アダム・サヴェッジの飽くなき探求
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0:00 - 0:03約4年前 ニューヨーカー誌に
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0:03 - 0:05モーリシャス島で大量のドードーの骨が
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0:05 - 0:08発見されたというニュースが掲載されました
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0:08 - 0:10モーリシャス島は マダガスカルの東
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0:10 - 0:13インド洋に浮かぶ小さな島です
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0:13 - 0:15そして この島は
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0:15 - 0:18ドードー鳥が発見され その後
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0:18 - 0:21約150年で絶滅してしまった場所です
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0:21 - 0:24みんなが この考古学的発見に興奮しました
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0:24 - 0:26それは ついに我々がドードーの全身骨格を
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0:26 - 0:28再現できるかもしれないからです
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0:28 - 0:30世界中の博物館がドードーの
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0:30 - 0:32骨格標本を所持していますが
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0:33 - 0:35モーリシャスの自然史博物館でさえ
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0:35 - 0:37一羽のドードーの骨から作られた
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0:37 - 0:40完全な骨格標本は持っていません
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0:40 - 0:42えっと これは厳密には正しくないですね
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0:42 - 0:44実際には大英博物館が
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0:44 - 0:4618世紀までは完璧なドードーの標本を
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0:46 - 0:48所持していました
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0:48 - 0:50皮膚も全てミイラ化した標本でしたが
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0:50 - 0:52収容スペースの削減に伴い
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0:52 - 0:54頭と足を切り取り それ以外は
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0:54 - 0:57すべて燃やしてしまいました
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0:57 - 0:59大英博物館のホームページでは
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0:59 - 1:01ドードーについて こう書いてあります
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1:01 - 1:04「残りは全て火事で喪失した」
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1:04 - 1:07真実とはちょっと違います それはさておき
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1:07 - 1:09その記事はこの写真から始まります
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1:09 - 1:11この写真をニューヨーカー誌に提供した
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1:11 - 1:13ティナ・ブラウンは すばらしいと思います
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1:13 - 1:15僕はこの写真に衝撃を受けました
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1:15 - 1:17魅了されてしまったのです
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1:17 - 1:19ただ単に写真自体が美しいだけでなく
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1:19 - 1:22色調 浅い被写界深度 ディティールまで見て取れます
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1:22 - 1:24くちばしの部分にワイヤーが見えるでしょう
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1:24 - 1:27博物館の方が骨をつなぎ止めるのに使ったんです
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1:27 - 1:29この写真には物語があります
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1:29 - 1:31そして僕はこう思ったのです
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1:31 - 1:33もし僕がドードーの骨格標本を所持していたら
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1:33 - 1:36どんなに すばらしいんだろうって
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1:36 - 1:39(笑)
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1:39 - 1:42ここで ひとつ言っておきたいことは
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1:42 - 1:44僕は物や それらが持つ背景に
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1:44 - 1:47魅了され続けて生きてきたのですが
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1:47 - 1:49ドードーの骨格標本もその一つだったのです
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1:49 - 1:51そこで僕は探し始めました
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1:51 - 1:53誰かがキットを売っているんじゃないか
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1:53 - 1:55僕が買えそうな模型はないだろうか
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1:55 - 1:58参考資料や素敵な写真は数多く見つけましたが
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1:58 - 2:02ドードーの骨格標本はありません
しかし手がかりはつかめたのです -
2:02 - 2:04僕は何百枚ものドードーの骨の写真を
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2:04 - 2:06「クリエイティブ・プロジェクト」フォルダに保存しました
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2:06 - 2:09それは僕の頭の中にある倉庫で
興味がある物を何でも貯蔵します -
2:09 - 2:11インターネットに接続すると いつも
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2:11 - 2:14大量のデータがそこに蓄積されます
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2:14 - 2:18美しい指輪の写真からコクピットの写真まで何でもです
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2:18 - 2:21これはラファイエット侯爵がジョージ・ワシントンに送った
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2:21 - 2:23バスティーユ牢獄の鍵ですね
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2:23 - 2:24ロシア核弾頭発射キーです
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2:24 - 2:26上の写真は僕が eBay で見つけたやつで
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2:26 - 2:29下の方は自分用に作ったものです
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2:29 - 2:31落札できなかったから作りました
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2:31 - 2:34ストーム・トルーパーのコスチューム 僕の手書きの
中つ国の地図 そしてドードーの骨フォルダです -
2:34 - 2:36ストーム・トルーパーのコスチューム 僕の手書きの
中つ国の地図 そしてドードーの骨フォルダです -
2:36 - 2:38このフォルダには17000枚の写真があり
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2:38 - 2:4020ギガバイトを超える情報量です
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2:40 - 2:42そして日々増え続けています
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2:42 - 2:45そして何週間後か1年後くらいのある日
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2:45 - 2:47僕は子供とアート用品店に行き
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2:47 - 2:50粘土細工用の道具を買いました
もうすぐクラフト・デイだったんです -
2:50 - 2:53スーパー・スカルピー(造形用粘土)や針金
その他諸々の材料を買いました -
2:53 - 2:55そしてスカルピーを見て思ったのです
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2:55 - 2:57もしかしたら
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2:57 - 3:00自分用のドードーの頭骨を作れるかもしれない
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3:01 - 3:03言っときますが 僕は彫刻家ではないです
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3:03 - 3:05僕は真剣な模型製作者です
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3:05 - 3:08イラストを与えられ レプリカ用の資料を与えられ
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3:08 - 3:11クレーンを与えられ 骨組みを与えられ
これは「スター・ウォーズ」ですね -
3:11 - 3:13特に「スター・ウォーズ」なんかは
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3:13 - 3:15一日中作業してても全く飽きないです
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3:15 - 3:17僕はこうした仕事で 15年間ほど生きてきたんです
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3:17 - 3:20でも例えば次の写真のようなものに関しては―
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3:20 - 3:22これは友人のマイク・マーネインの造形です
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3:22 - 3:24スター・ウォーズ エピソード2用の模型ですが
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3:24 - 3:26こういうものは僕の守備範囲ではありません
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3:26 - 3:29他の人の仕事です
ドラゴンとか メカじゃないものはね -
3:29 - 3:33でも 膨大な量のドードーの写真を見たおかげで
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3:33 - 3:35骨の形もよく把握していたし
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3:35 - 3:38レプリカを作れるのでは と思ったんです
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3:38 - 3:40つまり そこまで難しくないんじゃないかと
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3:40 - 3:43そこでまず完璧な写真を探すことにしました
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3:43 - 3:45すべての参考資料に目を通し
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3:45 - 3:47このすばらしい写真を見つけたのです
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3:47 - 3:49これは誰かが eBay で売っていました
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3:49 - 3:52明らかに女性の手 おそらく女性の手でしょう
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3:52 - 3:54この手を妻の手と同じ大きさだと仮定して
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3:54 - 3:57妻の親指を計測して頭骨の大きさを概算しました
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3:57 - 4:00そして この写真を実寸まで拡大し
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4:00 - 4:02他の参考写真と比較することで
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4:02 - 4:05くちばしの大きさ 長さ 等
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4:05 - 4:07様々な計算をしました
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4:07 - 4:10数時間に及ぶ格闘の末
満足できるドードーの頭骨を -
4:10 - 4:13作り上げました でもその時は
続けるつもりはなかったんです -
4:13 - 4:16分かると思いますが ひどく散らかった
部屋を片付けるのと同じで -
4:16 - 4:19物を1つずつ片付けますが
部屋全体のことなんか見てない -
4:19 - 4:21ドードーの全身骨格は考えていませんでした
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4:21 - 4:23頭骨を完成して気がついたんです
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4:23 - 4:25頭骨を支えるために使っていた針金が
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4:25 - 4:27脊椎がある場所から飛び出していたのです
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4:27 - 4:30正直 脊椎や他の骨にも興味があったし
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4:30 - 4:33何百もの参考資料も持っていました
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4:33 - 4:35そして十分レプリカを作れるほどに
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4:35 - 4:38脊椎の構造も理解していたので
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4:38 - 4:40ひとつ ひとつ
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4:40 - 4:43まさに脊椎ひとつ ひとつ 作りはじめました
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4:43 - 4:46そして頭骨を完成させた日の終わりには
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4:46 - 4:50脊椎と骨盤の半分くらいまで
なんとか形になりました -
4:50 - 4:53そして再び 参考資料探しを続行しました
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4:53 - 4:56イラストや美しい写真など
どんな些細な資料も見逃しません -
4:56 - 4:59この男 もう最高です! 定規と一緒に
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4:59 - 5:01ドードーの足の骨をスキャンしていました
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5:01 - 5:03こんな正確な資料が欲しかったんです
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5:03 - 5:05そして僕は 全ての骨を
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5:05 - 5:07一つ残らず複製し 組み立て
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5:07 - 5:10そしておよそ6週間後位ですか
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5:10 - 5:13完成させ 色を塗り 台座にのせ
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5:13 - 5:16自分用の全身骨格を手に入れたのです
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5:18 - 5:20博物館風のラベルも見えるでしょう
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5:20 - 5:22ドードーの史実が書かれているんですよ
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5:22 - 5:24写真にはないですが
タップ・プラスティックス(アクリル樹脂会社)が -
5:24 - 5:26博物館風の展示用ケースまで作ってくれました
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5:26 - 5:28正直 家に置くスペースはないのですが
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5:28 - 5:31始めたことは最後までやらないと気が済みません
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5:31 - 5:34これ 僕にとっては大きな変換点になりました
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5:34 - 5:36繰り返しになりますが 僕の人生は
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5:36 - 5:38物やその物語を追いかけ続けることでした
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5:38 - 5:41気になった物を自分のために作り 購入し
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5:41 - 5:44それらの価値をよく理解し その内面に飛び込むのです
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5:44 - 5:46現在 「クリエイティブ・プロジェクト」フォルダには
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5:46 - 5:49進行中のプロジェクトが腐るほどあります
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5:49 - 5:52もう手をつけているもの いつか手をつけたいもの
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5:52 - 5:55探し出して 購入し 手に入れて
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5:55 - 5:57自分の目で見て この手で触れてみたい
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5:57 - 6:00でも もしかすると今回のように
自分で「造形」できるものが -
6:00 - 6:02フォルダ内にまだあるかもしれない
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6:02 - 6:04違いを分かってもらえますか?
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6:04 - 6:06もちろん 僕には自分用のR2D2がありますが
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6:06 - 6:09正直言って 造形に比べると
僕にははるかに容易なことです -
6:09 - 6:12そこで「クリエイティブ・プロジェクト」
フォルダを見直したら -
6:12 - 6:15こんなものに出会いました
「マルタの鷹」です -
6:16 - 6:19ハメットの小説に出てくるものに
僕が夢中になるなんて -
6:19 - 6:22自分でも意外でしたね
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6:22 - 6:24なぜなら 人間を2種類のタイプに分類できるなら
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6:24 - 6:27チャンドラー派と ハメット派になるでしょう
僕は完璧にチャンドラー派です -
6:27 - 6:29でもこの場合 僕が夢中になっているのは
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6:29 - 6:33著者でも書籍でも映画でもストーリーでもありません
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6:33 - 6:35映画に出てくる小道具に夢中になっているのです
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6:35 - 6:38そして今回 その小道具は
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6:38 - 6:41ストーリーの主役と言ってもいいでしょう
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6:41 - 6:43まず物語の前に こんな物が実在しました
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6:43 - 6:45「ニップハウゼン・ホーク」です
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6:45 - 6:47これは儀式用の水差しで
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6:47 - 6:511700年頃 スウェーデンの伯爵用に作られました
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6:51 - 6:53そしてこれはハメットが「マルタの鷹」を書くにあたって
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6:53 - 6:56一番インスピレーションを受けたものでもあります
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6:56 - 6:59そして小説の中には
ハメットが創作した架空の鳥が登場します -
6:59 - 7:01この鳥は まるで車のエンジンのように
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7:01 - 7:04本や映画のストーリーを進める原動力です
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7:04 - 7:06映画の中にはこんな像が出てくるのです
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7:06 - 7:09これは ニップハウゼン・ホークから多大な影響を受けた
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7:09 - 7:13ハメットが小説内で創作したものなんですが
劇中では鷹の像という位置づけです -
7:13 - 7:15さて やっとここまできました つまり
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7:15 - 7:17まず 何か新しい物が世に生み出され
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7:17 - 7:20次に それに関連した小道具が
映画の撮影用に作られ -
7:20 - 7:22小道具自体が個性を持ち始め
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7:22 - 7:24全く別の新しい物として
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7:24 - 7:26新たな所有欲の対象になったのです
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7:26 - 7:28さあ 調べ物をしなくちゃいけない時間です
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7:28 - 7:30実際すでに多少のリサーチはしてあったんですよ
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7:30 - 7:32何年か前ですけどね
フォルダーがあるのはそのせいです -
7:32 - 7:34まずは模造品を買いました
かなり安っぽいやつでしたけど -
7:34 - 7:36eBay で売っていたマルタの鷹像です
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7:36 - 7:38そして参考資料として
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7:38 - 7:40多くの写真をダウンロードしたんですが
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7:40 - 7:42資料リサーチ中に
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7:42 - 7:44こんなものを見つけました
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7:44 - 7:47かなり理想的な資料です
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7:47 - 7:491994年にクリスティーズで競売にかけられた
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7:49 - 7:51正真正銘の鉛で作られた鷹の像の写真です
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7:51 - 7:54早速 僕はこのカタログを持っているという
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7:54 - 7:56希少本専門の古書店に連絡を取りました
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7:56 - 7:58そして 実にすばらしい写真を見つけたのです
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7:58 - 8:00サイズまで明記してあるんですよ
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8:00 - 8:04僕はこの写真をスキャンし 実寸大にしました
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8:04 - 8:06他にはこんな資料も見つけました
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8:06 - 8:08アラ・チェクメイヤンというニュージャージーの編集者が
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8:08 - 8:101991年 フリーマーケットにて
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8:10 - 8:13樹脂で作られている鷹の像を見つけたのです
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8:13 - 8:15でもこの像の真贋を証明するのに
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8:15 - 8:17でもこの像の真贋を証明するのに
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8:17 - 8:195年もかかったんですよ
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8:19 - 8:21本物かどうか たくさん議論されましたからね
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8:21 - 8:23樹脂で作られた小道具は 当時の映画界では
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8:23 - 8:25まず有り得ないことでしたしね
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8:25 - 8:27本物の確認にそこまで時間が掛かったのには
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8:27 - 8:29笑っちゃいますよ 見比べれば明らかです
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8:29 - 8:31僕が保証します 間違いない これこそが本物です
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8:31 - 8:34間違いなく同じ鋳型から作られたものです
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8:34 - 8:37この像は 多くの論争の的になっていたこともあり
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8:37 - 8:39オークション商のプロファイルズ・イン・ヒストリーが
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8:39 - 8:41およそ10万ドルで売却しました たしか1995年のことです
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8:41 - 8:44下に見えると思いますが このカタログには
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8:44 - 8:46正面だけではなく 両サイドや 後ろなど
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8:46 - 8:48様々な角度からの
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8:48 - 8:50写真が含まれています
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8:50 - 8:53さて マルタの鷹像の複製を作るために
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8:53 - 8:55必要なデータは全て揃いました
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8:55 - 8:58こういう作業をプロはどう始めるんでしょうね
見当もつきません -
8:58 - 9:00なので 僕は最初にドードーと同じようにしました
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9:00 - 9:03参考資料を実寸まで拡大し
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9:03 - 9:05ネガを切り出して
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9:05 - 9:07シルエットの型として使いました
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9:07 - 9:09そしてスカルピーで大きなブロックを作り
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9:09 - 9:12全体像を投影していきます
さっきのネガを使います -
9:12 - 9:15そして少しずつ形を整えます
羽を一枚一枚 細部を一つ一つ -
9:15 - 9:17根気よく作業し 完成させました
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9:17 - 9:19テレビの前で作業してます あとスカルピーですね
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9:19 - 9:21妻の隣に座っているのが僕です
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9:21 - 9:24途中経過はこの写真一枚だけです
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9:24 - 9:26このように 僕はとてもよくできた鷹像の
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9:26 - 9:28複製を完成させることができました
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9:28 - 9:30また言いますが 僕は彫像家ではないです
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9:30 - 9:32全然 彫像技術も持っていません
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9:33 - 9:36友人のマイクがどうやってスカルピーの
表面をピカピカにしてるかわかりません -
9:36 - 9:38頑張っても全然だめだった
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9:38 - 9:40だから自分の仕事場に行って
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9:40 - 9:43型を取り そこに樹脂を流し込みました
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9:43 - 9:46樹脂であれば ガラスのような光沢を生み出せますからね
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9:46 - 9:49その他にも 今は滑らかな表面加工の
方法が数多くあります -
9:49 - 9:52特に僕がお気に入りなのは 70層にもわたって
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9:52 - 9:54艶消しブラックの車用スプレーを
吹き付けるというものです -
9:54 - 9:573~4日スプレーし続けました
塗料は死ぬほど垂れますが -
9:57 - 10:00とても滑らかな いい表面となり
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10:00 - 10:02ガラスのように仕上がりました
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10:02 - 10:04あぁ 後はきめ細やかなスチールウールでも磨きましたね
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10:04 - 10:07像をここまでのレベルに仕上げた理由は次のとおりです
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10:07 - 10:09映画の中では最終的に像を手にいれて
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10:09 - 10:12テーブルの上に置き回転させるシーンがあるんです
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10:12 - 10:14僕はそのシーンの
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10:14 - 10:17スクリーンショットを取って確認しました
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10:17 - 10:20像に当たっている光に注目しライトを同じように当て
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10:20 - 10:23全く同じ光の反射をするように仕上げたのです
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10:23 - 10:26それほどまでに鷹の像を完璧に作り込んだのです
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10:26 - 10:29ここでマルタの鷹の像作成の作業を完了しました
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10:29 - 10:31非常に美しい仕上がりです 断言してもいい
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10:31 - 10:33僕がこれを完成させた時点で
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10:33 - 10:36世界中に存在するレプリカの中で
まあ そんなに数は多くはないでしょうが -
10:36 - 10:38これがずば抜けて正確な
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10:38 - 10:40マルタの鷹像と言って間違いないです
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10:40 - 10:43誰が作った物よりもです
ここでオリジナルの像についてお話ししましょう -
10:43 - 10:45鷹像の制作者はフレッド・サクストンという人物です
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10:45 - 10:48ここで少し話がおかしな方向に逸れるのですが
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10:48 - 10:51フレッド・サクストンはジョージ・ホデールの友人でした
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10:51 - 10:53ジョージ・ホデールは恐ろしい男で
ブラック・ダリア殺害の -
10:53 - 10:55犯人であると疑われていました
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10:55 - 10:57また一方で ジェームス・エルロイという男は
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10:57 - 11:00鷹の像の制作者であるフレッド・サクストンのことを
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11:00 - 11:02母親殺害の犯人であると言っています
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11:02 - 11:05もうひとつ奇妙な話を紹介しましょう
1974年のことです -
11:05 - 11:08ちょっと変わったコメディー風「マルタの鷹」の
続編が作られている時のことです -
11:08 - 11:10「ザ・ブラックバード」というタイトルで
ジョージ・シーガルが主演でした -
11:10 - 11:12ロサンゼルス・カウンティー美術館は
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11:12 - 11:14オリジナルの「マルタの鷹」の
石膏像を所有していました -
11:14 - 11:176つあるオリジナル石膏像の1つで
僕が思うに映画のために作られた物です -
11:17 - 11:19これが美術館から盗まれました
多くの人は -
11:19 - 11:21映画のための宣伝も兼ねた
「やらせ」だと思っていました -
11:21 - 11:23また 「マルタの鷹」にも少しだけ登場する
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11:23 - 11:25ジョンズ・グリルという店は
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11:25 - 11:27現在でもサンフランシスコに存在しており
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11:27 - 11:29映画の中でウィルマー・クックを
演じたエリシャ・クックは -
11:29 - 11:31ジョンズ・グリルの常連客です
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11:31 - 11:33彼はジョンズ・グリルに
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11:33 - 11:36オリジナルの石膏像のひとつをプレゼントしました
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11:36 - 11:3915年間ほどディスプレイに飾ってあったんですが
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11:39 - 11:412007年の1月に
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11:41 - 11:44盗まれてしまったのです
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11:44 - 11:46何度もなくなってしまうことからも
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11:46 - 11:49所有欲の対象として価値が高まることがわかります
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11:49 - 11:51さて 僕は鷹像を手に入れました
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11:51 - 11:53出来も良く 見た目もすばらしいものです
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11:53 - 11:55光の反射具合も完璧ですしね
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11:55 - 11:57手に入れたり 購入することができる鷹像の中でも
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11:57 - 11:59最もよくできた像だと言えます
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11:59 - 12:02でも一つだけ問題があるんです
その問題とは -
12:03 - 12:05僕はその物がそっくりそのまま欲しい
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12:05 - 12:08像の重さまでそっくりそのまま欲しいのです
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12:08 - 12:10僕の像は樹脂でできていますから かなり軽いのです
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12:10 - 12:12インターネット上には僕が入り浸っているグループがあって
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12:12 - 12:15僕みたいな映画の小道具フリークが集まっています
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12:15 - 12:17「レプリカ・プロップ・フォーラム」と呼ばれており
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12:17 - 12:20物をトレードしたり 作ったり
小道具について情報交換しています -
12:20 - 12:22そのフォーラムには ある男がいて
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12:22 - 12:25僕の友達なんですが 実際に会ったことはありません
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12:25 - 12:27小道具の仕事で知り合った鋳造工場のマネージャーです
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12:27 - 12:30彼は僕の像を使い
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12:30 - 12:32ロスト・ワックス鋳造を行って
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12:32 - 12:34ブロンズ像を僕に作ってくれました
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12:34 - 12:36そしてこれがそのブロンズ像です
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12:36 - 12:38そしてこっちがエッチングを施し完成させたものです
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12:38 - 12:41僕はこの像に心から満足していました
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12:41 - 12:43ここでみなさん これがその像です
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12:43 - 12:46この話の後 もしよければ
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12:47 - 12:50実際に手に取ってみてほしいですね
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12:51 - 12:54みなさんは僕がどれほど凝り性なのかお分かりでしょう
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12:54 - 12:56僕のためだけのこのプロジェクト
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12:56 - 12:59eBay でわざわざ こんな物を買ってきました
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12:59 - 13:021941年にサンフランシスコで発行された中国語新聞です
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13:02 - 13:05この像をこんな風に包むために買いました
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13:06 - 13:08まるっきり映画の中と同じようにね
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13:08 - 13:12(笑)
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13:12 - 13:14うん 分かってるよ
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13:14 - 13:19(笑 拍手)
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13:19 - 13:2212.5キロの重さだって表示からわかりますね
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13:22 - 13:25僕が飼っている犬 ハックスリーの半分の重さです
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13:26 - 13:29でも一方で重大な問題が生じていました
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13:29 - 13:32これが鷹像プロジェクトで造った像を並べた物ですが
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13:32 - 13:35一番左から順に どうしようもないやつ
eBayで買った模造品ですね -
13:35 - 13:37隣は どうにかこうにかスカルピーで作ったやつ
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13:37 - 13:40型から取り出してあったんですよ
その隣は樹脂で作ったもの -
13:40 - 13:42さらに隣が自作の完全なレプリカ
そして一番右がブロンズ像です -
13:42 - 13:45型を取り鋳造する過程で こんな現象が起こります
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13:45 - 13:47シリコンで型を取り 鋳造するたびに
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13:47 - 13:50わずかですが 少しずつ体積と大きさが小さくなるのです
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13:50 - 13:53ブロンズ像とスカルピーで作ったものを並べた写真ですが
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13:53 - 13:56ブロンズ像が1.9cm ほど小さいのです
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13:56 - 13:59うん 本当に それはまさに ア゛ァァァー!
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14:00 - 14:02なんでこんなことを計算に入れなかったんだ!?
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14:02 - 14:05なんではじめに少し大きく作らなかったんだ俺は!?
そんな感じですよ -
14:05 - 14:08じゃあ何をしよう? 僕にある選択肢は2つ
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14:08 - 14:11ひとつめは レーザーを照射して
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14:11 - 14:13まあ 実はこれ実際にやってみたんですけど
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14:13 - 14:153Dスキャンを取ったんです これが鷹像の3Dスキャンです
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14:15 - 14:18そして ブロンズ像にするまでに
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14:18 - 14:20どれほど収縮してしまったのかはっきりさせ
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14:20 - 14:22十分な大きさにまで拡大し
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14:22 - 14:243次元のマスターを作り
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14:24 - 14:27それを磨いて 鋳造メーカーに送れば
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14:27 - 14:30完璧に大きさのブロンズ像を手に入れられます もしくは
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14:30 - 14:32オリジナルの保有者が幾人かいるわけなので
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14:32 - 14:35彼らの連絡先を探し出し コンタクトを取って
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14:35 - 14:38ほんの数分間でいいから
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14:38 - 14:40本物の像の写真を撮らせてもらったり
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14:40 - 14:43僕が持っている小さな手持ちの3Dスキャナーで
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14:43 - 14:46データを取らせてもらえるかもしれない
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14:46 - 14:48なんなら 像に触れないことを誓ってもいい
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14:48 - 14:513Dスキャンを取るだけです 契約書に喜んでサインします
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14:51 - 14:54「僕のオフィスから出しません。僕以外には
誰にも触らせません。約束します。」 -
14:54 - 14:57もし相手が望むなら そんな契約書を書いてもいい
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14:57 - 15:00そうすればもしかしたら それがこの
プロジェクトの終止符となるかもしれない -
15:00 - 15:02でも実際 僕らが自分自身の欲望に正直になったら
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15:02 - 15:04当初の目的を達成することがそもそもプロジェクトを
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15:05 - 15:08始めた理由ではなかったことは認めなくてはならないね
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15:08 - 15:11どうもありがとうございました
- Title:
- アダム・サヴェッジの飽くなき探求
- Speaker:
- Adam Savage
- Description:
-
EG'8において、アダム・サヴェッジはドードー鳥に対する情熱について語り始めます。その話は次々に思いがけない展開を見せ、おかしな方向へ進んでいきます。それは、新しい何かを作り出そうとする心が引き起こすエンターテイメント・アドベンチャーそのものと言えるでしょう。
- Video Language:
- English
- Team:
closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 15:13
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Dimitra Papageorgiou approved Japanese subtitles for My obsession with objects and the stories they tell | |
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Akira Kan accepted Japanese subtitles for My obsession with objects and the stories they tell | |
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Akira Kan edited Japanese subtitles for My obsession with objects and the stories they tell | |
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Akira Kan edited Japanese subtitles for My obsession with objects and the stories they tell | |
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Akira Kan edited Japanese subtitles for My obsession with objects and the stories they tell | |
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Akira Kan edited Japanese subtitles for My obsession with objects and the stories they tell | |
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Akira Kan edited Japanese subtitles for My obsession with objects and the stories they tell |