アフリカのデザインに潜むフラクタル
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0:01 - 0:04西暦1877年のドイツのことです
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0:04 - 0:06ゲオルク・カントールという数学者がいました
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0:06 - 0:11カントールは直線の中央部 3分の1を取り除き
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0:11 - 0:16残った両端の2本の線で同じ事をするという
再帰的な作業を繰り返しました -
0:16 - 0:18つまり 繰り返すごとに 元となる線の数が
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0:18 - 0:211本から 2本、4本、16本に増えるわけです
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0:21 - 0:24これを無限の回数繰り返すと--
数学上では可能ですから -
0:24 - 0:26結果は無限の本数の線となります
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0:26 - 0:29それぞれの線には無限の数の点がありますから
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0:29 - 0:33彼は要素の数が無限より大きい集合を
得たことに気がつきました -
0:33 - 0:36これに大変なショックを受け
彼は精神病院に入院してしまいました -
0:36 - 0:38病院から退院すると
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0:38 - 0:44自分の天命は超限集合論を
打ち立てることだと確信するようになりました -
0:44 - 0:47彼にとって最大の無限集合は神そのもので
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0:47 - 0:48とても信仰深い彼は
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0:48 - 0:50これを人生の使命としたのです
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0:50 - 0:52他の数学者も似たような研究をしました
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0:52 - 0:54スウェーデンのフォン・コッホは
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0:54 - 0:58線分を取り除く代わりに
付け足すことを考えました -
0:58 - 1:00そして こんな美しい曲線をつくりました
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1:00 - 1:03この形をベースにする必用はありません
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1:03 - 1:07どんな形をベースにしてもよいわけです
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1:07 - 1:11ここをちょっと変えて
こちらは下の方へ引っ張ります -
1:11 - 1:18このベースの形で操作を繰り返すと
結果はとても違う構造になります -
1:18 - 1:20これらは全て自己相似性があります
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1:20 - 1:22どの部分をとっても全体に似ています
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1:22 - 1:24様々なスケールで 同じパターンが存在します
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1:25 - 1:27当時の数学者が困惑したのは
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1:27 - 1:32使う定規が短くなるにつれて
測った長さが長くなるということです -
1:32 - 1:34無限に操作を繰り返して作った曲線を
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1:34 - 1:40無限に短い定規で測ると 長さは無限に長くなります
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1:40 - 1:41わけが解りません
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1:41 - 1:44そこで彼らはこの曲線を
数学の教科書の後ろの方に追いやって -
1:44 - 1:48これは病的な曲線だから
説明は不要ということにしました -
1:48 - 1:49(笑)
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1:49 - 1:51そのまま百年経ちました
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1:52 - 1:57そして1977年に
フランスの数学者 ブノワ・マンデルブロが -
1:57 - 2:02この形をフラクタルと名づけ
コンピューターグラフィックスに使うと -
2:02 - 2:04自然の形を表現できる事に気付きました
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2:04 - 2:08人間の肺 アカシアの木 シダの葉っぱ等
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2:08 - 2:10美しい自然の形を描けるのです
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2:10 - 2:14親指と人差し指の付け根の つながっている所を
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2:14 - 2:16ちょっとみて下さい
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2:16 - 2:19手をリラックスさせるとしわが見えます
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2:19 - 2:22しわの中にシワがあり
シワの中にまたしわがあります -
2:22 - 2:24私たちの身体はフラクタルで覆われています
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2:24 - 2:27こんなのは病的だと言っていた数学者は
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2:27 - 2:29フラクタルの肺を使ってそう言ったのです
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2:29 - 2:33皮肉なことです
ここで 自然の再帰的操作をお見せします -
2:33 - 2:38ここにある直線を
全体の形に置き換えるということを繰り返します -
2:38 - 2:432回、3回、4回 …それを繰り返していくと
こうなります 自然を見ると -
2:43 - 2:45これに似た自己相似形が多数あります
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2:45 - 2:47自己組織化するシステムを使っているのです
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2:47 - 2:501980年代のことです
アフリカの村の航空写真を見て -
2:50 - 2:54フラクタルがあることに気づきました
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2:54 - 2:58「これはすごい でもなぜだろう」
そう思った私は どうしてもアフリカまで行って -
2:58 - 3:00人々にわけを尋ねたくなりました
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3:00 - 3:06フルブライトの奨学金を頂いて
1年アフリカを訪ね -
3:06 - 3:08フラクタル建築の理由を尋ねて廻りました
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3:08 - 3:10こんな良い仕事は滅多にありません
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3:10 - 3:11(笑)
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3:11 - 3:18この街にたどり着き
この街の簡単なフラクタルのモデル化は -
3:18 - 3:21既にやってみたのですが
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3:21 - 3:24実際 街に行って その部族長の城に行き
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3:24 - 3:27つたないフランス語で
こんな感じに頼みました -
3:27 - 3:30「私は数学者-- あなたの屋根の上に立ちたい」
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3:30 - 3:33彼は嫌な顔もせず 屋根の上に案内してくれ
そこでフラクタルについて語り合いました -
3:33 - 3:34彼は嫌な顔もせず 屋根の上に案内してくれ
そこでフラクタルについて語り合いました -
3:34 - 3:37彼は「そうそう 四角の中の四角のことだね
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3:37 - 3:39皆良く知っているよ」と言いました
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3:39 - 3:43驚いたことに王家の紋章に 四角の中の四角の中の四角が使われていることがわかりました
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3:43 - 3:47城の中の道もこの渦巻きです
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3:47 - 3:51道を進むにつれ礼儀正しく振舞わなくてはなりません
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3:51 - 3:54社会関係の変化を
幾何的な変化に対応させているのです -
3:54 - 3:59これは意図的なパターンです 同じフラクタルでも
シロアリの塚の様な無意識なものとは違います -
3:59 - 4:01これはザンビア南部にある村です
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4:01 - 4:05バイラが建てた
この村の直径は約400mでした -
4:05 - 4:07大きな輪の形です
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4:07 - 4:13家族の住む輪が後ろに行くほど大きくなり
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4:14 - 4:18村長の輪がこの後ろの方にあります
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4:18 - 4:21その輪の中に村長の直系の家族がいます
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4:21 - 4:22これをフラクタル的に見ると
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4:22 - 4:25これが一軒の家 中に聖壇があります
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4:25 - 4:28これは何軒かが集った家
家族の輪の集まりです -
4:28 - 4:31聖壇があるはずの所に人間がいます
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4:31 - 4:33そしてこれが村全体
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4:33 - 4:38輪の輪の輪です 村長の遠い親戚がここ
直系の家族はここ -
4:38 - 4:41そして ここに こんな小さい村があります
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4:41 - 4:45こんな小さな村に人が住めるはずがないのですが
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4:45 - 4:48住人は霊なので問題ありません
祖先の方々です -
4:48 - 4:53もちろん霊が住んでいるこの村にも
さらに小さい ミニチュアの村があるはずです -
4:53 - 4:56ゲオルク・カントールの言った様に
再帰のプロセスは永遠に続くのです -
4:56 - 5:00こちらは ナイジェリアとカメルーンの国境近くの
マンダラ山地のモコーレックです -
5:00 - 5:03フランス人の建築家が描いた図をみて
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5:03 - 5:05なんて素晴らしいフラクタルかと思いました
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5:05 - 5:11そこで操作を繰り返すとこの構造になる
ベースとなる形をさがしました -
5:11 - 5:13これがその構造です
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5:13 - 5:171回 2回 3回 4回と
操作を繰り返して見て見ましょう -
5:17 - 5:19シミュレーションの結果
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5:19 - 5:22村全体がこのように
渦巻状になっていることに気がつきました -
5:22 - 5:28これが複製される線
自己複製しながらフラクタルになる線です -
5:28 - 5:33この線は偶然にも 村の唯一の四角い建物と
同じ位置にあります -
5:33 - 5:35そこで村に着いたとき
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5:35 - 5:37「あの四角い建物に案内してくれませんか
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5:37 - 5:39何かがある気がします」と尋ねると
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5:39 - 5:42「案内しますが 中には入れませんよ
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5:42 - 5:45神聖な場所で 毎年生贄を捧げる所なのです
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5:45 - 5:48畑の肥沃のサイクルを保つために」と
答えが返ってきました -
5:48 - 5:50考えてみると 肥沃のサイクルというのは
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5:50 - 5:54この場所を築いた幾何的なアルゴリズムの
再帰的なサイクルと同様です -
5:54 - 5:58再帰的なパターンは
これらの村の微々たる所にも見られます -
5:58 - 6:00これはマリのナンカニの村です
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6:00 - 6:03家族の家にはいると
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6:03 - 6:07暖炉に鍋が再帰的に積み上げられています
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6:07 - 6:11イッサが見せてくれたカラバッシュです
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6:11 - 6:13これも再帰的に積み上げられています
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6:13 - 6:15一番小さなカラバッシュに女性の魂が入っているそうで
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6:15 - 6:17彼女が死ぬと 特別な儀式で
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6:17 - 6:22ザランガと呼ばれるこの山を崩して
彼女の魂は永遠の世界に行くのだそうです -
6:22 - 6:25ここでも 無限というのは大切です
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6:26 - 6:30ここで3つの疑問が浮かびます
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6:30 - 6:34このような相似的なパターンは
先住民の建築物に共通なのではないか? -
6:34 - 6:36もちろん 私もそう仮定しました
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6:36 - 6:38初めてアフリカのフラクタルを見たとき
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6:38 - 6:42「階級組織的な社会ではない先住民のグループは
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6:42 - 6:45皆どれもボトムアップの建築をするのではないか」と
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6:45 - 6:47しかしそれは間違いでした
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6:47 - 6:51アメリカ先住民や南太平洋の建築物の
航空写真を何枚も見ましたが -
6:51 - 6:53フラクタルなのは アフリカの建築のみでした
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6:53 - 6:59それぞれの社会には特有の
幾何学的なデザインがあるものです -
6:59 - 7:05アメリカ先住民は
円や90度回転対称形を使います -
7:05 - 7:07焼き物やバスケットを見るとわかります
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7:07 - 7:10これはアナサジ族の廃墟の航空写真です
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7:10 - 7:15一番大きな構造は円形で 小さな部分は四角です
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7:15 - 7:19大きさが違うところでは 形が違っています
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7:19 - 7:202番目の疑問は
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7:20 - 7:23「エグラッシュ博士、アフリカの文化の多様性を
無視していませんか?」というものです -
7:24 - 7:26違うと言える理由が3つあります
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7:26 - 7:301つ目に ムディンベの素晴らしい本
『アフリカの発明』に書かれてあるように -
7:30 - 7:33アフリカは まず植民地として そして後に
反対勢力によって -
7:33 - 7:35人工的に作られたと考えています
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7:35 - 7:402つ目に デザインの手法が共通でも
文化が同じということではありません -
7:40 - 7:43もちろん遺伝的なものでもありません
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7:43 - 7:453つ目に フラクタルは自己相似的ですから
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7:45 - 7:49それ自身に似ていても
他のものと似ているわけではありません -
7:49 - 7:51場所によって 使われ方が大きく違い
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7:51 - 7:53単にアフリカで共通の技術なのです
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7:54 - 7:57最後の疑問は ここで見るフラクタルは
数学的な知識ではなく -
7:57 - 7:59単なる本能的な行為の結果ではないかということです
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7:59 - 8:02アフリカの人々がフラクタルを使っているはずがありません
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8:02 - 8:041970年代まで発明されなかったものです
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8:05 - 8:10アフリカのフラクタルには確かに本能的なものもあります
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8:10 - 8:13ダカーという街でこの様なものを見つけ
人々に尋ねました -
8:13 - 8:16「どんなアルゴリズムや決まりを使って
これを作っているのですか?」 -
8:16 - 8:17答えは
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8:17 - 8:20「良く見えるように 作っているだけだよ
あたりまえだろ」(笑) -
8:20 - 8:23でも全部がそうではないのです
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8:23 - 8:28幾つかには確かにアルゴリズムがあり
それもとても洗練されたものです -
8:28 - 8:31このマンベトゥの彫刻には再帰的なな幾何がみられます
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8:31 - 8:36エチオピアの十字架にも素晴らしい形が見られます
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8:36 - 8:40アンゴラではチョクウェの人々が砂に線を描きます
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8:40 - 8:43ドイツの数学者オイラーがグラフと読んだものです
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8:43 - 8:45現在のオイラー路です
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8:45 - 8:47ペンを紙から一度も離さずに
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8:47 - 8:50同じ線の上を2回通ってはいけません
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8:50 - 8:53彼らは年齢のレベルによってこれを再帰的に教えます
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8:53 - 8:56小さな子供はこれを習い
大きくなると次のもの -
8:56 - 8:59もっと歳が上になると
これを習います -
8:59 - 9:02アルゴリズムを繰り返しながら
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9:02 - 9:04神秘の反復を習います
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9:04 - 9:06次のレベルの知識を手に入れるのです
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9:07 - 9:09そして最後にアフリカどこにいっても
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9:09 - 9:12このゲームを見かけます
ガーナではオワリと呼ばれ -
9:12 - 9:17ここではマンカラ ケニアではバオ
その他の場所ではソゴと呼ばれています -
9:17 - 9:22遊んでみると突然
自己形成的なパターンが現れます -
9:22 - 9:25ガーナの人々は
この自己形成的なパターンをわかっていて -
9:25 - 9:27戦略として使います
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9:27 - 9:29つまり これは意識的にある知識です
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9:29 - 9:31これは素晴らしいフラクタルです
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9:31 - 9:35サヘルでは街のいたるところで
このような風除けの垣根を見かけます -
9:35 - 9:39垣根は世界のどこでも直交的 直線的です
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9:39 - 9:43でもここアフリカでは この様な
非線形にスケールの変化する垣根があります -
9:43 - 9:45これを作る人を
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9:45 - 9:49マリのバマコの近辺にみつけ
「なぜ ここではフラクタルの垣根をつくるのか -
9:49 - 9:51他のところでは見かけない」と尋ねました
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9:51 - 9:53彼の答えはとても興味深いものでした
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9:53 - 9:58「ジャングルに住んでいるのなら
まっすぐにわらを並べて作るよ -
9:58 - 10:00その方が簡単で安く出来る
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10:00 - 10:03時間がかからないし わらも少しで済む」
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10:03 - 10:05「でも風や砂が簡単に通り抜けてしまう
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10:05 - 10:09この上部の目の詰んだ部分は
風や砂をうまくブロックする -
10:09 - 10:14でも とても詰まっているので
手間がかかるし わらも沢山必用だ 」 -
10:14 - 10:16「でも 経験から
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10:16 - 10:21地面から上に行くにつれ
風が強くなるのを知っている」 -
10:21 - 10:24まるで費用便益分析のようです
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10:24 - 10:26わらの長さを計って 両対数グラフに描き
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10:26 - 10:28スケーリング指数を求めると
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10:28 - 10:33風工学の本にある 風の速度と高さの関係を示す
スケーリング指数とほぼ同じになります -
10:33 - 10:34風工学の本にある 風の速度と高さの関係を示す
スケーリング指数とほぼ同じになります -
10:34 - 10:39つまり この人々のスケーリング技術の実用化は
まさにぴったりといえます -
10:39 - 10:44最も複雑なフラクタルの
アルゴリズムの使用例は 幾何ではなく -
10:44 - 10:46シンボリック・コードに見つかりました
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10:46 - 10:49これはバマナの砂占いです
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10:49 - 10:52同じ占いシステムがアフリカ全体でみつかります
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10:52 - 10:57西海岸でも 東海岸でも みつかり
とてもよく保存されている -
10:57 - 10:59シンボルも よくみかけます
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10:59 - 11:05それぞれのシンボルは4 ビットです--
4ビットの2進法のワードです -
11:05 - 11:10まず これらの線をランダムに砂に描いて数えます
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11:10 - 11:12奇数だったら 縦線を1本
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11:12 - 11:14偶数だったら 縦線を2本書きます
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11:14 - 11:17これをとても速くするので
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11:17 - 11:19何をしているのかわかりませんでした
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11:19 - 11:21ランダムに線を書くのは4回だけ
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11:21 - 11:23そこから12のシンボルをどう生成するのか
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11:23 - 11:25見当がつかず 尋ねても教えてくれません
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11:25 - 11:27「これは教えるわけにはいかないんだ」と
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11:27 - 11:29「お金を払うよ 先生になってくれないか
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11:29 - 11:31毎日来て きちんと払うよ」と頼んでも
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11:31 - 11:34「お金の問題ではなく
宗教の問題なんだ」と言われました -
11:34 - 11:35ついにせっぱつまって
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11:35 - 11:38「1877年のカントールの話を聴いてください」
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11:38 - 11:42と私がアフリカに来た理由を話し始めました
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11:42 - 11:44カントールの集合を見ると彼らはとても興奮して
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11:44 - 11:48中の1人が「こっちにおいで
助けになれるかもしれない」と言ってくれ -
11:48 - 11:53私にバマナ僧になるための儀式をしてくれました
-
11:53 - 11:55興味があったのは数学だけですから
-
11:55 - 11:57彼は始終頭を振って言いました
「自分はこういう習い方はしなかった」 と -
11:57 - 11:58彼は始終頭を振って言いました
「自分はこういう習い方はしなかった」 と -
11:58 - 12:02寝るときには コーラの実を床の横に置き
砂に埋められ -
12:02 - 12:057つのコインを7人のライ患者に渡すなど
一通りのものを終えると -
12:05 - 12:09ついに 秘密を教えてもらうことが出来ました
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12:10 - 12:14これは決定論的カオスを使った
擬似乱数生成器だったのです -
12:14 - 12:204ビットのシンボルを得たら もう1つを横に並べます
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12:20 - 12:22偶数と奇数を足すと奇数
-
12:22 - 12:24奇数と偶数を足すと奇数
-
12:24 - 12:27偶数と偶数を足すと偶数
奇数と奇数でも偶数です -
12:27 - 12:31足し算をして2で割った余り
コンピューターのパリティーチェックと同じです -
12:31 - 12:35そしてこのシンボルを また使って
繰り返します -
12:35 - 12:37自己生成する多様なシンボルなのです
-
12:37 - 12:41本当にある種の決定論的カオスを使っています
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12:41 - 12:432進法なので
-
12:43 - 12:45ハードウェアとして作ることができます
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12:45 - 12:50アフリカで工学を教えるのに
とても良い学習ツールになるでしょう -
12:50 - 12:53おもしろいのはこの歴史です
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12:53 - 12:5912世紀にサンターヤのヒューゴが
イスラムの聖教界からスペインにこれを持ってきました -
12:59 - 13:05そこでジオマンシーとして錬金術の世界に広まりました
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13:05 - 13:07大地による予言です
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13:07 - 13:12これは1930年に
リチャード王のために描かれた占いの表です -
13:12 - 13:15ライプニッツという ドイツの数学者が
-
13:15 - 13:19『組合せ論』という博士論文の中で
ジオマンシーを紹介しました -
13:19 - 13:23彼は「1本2本の縦線を使うかわりに
-
13:23 - 13:270と1を使おう そうすれば2の累乗で数えられる」
-
13:27 - 13:29そう 0と1
2進法です -
13:29 - 13:32ジョージ・ブールはライプニッツの
2進法からブール代数を作りました -
13:32 - 13:35ジョン・フォン・ノイマンはそれを使って
デジタルコンピューターを作ったわけです -
13:35 - 13:38ここにある小さなPDAやラップトップなど
-
13:38 - 13:41世界中のデジタルサーキットの基盤は
アフリカで生まれました -
13:41 - 13:46ブライアン・イーノは コンピューターには
「アフリカさ」が欠けていると言うけれど -
13:46 - 13:51ブライアンこそアフリカの歴史をもっと学ぶべきです
-
13:51 - 13:54(笑)(拍手)
-
13:54 - 13:58まとめとして このアイデアの
応用についてお話します -
13:58 - 14:00私たちのウエブサイトを訪ねてください
-
14:00 - 14:02アプレットは無料で ブラウザ上で起動します
-
14:02 - 14:04世界の誰でも使うことが出来ます
-
14:04 - 14:09アメリカ国立科学財団 の
「コンピューティング参加拡大」という企画から -
14:09 - 14:16プログラム可能なこれらのデザインツールを
開発するための研究費を得ましたので -
14:16 - 14:18うまく行けば3年後に
誰もがインターネット上で -
14:18 - 14:21独自のシミュレーションや作品を
作れるようになります -
14:21 - 14:26米国内ではアフリカ系アメリカ人
先住アメリカ人、南米系の生徒を研究しています -
14:26 - 14:32数学の授業でこのソフトウェアを使うと
使わないコントロールグループに比べ -
14:32 - 14:35統計的に 能力がかなり伸びるのが解りました
-
14:35 - 14:41数学に根付いた伝統がある
ということを教えることもできます -
14:41 - 14:45伝統は音楽やダンスだけではありません
-
14:45 - 14:48ガーナではパイロットプログラムを始めました
-
14:48 - 14:53まずは人々が協力してくれるか様子をみるための
小額の研究費を獲得しました -
14:53 - 14:56将来どうなるか楽しみです
-
14:56 - 14:58デザインの分野でも研究をしています
-
14:58 - 15:03名前を書き忘れましたが ケニアにいる同僚の
ケリーが素晴らしい発案をしました -
15:03 - 15:08フラクタル構造を持った村に
フラクタル構造の住所を使うアイデアです -
15:08 - 15:12フラクタル構造の村に
通常の格子構造の住所を使っても -
15:12 - 15:14うまく合わないからです
-
15:14 - 15:19コロンビア大学のバーナード・チュミは
アフリカ芸術美術館のデザインにこれを使いました -
15:19 - 15:27オハイオ州大のデービッド・ヒューズは
アフリカ風建築の本を書きました -
15:27 - 15:29その中でこの様なフラクタル構造も紹介しています
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15:29 - 15:34最後に自己組織化についてお話しします
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15:34 - 15:36先程の話であったように 私たちの脳にあり
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15:36 - 15:41Googleの検索エンジンにも使われています
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15:41 - 15:43実際 Googleがこのように成功しているのは
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15:43 - 15:47誰よりも先に インターネットの
自己組織的な性質を利用したからです -
15:47 - 15:49環境持続や
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15:49 - 15:51企業家精神の発展力
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15:51 - 15:53民主主義の倫理の元にもなっています
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15:54 - 15:56もちろん悪いことにも関係しています
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15:56 - 15:59自己組織性はAIDSのウイルスが速く広がる理由です
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15:59 - 16:03自己組織化的な資本主義が破壊的な影響を
もたらすと思わない方は -
16:03 - 16:05そのことに気付いていないのです
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16:05 - 16:09ここで前述の伝統的なアフリカの
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16:09 - 16:11自己組織の方法を考えてみるのは大切です
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16:11 - 16:13彼らのアルゴリズムは頑健で
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16:14 - 16:17自己組織化を考えたり 新しい事業を起こす上で
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16:17 - 16:19より親切で平等な方法だといえます
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16:19 - 16:23このような仕事のために良い方法を探したいのなら
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16:23 - 16:28アフリカの壊れにくい自己組織化の
アルゴリズムをみればよいわけです -
16:28 - 16:29ありがとうございました
- Title:
- アフリカのデザインに潜むフラクタル
- Speaker:
- ロン・エグラッシュ
- Description:
-
「私は数学者- あなたの屋根の上に立ちたい」
ロン・エグラッシュはこう言って アフリカにあるフラクタルのパターンを研究しながら 村々を訪ね歩きました。ロン・エグラッシュは 数学と文化の繋がりを研究する 民族数学者です。彼がアフリカで見つけた フラクタルを基にした数々のデザインを紹介します - Video Language:
- English
- Team:
closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 16:34
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Akiko Hicks approved Japanese subtitles for The fractals at the heart of African designs | |
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Akiko Hicks edited Japanese subtitles for The fractals at the heart of African designs | |
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Akiko Hicks edited Japanese subtitles for The fractals at the heart of African designs | |
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Hitoshi Yamauchi accepted Japanese subtitles for The fractals at the heart of African designs | |
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Hitoshi Yamauchi commented on Japanese subtitles for The fractals at the heart of African designs | |
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Hitoshi Yamauchi edited Japanese subtitles for The fractals at the heart of African designs | |
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Akiko Hicks edited Japanese subtitles for The fractals at the heart of African designs | |
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Akiko Hicks edited Japanese subtitles for The fractals at the heart of African designs |
Hitoshi Yamauchi
9
00:00:26,000 --> 00:00:29,000
それぞれの線には無数の点がありますから
->
それぞれの線には無限の数の点がありますから
# 無限の中に無限があるとすると無限よりも大きいという意味が伝わり易いと思います
13
00:00:38,000 --> 00:00:44,000
自分の天命は超限集合論を発見することだと
確信するようになりました
->
自分の天命は超限集合論をこの地上に打ち立てることだと確信するようになりました
# 既に彼は発見してますね.(to found は to find の過去ではなく,founding の foundでしょう)
16
00:00:48,000 --> 00:00:50,000
これを人生の仕事としたのです
->
これを人生の使命としたのです
# mission を宗教的意味と重ねていると思いますので使命ではどうでしょうか
107
00:05:42,000 --> 00:05:45,000
神聖な場所で 生贄を捧げる所なのです
->
神聖な場所で 毎年生贄を捧げる所なのです
126
00:06:42,000 --> 00:06:45,000
皆どれも下から上に向かう建築をするのではないか」と
->
皆どれもボトムアップの建築をするのではないか」と
# トップの意思を全てに反映させる中央集権の逆で物を作るというという Bottom up の日本語訳はいいものがみあたりませんので,カタカナにしました.
137
00:07:20,000 --> 00:07:23,000
私がアフリカの文化の多様性を無視していないかという事です
->
「エグラッシュ博士,アフリカの文化の多様性を無視していませんか?」というものです.
# これに関しては元の翻訳でも良いとは思うのですが,英語を聞きながら字幕をみるとちょっと気になったので
140
00:07:30,000 --> 00:07:33,000
アフリカは植民地として 対立する力のもとに
->
アフリカは まず植民地として そして後に
141
00:07:33,000 --> 00:07:35,000
人工的に作られたと考えています
->
それに対立するものとして人工的に作られたと考えています
# then を翻訳に入れてみました.ただ,私はこれがなぜ多様性の無視と結びつくのかとの論理が不明です.
158
00:08:23,000 --> 00:08:28,000
幾つかには確かにアルゴリズムがあり それもとても複雑なものです
->
幾つかには確かにアルゴリズムがあり それもとても洗練されたものです
# Sophisticated の訳をこうしてみました.
164
00:08:45,000 --> 00:08:47,000
ペンをを紙から一度も離さずに
->
ペンを紙から一度も離さずに
# Typo
170
00:09:02,000 --> 00:09:04,000
伝統的な反復法を習います
->
神秘の反復を習います
# これはちょっと不明ですが,数学者が recursive な反復について神秘的な感じを抱くというのはわかる感覚なので想像してみました.しかし,想像なので元の訳でもかまいません.
182
00:09:39,000 --> 00:09:43,000
でもここアフリカでは この様な直線的でないスケールの変化する垣根があります
->
でもここアフリカでは この様な非線形にスケールの変化する垣根があります
# linear, nonlinear 数学的に定義された言葉なので pedantic かもしれませんがこのようにしました
183
00:09:43,000 --> 00:09:45,000
これを作る人をみつけ
->
これを作る人を
# 次の字幕とつなげると,「これを作る人をみつけ マリのバマコの近辺にみつけ」となりますので,「これを作る人を マリのバマコの近辺にみつけ」としました.
196
00:10:24,000 --> 00:10:26,000
わらの長さを計って 全対数グラフに描き
->
わらの長さを計って 両対数グラフに描き
# log-log グラフは両対数の訳が定着していると思います.個人的には対数-対数グラフと呼びたいのですが...http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%A1%E5%AF%BE%E6%95%B0%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%95
207
00:10:59,000 --> 00:11:05,000
それぞれのシンボルは4 ビットです_
4ビットの2進法のワードです
->
それぞれのシンボルは4 ビットです--
4ビットの2進法のワードです
# または − のダッシュ
239
00:12:35,000 --> 00:12:37,000
自己生成する様々なシンボルなのです
->
多様性を自己生成する様々なシンボルなのです
# 原文のdiversity を追加しました.
250
00:13:15,000 --> 00:13:19,000
『結合』という博士論文の中で
ジオマンシーを紹介しました
->
『組合せ論』という博士論文の中で
ジオマンシーを紹介しました
# ライプニッツの論文に関する Wiki をみると,http://en.wikipedia.org/wiki/De_Arte_Combinatoria 組合せ論(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%84%E5%90%88%E3%81%9B%E8%AB%96)のことのようです.
254
00:13:29,000 --> 00:13:32,000
ジョージ・ブールはライブニッツの二進法をからブール代数を作りました
->
ジョージ・ブールはライブニッツの二進法からブール代数を作りました
# Typo
255
00:13:32,000 --> 00:13:35,000
フォン・ノイマンはそれを使ってデジタルコンピューターを作ったわけです
->
ジョン・フォン・ノイマンはそれを使ってデジタルコンピューターを作ったわけです
256
00:13:35,000 --> 00:13:38,000
PDAやラップトップなど
->
ここにある小さなPDAやラップトップなど
# all these little を talk で聞いた感じでは,会場にあるもののような感じでしたのでこのようにしました.
268
00:14:18,000 --> 00:14:21,000
シミュレーションやものを作ることが出来ます
->
個人でシミュレーションしたり,個人でものを作ったりできるようになります
# own を訳に入れてみました
279
00:15:03,000 --> 00:15:08,000
フラクタル構造を持った村に
フラクタル構造の住所使うアイデアです
->
フラクタル構造を持った村に
フラクタル構造の住所を使うアイデアです
# Typo
292
00:15:51,000 --> 00:15:53,000
自由主義の倫理の元にもなっています
->
民主主義の倫理の元にもなっています
# democracy の訳
295
00:15:59,000 --> 00:16:03,000
資本主義が自己組織化によって破壊的な影響をもたらすと思わない方は
->
自己組織化的な資本主義が破壊的な影響をもたらすと思わない方は
# より capitalism is self-organizing の直訳に近くしました
299
00:16:11,000 --> 00:16:13,000
彼らのアルゴリズムは壊れにくく
->
彼らのアルゴリズムは頑健で
# robust の訳は迷うのですが,頑健かロバストが良いのかと思います.
# 私が Computer science を勉強した時には頑健という言葉を使っていました.Wiki にもそれがもととあります.http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%90%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%8D%E3%82%B9 しかし,個人的には日本語に一対一に対応する言葉がないのでロバストと片仮名にしたいと思います.私は海外で働いていることもあり,カタカナ言葉で覚えていた方が他の国の人達とコミュニケーションがしやすいので,片仮名言葉には比較的寛容なこともあると思います.(日本語にして覚えていても世界で通用しないので)
Hitoshi Yamauchi
通してみました.字幕はライプニッツのみ変更しました.
タイトルも更新しました.OKです.