Return to Video

9・11への世界の対応で私達は安全になったのか

  • 0:01 - 0:05
    9・11から およそ20年が
    過ぎようとしています
  • 0:06 - 0:09
    私達は自らの現状を理解し
  • 0:09 - 0:12
    立ち止まって考える時が
    来ているのです
  • 0:12 - 0:14
    こう自問自答すべき時が
    来ています
  • 0:14 - 0:16
    この悲劇的な出来事を
    きっかけに広がった
  • 0:16 - 0:19
    通念や政策のお陰で
  • 0:19 - 0:22
    世界は本当に
    より安全になったのか?
  • 0:22 - 0:26
    そのお陰で
    私達の欧米社会は
  • 0:26 - 0:28
    強くなったのか?
  • 0:29 - 0:33
    私はこれまでの人生を
    安全保障と防衛の研究に捧げてきましたが
  • 0:33 - 0:36
    現在は これまで以上に
    安全保障に関し
  • 0:36 - 0:41
    ことに国際安全保障に関し
    考え 行動する方法を
  • 0:41 - 0:45
    徹底的に見直す必要があると
    確信しています
  • 0:45 - 0:48
    国際安全保障というのは
  • 0:48 - 0:51
    外的脅威を防ぎ
    より良く対処するため
  • 0:51 - 0:53
    何をし どう備えるか
  • 0:54 - 0:56
    そして市民をどう守るか
    ということです
  • 0:57 - 0:58
    これら双方の鍵となるのは
  • 0:58 - 1:01
    市民を守ることに
    注力するということです
  • 1:01 - 1:03
    自国の市民と
  • 1:03 - 1:07
    安全の名の下に部隊を展開している
    国の市民のどちらもです
  • 1:07 - 1:10
    さて この考え方は
    過去20年に広まってきた
  • 1:10 - 1:13
    「安全とは何で
    どう手に入れるか」についての
  • 1:13 - 1:15
    通念に反しています
  • 1:16 - 1:22
    しかし その通念には欠陥があり
    更に悪い事に それは逆効果なのです
  • 1:23 - 1:25
    過去20年間にわたり
  • 1:25 - 1:27
    欧州や米国において私達は
  • 1:28 - 1:32
    価値や権利を犠牲にするのが
    更なる安全を得る唯一の方法だという
  • 1:32 - 1:38
    ゼロサム思考で 安全は議論すべきものと
    受け入れるようになりました
  • 1:38 - 1:41
    安全か それとも人権か
  • 1:41 - 1:45
    安全か それとも自由や発展か
  • 1:45 - 1:47
    これは誤った二項対立です
  • 1:48 - 1:49
    そのように単純ではないのです
  • 1:49 - 1:51
    認識しなければならないのは
  • 1:51 - 1:54
    安全と人権は
    対立する価値ではなく
  • 1:54 - 1:57
    本質的に関連している
    という事です
  • 1:57 - 2:00
    つまるところ
    最も基本的な人権は
  • 2:00 - 2:04
    暴力を受けずに
    生きる権利です
  • 2:04 - 2:07
    国家の最大の責務とは
  • 2:07 - 2:10
    その市民に対し
    この権利を保障する事です
  • 2:10 - 2:13
    逆に 戦争や紛争の起こっている
  • 2:13 - 2:17
    世界中のコミュニティの事を
    考えてみると
  • 2:17 - 2:20
    市民の完全な自由や
    発展を妨げているのは
  • 2:20 - 2:24
    安全の欠如と
    暴力なのです
  • 2:24 - 2:28
    普通の生活を送り
    人権を享受するため
  • 2:28 - 2:34
    彼らにも私達と同じように
    基本的な安全が必要です
  • 2:34 - 2:36
    だから私達は
    変わらなければなりません
  • 2:36 - 2:40
    持続可能な安全とは
    人権という基盤の上に築かれ
  • 2:40 - 2:43
    人権の促進と尊重に
    立脚するのだと
  • 2:43 - 2:46
    認識しなければ
    ならないのです
  • 2:46 - 2:49
    また 過去20年にわたり 私達は
  • 2:49 - 2:53
    自身の安全を保障する最良の方法は
    敵を打ち負かす事であり
  • 2:53 - 2:55
    それを実行する為に
  • 2:55 - 2:59
    専ら軍事力に頼る必要があると
    信じてきました
  • 3:01 - 3:03
    しかし これは私の仕事や研究にも
  • 3:03 - 3:05
    現場で目にしたことにも
    反しています
  • 3:05 - 3:09
    私の見解では
    持続可能な安全の確立は
  • 3:09 - 3:12
    敵を制圧する事や
    戦場で敵に勝つ事とは
  • 3:12 - 3:14
    あまり関係がなく
  • 3:14 - 3:17
    犠牲者を保護し
    安定を確保する事に
  • 3:17 - 3:19
    大きく関係しています
  • 3:19 - 3:23
    その為 軍隊だけでは
    単に不十分なのです
  • 3:24 - 3:29
    だから 終わりのない
    対テロ戦争を一旦保留し
  • 3:29 - 3:32
    それを「市民を守る」という
    原則に基づく
  • 3:32 - 3:36
    安全保障計画に
    置き換える必要があります
  • 3:36 - 3:39
    その市民が どこの出身で
    どの国のパスポートを持ち
  • 3:39 - 3:41
    どこに住んでいようと
    違いはありません
  • 3:41 - 3:43
    バンクーバーだろうと
    ニューヨークだろうと
  • 3:43 - 3:47
    カブール、モスル、アレッポ
    ドゥーマだろうと
  • 3:48 - 3:50
    持続可能な安全について分かるのは
  • 3:50 - 3:53
    海外での取り組みが 現地の市民を守り
  • 3:53 - 3:59
    暴力のない尊厳ある市民生活を
    保障する事に焦点を置くならば
  • 3:59 - 4:05
    自国でも長期にわたる安全を保てる
    可能性が高まるという事です
  • 4:05 - 4:08
    例えば 私達は皆
    ISISを打ち負かす事が
  • 4:08 - 4:10
    安全の達成だと思っています
  • 4:10 - 4:11
    もちろんそうです
  • 4:11 - 4:14
    しかし破壊された
    家屋を建て直し
  • 4:15 - 4:16
    秩序を回復し
  • 4:16 - 4:19
    代表民主制政治を確立する事も
  • 4:19 - 4:23
    同じくらいに重要であり
  • 4:23 - 4:26
    イラクやシリアの市民の
    安全の為だけでなく
  • 4:26 - 4:30
    私達自身の安全や
    世界の安定の為にもなるのです
  • 4:31 - 4:33
    もっと基本的な事は
  • 4:34 - 4:39
    ISISの危険性は単に
    彼らが保有する武器の数だけではなく
  • 4:39 - 4:43
    彼らが教育の機会を奪い
    洗脳している 子供達の数も
  • 4:43 - 4:45
    考えるべきということです
  • 4:45 - 4:47
    これは安全という観点からです
  • 4:47 - 4:49
    安全という観点からすると
  • 4:49 - 4:55
    シリアの何百万人もの子供達が
    学校へ行かず 戦争しか知らずに
  • 4:55 - 4:59
    育つという長期間の影響は
  • 5:00 - 5:03
    ISISの武器を全て
    合わせたよりも
  • 5:03 - 5:06
    安定にとって 遥かに
    危険な脅威であり
  • 5:06 - 5:10
    私達はISISへの軍事的反撃に
    費やすのと
  • 5:10 - 5:16
    同じくらいの時間やエネルギーを
    この事に費やすべきなのです
  • 5:17 - 5:21
    過去20年にわたる安全政策は
    短期的なものでした
  • 5:21 - 5:24
    その場 その時の事だけに
    焦点が当たってきたのです
  • 5:24 - 5:28
    安全保障の名のもとで
    私達がこんにち行なっている事と
  • 5:28 - 5:30
    そうした選択の結果
    もたらされる
  • 5:30 - 5:33
    長期的な影響との関係が
    軽視されてきました
  • 5:33 - 5:35
    9・11以降
  • 5:35 - 5:37
    私達が実行して来た
  • 5:37 - 5:39
    選択や政策のせいで
  • 5:39 - 5:44
    長期的に私達はおそらく
    より安全でなくなったのです
  • 5:45 - 5:48
    持続可能で
    市民重視の安全のためには
  • 5:48 - 5:51
    長期的に何が起こるかを
    考える必要があります
  • 5:51 - 5:53
    例えば
  • 5:54 - 5:59
    遠くの国々の敵を標的にした
    ドローンの使用は一種の手段です
  • 5:59 - 6:02
    それはアメリカへ
    差し迫った攻撃の脅威を
  • 6:02 - 6:05
    確かめ あるいは減らす
    手段かもしれません
  • 6:05 - 6:08
    でも長期的な影響という点では
    どうでしょうか?
  • 6:08 - 6:10
    市民が殺されたら
  • 6:11 - 6:13
    コミュニティが標的にされたら
  • 6:13 - 6:18
    戦争、紛争、トラウマ、過激化の
    悪循環を生み出す事になり
  • 6:18 - 6:21
    それは 私達がこんにち
    直面している
  • 6:21 - 6:26
    非常に多くの安全上の困難の
    核心にあるものなのです
  • 6:26 - 6:29
    これでは長期にわたる
    安全には繋がりません
  • 6:30 - 6:33
    私達には民間の安全保障が
    必要なのです
  • 6:33 - 6:37
    それは持続可能で
    市民重視の安全保障であり
  • 6:37 - 6:38
    今すぐ必要なものです
  • 6:38 - 6:42
    この概念についての
    考察と研究を促し
  • 6:42 - 6:44
    実行に移す必要があります
  • 6:45 - 6:47
    私達は危険な世界に
    生きています
  • 6:47 - 6:51
    平和への脅威や紛争が
    数多く起こっています
  • 6:52 - 6:54
    9・11後の日々のように
  • 6:54 - 6:58
    私達は 国際安全について
    考えざるを得なくなりましたが
  • 6:59 - 7:02
    過去20年にわたる教訓を
    学ばなければなりません
  • 7:02 - 7:05
    安全保障を正しく
    機能させるためには
  • 7:05 - 7:08
    長期的に考える必要があります
  • 7:08 - 7:10
    市民を守る事に
    焦点を合わせねばなりません
  • 7:10 - 7:14
    そして持続可能な安全は
    人権という基盤の上に立つという
  • 7:14 - 7:18
    事実を認め
    尊重せねばなりません
  • 7:18 - 7:21
    そうしないと
    安全という名の下に
  • 7:21 - 7:23
    私達は世界を
  • 7:23 - 7:27
    今よりも遥かに危険で
    不安定な場所にしてしまう
  • 7:27 - 7:29
    リスクがあるのです
  • 7:30 - 7:31
    有難うございました
  • 7:31 - 7:35
    (拍手)
Title:
9・11への世界の対応で私達は安全になったのか
Speaker:
ベネデッタ・ベルティ
Description:

持続可能で長期的な安全を世界基準としたければ、私達はどうやってそれが達成できるかを、今こそ徹底的に再考すべきなのです。TEDフェローで政策分析家であるベネデッタ・ベルティはそう言います。この驚くべきトークの中でベルティは、より安全な世界の構築は、戦場の敵の制圧とはあまり関係がなく、どこの出身者であれ、どこに住む人であれ、市民を守る事と大いに関係がある事を説明します。

more » « less
Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDTalks
Duration:
07:47

Japanese subtitles

Revisions