不貞の真実 ~誰かを愛したことのあるすべての人に~
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0:01 - 0:02なぜ 私達は浮気するのでしょう?
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0:04 - 0:07なぜ 幸福な人達も
浮気するのでしょう? -
0:09 - 0:13「不貞行為」と呼ぶときに
具体的には何をさすのでしょうか -
0:14 - 0:21ナンパ、ひと時の恋、買春、チャットルーム
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0:21 - 0:23はたまた性風俗はどうでしょう
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0:24 - 0:29なぜ 男性は退屈や深い関係を避けるために浮気をし
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0:29 - 0:34女性は寂しさと愛情を求めて浮気をすると
考えられているのでしょうか? -
0:36 - 0:40浮気は必ず
夫婦関係に終わりを告げるものになるのでしょうか? -
0:41 - 0:44この10年間
私は世界中を飛び回り -
0:44 - 0:48何百もの夫婦を広範囲に研究しました
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0:48 - 0:50彼らは皆 不貞行為により打ちのめされた夫婦です
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0:51 - 0:55あるシンプルな背徳行為が
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0:55 - 1:02夫婦から親密な関係や
幸せやその人自身までも奪います -
1:02 - 1:04それは姦通です
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1:04 - 1:09しかし こんなありふれた行為が
まだ十分に解明されてはいません -
1:11 - 1:15ですので この話は
誰かを愛したことのあるすべての人に向けたものです -
1:18 - 1:22不倫は 結婚という制度が作られた当初からありました
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1:22 - 1:24そして 当時から禁じられたものでした
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1:25 - 1:31実際に 結婚が嫉妬するほどに
不貞は頑強なのです -
1:31 - 1:34そのため 不貞だけは
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1:34 - 1:38聖書の戒律として2回繰り返されるほどです
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1:38 - 1:42一度目は不貞を働くことに対して
二度目は不貞を企むことに対して -
1:42 - 1:45(笑)
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1:45 - 1:49普遍的に禁じられていながら
普遍的に実行されていることについて -
1:49 - 1:51何か答えはあるのでしょうか
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1:53 - 1:58歴史を通して 男性は
重大な結果に至らずに浮気をする許可証を -
1:58 - 2:00実質的に有していました
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2:00 - 2:05多くの生物学および進化学的理論を裏付けに
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2:05 - 2:07男はふらつき回るものなんだと
説明します -
2:07 - 2:11このダブルスタンダードは
不倫そのものと同じくらい古いものです -
2:12 - 2:18しかし シーツに隠されて
本当のところは誰にも分からないものです -
2:18 - 2:20なぜなら セックスの話になると
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2:20 - 2:24男性には
自慢し 誇張する圧力がかかり -
2:24 - 2:29女性には
隠し 矮小化し 否定する圧力がかかります -
2:29 - 2:34この違いは次のことからも分かります
未だに9つの国では -
2:34 - 2:36女性は不倫を理由に処刑されることがあります
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2:38 - 2:42昔は 一夫一婦制は
一生に一人のパートナーを意味していました -
2:43 - 2:46今では 一夫一婦制は その時どきに一人の意味です
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2:46 - 2:48(笑)
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2:48 - 2:50(拍手)
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2:52 - 2:54こんな言葉に覚えはありませんか
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2:54 - 2:57「私は 恋愛においてはいつも一途だ」
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2:57 - 3:00(笑)
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3:01 - 3:02昔は 結婚し
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3:02 - 3:04初めてセックスをしていまいた
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3:05 - 3:06しかし今は 結婚してから
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3:06 - 3:08結婚相手以外とのセックスをやめます
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3:09 - 3:14実際に 一夫一婦制は愛情とは関係ないのです
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3:14 - 3:17男性にとって
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3:17 - 3:20目の前にいるのが誰の子か
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3:20 - 3:22死後 誰が遺産を相続するかは
女性の貞操頼みです -
3:24 - 3:27さて 皆さん誰もが
浮気をする人の割合を -
3:27 - 3:28知りたいようです
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3:28 - 3:32このカンファレンス会場に着いてから
私は何度もこの質問を受けました -
3:32 - 3:34(笑)
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3:34 - 3:36皆さんの中では何割でしょう
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3:36 - 3:41しかし 浮気の定義がどんどん広がっています
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3:41 - 3:46性的なメッセージを送ったり ポルノを観たり
こっそりデートアプリを使ったり -
3:46 - 3:51その理由は
何をもって浮気と呼ぶのか -
3:51 - 3:54幅広く合意された定義がないからです
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3:54 - 4:00割合の推定も
26%から75%まで様々です -
4:01 - 4:04しかし何と言っても
私たちは歩く矛盾と言えます -
4:04 - 4:08例えば 95%の人は ひどい過ちだと言います
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4:08 - 4:11パートナーが不倫について嘘をつくことを
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4:11 - 4:13しかし 同じ割合の人が
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4:13 - 4:16自分が不倫したらそうする
とも言います -
4:16 - 4:19(笑)
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4:20 - 4:24ところで 私は不倫に関するこの定義を気に入っています
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4:24 - 4:27それは主に3つの要素から成ります
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4:27 - 4:331つ目は「秘密の関係」です
これは不倫に関する最大の原則です -
4:33 - 4:382つ目は「感情の繋がり」
程度の差はあるにせよです -
4:38 - 4:403つ目は「セックスの魔力」です
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4:40 - 4:43ここで 魔力がキーワードになります
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4:43 - 4:50その理由は欲情のスリルにあります
想像しかできないキスというのは -
4:50 - 4:53実際のセックスの時間と同じくらい
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4:53 - 4:56強力で魅惑的なんです
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4:58 - 4:59マルセル・プルーストはこのように言っています
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4:59 - 5:05「愛を呼び起こすのは自分の想像力だ
相手ではない」 -
5:06 - 5:10それで 浮気をするほど簡単なことはなく
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5:10 - 5:13秘密を守り続けるほど困難なことはありません
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5:14 - 5:18これまで 不貞はこれほど精神的なダメージを
与えるものではありませんでした -
5:20 - 5:23結婚が経済活動だった時代には
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5:23 - 5:26不貞は私達の経済的安定を脅かすものでした
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5:27 - 5:30しかし今や 結婚は情愛的な結びつきなので
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5:30 - 5:34不貞は感情的な安心に対する脅威となりました
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5:34 - 5:38皮肉にも かつては 私達が純愛を探し求めるときに
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5:38 - 5:41不倫に頼ったのでした
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5:41 - 5:43しかし今 結婚の中に愛を求めるようになると
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5:43 - 5:45不倫はそれを壊すものになりました
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5:47 - 5:51不貞による人の傷つき方は
3つの点で変わったと思います -
5:54 - 6:00私達の 恋愛における理想像とは
一人のパートナーと向き合って -
6:00 - 6:03尽きることのない欲求を満たしていくというものです
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6:03 - 6:06最愛の恋人になってほしい
一番の親友になってほしい -
6:06 - 6:10最高の親になって
腹心の友となって -
6:10 - 6:13共感できる仲間になって
対等な知性を備えていてほしいと願います -
6:14 - 6:18そして まさに私であること
私が選ばれ 私が特別で -
6:18 - 6:21私がいなければだめ
誰も代わりになれない -
6:21 - 6:22たった一人の私でありたい―
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6:23 - 6:27―そうではなかった
と示されるのが不貞行為です -
6:27 - 6:29究極の裏切りです
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6:30 - 6:33不貞は
愛という壮大な思いを打ち砕きます -
6:35 - 6:40しかし歴史を振り返ってみれば
不貞は常に苦痛を伴い -
6:40 - 6:42今日では 心の傷になることもあります
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6:42 - 6:45なぜなら
自己という感覚を揺るがすのが不貞だからです -
6:45 - 6:48フェルナンドという患者がいますが
彼は本当に苦しんでいます -
6:48 - 6:51そして こう言います
「自分の人生を分かっていると思っていた -
6:51 - 6:55妻が何者なのか 私達がどんな夫婦で
私が誰かを分かっていると思ってた -
6:55 - 6:57だけど 今はすべてを疑ってしまう」と
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6:58 - 7:03不貞行為 それは信頼を破壊し
自己認識を脅かします -
7:03 - 7:05彼は言います
「もう1回 妻を信じることなんてできるか? -
7:05 - 7:07この先 誰かを信じることなんてできるか?」
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7:09 - 7:12そして ヘザーという患者も同じことを言っています
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7:12 - 7:15彼女はニックに関する話をしてくれました
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7:15 - 7:16彼らは結婚し 二人の子どもがいます
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7:16 - 7:19ある時 ニックが出張に出かけた後で
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7:19 - 7:22ヘザーが ニックのiPadで息子たちと遊んでいると
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7:22 - 7:25画面にメッセージが現れました
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7:25 - 7:27「会いたくてたまらない」
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7:28 - 7:30彼女は奇妙に思いました
さっきまで居たのに -
7:31 - 7:32すると 次のメッセージが来ました
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7:33 - 7:35「早くこの腕で抱きしめたい」
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7:36 - 7:38ヘザーは気付きました
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7:38 - 7:402つのメッセージは自分宛ではないと
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7:40 - 7:44ヘザーによれば
彼女の父親も浮気をしていたそうです -
7:44 - 7:48彼女の母は
夫のポケットから小さなレシートを見つけ -
7:48 - 7:50シャツのカラーに付いた口紅にも気が付きました
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7:51 - 7:55ヘザーも調べてみました
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7:55 - 7:58すると 何百通ものメッセージがあり
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7:58 - 8:01写真がやり取りされ
欲望が言葉にされていました -
8:01 - 8:042年間に及ぶニックの情事の様子が
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8:04 - 8:07ヘザーの目の前に 鮮明に浮かんできます
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8:08 - 8:09これを聞いて私は思いました
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8:09 - 8:14デジタル時代の不倫は
身を切り刻む殺し方です -
8:16 - 8:19しかし そうすると現代に生きる上で
別の矛盾にも直面します -
8:19 - 8:21恋愛における理想ゆえに
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8:21 - 8:26私たちは 代えがたく熱烈に
パートナーの貞操に頼っているのです -
8:27 - 8:31しかし 道を外れようと
これほど誘惑される時代もありません -
8:31 - 8:33それは最近 新しい欲望が生じたからではなく
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8:33 - 8:35私たちが生きる現代において
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8:35 - 8:39自分たちには
欲望を追及する権利があると感じ -
8:39 - 8:42自分は幸せになるに値するとみなす
文化が根付いているからで -
8:43 - 8:47またかつては 不幸せだから離婚しましたが
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8:47 - 8:50今や より幸せになるために離婚します
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8:52 - 8:55そして 離婚がすべての恥を負っていたというなら
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8:55 - 8:59今や 別れられるのに離婚しないという選択は
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8:59 - 9:00新たな恥になります
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9:01 - 9:03ヘザーの場合 彼女は友達に話せなかったそうです
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9:03 - 9:06なぜなら 彼女が今でもニックを愛していることを
非難されるからです -
9:06 - 9:10そしてどこに行っても
ヘザーは同じ助言を受けました -
9:10 - 9:13「ニックと別れなさい 道路脇に犬を捨てるみたいに」
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9:14 - 9:19そして逆に言えば
ニックも同じ状況に置かれていたでしょう -
9:19 - 9:21結婚生活を続けることは新たな恥でした
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9:23 - 9:26では 離婚できるのであれば
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9:26 - 9:28なぜ私達は浮気するのでしょうか?
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9:30 - 9:35よく言われる説明として
誰かが浮気するということは -
9:35 - 9:38本人の恋愛関係か
本人自身に問題があるからだと -
9:39 - 9:43しかし 浮気をしている数百万人が皆
病的なはずはありません -
9:44 - 9:48言い換えれば
必要なものがすべて家庭にあれば -
9:48 - 9:52他に探しに行く必要はないという理屈です
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9:52 - 9:55そこでの前提は 完璧な結婚というものがあり
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9:55 - 9:58それは移り気からの予防になるというものです
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9:59 - 10:02でも もし熱愛には賞味期限があるとしたら?
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10:04 - 10:07もし 良好な二人の関係からは
得られない何かが -
10:07 - 10:09存在するとしたら?
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10:10 - 10:13幸せな人達でさえ浮気するなら
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10:13 - 10:16何が浮気の本質でしょうか?
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10:17 - 10:20実際に私がカウンセリングを行った人の大部分は
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10:20 - 10:22浮気癖のある遊び人とは程遠い人達です
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10:22 - 10:26殆どの人は 一夫一婦制を重んじていて
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10:26 - 10:28少なくとも パートナーに一途です
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10:29 - 10:32しかし 彼らは葛藤に気が付きます
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10:32 - 10:35価値観と行動の間での葛藤です
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10:36 - 10:40彼らの多くは 実際に数十年貞操を守ってきています
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10:40 - 10:43しかしある日
絶対に越えることはないと思っていた― -
10:43 - 10:45一線を越えてしまうのです
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10:45 - 10:48すべてを犠牲にする危険を顧みずに
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10:49 - 10:51でも 何を求めて?
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10:52 - 10:55情事は裏切りを体現した行為です
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10:55 - 10:58そしてまた 切望と喪失の表現でもあります
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10:59 - 11:05情事の核心部では
こんなものが求められ熱望されています -
11:05 - 11:06感情的な繋がり
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11:06 - 11:13日常生活からの解放、自由奔放
自己決定、情熱的なセックス -
11:13 - 11:16私たちの失われた部分を
取り戻したいという願い -
11:16 - 11:22人の死や悲劇を経て
生きる感覚を取り戻したいという試みなどです -
11:23 - 11:26こんな話から
プリアという患者を思い出します -
11:26 - 11:28彼女はこの上なく幸せな結婚をし
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11:28 - 11:30夫を愛していて
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11:30 - 11:32自分の夫を傷つけようなどとは
夢にも考えませんでした -
11:33 - 11:35でも 彼女はこう言いました
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11:35 - 11:38自分はいつも期待通りに振る舞ってきた
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11:38 - 11:42良い子 良い妻 良い母で
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11:42 - 11:45移民の両親の面倒も見てきた
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11:45 - 11:49プリアは ハリケーン・サンディーの後で
自宅の庭の木を片付けてくれた -
11:49 - 11:51庭師と恋に落ちました
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11:52 - 11:56トラックを運転し タトゥーも入れているこの男は
彼女と正反対でした -
11:58 - 12:03この浮気は 47歳のプリアに
訪れた初めての青春でした -
12:04 - 12:09彼女のエピソードのエッセンスは
私達が他者の熱い視線を求めるとき -
12:09 - 12:14自分のパートナーから
目を逸らしたいのではなく -
12:14 - 12:17むしろ 自分自身の現状から
目を逸らしたいのだということです -
12:18 - 12:21他の人を捜し求めているというよりも
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12:21 - 12:25むしろ 私達は別の自分を探しているのです
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12:27 - 12:29ところで 世界中で
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12:29 - 12:32情事を体験した人は必ず ある一言を発します
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12:33 - 12:35「生きている」と感じるのだそうです
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12:36 - 12:40また 彼らはよくこんな話をします
最近 亡くなった人がいた -
12:40 - 12:42親をなくした
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12:42 - 12:44若くして亡くなった友人がいた
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12:44 - 12:46主治医から悪い知らせを聞いた
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12:47 - 12:52情事の陰には
死や寿命にまつわる話が潜んでいます -
12:52 - 12:55なぜなら こんな問いを投げかけられるからです
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12:55 - 12:58今の生活で良いのか?
これ以上はないのか? -
12:58 - 13:01この先25年間 同じ生活でいいのか?
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13:02 - 13:04あの感覚はもう味わえないのか?
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13:06 - 13:11おそらく これらの問いが
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13:11 - 13:14最後の一線を越える後押しとなったり
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13:14 - 13:18また 死に対抗するための
特効薬であるかのように -
13:18 - 13:20情事に走る例もあると思います
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13:22 - 13:25また 皆さんの想像に反して
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13:25 - 13:30情事はセックスよりも
欲望の方に大いに関わるのです -
13:30 - 13:33注目されたい欲望
特別だと感じたい欲望 -
13:33 - 13:35大切な存在だと感じたい欲望
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13:36 - 13:39そして まさに情事の構造というのは
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13:39 - 13:41愛人と一緒になれない現実があるからこそ
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13:42 - 13:43欲望が刺激され続けることなのです
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13:43 - 13:46このこと自体が 機械のように欲望を生み出します
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13:46 - 13:49不完全で 曖昧さがあるからこそ
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13:49 - 13:52人は手に入らないものを
求め続けてしまうのです -
13:54 - 13:55こう思うかもしれません
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13:55 - 13:59オープンな恋人関係だったら
浮気なんて起きないんじゃないかと -
13:59 - 14:00しかし あるのです
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14:00 - 14:04まず 一夫一婦制の話と
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14:04 - 14:06不貞の話は同じではありません
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14:06 - 14:10しかし 事実
セックスの相手が -
14:10 - 14:13他にいることが
許されているときでさえ -
14:13 - 14:17私達は 禁じられた行為に
惹きつけられるのです -
14:17 - 14:20してはいけないことをしているときに
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14:20 - 14:23自分が本当にやりたいことをしていると感じるのです
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14:25 - 14:29そして 私は多くの患者にこう言ってきました
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14:29 - 14:34もし夫婦関係に
浮気のために注いでいる ― -
14:34 - 14:39大胆さやイマジネーションや情熱を
たった1割でも良いから 持ち込めたら -
14:39 - 14:41きっと私が診察する必要はなくなるでしょう
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14:41 - 14:43(笑)
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14:44 - 14:47では 不倫から立ち直るにはどうすれば良いでしょうか?
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14:48 - 14:50欲望は根深く
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14:50 - 14:52裏切りも根深いものです
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14:53 - 14:55ですが 修復は可能です
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14:56 - 14:59不倫が死を告げる鐘の場合もあります
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14:59 - 15:02元々 関係が破綻しかかっていた場合です
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15:03 - 15:06しかし 新しい可能性に目覚めさせる不倫もあります
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15:06 - 15:08事実として 大多数の夫婦は
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15:08 - 15:10不倫を経験しても 一緒に居続けます
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15:11 - 15:13単に離婚しなかっただけの夫婦もいますが
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15:13 - 15:18その危機をチャンスに変えることができる夫婦もいます
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15:19 - 15:22何かの生まれる経験と捉えられる人たちです
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15:22 - 15:26浮気をされた側が
こんなことを言うときに -
15:26 - 15:28特に思うことです
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15:28 - 15:29「私はそれ以上求めていなかったと思ってる?
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15:29 - 15:31でも 浮気をしたのは私じゃない」
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15:32 - 15:34でも不倫が発覚すると
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15:34 - 15:36その人も もっと要求するようになります
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15:36 - 15:39そもそも上手く行っていたわけでもない―
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15:39 - 15:42現状を維持する必要がなくなるのです
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15:44 - 15:47私の知るところでは
多くの夫婦が -
15:47 - 15:49浮気で揉めた後から
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15:49 - 15:54混乱を経験し
そこから新たな秩序を導く中で -
15:54 - 15:57誠実さと寛容さをもって
深く話し合います -
15:57 - 15:59数十年間無かった話し合いです
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16:00 - 16:03また 互いに性的関心を失っていたカップルが
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16:03 - 16:05突然 自分達の中に
どこから来るのかもわからない -
16:05 - 16:08強い欲望を見出すこともあります
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16:09 - 16:13失うことへの恐れが 欲望に再び火をつけ
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16:13 - 16:16まったく新たな真実への道を開くのです
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16:18 - 16:21不倫が発覚した時
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16:21 - 16:24夫婦には具体的にどんなことができるでしょうか?
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16:26 - 16:30トラウマの研究から
回復は -
16:30 - 16:34加害者が 自ら非を認めることから始まると
分かっています -
16:35 - 16:39不倫をした側にとって
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16:39 - 16:41例えばニックの場合
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16:41 - 16:42まずは 情事を終わらせることです
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16:42 - 16:47また さらに不可欠で 重要な行動は
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16:47 - 16:50妻を傷つけたことに対する
罪悪感と自責の念を示すことです -
16:51 - 16:52しかし 現実には
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16:52 - 16:55不倫をした人のうちかなりの人数が
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16:55 - 16:58パートナーを傷つけたことに激しい罪悪感を覚えている一方で
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16:58 - 17:02情事の経験そのものには
罪悪感を覚えないことが分かりました -
17:02 - 17:04この違いは重要です
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17:05 - 17:09ニックの場合 ヘザーとの関係のために
気を張り続ける必要があります -
17:09 - 17:12彼は暫くの間 国境警備隊のようになる必要があります
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17:12 - 17:15そうするのが彼の責任です
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17:15 - 17:17なぜなら
彼が関係のことを考えていれば -
17:17 - 17:20ヘザーを強迫観念や
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17:20 - 17:23浮気を忘れてはならないという思いから
救い出し -
17:23 - 17:26また それ自体が信頼回復のきっかけになります
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17:28 - 17:29しかし ヘザーや
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17:29 - 17:31浮気をされた側にとって
-
17:31 - 17:37何より重要なのは
自分の価値に自信を取り戻すよう努め -
17:37 - 17:40愛情を感じたり
友人に囲まれたり -
17:40 - 17:44喜びや生きる意味
アイデンティティを取り戻せる活動をすることです -
17:44 - 17:46しかし さらに重要となり得るのは
-
17:46 - 17:51情事の詳細に関する好奇心を
抑えることです -
17:51 - 17:53どこにいたの?
どこでやったの? -
17:53 - 17:56どのくらいの頻度で?
彼女はベッドで私より良かったか? -
17:56 - 17:58こんな質問をしても 傷は深まるばかりです
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17:58 - 18:00答えを聞いても 眠れなくなるだけでしょう
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18:01 - 18:05だから代わりに 別のことを聞いてみましょう
名付けて調査質問です -
18:05 - 18:09これは浮気の意味と動機を掘り下げるものです
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18:09 - 18:11「この浮気はあなたにとってどんな意味があった?」
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18:11 - 18:14「私と一緒のときにはできないどんなことを
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18:14 - 18:16表現できた? 経験できた?」
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18:16 - 18:19「家に帰って来た時 どんな気持ちだった?」
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18:19 - 18:23「私たちの関係の中で あなたが価値を置くものは何?」
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18:23 - 18:25「この一件が終わって 嬉しい?」
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18:26 - 18:31どんな不倫であっても 関係が改めて定義されます
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18:31 - 18:34そして すべての夫婦が
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18:34 - 18:36情事が後に残すものは何かを
定めます -
18:38 - 18:41しかし 不倫をしたという事実は変わりません
無かったことにはなりません -
18:42 - 18:45そして 愛情と欲望のジレンマには
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18:45 - 18:51白か黒か 良いか悪いか
被害者か加害者かという -
18:51 - 18:53単純な答えはありません
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18:54 - 18:58夫婦関係における裏切りは
様々な形で行われます -
18:58 - 19:01パートナーを裏切る方法は沢山あるのです
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19:01 - 19:03軽視や無視
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19:03 - 19:05無関心や暴力など様々です
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19:06 - 19:09性的な裏切りは
パートナーを傷つける方法の1つに過ぎません -
19:09 - 19:12言い換えれば
浮気の被害者が -
19:12 - 19:15常に結婚生活の被害者とは限りません
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19:18 - 19:20ここまでの話を聞いて
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19:20 - 19:22おそらく あなたはこう思っているでしょう
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19:22 - 19:26彼女はフランス語訛りだ
彼女は浮気を推奨しているに違いない -
19:27 - 19:30(笑)
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19:32 - 19:33不正解です
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19:34 - 19:35私はフランス人ではありません
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19:36 - 19:38(笑)
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19:38 - 19:41(拍手)
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19:42 - 19:43そして浮気を推奨しません
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19:45 - 19:49ただし 浮気の結果が
良い方向に向かうこともあると考えるため -
19:49 - 19:52よく そのような奇妙な質問をされます
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19:52 - 19:54浮気を推奨することなんてあるでしょうか?
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19:56 - 19:59癌を薦めることが無いように
私は浮気を薦めることなんてしません -
19:59 - 20:01癌を薦めることが無いように
私は浮気を薦めることなんてしません -
20:01 - 20:04病気にかかった人たちから
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20:04 - 20:08病気によって 新しい視点が得られたと
聞くことがあっても ということです -
20:09 - 20:12このカンファレンス会場に着いて
この場で不貞の話をするというと -
20:12 - 20:15特によく質問されたのは
私が不貞に賛成か反対かです -
20:16 - 20:18それには「イエス」とだけ答えておきました
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20:18 - 20:21(笑)
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20:22 - 20:26私は不倫を2つの視点で捉えています
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20:26 - 20:29苦痛と裏切りが一面です
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20:29 - 20:33もう一面は成長と自己発見です
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20:33 - 20:36不倫がパートナーに何を与えたか
自分はそこにどんな意味を見出したか -
20:37 - 20:41そこで 不倫が発覚して
混乱に陥った夫婦が -
20:41 - 20:43私を訪ねてくる時
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20:43 - 20:45私はこんな話をします
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20:45 - 20:48欧米では今日
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20:48 - 20:53殆どの人が2-3回の恋愛関係や
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20:53 - 20:54結婚を経験します
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20:54 - 20:58それを 同じ人と繰り返す人もいます
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20:59 - 21:01あなたの1回目の結婚は終わりました
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21:02 - 21:04これから 2回目の結婚生活を
2人で築いてはいかがでしょうか? -
21:05 - 21:07ありがとうございました
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21:07 - 21:12(拍手)
- Title:
- 不貞の真実 ~誰かを愛したことのあるすべての人に~
- Speaker:
- エステル・ペレル
- Description:
-
不貞は究極の裏切りです。
しかし、そこまでの悪事なのでしょうか。愛情セラピストのエステル・ペレルは人が浮気する理由を探り、不倫が大きな傷を残す理由は、安心の感覚を脅かすからだと解き明かします。そして、不貞の中に、期待感と喪失感という予期せざるものを見出します。
浮気したことのある人、浮気されたことのある人、そして愛情関係を理解する新しい枠組みに関心のある人にお薦めです。 - Video Language:
- English
- Team:
closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 21:31