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日本から世界へ | 近藤 誠一 | TEDxKyoto

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    今年は 私にとっては大きな一年でした
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    とても悲しいこと そして
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    とても嬉しいことがありました
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    悲しいこととは 父をなくしたことです
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    嬉しいこととは ユネスコによって
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    富士山が世界文化遺産に
    登録されたことです
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    私の父が育ったのは富士山のある
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    静岡県沼津市という街です
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    父は毎日 富士山を崇め 愛して
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    学生時代を過ごしたのです
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    その父が 富士山が
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    世界遺産に登録される日を
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    夢見たことは当然のことです
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    父はかなり前に退職してから
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    静岡県のリゾートとしてよく知られる
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    熱海市へと移り そこで
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    94年の人生を終えたのでした
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    5月初旬ですね 私はユネスコの
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    諮問機関であるICOMOSが
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    「富士山は世界遺産に登録されるべきである」
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    と勧告を出したことを知りました
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    私はすぐに 父を熱海の病院に訪ね
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    このとびきり嬉しいニュースを
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    知らせてやりました
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    父は既に口のきけない状態でしたが
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    目を開いて 大きく微笑み
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    私の手を握りました
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    それが私と父との最後の対話でした
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    彼は数時間後の夜明けに旅立ちました
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    それから6週間が経ったとき
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    富士山はユネスコによって
    正式に世界遺産に登録されました
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    ここで重要なことは富士山が
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    自然遺産ではなく
    文化遺産として
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    受け入れられたことです
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    その美しい景観ではなく
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    芸術的インスピレーションを与える
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    源泉であることが評価されたのです
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    富士山は日本最古の和歌集である
    『万葉集』の歌読みから
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    18 - 19世紀の有名な
    浮世絵作家の葛飾北斎を初め
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    江戸時代の版画職人に及ぶまで
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    多数の芸術家に
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    素晴らしいインスピレーションを与えてきました
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    日本人の美意識の神髄は
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    その独特な自然観から来ていると思います
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    西欧の文明が
    人間には理性があるという理由で
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    人間を自然より上位に置くのに対し
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    日本人は人間といえども
    自然の一部に過ぎず
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    自然と一体となって暮らしたい
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    自然に真っ向から
    立ち向ってはならない
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    こういった考え方をするものなんです
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    この日本人が独自に形成した自然観は
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    庭造りに最もよく現われています
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    日本庭園は自然と完全に
    調和するよう できています
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    11世紀の庭造りの教科書である
    『作庭記』には
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    良い庭を作るには
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    「自然の言うままにしなさい」
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    このように書かれています
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    これは西欧の庭とは決定的に違います
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    フランスのパリ郊外にある
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    ヴェルサイユ宮殿の庭のデザインは
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    完璧な直線や丸、左右対称といった
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    幾何学的なもので
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    これは あたかも人間の
    優位性を主張するようです
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    しかし 自然界には
    完璧な直線や完全な丸
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    左右が完全に対称なものはありません
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    これが存在するのは
    人間の頭の中だけです
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    陶器の世界にも同様の違いがみられます
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    ロイヤルコペンハーゲンのカップは
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    できるだけ完全な円を目指すことで
    自己主張をしていますが
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    日本の茶道で用いる茶碗の一種
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    楽茶碗はというと
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    意図的にゆがんだ形になっています
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    その方が日本人には自然で
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    心地がよいと感じるためです
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    日本人が自然を尊重することは
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    動物を同等の仲間として
    迎えることにつながります
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    例えば日本のオペラとしては
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    最も有名で愛されている『夕鶴』では
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    鶴が人間の女性に姿を変えて
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    命を助けてもらった男に恩返しをします
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    西欧では 人間は自然よりも優越している
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    と考えられているので
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    悪魔が人間を
    白鳥の姿に変えることはあっても
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    動物が感情を表わすために自分で
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    人間に姿を変えることは
    ほとんどどありません
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    人間といっても自然の一部にすぎない
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    という日本人の発想は
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    家具でさえ
    感情を持つということも受け入れます
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    これは中世に描かれた
    御伽草子の絵巻です
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    御伽草子では 古くなった家具が
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    庭の隅に捨てられてしまい
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    そのことに腹を立てた家具が
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    仕返しのために妖怪に姿を変えて
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    人間を脅かすという話を載せています
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    これは科学的にはあり得ないことで
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    大抵の西欧人には
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    全く馬鹿げたことに思えるでしょう
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    しかし 日本人にとってはあまり抵抗もなく
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    受け入れられてしまう話です
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    この日本人の独特な自然観は
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    何世紀にもわたって培われた
    自然への崇拝の念と
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    自然を慈しむ気持ちが
    混ざったところから生まれました
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    日本人は何故
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    こうした自然観を
    持つに至ったのでしょうか
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    それは四季の区別のはっきりした
    素晴らしく
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    そして美しい自然美があること
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    そして 火山の噴火や地震など
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    人間の統制の及ばない厳しい自然災害
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    そして そうした自然災害の直後に
    私たちを包み込んでくれる
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    花、果物、野菜に魚などの
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    豊富な資源に恵まれたためです
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    こうした日本人が培ってきた
    そして今なお持っている
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    自然観は
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    現代日本人にも よく理解され
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    世界中の人とも
    共有されなければなりません
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    なぜならば
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    まず 第一にそうした自然観は自然を敬う
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    気持ちを養わせるからです
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    それは地球の環境保全
    そして 環境問題の解決にとって
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    極めて重要な意味を持ちます
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    地球温暖化問題はその一例にすぎません
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    第二に こうしたアプローチは
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    異なる文化的背景を持つ人々の
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    相互理解に貢献する
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    とても重要な
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    他人への同情や
    思いやりの気持ちを育みます
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    第三に これは多様性を
    尊重する気持ちが養われることで
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    不要な紛争を回避でき
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    究極的に世界の平和に貢献するからです
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    ですから 富士山が
    世界文化遺産に登録されたことで
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    世代を越えて日本人が継承していた
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    自然観の大切さに注目が集まるだけでなく
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    21世紀文明におけるその相応しさを
    示すことができたらと 願っています
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    皆さま
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    私の外交官時代の話を
    少し紹介させてください
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    外交官が「Yes」と言えば
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    これは「おそらく」という意味
    だと言ったものです
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    「おそらく」と言った場合には
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    これは「No」を意味し
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    外交官が「No」と言えば
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    その人は外交官ではない
    と言われていました (笑)
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    私がTEDxKyoto への招待状に対して
    言った「Yes」は
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    まさに「Yes」の意味を込めた返事でした
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    なぜなら このようなメッセージを
    伝えることができる
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    素晴らしい機会を与えてくれますから
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    私の父は 富士山が
    世界遺産に登録された後
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    そのメッセージを皆さんに伝えて欲しい
    と期待していたのです
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    ありがとうございました
  • 11:42 - 11:45
    (拍手)
Title:
日本から世界へ | 近藤 誠一 | TEDxKyoto
Description:

日本人の奥深くに根ざす自然観を、最もよく表しているのは日本人の持つ富士山に対する情愛でしょう。文化庁長官の近藤 誠一は、自然と人間との間の調和の回復を促進する手段として、日本人的哲学の核となる部分を世界と共有することを目指します。

このビデオはTEDカンファレンスとは独立して運営されるTEDxイベントにおいて収録されたものです。

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDxTalks
Duration:
11:51

Japanese subtitles

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