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温暖化問題に対するジオエンジニアリングを見直す

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    皆さんは 気候変動の記事を
    たくさん目にしたことがあるでしょう
  • 0:03 - 0:05
    これはニューヨークタイムズの記事です
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    よくある 記事の一つで
  • 0:07 - 0:09
    目新しい内容が書かれているわけではなく
  • 0:09 - 0:12
    見出しだって これまでと同じです
  • 0:12 - 0:16
    ただ一つ 違うと思われるのは
    この記事が1953年に書かれているということです
  • 0:16 - 0:18
    なぜこんなことを言うのかというと
  • 0:18 - 0:20
    おそらく皆さんが
    気候変動は
  • 0:20 - 0:23
    比較的最近の問題であり
    今は京都議定書や政府間において
  • 0:23 - 0:26
    解決に向けての方針は決まっていて
    実際に行動し始めていており
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    我々は問題解決への道を
    歩んでいるのだろうと
  • 0:29 - 0:32
    実際は…NOです
  • 0:32 - 0:37
    我々は50年前から
    この問題を認識していて
  • 0:37 - 0:39
    この10年ほど 延々と
    議論を続けてきました
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    その成果はほぼゼロです
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    これは大気中の
    CO2の増加率を示しており
  • 0:45 - 0:47
    色々な形で目にしたことがあると思いますが
  • 0:47 - 0:49
    このグラフを見るのは
    初めてではないでしょうか
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    これは CO2排出量増加率が
    急激に加速していることを示します
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    最悪だと思われていた
    数年前よりも
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    速いペースで増えています
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    多くの懐疑論者が赤いラインについて
  • 1:01 - 1:03
    「環境問題研究者が
    悲観的予測をした」と
  • 1:03 - 1:06
    主張していました
    「赤いラインよりも速く
  • 1:06 - 1:09
    排出量が増えることはないだろう」
    とも言っていました
  • 1:09 - 1:11
    しかし実際は
    ずっと速く増加しています
  • 1:11 - 1:14
    ここにちょうど10日前の
    データがあります
  • 1:14 - 1:19
    今年の北極海に浮かぶ氷の
    最小面積です 面積は過去最低
  • 1:19 - 1:24
    また氷の減少もモデルデータより
    かなり速いペースで進行しています
  • 1:24 - 1:27
    私のような各分野の専門家が
    世界中を飛び回り
  • 1:27 - 1:30
    ジェット燃料を消費し
    政治家達は条約に署名しているにも拘らず
  • 1:30 - 1:33
    実際にはこうした行動から得られる
    効果は実質的にマイナスと言えます
  • 1:33 - 1:36
    ジェット燃料をたくさん
    消費しているだけです(笑)
  • 1:36 - 1:41
    本当ですよ !この非常に惰性的なものー
    我々の巨大な経済にブレーキをかけるために
  • 1:41 - 1:45
    必要な観点からすれば
    我々はまだ行動を起こしてすらいないのです
  • 1:45 - 1:52
    こういう状況ですーほとんど何もしていません
    [風刺画:机上の空論]
  • 1:52 - 1:54
    皆さんをがっかりさせたくはありません
  • 1:54 - 1:59
    問題は確実に解決できます
    しかもかなり低コストな方法で
  • 1:59 - 2:04
    安いとは 軍事費程度であり
    医療福祉費ほどではないという意味です
  • 2:04 - 2:08
    GDPの数パーセントという意味です
  • 2:08 - 2:10
    いいですか
    この規模感は非常に重要です
  • 2:10 - 2:14
    問題は解決可能です そのために
    我々が取り組まなければならないのは
  • 2:14 - 2:16
    電力生産をなんとかすること
  • 2:16 - 2:20
    電力生産はCO2排出量の約43%を占め
    排出量を増加させています
  • 2:20 - 2:23
    完全に分別のある行動を取ればいいんです
    例えば節電とか
  • 2:23 - 2:27
    風力発電、原子力発電、二酸化炭素貯留―
  • 2:27 - 2:32
    これらはいつでも
    大規模に展開・実現できます
  • 2:32 - 2:37
    しかし我々はこのような設備を
    実際に機能させるための投資を行わず
  • 2:37 - 2:39
    議論の時間だけを費やしているのです
  • 2:39 - 2:42
    しかし 今夜お話したいのは
    このことではありません
  • 2:42 - 2:46
    今夜は我々が何も行動を起こさなかった場合
    できることについてであり
  • 2:46 - 2:50
    この真ん中についてです―
    もし十分に早急に
  • 2:50 - 2:53
    CO2排出量制限を行わなかった場合
    どうなるか
  • 2:53 - 2:56
    そして気候変動を招く人間の行動と
  • 2:56 - 3:00
    気候変動そのものの繋がりを断ち切る
    これがとくに重要です
  • 3:00 - 3:03
    というのは我々は
    気候変動に順応できるし
  • 3:03 - 3:06
    正直に言えば気候変動による
    恩恵もあると思います
  • 3:06 - 3:09
    確かに良くない考えです
    それを食い止めるために研究してきました
  • 3:09 - 3:13
    しかし政治的に難しいのは 勝者と敗者がいること
    敗者だけではないのです
  • 3:13 - 3:16
    ただもちろん 自然界やホッキョクグマ
  • 3:16 - 3:19
    ―かつて極北の氷原を数週間
    スキーしたこともありますが
  • 3:19 - 3:21
    そういったものは全て敗者となるのです
  • 3:21 - 3:23
    これらは環境に適応できません
  • 3:23 - 3:24
    ですが 気候変動問題は必ず解決できます
  • 3:24 - 3:27
    ジオエンジニアリングは
    簡単に言うと次のようなものです
  • 3:27 - 3:32
    粒子状物質
    特に硫酸塩や硫酸微粒子を
  • 3:32 - 3:34
    上層大気ー成層圏に散布すると
  • 3:34 - 3:36
    太陽光線を反射して
    地球の温度を下げます
  • 3:36 - 3:39
    確実に効果があることは分かっています
  • 3:39 - 3:42
    副作用がないわけではありません
    しかし必ず効果が得られます
  • 3:42 - 3:44
    効果は既に実証されているのです
  • 3:44 - 3:47
    他の誰でも無い自然が証明しています
  • 3:47 - 3:50
    これは 90年代初頭の
    ピナトゥボ火山です
  • 3:50 - 3:54
    成層圏に硫黄が噴き上がり
    キノコ雲様のものができています
  • 3:54 - 3:57
    結果は非常に劇的でした
  • 3:57 - 4:00
    その後或いは以前に起こった
    火山の噴火においてもそう
  • 4:00 - 4:02
    大気の温度が劇的に
    下がっているのが分かりますね
  • 4:02 - 4:05
    下のグラフは 成層圏
    上層大気の温度です
  • 4:05 - 4:07
    噴火のあとは温度が上がります
  • 4:07 - 4:09
    しかし 上のグラフ つまり
    下層大気と地表の温度は
  • 4:09 - 4:13
    下がっています
    大気がわずかに覆われるからです
  • 4:13 - 4:15
    そこには大きな謎はありません
  • 4:15 - 4:18
    詳細については不明な点がたくさんあり
    副作用もあります
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    例えば オゾン層を部分的に破壊したり―
    それは後程 説明しますが
  • 4:21 - 4:23
    気温を下げることは明らかです
  • 4:23 - 4:26
    しかもー急速に
  • 4:26 - 4:29
    これは非常に重要なことです
    例えば 排出量の増加を遅らせるなどの
  • 4:29 - 4:34
    我々が取り組まなくてはならない物事の
    殆どは 本質的に時間がかかります
  • 4:34 - 4:37
    例えば排出量を削減するための
    ハードウェアを用意するなどー
  • 4:37 - 4:40
    さらに 排出量を削減しても
    その濃度は低減しません
  • 4:40 - 4:42
    なぜなら濃度つまり
    空気中のCO2の量は
  • 4:42 - 4:44
    これまで排出されてきた量の
    総和だからです
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    よって 急ブレーキをかけるのは無理です
  • 4:46 - 4:48
    しかし やるなら迅速に
  • 4:48 - 4:51
    そして 早急に事を始めたいという
    時があるでしょう
  • 4:51 - 4:54
    おそらくみなさんはこれが
    機能するのだろうかと訝っているでしょう
  • 4:54 - 4:58
    太陽光線の入射を遮り
    増加分のCO2を効果的に相殺し
  • 4:58 - 5:01
    かつての気候に戻すことができるのか?と
  • 5:01 - 5:03
    答えは「イエス」のようです
  • 5:03 - 5:06
    このグラフはこれまでにも
    見たことがあるでしょう
  • 5:06 - 5:09
    これは 特定の温度モデルにおいて
    世界がどうなるかを表したグラフです
  • 5:09 - 5:11
    空気中のCO2が
    2倍になった状態です
  • 5:11 - 5:15
    下のグラフはCO2が2倍になり
    太陽光線が1.8%減少した場合
  • 5:15 - 5:17
    かつての気温に戻っています
  • 5:17 - 5:20
    このケン・カルデイラのグラフは
    次のようにして生まれました
  • 5:20 - 5:23
    90年代半ばの学会で マーティ・ホファートも
    出席していたと思いますが―
  • 5:23 - 5:26
    ケンと私は会場から
  • 5:26 - 5:28
    「ジオエンジニアリングは失敗する」
  • 5:28 - 5:30
    と 当時の提案者にコメントしたのです
  • 5:30 - 5:32
    「大気はもっと複雑だ」と言い
  • 5:32 - 5:35
    なぜ CO2がうまく相殺できないのか
    多くの理由を挙げました
  • 5:35 - 5:38
    後でケンが自分のモデルを動かしてみると
    実は効果的だったのです
  • 5:38 - 5:40
    これも古い話です
  • 5:40 - 5:43
    この報告書がジョンソン大統領に
    提出された当時 私は2歳でした
  • 5:43 - 5:45
    1965年のことです
  • 5:45 - 5:47
    当時最新の気候科学を盛り込んだ
    この報告書で
  • 5:47 - 5:50
    具体的対策はジオエンジニアリングのみ
    でした
  • 5:50 - 5:52
    CO2排出量削減には
    触れられてすらおらず
  • 5:52 - 5:55
    考え方が信じられないほど
    異なっていました
  • 5:55 - 5:57
    排出量削減の
    必要がないとは思いません
  • 5:57 - 6:00
    むしろ削減するべきですが
    まさにそこがポイントです
  • 6:00 - 6:02
    よってある意味
    新しい考えではありません
  • 6:02 - 6:04
    唯一新しいのはこの評論です
  • 6:04 - 6:08
    なのでこれは
    ジョンソン大統領時代の報告書 そして
  • 6:08 - 6:11
    全米アカデミーズの 1977年 1982年 1990年の
    各報告書を通じて
  • 6:11 - 6:14
    人々は常に
    この考えについて話し合ってきました
  • 6:14 - 6:17
    確実ではないものの
    考慮すべきこととして
  • 6:17 - 6:21
    しかし 気候の話題が政治的に「ホット」になると
    ―駄洒落みたいですがー
  • 6:21 - 6:27
    この15年間は 不適切な考えとされ
    議論すらできませんでした
  • 6:27 - 6:31
    議論は表に出ることなく
    話題にすることさえ許されませんでした
  • 6:31 - 6:34
    しかし 去年パウル・クルッツェンが
    この評論を発表し
  • 6:34 - 6:37
    概ね以前から述べられていたこと
  • 6:37 - 6:40
    問題解決への非常にのろい進展や
    不明確なインパクトを考えると
  • 6:40 - 6:42
    このように考えなくてはならない
    と記しました
  • 6:42 - 6:44
    今まで言われてきたようなことです
  • 6:44 - 6:47
    大事な事は彼はオゾンホールの研究で
    ノーベル化学賞を獲得した為
  • 6:47 - 6:49
    彼がこの問題を真剣に
    考えるべきだと言うと
  • 6:49 - 6:51
    オゾン層への影響にも関わらず
    人々は注目しました
  • 6:51 - 6:53
    実際 彼はオゾン層への影響を払拭する
    考えも持っていましたが
  • 6:53 - 6:55
    全世界でメディアが取り上げ
  • 6:55 - 6:59
    エコノミスト誌の見出しには
    「博士の異常な愛情が地球を救う」とありました
  • 6:59 - 7:02
    それで私は考えました
    この件について時々取り組んできましたが
  • 7:02 - 7:05
    あまり技術的な面からではなかったのです
    ある晩ベッドに横になって考え
  • 7:05 - 7:09
    子供のおもちゃについて考えたのです
    タイトルとも関係があるのですが
  • 7:09 - 7:12
    私は このラジオメータが
    回転する原理を用いて
  • 7:12 - 7:16
    粒子を上層大気中に散布し
  • 7:16 - 7:18
    浮揚させたままでいられないかと考えました
  • 7:18 - 7:20
    硫酸塩散布の問題の一つは
    大気滞留時間が非常に短いこと
  • 7:20 - 7:22
    また オゾン層を破壊してしまうので
  • 7:22 - 7:24
    それよりも上層に導入する事が望ましいのです
  • 7:24 - 7:26
    翌朝目を覚まし 計算を始めました
  • 7:26 - 7:29
    第一原理からの計算は困難で
    閉口しました
  • 7:29 - 7:32
    しかし すでに様々な論文が
    このテーマを扱っていると気付きました
  • 7:32 - 7:35
    これは既に自然界で
    発生している現象でした
  • 7:35 - 7:37
    すでに微粒子が存在していて
  • 7:37 - 7:41
    我々が中間層と呼ぶ
    上空100キロメートルの
  • 7:41 - 7:43
    場所まで浮遊しています
  • 7:43 - 7:45
    その原理を簡単にお教えします
  • 7:45 - 7:47
    複雑なところが 実に面白く
  • 7:47 - 7:49
    喜んで一晩中お話しできますが
    やめておきます
  • 7:49 - 7:52
    さて太陽光線が粒子に当たっていても
    均一には熱されません
  • 7:52 - 7:54
    つまり 太陽に面する側は暖まり
    反対側は冷たいままです
  • 7:54 - 7:57
    暖かい側にぶつかるガス分子は
  • 7:57 - 8:01
    熱されて 跳ね返る速度が増します
  • 8:01 - 8:03
    力の総和は 太陽から遠ざかる向きです
  • 8:03 - 8:05
    いわゆる光泳動力です
  • 8:05 - 8:09
    私や共同研究者たちは
    この原理の様々な活用法を
  • 8:09 - 8:11
    考案しているところです
  • 8:11 - 8:13
    もちろん我々は
    間違っているかもー
  • 8:13 - 8:15
    これは まだ査読も受けていませんが
  • 8:15 - 8:17
    これまでのところは
    間違っていないようです
  • 8:17 - 8:20
    しかし 大気中での粒子の
    滞留期間を延ばすことは
  • 8:20 - 8:23
    できそうです
    粒子は浮揚しているからです
  • 8:23 - 8:25
    物質を成層圏から
    中間圏に移動して
  • 8:25 - 8:28
    原理上 オゾン層問題を解決できます
  • 8:28 - 8:30
    それ以外にも問題は出てくるでしょうが
  • 8:30 - 8:33
    最終的に 粒子を両極だけに集めて
  • 8:33 - 8:37
    極地にフォーカスした
    気候エンジニアリングを適用できると思います
  • 8:37 - 8:40
    それにより 我々が住む地球の中間地域には
    最低限の悪影響で
  • 8:40 - 8:44
    いわば地球に危機が迫った時に
    極地の冷却を行うといった事を
  • 8:44 - 8:48
    可能な限り行えます
  • 8:48 - 8:50
    この新しいアイディアは
    おそらく本質的には
  • 8:50 - 8:52
    硫酸を散布する
    なんてことよりも賢い考えです
  • 8:52 - 8:56
    これが正しいかどうかに関わらず
  • 8:56 - 8:58
    おそらく 次第に
    ただ硫酸を散布するより
  • 8:58 - 9:01
    良いアイディアが
    生まれることは確実です
  • 9:01 - 9:04
    もし工学者や科学者が
    本気でこの考えに取り組めば
  • 9:04 - 9:07
    地球に与える影響の大きさは計り知れません
  • 9:07 - 9:11
    付け加えると この考えは我々に
    多大な影響力を与えてくれるということです
  • 9:11 - 9:14
    受け入れるかどうかは別として
    この進化した科学と工学が発展すれば
  • 9:14 - 9:17
    私たちが 能動的に
    地球に影響を及ぼし
  • 9:17 - 9:19
    地球をコントロールし
  • 9:19 - 9:23
    天気や気候を管理出来るようになります
    我々がそう意図したり
  • 9:23 - 9:26
    そう望んだからでもなく
    科学が少しずつ進歩するからです
  • 9:26 - 9:28
    事象のより体系的な知識を得て
  • 9:28 - 9:30
    それを実現する為のツールも改良されて
  • 9:32 - 9:36
    さて 例えば宇宙人が
    地球にやってきたとしましょう
  • 9:36 - 9:38
    彼らはすぐそこの国連本部に着陸したり
  • 9:38 - 9:40
    あるいはもっとマシな場所を探すかも
  • 9:40 - 9:43
    彼らがやってきて
    あなたに箱を差し出すとします
  • 9:43 - 9:47
    その箱には二つのノブがついており
  • 9:47 - 9:49
    一つは 地球の気温を制御するためのノブ
  • 9:49 - 9:51
    もう一つは CO2 濃度を制御するノブ
  • 9:51 - 9:55
    その箱を巡って
    戦争になることが予想されます
  • 9:55 - 9:58
    我々には ノブをどう調整すべきか
    合意する手段がないからです
  • 9:58 - 10:00
    そのような地球的統治の
    枠組みがありません
  • 10:00 - 10:02
    皆 ノブの位置について
    それぞれ思惑があります
  • 10:02 - 10:06
    現時点でこのようなケースは起こりえません
    有りえないことです
  • 10:06 - 10:10
    しかし 我々はそのような箱を作っているのです
  • 10:10 - 10:12
    世界中の科学者や工学者が
  • 10:12 - 10:14
    それぞれの実験室で作っているのです
  • 10:14 - 10:16
    目的は異なっているかもしれません
  • 10:16 - 10:19
    彼らは環境保護のためだと
    信じているかもしれません
  • 10:19 - 10:21
    地球規模の制御という
    奇抜な考えには興味はなくとも
  • 10:21 - 10:25
    彼らが発展させる科学によって
    その制御が簡単になるのです
  • 10:25 - 10:28
    私は決して実行に移したいと
    思っているわけではありません
  • 10:28 - 10:33
    しかし この話題は積極的に話題にして
    真剣に考えなくてはいけません
  • 10:33 - 10:36
    遅かれ早かれ こうした決断に
    迫られる時が来るのです
  • 10:36 - 10:39
    真剣に考えれば考える程良く
  • 10:39 - 10:43
    なぜ実行してはいけないのかを
    考えるのだとしてもです
  • 10:43 - 10:49
    この問題について考える場合の
    二つの考え方についてお教えしましょう
  • 10:49 - 10:51
    私の考え方はこれに端を発しています
  • 10:51 - 10:54
    しかし私のような
    ごく数名の変わり者だけが考えるのではなく
  • 10:54 - 10:56
    幅広い分野を交えた話し合いが
    必要だということです
  • 10:56 - 11:00
    音楽家 科学者 哲学者
    そして作家を交えた討論
  • 11:00 - 11:03
    気候エンジニアリングの
    問題に真剣に取組み
  • 11:03 - 11:06
    それがもたらすものについて
    真剣に考える人々です
  • 11:06 - 11:08
    さて 考え方の一つですが
  • 11:08 - 11:12
    単にCO2排出量削減の代替案という考え方です
    理由は安いから
  • 11:12 - 11:15
    言っていませんでしたが
    とんでもなく安いのです
  • 11:15 - 11:19
    硫酸散布でも
    私が考えた方法でも
  • 11:19 - 11:25
    GDPの0.001%の費用で
    氷河期を作り出せます
  • 11:25 - 11:28
    非常に安価です
    それによって得られる効果は大きい
  • 11:28 - 11:30
    名案ではありませんが
    重要です(笑)
  • 11:30 - 11:33
    影響がそれだけー
    非常に大きいのです
  • 11:34 - 11:37
    計算についてはそこまで
    議論の余地はありません
  • 11:37 - 11:43
    健全かどうかは議論の余地がありそうですが
    影響力の大きさは本物です(笑)
  • 11:45 - 11:47
    そこで この問題の対処法としては
  • 11:47 - 11:52
    CO2排出量の削減は停止しても
  • 11:52 - 11:54
    CO2濃度が上がった時に
  • 11:54 - 11:56
    ジオエンジニアリングを
    強化するだけです
  • 11:56 - 11:59
    誰も真面目にとる人はいないでしょう
  • 11:59 - 12:01
    このシナリオでは
    我々は現在の気候から
  • 12:01 - 12:03
    どんどん遠ざかっていくからです
  • 12:03 - 12:05
    海洋の酸性化のように
    大気中のCO2濃度は
  • 12:05 - 12:08
    別の問題の原因でもあります
  • 12:08 - 12:11
    数人の変人以外は誰も
    「やってみよう」とは言わないでしょう
  • 12:11 - 12:13
    でも次のシナリオでは
    否定は難しくなります
  • 12:13 - 12:17
    仮に我々がジオエンジニアリングを行わず
    排出量を本当に削減しようと思って
  • 12:17 - 12:19
    取るべき行動をとるとします
  • 12:19 - 12:22
    しかしどれくらいのペースで
    削減すれば良いのか分からない
  • 12:22 - 12:25
    気候変動のどの程度からが危険だというのか
    不明なことがたくさんあります
  • 12:25 - 12:28
    なので仮にきちんと取り組み
    軽くブレーキをかけるだけでなく
  • 12:28 - 12:31
    思い切りブレーキを踏み込み
    二酸化炭素排出量を大幅に減らし
  • 12:31 - 12:33
    最終的には濃度を
    削減するとしましょう
  • 12:33 - 12:38
    そしていつか―
    例えば2075年10月23日
  • 12:38 - 12:41
    とうとう濃度がピークに達し
    そこから下り坂に向かうという
  • 12:41 - 12:43
    栄光の日を迎えるでしょう
  • 12:43 - 12:46
    地球規模でお祝いをしますが
    実際にはこれまでの中でも
  • 12:46 - 12:49
    最悪なことが起こっているのです
  • 12:49 - 12:53
    おそらくその日 我々が目にするのは
    グリーンランドの氷床が
  • 12:53 - 12:59
    信じ難い速さで溶けていて
    そのあまりの速さに
  • 12:59 - 13:01
    その後100年間は
    海面が何メートルも上昇し
  • 13:01 - 13:03
    地図からは
    大都市がいくつもなくなる程
  • 13:03 - 13:05
    これは全くありうる話です
  • 13:05 - 13:08
    ジオエンジニアリングは不確実で
    道徳的に良い方法とは言えなくても
  • 13:08 - 13:13
    ジオエンジニアリングを行わないよりは
    マシだと そこで決断するのではないでしょうか
  • 13:13 - 13:15
    そして この問題を違う面から見ると
  • 13:15 - 13:18
    リスク管理のために使うということであり
    行動の代わりではないということです
  • 13:18 - 13:21
    それは少しの間だけ
    ジオエンジニアリングを行い
  • 13:21 - 13:26
    最悪の気温上昇を回避します
    排出量削減の代替手段というわけではありません
  • 13:26 - 13:28
    しかし その見方には問題があります
  • 13:28 - 13:30
    次のような問題です
  • 13:30 - 13:32
    ジオエンジニアリングを知ることで
  • 13:32 - 13:35
    気候変動の恐ろしさを
    軽視してしまい
  • 13:35 - 13:38
    今日のCO2排出量削減への
    取り組みが不十分になるかもしれない
  • 13:38 - 13:40
    経済学でいう
    モラルハザードです
  • 13:40 - 13:44
    これがジオエンジニアリングについて話すのが
    難しい根本的な理由の一つです
  • 13:44 - 13:46
    もう一つの理由は
    これを話題にするのが
  • 13:46 - 13:47
    政治的タブーだということです
  • 13:47 - 13:51
    しかし問題を隠したままでは
    良い政策は作れません
  • 13:51 - 13:54
    ここで質問を三つと引用を一つ
    ご紹介したいと思います
  • 13:54 - 13:57
    真剣にこのトピックについての研究を
    行うべきでしょうか?
  • 13:57 - 14:00
    この話題に関する国際的な研究機関を
    設けるべきでしょうか?
  • 14:00 - 14:02
    どう改善するかだけでなく
    あらゆるリスクや
  • 14:02 - 14:04
    ダウンサイドについても
    研究するのです
  • 14:04 - 14:08
    現時点では 少数の
    肯定派と否定派が
  • 14:08 - 14:11
    熱心に議論しています
    しかしその状態は危険です
  • 14:11 - 14:14
    なぜなら この話題についての
    知識がとても浅いからです
  • 14:14 - 14:16
    少額の補助金があれば
    幾分知識を得られます
  • 14:16 - 14:19
    多くの人々が あるいは私は
    それを研究するべきと考えています
  • 14:19 - 14:21
    私には大きな懸念があります
  • 14:21 - 14:24
    基本的にモラルハザードの問題で
  • 14:24 - 14:28
    どうしたらそれが避けられるのか
    最善の方法が分かりません
  • 14:28 - 14:30
    問題は深刻です
    これについて話し始めると
  • 14:30 - 14:34
    人は自分たちは排出量削減に向けて
    真剣に取り組む必要はないと考えてしまうのです
  • 14:34 - 14:37
    もう一つは おそらく我々には条約が
    必要だということです
  • 14:37 - 14:40
    誰が行動をとるのか
    ということを定めた条約です
  • 14:40 - 14:42
    今は米国のような
    豊かな大国を想定しがちです
  • 14:42 - 14:46
    しかし もし2030年に中国が
  • 14:46 - 14:48
    気候への影響を
    放っておけないと気づけば
  • 14:48 - 14:52
    どのように対処するかという
    我々の道徳的な議論を無視して
  • 14:52 - 14:56
    ジオエンジニアリングを行うという
    選択をするかもしれません
  • 14:56 - 14:59
    ジオエンジニアリングを行うという
    選択をするかもしれません
  • 14:59 - 15:03
    そして世界には決定に至るための
    国際的な枠組みがありません
  • 15:03 - 15:05
    最後にー
    25年前の米国アカデミーズの報告書は
  • 15:05 - 15:09
    今日 私がお伝えしたよりもずっと上手く
  • 15:09 - 15:12
    我々の立ち位置を
    表していると思います
  • 15:12 - 15:15
    我々の知るCO2問題や
    気候変動問題は
  • 15:15 - 15:17
    CO2排出量を削減するための
    エネルギー技術の革新など
  • 15:17 - 15:19
    多くの革新を
    生み出しています
  • 15:19 - 15:24
    しかし同時に 気候や天気を
    コントロールするという考えに
  • 15:24 - 15:27
    目を向けざるを得なく
    なるだろうとも思います
  • 15:27 - 15:29
    好む好まないに拘らず
  • 15:29 - 15:32
    例え そうすべきではない理由を
    議論する為であっても
  • 15:32 - 15:34
    このことを考えるべき時が来たのです
  • 15:34 - 15:35
    ありがとうございました
Title:
温暖化問題に対するジオエンジニアリングを見直す
Speaker:
デイビッド・キース
Description:

環境科学者のデイビッド・キースが気候変動問題に対処するために提案した方法は、効果的で低コスト、かつ衝撃的なものでした。もし巨大な噴煙を大気中に散布して太陽光とその熱を反射させたらどうなるでしょう?

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDTalks
Duration:
15:35

Japanese subtitles

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