言葉が「本物」になる条件
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0:01 - 0:03最初に私の社会生活について
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0:03 - 0:05少しお話しします
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0:05 - 0:07関係ないように見えますが
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0:07 - 0:09関係が あるのです
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0:09 - 0:11会合などで会った人に
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0:11 - 0:13私が英語学の教授で
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0:13 - 0:16言語を専門にしていると言うと
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0:16 - 0:19その人たちの反応は2つに分かれます
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0:19 - 0:241つ目のグループは恐れをなします
(笑) -
0:24 - 0:26こんなことを言われます
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0:26 - 0:29「言葉に気をつけなくちゃ」
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0:29 - 0:32「私の間違いに 逐一
気づかれるんでしょう」 -
0:32 - 0:37そして彼らは話すのを止めてしまいます
(笑) -
0:37 - 0:39彼らは私が立ち去り
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0:39 - 0:41他の人の所へ行くのを待ちます
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0:41 - 0:43もう1つのグループは
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0:43 - 0:46目を輝かせて
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0:46 - 0:47こう言います
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0:47 - 0:51「あなたみたいな人と話してみたかった」
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0:51 - 0:54彼らは英語という言語が間違った方向へ
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0:54 - 0:56進んでいることについて持論を語ります
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0:56 - 0:59(笑)
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0:59 - 1:01数週間前 ある夕食会で
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1:01 - 1:03私の右隣にいた男性が
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1:03 - 1:05インターネットのせいで
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1:05 - 1:08英語の質が いかに下がっているか
語ってくれました -
1:08 - 1:12フェイスブックを例に こう言いました
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1:12 - 1:17「『defriend(友達から削除)』なんて
まともな言葉かい?」 -
1:17 - 1:21この質問 ちょっと考えてみましょう
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1:21 - 1:25ある言葉が「まとも」になるための
条件とは何でしょう -
1:25 - 1:27夕食会の彼も私も
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1:27 - 1:30「defriend」の意味は知っています
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1:30 - 1:33では「defriend」のような新語が
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1:33 - 1:35まともになるのは いつでしょう
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1:35 - 1:37言語に関して
こうした正式な決定権を -
1:37 - 1:41持っているのは誰なのでしょう
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1:41 - 1:45それが今日のテーマです
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1:45 - 1:48ほとんどの人が ある言葉に対して
まともじゃないと言う時 -
1:48 - 1:50それは つまり 標準的な辞書に
-
1:50 - 1:52載っていないということでしょう
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1:52 - 1:54このことは
誰が辞書を作っているのか など -
1:54 - 2:00様々な問題の引き金になります
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2:00 - 2:01しかし そこへ行く前に
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2:01 - 2:03ここで私の立場を説明しておきます
-
2:03 - 2:06私は辞書の製作には
携わっていませんが -
2:06 - 2:09新語を集めるという意味では
-
2:09 - 2:12辞書編纂者と似たようなことを
しています -
2:12 - 2:14英語の歴史学者ですので
-
2:14 - 2:15ありがたいことに
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2:15 - 2:18それを「研究」と
呼ばせてもらっています -
2:18 - 2:21英語の歴史を教えるに当たり
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2:21 - 2:23私が学生に課題として出しているのは
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2:23 - 2:27授業の前に新しい俗語を2語
私に教えるということです -
2:27 - 2:29長年にわたり 私はこうして
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2:29 - 2:32新しい俗語を覚えてきました
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2:32 - 2:36例えば「hangry」
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2:36 - 2:40(拍手)
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2:40 - 2:43「hungry(お腹がすいて)
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2:43 - 2:47angry(機嫌が悪い)」という意味です
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2:47 - 2:52「adorkable」は
-
2:52 - 2:53adorable(魅力的)だけど
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2:53 - 2:56ちょっと dorky(抜けている)
ということです -
2:56 - 2:59まさに 英語という言語の重大な穴を
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2:59 - 3:02埋めてくれる素晴らしい言葉です
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3:02 - 3:06(笑)
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3:06 - 3:09しかし私たちが
主に俗語として扱い -
3:09 - 3:11まだ辞書にも載っていない場合
-
3:11 - 3:15これらの言葉は どのくらい
「まとも」なのでしょうか? -
3:15 - 3:18これを踏まえ 話を辞書に移しましょう
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3:18 - 3:20挙手をお願いします
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3:20 - 3:22紙でもオンラインでも結構ですが
今も日常的に -
3:22 - 3:26辞書を引くという方は
どのくらい いますか? -
3:27 - 3:30ほとんど全員のようですね
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3:30 - 3:33では次の質問です
もう一度 挙手をお願いします -
3:33 - 3:36自分の使っている辞書を
誰が編纂したか -
3:36 - 3:39見たことのある人は?
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3:42 - 3:46ぐっと減りましたね
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3:46 - 3:49頭のどこかでは
辞書には人の手が関わっていると -
3:49 - 3:51わかっているのですが
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3:51 - 3:55誰の手なのかと言われると
よく知りませんよね -
3:55 - 3:58そこに私は非常に興味があります
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3:58 - 4:00世間で口うるさいと されている人でも
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4:00 - 4:03辞書に対しては さほど うるさくなく
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4:03 - 4:04辞書の違いを吟味したり
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4:04 - 4:07編纂者について疑問を提示したり
-
4:07 - 4:09しない傾向があります
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4:09 - 4:10考えてみてください
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4:10 - 4:13「辞書を引け」という表現には
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4:13 - 4:15辞書なら どれでも同じという
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4:15 - 4:16意味が含まれています
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4:16 - 4:19この大学の図書館を考えてみましょう
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4:19 - 4:21閲覧室には
-
4:21 - 4:23名誉と尊敬を一身に受けて鎮座する
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4:23 - 4:27大型の大辞典があって
誰でも手に取ることができますから -
4:27 - 4:30その前に立てば
-
4:30 - 4:32答えが見つかるというわけです
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4:32 - 4:34誤解しないでください
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4:34 - 4:37辞書は非常に優れた情報源です
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4:37 - 4:39ただし辞書は人が作っており
-
4:39 - 4:41時の流れの影響を受けます
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4:41 - 4:43教師として衝撃的だと思うのは
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4:43 - 4:46私たちは学生に いつも
読む時も サイトを見る時も -
4:46 - 4:50しっかり問題意識を持ちなさいと
言うくせに -
4:50 - 4:51辞書に対しては無防備で
-
4:51 - 4:55著者の存在を忘れ
辞書は どこからともなく現れて -
4:55 - 4:57言葉の本当の意味を
教えてくれるように -
4:57 - 5:02考えてしまいがちだ
ということです -
5:02 - 5:05実は 辞書の編纂者に尋ねると
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5:05 - 5:06彼らの仕事は
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5:06 - 5:09私たちが生む言語の変化に
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5:09 - 5:10ついていくことだと言います
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5:10 - 5:13彼らは私たちの話し言葉や
書き言葉を観察し -
5:13 - 5:15どれが定着し どれが定着しないか
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5:15 - 5:17見極めているのです
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5:17 - 5:19これは賭けです
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5:19 - 5:20最先端と思われたいし
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5:20 - 5:23「LOL(爆笑)」のように
後々定着する語を -
5:23 - 5:25漏らしたくない一方で
-
5:25 - 5:28流行に左右され 定着しない語まで
-
5:28 - 5:30収録していると
思われたくないですからね -
5:30 - 5:32彼らが今 注目している語は
-
5:32 - 5:35「YOLO 人生は一度きり」
だと思います -
5:37 - 5:40私は辞書編纂者たちと
付き合いがありますが -
5:40 - 5:41私たちが どこで会うか
-
5:41 - 5:44聞いたら 皆さんは驚かれるでしょう
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5:44 - 5:46毎年1月に 私たちは
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5:46 - 5:49米国方言学会の年次総会に行き
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5:49 - 5:50その中で
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5:50 - 5:54「今年の単語」の投票を行います
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5:54 - 5:57200から 300ほどの人が集まり
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5:57 - 5:59中には国内の著名な言語学者もいます
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5:59 - 6:01その場の雰囲気をお伝えすると
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6:01 - 6:05投票は歓談の直前に組まれており
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6:05 - 6:07誰でも参加できます
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6:07 - 6:08最も重要なルールは
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6:08 - 6:11一度しか挙手できないということです
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6:11 - 6:15過去に選ばれた語には 例えば
-
6:15 - 6:172009年の「tweet(ツイート)」
-
6:17 - 6:202012年の「hashtag(ハッシュタグ)」
があります -
6:20 - 6:232000年は「chad(投票用紙から出る
パンチ穴の紙くず)」でした -
6:23 - 6:272000年までは 皆そんな語を
知りませんでしたからね -
6:27 - 6:322002年は「WMD(大量破壊兵器)」
でした -
6:32 - 6:34投票には他のカテゴリーもあって
-
6:34 - 6:36私のお気に入りは
-
6:36 - 6:38その年の最もクリエイティブな語を
選ぶものです -
6:38 - 6:41過去に選ばれた語は 例えば
-
6:41 - 6:44「recombobulation area
(混乱回復エリア)」 -
6:44 - 6:48ミルウォーキー空港にある
保安検査の後 -
6:48 - 6:51混乱を回復させる場所のことです
-
6:51 - 6:52(笑)
-
6:52 - 6:54ベルトを締めなおし
-
6:54 - 6:56パソコンをカバンに戻す場所です
-
6:58 - 7:02この投票で私の歴代
一番のお気に入りは -
7:02 - 7:04「multislacking」です
-
7:04 - 7:06(笑)
-
7:06 - 7:09パソコン画面に
いくつかのウィンドウを開き -
7:09 - 7:12仕事をしていると見せかけて
-
7:12 - 7:13実はウェブ上で
-
7:13 - 7:15遊んでいる行為のことです
-
7:15 - 7:20(笑)(拍手)
-
7:21 - 7:25勿論 これらの語が すべて
定着するわけでは ありません -
7:25 - 7:28選ばれたこと自体が
おかしいものもあります -
7:28 - 7:30例えば2006年
-
7:30 - 7:32その年の単語は
「Plutoed(冥王星にされる)」 -
7:32 - 7:34降格の意味です
-
7:34 - 7:37(笑)
-
7:39 - 7:41しかし選ばれた語の中には
-
7:41 - 7:44今や まったく当たり前に
感じられるものもあります -
7:44 - 7:45例えば「app(アプリ)」
-
7:45 - 7:47接頭辞の「e(電子~)」
-
7:47 - 7:50動詞の「google(ググる)」です
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7:50 - 7:54方言学会の投票の数週間前に
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7:54 - 7:56レイク・スペリオル州立大学が
-
7:56 - 8:01その年の「追放すべき語」の
一覧を発表します -
8:01 - 8:03特筆すべきは
-
8:03 - 8:06その一覧と
私たちが検討している― -
8:06 - 8:09「今年の単語」の候補一覧とが
かなりの確率で -
8:09 - 8:11重なっているという点です
-
8:11 - 8:15見ているところが同じだと
いうことなのでしょう -
8:15 - 8:18どちらも目立ってきた語に
着目しているのですが -
8:18 - 8:20見解が違うというわけです
-
8:20 - 8:24言語的な流行や変化を
疎ましく思うか -
8:24 - 8:27おもしろく 興味深く
-
8:27 - 8:28現用言語の特徴として
-
8:28 - 8:31研究に値すると思うかです
-
8:31 - 8:34レイク・スペリオル州立大学の一覧は
-
8:34 - 8:36新語への不満という
極めて長い伝統の -
8:36 - 8:38流れを汲んでいます
-
8:38 - 8:43こちらはヘンリー・アルフォード大主教の
1875年の言葉です -
8:43 - 8:45「desirability(望ましさ)」という語は
-
8:45 - 8:47実に不快だと 強く懸念しています
-
8:47 - 8:501760年にはベンジャミン・フランクリンが
-
8:50 - 8:52デイヴィッド・ヒュームに宛てた手紙で
-
8:52 - 8:55「colonize(植民地化する)」は
悪い語だから使わないと書いています -
8:55 - 8:58新しい発音についての憂慮も
-
8:58 - 9:00長年 見受けられます
-
9:00 - 9:03こちらはサミュエル・ロジャーズの
1855年の言葉で -
9:03 - 9:05彼が侮辱的と感じる
頭にアクセントを置く -
9:05 - 9:07流行の発音を懸念しています
-
9:07 - 9:11「『contemplate』も不愉快だが
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9:11 - 9:13『balcony』には吐き気がする」
-
9:13 - 9:17(笑)
-
9:17 - 9:19「balcony」はイタリア語からの借用で
-
9:19 - 9:22元の発音では「co」に
アクセントがありました -
9:22 - 9:25こうした不満は現代の私たちには
古臭く感じられます -
9:25 - 9:30「adorkable」とまでは言いませんが
(笑) -
9:30 - 9:33大事なのは
-
9:33 - 9:37私たちは言語の変化に対し
やはり結構気にするということです -
9:37 - 9:39私のオフィスには
-
9:39 - 9:43正統でない語について
-
9:43 - 9:45辞書に載せるべきでないと
懸念を表明する -
9:45 - 9:47新聞記事がファイル1冊分あります
-
9:47 - 9:49例えば「LOL」が
-
9:49 - 9:51オックスフォード英語辞典に載った時
-
9:51 - 9:52そして「defriend」が
-
9:52 - 9:55オックスフォード米語辞典に載った時の
記事です -
9:55 - 9:57名詞の「invite(招待)」や
-
9:57 - 10:00動詞の「impact(影響する)」に
対する -
10:00 - 10:02懸念を表明した記事もあります
-
10:02 - 10:05「impacted(埋伏)」は
歯の話に限られるし -
10:05 - 10:08「incentivize(やる気を起こさせる)」は
-
10:08 - 10:13「粗暴で官僚的な失言である」と
言うのです -
10:13 - 10:15辞書の編纂者たちは
言語に対する -
10:15 - 10:17こうした見解を
無視しているわけではありません -
10:17 - 10:20彼らは大抵は注釈という形で
俗語や略式の語 -
10:20 - 10:22侮辱的と考えられる語について
-
10:22 - 10:25私たちに指針を提供しようと
しているのですが -
10:25 - 10:27編纂者として苦しいのは
-
10:27 - 10:31人々の言動を説明するのが
仕事でありながら -
10:31 - 10:33人々が辞書を引くのは
だいたい -
10:33 - 10:36正しい語法や
適切な表現を調べるのが -
10:36 - 10:38目的だと知っているからです
-
10:38 - 10:41これに応え アメリカン・ヘリテージ辞典は
-
10:41 - 10:43使い方の注意を加えています
-
10:43 - 10:45注意書きが添えられるのは
-
10:45 - 10:46ある意味 厄介な語で
-
10:46 - 10:49厄介になる理由の一つが
-
10:49 - 10:51意味の変化です
-
10:51 - 10:54使い方の注意には非常に人間的な
判断が絡んでおり -
10:54 - 10:57私が思うに 辞書を使う人は
-
10:57 - 10:59こうした人間的な判断を
認識すべきなのに -
10:59 - 11:00ほとんど していません
-
11:00 - 11:01例を挙げて
-
11:01 - 11:04どういうことか説明していきますが
その前に -
11:04 - 11:06この注意書きの中で 編纂者が
-
11:06 - 11:09取り組んでいる内容を解説します
-
11:09 - 11:12「peruse」という語について
-
11:12 - 11:15どういう意味で使っているか
考えてみてください -
11:15 - 11:18おそらく多くの方が考えているのは
-
11:18 - 11:22「ざっと目を通す」「素早く読む」
というところでしょう -
11:22 - 11:25歩くことと関連して考える人も
いるでしょう -
11:25 - 11:27食料品店の棚を見て回ることを
-
11:27 - 11:29言ったりも しますからね
-
11:29 - 11:32驚かれるでしょうが
-
11:32 - 11:33最も標準的な辞書を引くと
-
11:33 - 11:36最初に出てくる語釈は「じっくり読む」
-
11:36 - 11:39「熟読する」なんです
-
11:39 - 11:42それがアメリカン・ヘリテージの
1つ目の語釈です -
11:42 - 11:45そして2つ目の語釈が
「ざっと目を通す」 -
11:45 - 11:48ただし そこには「使用上 問題あり」と
書いてあります -
11:48 - 11:50(笑)
-
11:50 - 11:52ここに載っている注意書きは
-
11:52 - 11:54一読の価値があります
-
11:54 - 11:56これが その注意書きです
-
11:56 - 11:58「『peruse』は ずっと
『精読する』という意味だった -
11:58 - 12:00しかし砕けた使い方をする際に
-
12:00 - 12:02単に『読む』という意味になり
-
12:02 - 12:05さらに意味の広がった
『ざっと目を通す』は -
12:05 - 12:08従来は誤用と考えられていたが
-
12:08 - 12:10我々の投票の結果
容認の傾向が やや強く -
12:10 - 12:12なってきていることが示唆される
-
12:12 - 12:13『時間がなくて マニュアルを
-
12:13 - 12:16さっと'peruse' しただけだ』
という文に対し -
12:16 - 12:18容認できないと答えた識者は
-
12:18 - 12:201988年では66%
-
12:20 - 12:231999年は58%
-
12:23 - 12:262011年は48%だった」
-
12:26 - 12:28識者の会ですよ
-
12:28 - 12:31あの信頼できる言語の権威が
-
12:31 - 12:34これについて寛容になってきていると
-
12:34 - 12:36皆さん 疑問を持ってくださいよ
-
12:36 - 12:40「待って 識者って誰のこと?」
-
12:40 - 12:43「彼らの発表に対して
自分はどうすればいい?」 -
12:43 - 12:45アメリカン・ヘリテージ辞典の
-
12:45 - 12:46前付けを見ると
-
12:46 - 12:48識者の会のメンバーの
-
12:48 - 12:49名前が書いてあるんですが
-
12:49 - 12:51辞書の前付けなんて
誰も見ませんよね -
12:51 - 12:54識者の会には約200人が所属しています
-
12:54 - 12:57アカデミー会員やジャーナリスト
-
12:57 - 12:58文芸作家も入っています
-
12:58 - 13:00最高裁判事もいますし
-
13:00 - 13:02言語学者も数名います
-
13:02 - 13:072005年からは私も入っています
-
13:07 - 13:11(拍手)
-
13:11 - 13:15私たちが皆さんのために
できることは -
13:15 - 13:17揺れている語法について
-
13:17 - 13:20意味の幅が伝わるように
することです -
13:20 - 13:23それが私たちの権限で
そこまでに留めるべきです -
13:23 - 13:27私たちは言語アカデミーではありません
-
13:27 - 13:30私のところには 年に一度くらい
-
13:30 - 13:33新しい用法 新しい発音
新しい意味が -
13:33 - 13:36容認できるかどうか
投票するよう依頼が来ます -
13:36 - 13:39私の投票基準は こうです
-
13:39 - 13:43他の人々の話し言葉 書き言葉に
耳を傾けます -
13:43 - 13:45自分の言語的な好き嫌いには
-
13:45 - 13:48耳を貸しません
-
13:48 - 13:50正直に申し上げますと
-
13:50 - 13:52私は「impactful(影響力の強い)」
という語が好きではありません -
13:52 - 13:54でも それは関係のないことで
-
13:54 - 13:58問題は「impactful」が一般的に
使われており -
13:58 - 14:01散文で容認されてきているか
ということです -
14:01 - 14:02責任を持って
-
14:02 - 14:05回答するために 私は語法を調べます
-
14:05 - 14:06Google ブックスのような
-
14:06 - 14:09ネット上の資料に あたることも
よくあります -
14:09 - 14:12Google ブックスで
「impactful」を探すと -
14:12 - 14:15こういう結果が出ます
-
14:15 - 14:17どうやら「impactful」は
-
14:17 - 14:19一定数の書き手にとって
-
14:19 - 14:21実用的な語になりつつあり
-
14:21 - 14:22その実用性は ここ20年で
-
14:22 - 14:24どんどん高まってきているようです
-
14:24 - 14:26言語が変化していく中には
-
14:26 - 14:29誰もが好きになれないものも
出てくるでしょう -
14:29 - 14:31こんな反応をされるものも
出てくるでしょう -
14:31 - 14:32「本当に?
-
14:32 - 14:36言語って そんな変わり方を
しなくちゃいけないの?」 -
14:36 - 14:38私の意見は
-
14:38 - 14:39ある変化について ひどいと
-
14:39 - 14:43すぐに決め付けてはいけない
ということです -
14:43 - 14:45他の人の言葉遣いについて
-
14:45 - 14:48自分の好き嫌いを
すぐに押し付けたりせず -
14:48 - 14:51英語が まずい状態に
陥っているという考えを -
14:51 - 14:54簡単に認めないように すべきです
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14:54 - 14:58実際そんな状態ではないのです
英語は豊かで力あふれ -
14:58 - 15:01英語を使う人たちの創造力で
いっぱいです -
15:01 - 15:04「nice(良い)」が
かつて「愚か」という意味で -
15:04 - 15:07「decimate(破壊する)」が
「10人に1人を殺す」 -
15:07 - 15:09という意味だったなんて
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15:09 - 15:12今考えると 興味深いですよね
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15:12 - 15:16(笑)
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15:17 - 15:22フランクリンが動詞の
「notice(気づく)」を -
15:22 - 15:25気に病んでいたなんて
バカらしいですね -
15:25 - 15:26でもね
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15:26 - 15:29動詞の「impact」や
名詞の「invite」を -
15:29 - 15:31気に病んでいる私たちも
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15:31 - 15:34百年後にはバカみたいと
思われるわけですよ -
15:34 - 15:36私たちがついて行けないほどの速さで
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15:36 - 15:38言語が変化することは ありません
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15:38 - 15:41言語は そんな風には ならないのです
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15:41 - 15:42皆さんにお願いしたいのは
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15:42 - 15:45言語の変化を気がかりと思わず
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15:45 - 15:47辞書の編纂者たちのように
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15:47 - 15:50おもしろくて魅力的だと思ってください
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15:50 - 15:52私たちの言語を絶えずリメイクして
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15:52 - 15:57活気ある状態に保ってくれる
その創造性の -
15:57 - 16:00担い手であることを
楽しんでほしいのです -
16:00 - 16:03ある言葉が辞書に載るのは
どういう場合でしょう -
16:03 - 16:06私たちが使い
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16:06 - 16:07使い続け
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16:07 - 16:12私たちが辞書編纂者の注目を
引いた場合です -
16:12 - 16:15「じゃあ 言葉の意味を決めるのは
私たち皆ってことか」 -
16:15 - 16:16と思われたなら
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16:16 - 16:20私の答えは「はい その通り」
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16:20 - 16:23「今までも ずっとそうでしたよ」
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16:23 - 16:27辞書は素晴らしい指針であり
情報源ですが -
16:27 - 16:30言葉の意味に関して
最終審判を下すような -
16:30 - 16:34客観性のある辞書の権威は
存在しません -
16:34 - 16:37話者のコミュニティが ある言葉を使い
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16:37 - 16:40皆が意味を知っていたら
その言葉は「まとも」です -
16:40 - 16:42俗語っぽいかもしれないし
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16:42 - 16:43略式かもしれないし
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16:43 - 16:45非論理的で不必要と
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16:45 - 16:48思われるかもしれないけれど
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16:48 - 16:50私たちが使っている言葉なら
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16:50 - 16:52それは「まとも」なのです
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16:52 - 16:55ありがとうございました
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16:55 - 16:56(拍手)
- Title:
- 言葉が「本物」になる条件
- Speaker:
- アン・カーザン
- Description:
-
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「hangry」「defriend」「adorkable」 などの俗語は、たとえ辞書に載っていなくても、英語という言語の意味における重大な不足を補っていると言えます。結局のところ、どの語を辞書に収録するか決めているのは誰なのでしょう?歴史言語学者のアン・カーザンは、辞書作りの舞台裏にいる人たちに目を向け、彼らが絶えず行っている選択を魅力的に紹介してくれます。
- Video Language:
- English
- Team:
closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 17:13
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Emi Kamiya edited Japanese subtitles for What makes a word "real"? | |
| Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for What makes a word "real"? | ||
| Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for What makes a word "real"? | ||
| Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for What makes a word "real"? | ||
| Natsuhiko Mizutani approved Japanese subtitles for What makes a word "real"? | ||
| Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for What makes a word "real"? | ||
| Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for What makes a word "real"? | ||
| Ricky Park accepted Japanese subtitles for What makes a word "real"? |
