温暖化問題に対するジオエンジニアリングを見直す
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0:00 - 0:03皆さんは 気候変動の記事を
たくさん目にしたことがあるでしょう -
0:03 - 0:05これはニューヨークタイムズの記事です
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0:05 - 0:07よくある 記事の一つで
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0:07 - 0:09目新しい内容が書かれているわけではなく
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0:09 - 0:12見出しだって これまでと同じです
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0:12 - 0:16ただ一つ 違うと思われるのは
この記事が1953年に書かれているということです -
0:16 - 0:18なぜこんなことを言うのかというと
-
0:18 - 0:20おそらく皆さんが
気候変動は -
0:20 - 0:23比較的最近の問題であり
今は京都議定書や政府間において -
0:23 - 0:26解決に向けての方針は決まっていて
実際に行動し始めていており -
0:26 - 0:29我々は問題解決への道を
歩んでいるのだろうと -
0:29 - 0:32実際は…NOです
-
0:32 - 0:37我々は50年前から
この問題を認識していて -
0:37 - 0:39この10年ほど 延々と
議論を続けてきました -
0:39 - 0:42その成果はほぼゼロです
-
0:42 - 0:45これは大気中の
CO2の増加率を示しており -
0:45 - 0:47色々な形で目にしたことがあると思いますが
-
0:47 - 0:49このグラフを見るのは
初めてではないでしょうか -
0:49 - 0:52これは CO2排出量増加率が
急激に加速していることを示します -
0:52 - 0:54最悪だと思われていた
数年前よりも -
0:54 - 0:58速いペースで増えています
-
0:58 - 1:01多くの懐疑論者が赤いラインについて
-
1:01 - 1:03「環境問題研究者が
悲観的予測をした」と -
1:03 - 1:06主張していました
「赤いラインよりも速く -
1:06 - 1:09排出量が増えることはないだろう」
とも言っていました -
1:09 - 1:11しかし実際は
ずっと速く増加しています -
1:11 - 1:14ここにちょうど10日前の
データがあります -
1:14 - 1:19今年の北極海に浮かぶ氷の
最小面積です 面積は過去最低 -
1:19 - 1:24また氷の減少もモデルデータより
かなり速いペースで進行しています -
1:24 - 1:27私のような各分野の専門家が
世界中を飛び回り -
1:27 - 1:30ジェット燃料を消費し
政治家達は条約に署名しているにも拘らず -
1:30 - 1:33実際にはこうした行動から得られる
効果は実質的にマイナスと言えます -
1:33 - 1:36ジェット燃料をたくさん
消費しているだけです(笑) -
1:36 - 1:41本当ですよ !この非常に惰性的なものー
我々の巨大な経済にブレーキをかけるために -
1:41 - 1:45必要な観点からすれば
我々はまだ行動を起こしてすらいないのです -
1:45 - 1:52こういう状況ですーほとんど何もしていません
[風刺画:机上の空論] -
1:52 - 1:54皆さんをがっかりさせたくはありません
-
1:54 - 1:59問題は確実に解決できます
しかもかなり低コストな方法で -
1:59 - 2:04安いとは 軍事費程度であり
医療福祉費ほどではないという意味です -
2:04 - 2:08GDPの数パーセントという意味です
-
2:08 - 2:10いいですか
この規模感は非常に重要です -
2:10 - 2:14問題は解決可能です そのために
我々が取り組まなければならないのは -
2:14 - 2:16電力生産をなんとかすること
-
2:16 - 2:20電力生産はCO2排出量の約43%を占め
排出量を増加させています -
2:20 - 2:23完全に分別のある行動を取ればいいんです
例えば節電とか -
2:23 - 2:27風力発電、原子力発電、二酸化炭素貯留―
-
2:27 - 2:32これらはいつでも
大規模に展開・実現できます -
2:32 - 2:37しかし我々はこのような設備を
実際に機能させるための投資を行わず -
2:37 - 2:39議論の時間だけを費やしているのです
-
2:39 - 2:42しかし 今夜お話したいのは
このことではありません -
2:42 - 2:46今夜は我々が何も行動を起こさなかった場合
できることについてであり -
2:46 - 2:50この真ん中についてです―
もし十分に早急に -
2:50 - 2:53CO2排出量制限を行わなかった場合
どうなるか -
2:53 - 2:56そして気候変動を招く人間の行動と
-
2:56 - 3:00気候変動そのものの繋がりを断ち切る
これがとくに重要です -
3:00 - 3:03というのは我々は
気候変動に順応できるし -
3:03 - 3:06正直に言えば気候変動による
恩恵もあると思います -
3:06 - 3:09確かに良くない考えです
それを食い止めるために研究してきました -
3:09 - 3:13しかし政治的に難しいのは 勝者と敗者がいること
敗者だけではないのです -
3:13 - 3:16ただもちろん 自然界やホッキョクグマ
-
3:16 - 3:19―かつて極北の氷原を数週間
スキーしたこともありますが -
3:19 - 3:21そういったものは全て敗者となるのです
-
3:21 - 3:23これらは環境に適応できません
-
3:23 - 3:24ですが 気候変動問題は必ず解決できます
-
3:24 - 3:27ジオエンジニアリングは
簡単に言うと次のようなものです -
3:27 - 3:32粒子状物質
特に硫酸塩や硫酸微粒子を -
3:32 - 3:34上層大気ー成層圏に散布すると
-
3:34 - 3:36太陽光線を反射して
地球の温度を下げます -
3:36 - 3:39確実に効果があることは分かっています
-
3:39 - 3:42副作用がないわけではありません
しかし必ず効果が得られます -
3:42 - 3:44効果は既に実証されているのです
-
3:44 - 3:47他の誰でも無い自然が証明しています
-
3:47 - 3:50これは 90年代初頭の
ピナトゥボ火山です -
3:50 - 3:54成層圏に硫黄が噴き上がり
キノコ雲様のものができています -
3:54 - 3:57結果は非常に劇的でした
-
3:57 - 4:00その後或いは以前に起こった
火山の噴火においてもそう -
4:00 - 4:02大気の温度が劇的に
下がっているのが分かりますね -
4:02 - 4:05下のグラフは 成層圏
上層大気の温度です -
4:05 - 4:07噴火のあとは温度が上がります
-
4:07 - 4:09しかし 上のグラフ つまり
下層大気と地表の温度は -
4:09 - 4:13下がっています
大気がわずかに覆われるからです -
4:13 - 4:15そこには大きな謎はありません
-
4:15 - 4:18詳細については不明な点がたくさんあり
副作用もあります -
4:18 - 4:21例えば オゾン層を部分的に破壊したり―
それは後程 説明しますが -
4:21 - 4:23気温を下げることは明らかです
-
4:23 - 4:26しかもー急速に
-
4:26 - 4:29これは非常に重要なことです
例えば 排出量の増加を遅らせるなどの -
4:29 - 4:34我々が取り組まなくてはならない物事の
殆どは 本質的に時間がかかります -
4:34 - 4:37例えば排出量を削減するための
ハードウェアを用意するなどー -
4:37 - 4:40さらに 排出量を削減しても
その濃度は低減しません -
4:40 - 4:42なぜなら濃度つまり
空気中のCO2の量は -
4:42 - 4:44これまで排出されてきた量の
総和だからです -
4:44 - 4:46よって 急ブレーキをかけるのは無理です
-
4:46 - 4:48しかし やるなら迅速に
-
4:48 - 4:51そして 早急に事を始めたいという
時があるでしょう -
4:51 - 4:54おそらくみなさんはこれが
機能するのだろうかと訝っているでしょう -
4:54 - 4:58太陽光線の入射を遮り
増加分のCO2を効果的に相殺し -
4:58 - 5:01かつての気候に戻すことができるのか?と
-
5:01 - 5:03答えは「イエス」のようです
-
5:03 - 5:06このグラフはこれまでにも
見たことがあるでしょう -
5:06 - 5:09これは 特定の温度モデルにおいて
世界がどうなるかを表したグラフです -
5:09 - 5:11空気中のCO2が
2倍になった状態です -
5:11 - 5:15下のグラフはCO2が2倍になり
太陽光線が1.8%減少した場合 -
5:15 - 5:17かつての気温に戻っています
-
5:17 - 5:20このケン・カルデイラのグラフは
次のようにして生まれました -
5:20 - 5:2390年代半ばの学会で マーティ・ホファートも
出席していたと思いますが― -
5:23 - 5:26ケンと私は会場から
-
5:26 - 5:28「ジオエンジニアリングは失敗する」
-
5:28 - 5:30と 当時の提案者にコメントしたのです
-
5:30 - 5:32「大気はもっと複雑だ」と言い
-
5:32 - 5:35なぜ CO2がうまく相殺できないのか
多くの理由を挙げました -
5:35 - 5:38後でケンが自分のモデルを動かしてみると
実は効果的だったのです -
5:38 - 5:40これも古い話です
-
5:40 - 5:43この報告書がジョンソン大統領に
提出された当時 私は2歳でした -
5:43 - 5:451965年のことです
-
5:45 - 5:47当時最新の気候科学を盛り込んだ
この報告書で -
5:47 - 5:50具体的対策はジオエンジニアリングのみ
でした -
5:50 - 5:52CO2排出量削減には
触れられてすらおらず -
5:52 - 5:55考え方が信じられないほど
異なっていました -
5:55 - 5:57排出量削減の
必要がないとは思いません -
5:57 - 6:00むしろ削減するべきですが
まさにそこがポイントです -
6:00 - 6:02よってある意味
新しい考えではありません -
6:02 - 6:04唯一新しいのはこの評論です
-
6:04 - 6:08なのでこれは
ジョンソン大統領時代の報告書 そして -
6:08 - 6:11全米アカデミーズの 1977年 1982年 1990年の
各報告書を通じて -
6:11 - 6:14人々は常に
この考えについて話し合ってきました -
6:14 - 6:17確実ではないものの
考慮すべきこととして -
6:17 - 6:21しかし 気候の話題が政治的に「ホット」になると
―駄洒落みたいですがー -
6:21 - 6:27この15年間は 不適切な考えとされ
議論すらできませんでした -
6:27 - 6:31議論は表に出ることなく
話題にすることさえ許されませんでした -
6:31 - 6:34しかし 去年パウル・クルッツェンが
この評論を発表し -
6:34 - 6:37概ね以前から述べられていたこと
-
6:37 - 6:40問題解決への非常にのろい進展や
不明確なインパクトを考えると -
6:40 - 6:42このように考えなくてはならない
と記しました -
6:42 - 6:44今まで言われてきたようなことです
-
6:44 - 6:47大事な事は彼はオゾンホールの研究で
ノーベル化学賞を獲得した為 -
6:47 - 6:49彼がこの問題を真剣に
考えるべきだと言うと -
6:49 - 6:51オゾン層への影響にも関わらず
人々は注目しました -
6:51 - 6:53実際 彼はオゾン層への影響を払拭する
考えも持っていましたが -
6:53 - 6:55全世界でメディアが取り上げ
-
6:55 - 6:59エコノミスト誌の見出しには
「博士の異常な愛情が地球を救う」とありました -
6:59 - 7:02それで私は考えました
この件について時々取り組んできましたが -
7:02 - 7:05あまり技術的な面からではなかったのです
ある晩ベッドに横になって考え -
7:05 - 7:09子供のおもちゃについて考えたのです
タイトルとも関係があるのですが -
7:09 - 7:12私は このラジオメータが
回転する原理を用いて -
7:12 - 7:16粒子を上層大気中に散布し
-
7:16 - 7:18浮揚させたままでいられないかと考えました
-
7:18 - 7:20硫酸塩散布の問題の一つは
大気滞留時間が非常に短いこと -
7:20 - 7:22また オゾン層を破壊してしまうので
-
7:22 - 7:24それよりも上層に導入する事が望ましいのです
-
7:24 - 7:26翌朝目を覚まし 計算を始めました
-
7:26 - 7:29第一原理からの計算は困難で
閉口しました -
7:29 - 7:32しかし すでに様々な論文が
このテーマを扱っていると気付きました -
7:32 - 7:35これは既に自然界で
発生している現象でした -
7:35 - 7:37すでに微粒子が存在していて
-
7:37 - 7:41我々が中間層と呼ぶ
上空100キロメートルの -
7:41 - 7:43場所まで浮遊しています
-
7:43 - 7:45その原理を簡単にお教えします
-
7:45 - 7:47複雑なところが 実に面白く
-
7:47 - 7:49喜んで一晩中お話しできますが
やめておきます -
7:49 - 7:52さて太陽光線が粒子に当たっていても
均一には熱されません -
7:52 - 7:54つまり 太陽に面する側は暖まり
反対側は冷たいままです -
7:54 - 7:57暖かい側にぶつかるガス分子は
-
7:57 - 8:01熱されて 跳ね返る速度が増します
-
8:01 - 8:03力の総和は 太陽から遠ざかる向きです
-
8:03 - 8:05いわゆる光泳動力です
-
8:05 - 8:09私や共同研究者たちは
この原理の様々な活用法を -
8:09 - 8:11考案しているところです
-
8:11 - 8:13もちろん我々は
間違っているかもー -
8:13 - 8:15これは まだ査読も受けていませんが
-
8:15 - 8:17これまでのところは
間違っていないようです -
8:17 - 8:20しかし 大気中での粒子の
滞留期間を延ばすことは -
8:20 - 8:23できそうです
粒子は浮揚しているからです -
8:23 - 8:25物質を成層圏から
中間圏に移動して -
8:25 - 8:28原理上 オゾン層問題を解決できます
-
8:28 - 8:30それ以外にも問題は出てくるでしょうが
-
8:30 - 8:33最終的に 粒子を両極だけに集めて
-
8:33 - 8:37極地にフォーカスした
気候エンジニアリングを適用できると思います -
8:37 - 8:40それにより 我々が住む地球の中間地域には
最低限の悪影響で -
8:40 - 8:44いわば地球に危機が迫った時に
極地の冷却を行うといった事を -
8:44 - 8:48可能な限り行えます
-
8:48 - 8:50この新しいアイディアは
おそらく本質的には -
8:50 - 8:52硫酸を散布する
なんてことよりも賢い考えです -
8:52 - 8:56これが正しいかどうかに関わらず
-
8:56 - 8:58おそらく 次第に
ただ硫酸を散布するより -
8:58 - 9:01良いアイディアが
生まれることは確実です -
9:01 - 9:04もし工学者や科学者が
本気でこの考えに取り組めば -
9:04 - 9:07地球に与える影響の大きさは計り知れません
-
9:07 - 9:11付け加えると この考えは我々に
多大な影響力を与えてくれるということです -
9:11 - 9:14受け入れるかどうかは別として
この進化した科学と工学が発展すれば -
9:14 - 9:17私たちが 能動的に
地球に影響を及ぼし -
9:17 - 9:19地球をコントロールし
-
9:19 - 9:23天気や気候を管理出来るようになります
我々がそう意図したり -
9:23 - 9:26そう望んだからでもなく
科学が少しずつ進歩するからです -
9:26 - 9:28事象のより体系的な知識を得て
-
9:28 - 9:30それを実現する為のツールも改良されて
-
9:32 - 9:36さて 例えば宇宙人が
地球にやってきたとしましょう -
9:36 - 9:38彼らはすぐそこの国連本部に着陸したり
-
9:38 - 9:40あるいはもっとマシな場所を探すかも
-
9:40 - 9:43彼らがやってきて
あなたに箱を差し出すとします -
9:43 - 9:47その箱には二つのノブがついており
-
9:47 - 9:49一つは 地球の気温を制御するためのノブ
-
9:49 - 9:51もう一つは CO2 濃度を制御するノブ
-
9:51 - 9:55その箱を巡って
戦争になることが予想されます -
9:55 - 9:58我々には ノブをどう調整すべきか
合意する手段がないからです -
9:58 - 10:00そのような地球的統治の
枠組みがありません -
10:00 - 10:02皆 ノブの位置について
それぞれ思惑があります -
10:02 - 10:06現時点でこのようなケースは起こりえません
有りえないことです -
10:06 - 10:10しかし 我々はそのような箱を作っているのです
-
10:10 - 10:12世界中の科学者や工学者が
-
10:12 - 10:14それぞれの実験室で作っているのです
-
10:14 - 10:16目的は異なっているかもしれません
-
10:16 - 10:19彼らは環境保護のためだと
信じているかもしれません -
10:19 - 10:21地球規模の制御という
奇抜な考えには興味はなくとも -
10:21 - 10:25彼らが発展させる科学によって
その制御が簡単になるのです -
10:25 - 10:28私は決して実行に移したいと
思っているわけではありません -
10:28 - 10:33しかし この話題は積極的に話題にして
真剣に考えなくてはいけません -
10:33 - 10:36遅かれ早かれ こうした決断に
迫られる時が来るのです -
10:36 - 10:39真剣に考えれば考える程良く
-
10:39 - 10:43なぜ実行してはいけないのかを
考えるのだとしてもです -
10:43 - 10:49この問題について考える場合の
二つの考え方についてお教えしましょう -
10:49 - 10:51私の考え方はこれに端を発しています
-
10:51 - 10:54しかし私のような
ごく数名の変わり者だけが考えるのではなく -
10:54 - 10:56幅広い分野を交えた話し合いが
必要だということです -
10:56 - 11:00音楽家 科学者 哲学者
そして作家を交えた討論 -
11:00 - 11:03気候エンジニアリングの
問題に真剣に取組み -
11:03 - 11:06それがもたらすものについて
真剣に考える人々です -
11:06 - 11:08さて 考え方の一つですが
-
11:08 - 11:12単にCO2排出量削減の代替案という考え方です
理由は安いから -
11:12 - 11:15言っていませんでしたが
とんでもなく安いのです -
11:15 - 11:19硫酸散布でも
私が考えた方法でも -
11:19 - 11:25GDPの0.001%の費用で
氷河期を作り出せます -
11:25 - 11:28非常に安価です
それによって得られる効果は大きい -
11:28 - 11:30名案ではありませんが
重要です(笑) -
11:30 - 11:33影響がそれだけー
非常に大きいのです -
11:34 - 11:37計算についてはそこまで
議論の余地はありません -
11:37 - 11:43健全かどうかは議論の余地がありそうですが
影響力の大きさは本物です(笑) -
11:45 - 11:47そこで この問題の対処法としては
-
11:47 - 11:52CO2排出量の削減は停止しても
-
11:52 - 11:54CO2濃度が上がった時に
-
11:54 - 11:56ジオエンジニアリングを
強化するだけです -
11:56 - 11:59誰も真面目にとる人はいないでしょう
-
11:59 - 12:01このシナリオでは
我々は現在の気候から -
12:01 - 12:03どんどん遠ざかっていくからです
-
12:03 - 12:05海洋の酸性化のように
大気中のCO2濃度は -
12:05 - 12:08別の問題の原因でもあります
-
12:08 - 12:11数人の変人以外は誰も
「やってみよう」とは言わないでしょう -
12:11 - 12:13でも次のシナリオでは
否定は難しくなります -
12:13 - 12:17仮に我々がジオエンジニアリングを行わず
排出量を本当に削減しようと思って -
12:17 - 12:19取るべき行動をとるとします
-
12:19 - 12:22しかしどれくらいのペースで
削減すれば良いのか分からない -
12:22 - 12:25気候変動のどの程度からが危険だというのか
不明なことがたくさんあります -
12:25 - 12:28なので仮にきちんと取り組み
軽くブレーキをかけるだけでなく -
12:28 - 12:31思い切りブレーキを踏み込み
二酸化炭素排出量を大幅に減らし -
12:31 - 12:33最終的には濃度を
削減するとしましょう -
12:33 - 12:38そしていつか―
例えば2075年10月23日 -
12:38 - 12:41とうとう濃度がピークに達し
そこから下り坂に向かうという -
12:41 - 12:43栄光の日を迎えるでしょう
-
12:43 - 12:46地球規模でお祝いをしますが
実際にはこれまでの中でも -
12:46 - 12:49最悪なことが起こっているのです
-
12:49 - 12:53おそらくその日 我々が目にするのは
グリーンランドの氷床が -
12:53 - 12:59信じ難い速さで溶けていて
そのあまりの速さに -
12:59 - 13:01その後100年間は
海面が何メートルも上昇し -
13:01 - 13:03地図からは
大都市がいくつもなくなる程 -
13:03 - 13:05これは全くありうる話です
-
13:05 - 13:08ジオエンジニアリングは不確実で
道徳的に良い方法とは言えなくても -
13:08 - 13:13ジオエンジニアリングを行わないよりは
マシだと そこで決断するのではないでしょうか -
13:13 - 13:15そして この問題を違う面から見ると
-
13:15 - 13:18リスク管理のために使うということであり
行動の代わりではないということです -
13:18 - 13:21それは少しの間だけ
ジオエンジニアリングを行い -
13:21 - 13:26最悪の気温上昇を回避します
排出量削減の代替手段というわけではありません -
13:26 - 13:28しかし その見方には問題があります
-
13:28 - 13:30次のような問題です
-
13:30 - 13:32ジオエンジニアリングを知ることで
-
13:32 - 13:35気候変動の恐ろしさを
軽視してしまい -
13:35 - 13:38今日のCO2排出量削減への
取り組みが不十分になるかもしれない -
13:38 - 13:40経済学でいう
モラルハザードです -
13:40 - 13:44これがジオエンジニアリングについて話すのが
難しい根本的な理由の一つです -
13:44 - 13:46もう一つの理由は
これを話題にするのが -
13:46 - 13:47政治的タブーだということです
-
13:47 - 13:51しかし問題を隠したままでは
良い政策は作れません -
13:51 - 13:54ここで質問を三つと引用を一つ
ご紹介したいと思います -
13:54 - 13:57真剣にこのトピックについての研究を
行うべきでしょうか? -
13:57 - 14:00この話題に関する国際的な研究機関を
設けるべきでしょうか? -
14:00 - 14:02どう改善するかだけでなく
あらゆるリスクや -
14:02 - 14:04ダウンサイドについても
研究するのです -
14:04 - 14:08現時点では 少数の
肯定派と否定派が -
14:08 - 14:11熱心に議論しています
しかしその状態は危険です -
14:11 - 14:14なぜなら この話題についての
知識がとても浅いからです -
14:14 - 14:16少額の補助金があれば
幾分知識を得られます -
14:16 - 14:19多くの人々が あるいは私は
それを研究するべきと考えています -
14:19 - 14:21私には大きな懸念があります
-
14:21 - 14:24基本的にモラルハザードの問題で
-
14:24 - 14:28どうしたらそれが避けられるのか
最善の方法が分かりません -
14:28 - 14:30問題は深刻です
これについて話し始めると -
14:30 - 14:34人は自分たちは排出量削減に向けて
真剣に取り組む必要はないと考えてしまうのです -
14:34 - 14:37もう一つは おそらく我々には条約が
必要だということです -
14:37 - 14:40誰が行動をとるのか
ということを定めた条約です -
14:40 - 14:42今は米国のような
豊かな大国を想定しがちです -
14:42 - 14:46しかし もし2030年に中国が
-
14:46 - 14:48気候への影響を
放っておけないと気づけば -
14:48 - 14:52どのように対処するかという
我々の道徳的な議論を無視して -
14:52 - 14:56ジオエンジニアリングを行うという
選択をするかもしれません -
14:56 - 14:59ジオエンジニアリングを行うという
選択をするかもしれません -
14:59 - 15:03そして世界には決定に至るための
国際的な枠組みがありません -
15:03 - 15:05最後にー
25年前の米国アカデミーズの報告書は -
15:05 - 15:09今日 私がお伝えしたよりもずっと上手く
-
15:09 - 15:12我々の立ち位置を
表していると思います -
15:12 - 15:15我々の知るCO2問題や
気候変動問題は -
15:15 - 15:17CO2排出量を削減するための
エネルギー技術の革新など -
15:17 - 15:19多くの革新を
生み出しています -
15:19 - 15:24しかし同時に 気候や天気を
コントロールするという考えに -
15:24 - 15:27目を向けざるを得なく
なるだろうとも思います -
15:27 - 15:29好む好まないに拘らず
-
15:29 - 15:32例え そうすべきではない理由を
議論する為であっても -
15:32 - 15:34このことを考えるべき時が来たのです
-
15:34 - 15:35ありがとうございました
- Title:
- 温暖化問題に対するジオエンジニアリングを見直す
- Speaker:
- デイビッド・キース
- Description:
-
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環境科学者のデイビッド・キースが気候変動問題に対処するために提案した方法は、効果的で低コスト、かつ衝撃的なものでした。もし巨大な噴煙を大気中に散布して太陽光とその熱を反射させたらどうなるでしょう?
- Video Language:
- English
- Team:
closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 15:35
| Natsuhiko Mizutani approved Japanese subtitles for A critical look at geoengineering against climate change | ||
| Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for A critical look at geoengineering against climate change | ||
| Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for A critical look at geoengineering against climate change | ||
| Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for A critical look at geoengineering against climate change | ||
| Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for A critical look at geoengineering against climate change | ||
| Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for A critical look at geoengineering against climate change | ||
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Eriko Tsukamoto accepted Japanese subtitles for A critical look at geoengineering against climate change | |
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Eriko Tsukamoto edited Japanese subtitles for A critical look at geoengineering against climate change |
