もし隣の子が遺伝子編集された子だったら? | ポール・ノフラー | TEDxVienna
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0:13 - 0:15私がもしデザイナー・ベビーを
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0:15 - 0:16作ることが出来たら?
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0:18 - 0:20子供が欲しいあなたと
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0:20 - 0:24科学者の私が手を組むと
決めたとしたら? -
0:25 - 0:26科学者の私が手を組むと
決めたとしたら? -
0:26 - 0:29あるいは 私たちが
「そんなことは良くない」 -
0:29 - 0:32と思っていても
大多数の家族や友達や同僚が -
0:32 - 0:34そう決めたとしたら
どうでしょう? -
0:35 - 0:38早送りして
15年先の未来を見てみましょう -
0:39 - 0:42私たちはいま2030年にいると
仮定します -
0:42 - 0:43あなたには子供がいます
-
0:44 - 0:47あなたの側には
マリアンという娘がいて -
0:47 - 0:502030年の世界で 彼女は
「ナチュラル」と呼ばれます -
0:50 - 0:53彼女が何の遺伝子操作も
受けていないからです -
0:54 - 0:58あなたと配偶者が
意図的にそう決めたという事を -
0:58 - 1:02あなたの周囲の人々の多くは
良く思っていません -
1:02 - 1:04彼らはあなたが技術革新や
テクノロジー恐怖症だと思っています -
1:04 - 1:08隣に住む
マリアンの親友ジェナは -
1:08 - 1:10全く違っていて
-
1:11 - 1:17遺伝子操作により数々の「アップグレード」を
施されたデザイナー・ベビーです -
1:17 - 1:18(笑)
-
1:19 - 1:20そう アップグレードです
-
1:21 - 1:24こうした「機能拡張」は
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1:24 - 1:26新しい遺伝子工学技術により
もたらされました -
1:26 - 1:29変わった名前—
「CRISPR」という技術です -
1:29 - 1:31crisp(新鮮) みたいな響き
-
1:31 - 1:32「クリスパー」です
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1:33 - 1:37ジェナの両親は科学者を
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1:37 - 1:39数百万ドルで雇い
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1:39 - 1:43CRISPR技術を
受精卵の一群へ使い -
1:44 - 1:46そして遺伝子検査を用いて
-
1:46 - 1:50その小さな胚が
一番優良だろうと予測しました -
1:50 - 1:52ジェナの胚です
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1:53 - 1:57そして ジェナは実際に
本物のヒトとなり -
1:57 - 2:00リビングのカーペットに座り
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2:00 - 2:02あなたの娘
マリアンと遊んでいます -
2:03 - 2:06子供たちの家族同士には
数年来の交流があり -
2:06 - 2:09今ではあなたには
ジェナが際立っている事が -
2:09 - 2:10はっきりと分かってきました
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2:11 - 2:13ジェナは大変知能が高く
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2:13 - 2:16正直言って
あなたよりも賢いと言えます -
2:16 - 2:18たった5歳でもね
-
2:18 - 2:19(笑)
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2:19 - 2:23彼女は美しく 背が高く
運動も得意で -
2:23 - 2:25彼女の優れている点の
枚挙にいとまがありません -
2:26 - 2:29そしてこのジェナのような
「遺伝子組み換えキッズ」が -
2:29 - 2:31生まれているのです
-
2:32 - 2:34今までのところ
-
2:34 - 2:36彼らは
親やあなたの世代に比べて健康で -
2:36 - 2:38彼らは
親やあなたの世代に比べて健康で -
2:38 - 2:40健康維持にかかるコストも低く
-
2:42 - 2:45エイズや遺伝子疾患などに
-
2:45 - 2:48対する耐性があります
-
2:49 - 2:51これらは素晴らしい事ですが
-
2:51 - 2:54あなたは落ち着かない
気持ちをぬぐえません -
2:54 - 3:00直感的にジェナは何か
正常ではないと感じてしまうのです -
3:00 - 3:04他の遺伝子組み換えキッズにも
その感覚を覚えました -
3:05 - 3:08あなたは折しも
週明けに新聞で -
3:08 - 3:12これらのデザイナー・ベビーたちが
より攻撃的で -
3:12 - 3:14ナルシシズムを持つ傾向にある
-
3:14 - 3:18という研究報告を
読んだところでした -
3:20 - 3:21それよりも気がかりなのが
-
3:21 - 3:25ジェナの家族から
聞かされたばかりの話です -
3:25 - 3:26ジェナは知能が高いために
-
3:26 - 3:30特殊な学校へ進み
-
3:30 - 3:32マリアンとは違う教育を
受けるというのです -
3:32 - 3:36これはあなたの家族を
困惑させてしまいました -
3:36 - 3:37マリアンは泣き続けて
-
3:37 - 3:41昨晩あなたがベッドで
おやすみのキスをした時 -
3:41 - 3:45「ダディ ジェナはもうお友達じゃ
なくなるの?」と聞いたのです -
3:47 - 3:50さあ 2030年の
空想物語をお話ししましたが -
3:50 - 3:53おそらく皆さんの中には
空想科学の世界にいるような -
3:53 - 3:56気持ちになってしまった人も
いるかと思います -
3:56 - 3:58まるでSF小説を
読んでいるような感じでしょう -
3:58 - 4:01あるいは
ハロウィンの物語のような -
4:01 - 4:04でもこれは
実現可能な未来なのです -
4:04 - 4:05たった15年先の未来
-
4:06 - 4:09私は幹細胞と遺伝子の
研究をしていますが -
4:09 - 4:12私にはこの
新しいCRISPR技術の -
4:12 - 4:14潜在的な
インパクトが予測できます -
4:14 - 4:18私たちはこういう未来に直面し
-
4:18 - 4:21そこでは様々な事柄が 私たちが
現在下す判断に左右される事になります -
4:22 - 4:25まだこれがSF的
空想物語だと感じているなら -
4:25 - 4:29今年 科学界が大きく震撼する
出来事が起こり -
4:29 - 4:32それは未だに知られてすらいない事を
頭に入れて下さい -
4:32 - 4:35ほんの数ヶ月前に
中国の研究者たちが -
4:35 - 4:40遺伝子編集をしたヒト受精卵を
作成したことを報告しました -
4:40 - 4:42これは歴史上初のことです
-
4:42 - 4:45彼らはこのCRISPR技術を
使ってそれを行いました -
4:46 - 4:48完全な成功では
ありませんでしたが -
4:48 - 4:51しかしこのことは
パンドラの箱の蓋を -
4:51 - 4:53開けてしまったと考えています
-
4:55 - 4:58この技術を持ち出し
デザイナー・ベビーを生み出そうとする人も -
4:58 - 5:00出てくるだろうと思います
-
5:01 - 5:04話を続ける前に—
中にはこういう意見もあるかもしれません -
5:04 - 5:06「ポール ちょっと待って
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5:06 - 5:08そんなこと法に反するだろう?
-
5:08 - 5:11そんなに自分勝手に
デザイナー・ベビーを作るなんてありえない」 -
5:12 - 5:14その意見はある意味
正しいんです -
5:14 - 5:16それが出来ない
国々もありますが -
5:17 - 5:20我が国アメリカを含む
多くの国々では -
5:20 - 5:24まだこれについて何の法律も無く
理論的には問題ないのです -
5:25 - 5:30今年もう一件
これに関連した展開がありました -
5:30 - 5:32(ウィーンから)そう遠くない
イギリスで起こったことです -
5:33 - 5:36イギリスは元来
人の遺伝子操作に関しては -
5:36 - 5:39最も厳格な国で
-
5:39 - 5:41そこでもヒトの胚の
遺伝子操作は違法でした -
5:41 - 5:42しかし ほんの数ヶ月前
-
5:42 - 5:45そのルールに
例外が設けられました -
5:45 - 5:46新たな法律が通り
-
5:46 - 5:50希少遺伝子疾患の予防という
崇高な目的のためなら -
5:50 - 5:54崇高な目的のためなら作っても良い
ということになったのです -
5:55 - 5:59しかし これらの出来事によって
-
5:59 - 6:01私たちはヒトの遺伝子編集を
受け入れる方向に -
6:01 - 6:03流されていっていると
感じています -
6:04 - 6:07CRISPRのお話をしてきましたが—
-
6:07 - 6:09一体 CRISPRとは
何なのでしょう? -
6:10 - 6:13私たち皆が良く知る
遺伝子組み換え作物を想像してください -
6:13 - 6:16遺伝子組み換えトマトや小麦
-
6:16 - 6:18そんなものです
-
6:18 - 6:21CRISPR技術は
そうした作物を作る -
6:21 - 6:23技術と似ていますが
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6:23 - 6:25それが驚異的に進化し
-
6:25 - 6:27安価になり 速く
達成できるようになったものです -
6:28 - 6:30さてどんなものでしょう?
-
6:30 - 6:33それはまるで遺伝子用の
スイス・アーミーナイフのようなものです -
6:33 - 6:35これが色々なツールの
組み込まれた -
6:35 - 6:36スイス・アーミーナイフとします
-
6:36 - 6:39一つは拡大鏡のようなもの
-
6:39 - 6:42あるいは私たちのDNAに対する
GPSのようなもの -
6:42 - 6:45それで ある一点に
焦点を 当てることができます -
6:45 - 6:47次はハサミのようなツール
-
6:47 - 6:50遺伝子をその場で
切り取ることが出来ます -
6:50 - 6:51それからペン
-
6:51 - 6:56その場所にある遺伝子のコードを
文字通り書き換えることができます -
6:56 - 6:58本当にこんな
単純な仕組みなんです -
6:58 - 7:02この技術はたった3年前に
出てきたばかりですが -
7:02 - 7:04業界を席巻しました
-
7:04 - 7:09技術はとても速く発展していて
科学者たちには途轍もなく刺激的です -
7:09 - 7:12私も魅了された科学者の一人で
自身の研究室で実際に使っています -
7:13 - 7:17誰かがその先まで踏み出して
-
7:17 - 7:20遺伝子組み換えヒト胚を作成し続け
-
7:20 - 7:22デザイナー・ベビーを作ってしまう
のではと思っています -
7:23 - 7:25この技術は今や世界中へ
伝わっています -
7:25 - 7:28ほんの3年前に現れて
-
7:28 - 7:32こんにち文字通り
数千のラボが これを所有し -
7:32 - 7:34それぞれに
重要な研究を行なっています -
7:34 - 7:37その殆どは
デザイナー・ベビーには興味もなく -
7:37 - 7:40疾患やその他重要な科学的テーマを
-
7:40 - 7:42研究しています
-
7:42 - 7:45CRISPR技術で
多くの良質な研究が行われ -
7:45 - 7:49以前は何年もの歳月と
数百万ドルの費用をかけて行なっていた -
7:49 - 7:53遺伝子組み換えが
-
7:53 - 7:56今では数週間と
数千ドルでできてしまうというのは -
7:56 - 7:58科学者の私には非常に
素晴らしいと感じられます -
7:58 - 8:00しかし同時に
-
8:00 - 8:03極端に行き過ぎる人に対しても
そのドアが開いてしまいます -
8:04 - 8:05そしてある種の人々にとっては
-
8:05 - 8:08その活用目的は
科学的なものでは無いでしょう -
8:08 - 8:10彼らは科学の目的により
動機付けられておらず -
8:10 - 8:14イデオロギーや
利益の追及などに駆られて -
8:15 - 8:17デザイナー・ベビーを
生み出そうとするでしょう -
8:17 - 8:20私たちは何故この事を
憂慮するべきなのでしょう? -
8:20 - 8:23ダーウィンの言う通り
数世紀前には -
8:23 - 8:27進化と遺伝子が
人類へ大きく影響を与え -
8:27 - 8:29私たちが出来上がりました
-
8:29 - 8:33社会進化論のようなものが
この世を運命付けていると考える人もいるし -
8:33 - 8:36優生学の考えもあるでしょう
-
8:37 - 8:40そうした考えの勢力がそれぞれ
-
8:40 - 8:43とても影響力が強く
広く浸透した技術である -
8:43 - 8:47CRISPRという推進力を
味方につけると想像してみてください -
8:47 - 8:51実際 1世紀遡って 前世紀に
-
8:51 - 8:54優生学思想がどのような影響を
及ぼしたかを考えてみましょう -
8:55 - 8:57私の父ピーター・ノフラーは
-
8:57 - 9:00ここウィーンで生まれました
-
9:00 - 9:04彼は1929年にここで生まれた
ウィーンっ子で -
9:04 - 9:08私の祖父母が父を授かった時
-
9:08 - 9:10世界はまるで違っていました
-
9:10 - 9:11ウィーンは今とは違いました
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9:11 - 9:13アメリカも然り
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9:13 - 9:14世界は今とは違っていました
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9:14 - 9:17その頃 優生学的思想が勢力を増し
(ナチスによるユダヤ人迫害) -
9:17 - 9:19私の祖父母はかなり早期に
-
9:19 - 9:20気づきました
-
9:20 - 9:24彼らは優生学思想の方程式の
「分が悪い側」にいたことに -
9:25 - 9:27それで彼らは
故郷であるウィーンを離れ -
9:27 - 9:29親戚たちからも
-
9:29 - 9:33何世代にも渡って住んでいた
-
9:33 - 9:37この地を離れることにしました
-
9:37 - 9:38優生学の迫害が理由です
-
9:38 - 9:41そして彼らは生き延びましたが
心は疲れ切り -
9:41 - 9:45父がウィーンを忘れられたかどうか
私は知りません -
9:45 - 9:471938年―彼は8歳の時に
-
9:47 - 9:48そこを去りました
-
9:48 - 9:52現在 また新たな
優生学的風潮が -
9:52 - 9:54頭をもたげて来ているのを
感じています -
9:54 - 9:59これはより共感的で 紳士的で
ポジティブな優生学であり -
9:59 - 10:01過去の優生学とは違う
ということになっていますが -
10:02 - 10:06私は例えその焦点が人々を
「改良」することにあったとしても -
10:07 - 10:09ネガティブな結果を
招きかねないと思っており -
10:09 - 10:10私が心底危ぶんでいるのは
-
10:11 - 10:13この新たな優生学の
著名な推奨者たちは -
10:13 - 10:17CRISPRがその実現へのチケットだと
考えているということです -
10:17 - 10:20私にもそれが理解できない
訳ではないと認めます -
10:20 - 10:23優生学―より優れた人間を作る
-
10:23 - 10:25でもそれは難しい問いです
-
10:25 - 10:28人間について語るとき
何をもって「より良い」とするのでしょう? -
10:28 - 10:31しかしまた 私たちの多くが
-
10:31 - 10:34人間には ほんのちょっと
改良が必要だと -
10:34 - 10:36思っているのも真実です
-
10:36 - 10:38政治家たちを見てください
-
10:38 - 10:40ここに比べて
私の国アメリカでは— -
10:40 - 10:44いや今 その話はやめましょう
-
10:44 - 10:46多分鏡を覗くだけでも—
-
10:46 - 10:48どう「改良」すべきか
思いつくでしょう -
10:49 - 10:53私ならこんな禿げ頭ではなく
髪がもっと欲しいと思いますね -
10:53 - 10:56ある人は
もっと身長を高くしたいとか -
10:56 - 10:59体重がああだったら、顔がこうだったら
そう願っています -
10:59 - 11:03遺伝子編集ができれば
こうした変身ができたり -
11:03 - 11:06自分の子供たちに
そうした調整を行ったりできます -
11:06 - 11:07とても魅惑的でしょうね
-
11:08 - 11:11でもこうしたリスクがつきものです
-
11:11 - 11:13優生学についてお話ししましたが
-
11:13 - 11:16個人単位でのリスクもあります
-
11:16 - 11:18人間を改良する
という考えから離れて -
11:18 - 11:23遺伝子操作を用いて単に
人を更に健康にしようとするとします -
11:23 - 11:25この技術は非常に新しく
-
11:25 - 11:27非常にパワフルですから
-
11:27 - 11:29間違って逆に病気を引き起こして
しまうかもしれません -
11:30 - 11:33これは容易に起こり得ることです
-
11:33 - 11:34もう1つのリスクは
-
11:34 - 11:38研究室で行われている あらゆる
正当で重要な遺伝子改変の研究も -
11:38 - 11:40研究室で行われている あらゆる
正当で重要な遺伝子改変の研究も -
11:40 - 11:43—デザイナー・ベビーには
何の関係も無い研究です— -
11:43 - 11:46ごく一部が行う
デザイナー・ベビー開発のせいで -
11:46 - 11:47混乱に巻き込まれ
-
11:47 - 11:50学術分野全てが
痛手を負うという事です -
11:51 - 11:54私は政府が
そのうち遺伝子編集に -
11:54 - 11:58乗り気にならないとも
限らないと考えています -
11:59 - 12:04遺伝子編集をされたジェナは
-
12:04 - 12:05より健康優良ですが
-
12:05 - 12:09もしヘルスケアコストが
今よりもかからない世代ができれば -
12:09 - 12:13政府が遺伝子組み換えを
促進するよう -
12:13 - 12:15国民に働きかけるかもしれません
-
12:15 - 12:17例えば中国の一人っ子政策
-
12:17 - 12:23これは4億人の出生を
防いだと考えられています -
12:24 - 12:27ですから政府が
遺伝子操作を推進する -
12:27 - 12:30というのも
現実的にあり得るでしょう -
12:31 - 12:34もしデザイナー・ベビーが
-
12:34 - 12:37このデジタル時代に
主流になったら— -
12:37 - 12:39バイラル・ビデオや
ソーシャルメディアで -
12:39 - 12:42デザイナー・ベビーが
「ファッショナブル」だとか -
12:42 - 12:44カーダシアンのような
セレブみたいに -
12:44 - 12:46扱われたらどうします?
-
12:46 - 12:47(笑)
-
12:47 - 12:51そうしたトレンドを 本当に私たちが
コントロールできるものでしょうか? -
12:51 - 12:53私は手に負えないのではと
思っています -
12:55 - 12:58ですから 今日はハロウィンで
-
12:58 - 13:00遺伝子操作について
話しているのですが -
13:00 - 13:03ハロウィンにちなんだ
キャラクターとして -
13:03 - 13:06誰よりもふさわしいキャラがいます
-
13:06 - 13:08フランケンシュタインです
-
13:09 - 13:13フランケンの物語は
色々ありますが -
13:13 - 13:18これをこの話の文脈に当てはめて
こんなハロウィンの日に -
13:18 - 13:19考えてみると
-
13:19 - 13:24もし親が子供を遺伝子的に
仮装させられるようになるとしたら -
13:24 - 13:29これは「フランケンシュタイン2.0」
のような状況になるのでしょうか? -
13:30 - 13:33いや そこまで極端な話には
ならないでしょう -
13:33 - 13:37でも私たちが人間の遺伝子を
ハッキングし始めたら -
13:37 - 13:41何が起こるか
全く予測不可能です -
13:41 - 13:42危険が伴うでしょう
-
13:42 - 13:44歴史を振り返ると
-
13:44 - 13:46革新的な科学技術が
-
13:46 - 13:50もはや制御不能な状態に発展し
-
13:50 - 13:52社会に浸透する例が
見えてきます -
13:52 - 13:56例えば体外受精という例です
-
13:56 - 14:00ほぼ丁度40年前
-
14:00 - 14:03世界初の「試験管ベビー」である
ルイーズ・ブラウンが生まれました -
14:03 - 14:05それは素晴らしい事です
-
14:05 - 14:10それから5百万人程の
試験管ベビーが生まれ -
14:10 - 14:12計り知れない幸せを
もたらしました -
14:12 - 14:15今多くの親御さんたちが
こうした子供たちを持ちます -
14:15 - 14:17しかし考えてみてください
40年のうちに -
14:17 - 14:21新技術によって5百万人の
こうした赤ちゃんが生まれた -
14:21 - 14:23これは凄い事です
-
14:23 - 14:25そして遺伝子編集技術や
デザイナー・ベビーにより -
14:25 - 14:29同じ事がもたらされる
可能性があるのです -
14:29 - 14:32私たちが
次の数ヶ月で下す決断に基づき -
14:32 - 14:33来年あたりに
-
14:33 - 14:36もしデザイナー・ベビー
第1号が生まれたら -
14:36 - 14:38数十年以内に
-
14:38 - 14:41何百万もの遺伝子組み換えベビーが
生まれるかもしれません -
14:41 - 14:46これが少し特殊なのは
-
14:46 - 14:49もし私やあなたが
デザイナー・ベビーを持つと決めたら -
14:49 - 14:53ベビーたちの子供たちにもまた
遺伝子編集が引き継がれる -
14:53 - 14:54遺伝する ということです
-
14:54 - 14:56それが大きな違いです
-
14:56 - 14:58これらの事を踏まえて
-
14:58 - 14:59今後どうするべきなのでしょうか?
-
15:00 - 15:02これからおよそ
-
15:02 - 15:051ヶ月後に
ワシントンD.C.で行われる -
15:05 - 15:07米国科学アカデミーが
開催する会議に於いて -
15:07 - 15:10まさにこの質問が
取り上げられます -
15:10 - 15:13ヒトの遺伝子編集技術の
進むべき道はどんなものでしょう? -
15:14 - 15:17今の時点では
-
15:17 - 15:18猶予期間が必要です
-
15:18 - 15:20これは禁止しておくべきです
-
15:20 - 15:23私たちは遺伝子編集された人間を
作る事を許すべきではありません -
15:23 - 15:27なぜならこれは危険過ぎる
全く予測不可能な行為だからです -
15:27 - 15:28そして—
-
15:28 - 15:29(拍手)
-
15:29 - 15:30ありがとうございます
-
15:30 - 15:37(拍手)
-
15:37 - 15:39これも言わせてください
科学者として -
15:39 - 15:42これを私が公の場で言うのは
少し怖いのです -
15:42 - 15:47科学は 大抵自ら規制を課すような事を
忌避するものですからね -
15:48 - 15:51私たちはこれを今は
禁止しておくべきだと思うのですが -
15:51 - 15:54それに反対するだけでなく
真逆の意見を持つ人々も -
15:54 - 15:55多く存在します
-
15:55 - 15:59彼らはまるでこうです
「よしフルスピードで進もう -
15:59 - 16:00デザイナー・ベビーを作ろう」
-
16:00 - 16:0312月の会議では
-
16:03 - 16:07そして続く数ヶ月に
予定される会議では -
16:07 - 16:10猶予期間を儲ける事が採択されない
可能性も大きくあります -
16:10 - 16:13私が思うのは
この問題の一部には -
16:13 - 16:15こうした流れや
-
16:15 - 16:19遺伝子編集技術の人間への応用という
革命が起こっているのが -
16:19 - 16:21知られていない事もあります
-
16:21 - 16:23誰も皆に伝えていないのです
-
16:23 - 16:27「これは大変な 革命的な事で
あなたにも個人的に -
16:27 - 16:29影響を与えかねないですよ!」と
-
16:29 - 16:32私の目標の一つは
それを変える事であり -
16:32 - 16:35公衆を教育し関心を高め
-
16:35 - 16:38皆さんにこの事について
議論を始めてもらう事です -
16:38 - 16:42これらの会議において
皆さんが参加して一端を担い -
16:42 - 16:45意見が取り入れられる事を
願っています -
16:45 - 16:49さて2030年の仮定の世界に
再び視点を戻すと -
16:50 - 16:53本当に時間は残されていません
-
16:53 - 16:55こんにちの決断が影響する
この技術は -
16:55 - 16:57翌数ヶ月、翌年くらいで
-
16:57 - 17:00山火事のように
急速に拡がっているのですから -
17:00 - 17:032030年の現実に
戻ったとしましょう -
17:03 - 17:05公園にいて
-
17:05 - 17:08子供はブランコに乗っています
-
17:09 - 17:11その子は従来の
自然なままの子供なのか -
17:11 - 17:15それとも私たちはデザイナー・ベビーを
持つことにしたでしょうか? -
17:15 - 17:18私たちは手を加えない従来の
自然なままの子供を選んだとしましょう -
17:18 - 17:21その子はブランコで揺られていて
-
17:21 - 17:23まあその格好はぐちゃぐちゃです
-
17:23 - 17:26髪は私のように乱れて
-
17:26 - 17:28洟をたらしていて
-
17:28 - 17:30世界基準で
最も賢い子供でありませんが -
17:31 - 17:33かわいくて あなたはメロメロです
-
17:33 - 17:35その隣のブランコには
-
17:35 - 17:38親友の遺伝子組み換えキッドがいます
-
17:38 - 17:41二人が並んで
ブランコに揺られているので -
17:41 - 17:43二人をつい
比べずにはいられません -
17:43 - 17:45遺伝子組み換えキッドは
より高くブランコを揺らし -
17:45 - 17:48見た目も上等
学校でも良い生徒です -
17:48 - 17:50拭いてあげなければならない
洟もありません -
17:50 - 17:53あなたはこれをどんな思いで
見つめるでしょう? -
17:53 - 17:56あなたなら
どんな選択をするでしょう? -
17:57 - 17:58ありがとうございました
-
17:58 - 18:05(拍手)
- Title:
- もし隣の子が遺伝子編集された子だったら? | ポール・ノフラー | TEDxVienna
- Description:
-
遺伝子編集されたヒトを作り出す。それはもう空想の世界の話ではなく、実現するであろう未来のシナリオです。
研究所では遺伝子編集したヒトを「生産する」段階に近づいていますが、これは何を意味するのでしょう?私たちは生命を与えられる前に選別されなければならないのでしょうか?科学はこれに答えを出しましたが、倫理的な社会として私たちはこれを議論するべきです。詳しくはこちら http://www.tedxvienna.at
ポール・ノフラーは幹細胞と遺伝子学を研究しています。彼は『GMO Sapiens』(遺伝子組み換え人間)の著者であり人間の遺伝子編集についての国際的議論において影響力を持つ生物学者です。
このビデオは、TEDカンファレンスの形式で地元コミュニティが独自に運営するTEDxイベントにおいて収録されたものです。詳しくは http://ted.com/tedx をご覧ください。
- Video Language:
- English
- Team:
closed TED
- Project:
- TEDxTalks
- Duration:
- 18:10
Shoko Takaki
LCの方へ
このトークにはTEDtalk版がありますので、併せて承認をお願い致します。
http://amara.org/en/videos/WQ6lndjo2hKc/ja/1765806/