では何故 発泡スチロールのゴミの山を
そのままにしているのでしょう? -
2:01 - 2:04多くのプラスチックのように
何故再利用出来ないのでしょう? -
2:04 - 2:08単純に 再生されたポリスチレンは
高価すぎるうえ -
2:08 - 2:09汚染されている可能性があります
-
2:09 - 2:14従って再生発泡スチロールの
需要はほんのわずかなのです -
2:14 - 2:17その結果 発泡スチロールは
再生不能な素材と見なされています -
2:17 - 2:21ポリスチレンの再生は実行も出来ないし
成功しそうにないからです -
2:22 - 2:24事実 アメリカの多くの都市では
-
2:24 - 2:26ポリスチレンを含む
-
2:26 - 2:29多くの製品の生産を単に
禁止する条例が可決されています -
2:29 - 2:31その中には
使い捨てフォーク類や -
2:31 - 2:34梱包用の詰め物、使い捨て容器
-
2:34 - 2:36プラスチック製のおもちゃまで
-
2:36 - 2:39今日の社会に役立つ
全ての製品が含まれています -
2:39 - 2:41そして今フランスは
カップ、皿といった -
2:41 - 2:43全てのプラスティック用具を
禁止した -
2:43 - 2:45最初の国となりました
-
2:45 - 2:48しかしもし
安くて、軽くて、断熱できて -
2:48 - 2:51包装にも使える便利な
発泡スチロールを使い続けても -
2:51 - 2:53発泡スチロールの廃棄にまつわる
-
2:53 - 2:56悪影響が問題にならないとしたら
-
2:56 - 2:57どうでしょうか
-
2:57 - 3:01それを何か他の役立つものに
変える事が出来たらどうでしょう? -
3:01 - 3:03不可能を可能に変えられるなら
どうでしょう? -
3:04 - 3:09我がチームは活性炭を作り出す為に
発泡スチロールの中に既に存在する炭素が -
3:09 - 3:11使えないかと仮定してみました
-
3:11 - 3:13それは今日殆どどの浄水器にも
使われている物です -
3:13 - 3:17活性炭は水や空気から
汚染物質を除去する為に -
3:17 - 3:20非常に小さな微小孔が
作用しています -
3:21 - 3:24私達は様々な加熱実験を
行う事から始めました -
3:24 - 3:27残念ながら
何度も失敗を重ねました -
3:28 - 3:30本当に 何一つ
うまくいきませんでした -
3:30 - 3:32その上 父のグリルから火が上がり
-
3:32 - 3:35サンプルの殆どが
蒸発して消えたり -
3:35 - 3:38高価な暖炉の中で爆発して
-
3:38 - 3:40おぞましいベトベトな
残骸になったりしました -
3:40 - 3:44実際 失敗に落ち込んで
もう諦めかけていました -
3:45 - 3:47大人が全員無理だと言った時
-
3:47 - 3:49私達は何故
頑張り続けたのでしょう? -
3:49 - 3:52おそらくそれは自分達が子どもで
頑張るしかなかったからです -
3:53 - 3:56しかし実はそれがまだ不可能ではないと
思っていたからなのです -
3:56 - 3:58成功したら 環境に貢献でき
-
3:58 - 4:01世界をより良い場所にする事が
出来ると分かっていたのです -
4:01 - 4:03だから私達は挑戦し続けました
-
4:03 - 4:05そして失敗し
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4:05 - 4:07また挑戦し
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4:07 - 4:08そして失敗しました
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4:08 - 4:10諦める覚悟は出来ていました
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4:11 - 4:12でもその時 やったのです
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4:12 - 4:15適切な温度、時間、化学物質で
-
4:15 - 4:17私達は遂に
発泡スチロールのゴミから -
4:17 - 4:21活性炭を作り出した事を示す
確かな実験結果を得たのです -
4:21 - 4:24その瞬間 不可能だったものが
-
4:24 - 4:25突然可能になりました
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4:25 - 4:29それは
始めは沢山失敗したけれど -
4:29 - 4:32自分達が望んだ実験結果を得る為に
耐えてやり抜く事が出来た証でした -
4:32 - 4:35その上 浄水する為の活性炭を
-
4:35 - 4:36作り出せただけでなく
-
4:37 - 4:39発泡スチロールごみを
減らす事もでき -
4:39 - 4:42わずか1つの方法で
2つの地球規模の問題を解決出来ました -
4:42 - 4:45それからプロジェクトを
さらに進める意欲が高まり -
4:45 - 4:47その方法の効果を高める実験や
-
4:48 - 4:50実際の状況に応じた
テストを行って来ました -
4:50 - 4:52その後 資金を集め始めました
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4:52 - 4:55NSTAのeCYBERMISSION
STEM-in-Action プログラム― -
4:55 - 4:56米陸軍が主催するものです
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4:56 - 5:00同様にXPRIZE主催のFIRST で
Global Innovation賞を受けました -
5:01 - 5:02又Google科学フェアで
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5:02 - 5:05アメリカ科学イノベーション賞も
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5:05 - 5:06受賞しました
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5:06 - 5:10これらの基金で特許を取り
自分達のプロジェクトに -
5:10 - 5:12取り組み続けようと計画しています
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5:12 - 5:17そう 父のグリルを
火だるまにしたことから始めて -
5:17 - 5:19何度も失敗して
殆ど諦めかけていたけれど -
5:19 - 5:22今振り返れば
やる価値は十分にありました -
5:22 - 5:25多くの人達が不可能だと言った
問題に取り組み -
5:25 - 5:26それを可能にし
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5:26 - 5:29何をやってもうまく行かなかった時も
頑張ってやり抜いたのです -
5:29 - 5:31少しばかりの 又は
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5:31 - 5:33沢山の失敗なしには
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5:33 - 5:35成功は出来ないのだと学びました
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5:35 - 5:39だから将来 もしグリルから
火が上がっても恐れないで下さい -
5:39 - 5:43あなたの発想にも
火がつくかも知れないのだから -
5:44 - 5:45ありがとうございました
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5:45 - 5:49(拍手)
- Title:
- 再生不可能なものを可能にする
- Speaker:
- アシュトン・コーファー
- Description:
-
梱包用の詰め物から使い捨てのコーヒーカップまで、アメリカだけで毎年900万トンの発泡スチロールが生産されており、それは全く再利用されません。この資源の無駄と溢れかえったごみ処理施設の現状に衝撃を受け、アシュトン・コーファーは科学フェアのチームメートと共に、使用済みの発泡スチロールに熱処理を施して他の役立つ物質を造り出しました。FIRST LEGOリーグの世界イノベーション賞とGoogle科学フェアのアメリカ科学イノベーター賞を受賞した彼らのオリジナルデザインを見てみましょう。
- Video Language:
- English
- Team:
closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 06:01
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Riaki Ponist edited Japanese subtitles for A plan to recycle the unrecyclable | |
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Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for A plan to recycle the unrecyclable | |
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Natsuhiko Mizutani approved Japanese subtitles for A plan to recycle the unrecyclable | |
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Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for A plan to recycle the unrecyclable | |
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Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for A plan to recycle the unrecyclable | |
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Eriko Tsukamoto accepted Japanese subtitles for A plan to recycle the unrecyclable | |
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Eriko Tsukamoto edited Japanese subtitles for A plan to recycle the unrecyclable | |
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Eriko Tsukamoto edited Japanese subtitles for A plan to recycle the unrecyclable |
Hiroko Ishikawa
packing peanutsは、ピーナッツの袋ではなく 梱包用の詰め物のことだと思います。
(発泡スチロールで出来たピーナッツの殻の形をした梱包用詰め物。 ちなみに、
packing noodlesは細長いうどんの形をした梱包用詰め物です。)