呼気分析計でがんを検知できるか?―ジュリアン・ブルシュカ
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0:07 - 0:12アルコール検知器は
血中アルコール濃度を -
0:12 - 0:16飲酒を終えて何時間もたった後に
息だけで どのように計測するのでしょう -
0:16 - 0:21呼気には 数百 時には数千種もの
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0:21 - 0:23揮発性有機化合物が
微量に含まれています -
0:23 - 0:28それらは軽く
気体として簡単に移動する低分子です -
0:28 - 0:32そのうちの一つはエタノールで
私たちが摂取するアルコール飲料に含まれます -
0:32 - 0:36エタノールは 血流に乗って
肺の中の小さな肺胞へと移動し -
0:36 - 0:41呼気として吐き出されるとき
その濃度は平均で -
0:41 - 0:43血中濃度の2000分の1になります
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0:43 - 0:46アルコール検知器に息を吹きかけると
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0:46 - 0:50呼気中のエタノールが 反応室に入ります
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0:50 - 0:54そこで 酢酸と呼ばれる
もう一つの分子に 変換されます -
0:54 - 0:59特別な反応装置の中で
化学反応の間に 電流が生じるのです -
0:59 - 1:01電流の強さは
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1:01 - 1:06空気 ひいては血液のサンプル中の
エタノールの量を示します -
1:06 - 1:09私たちが食べ物や飲み物から摂取する
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1:09 - 1:11エタノールのような
揮発性有機化合物に加えて -
1:11 - 1:15細胞の生化学過程では
その他多くのものが作られます -
1:15 - 1:18その過程が
何か病気などによって 阻害されると -
1:18 - 1:22呼気中の揮発性有機化合物も
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1:22 - 1:24変化するかもしれません
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1:24 - 1:28では 人の息を分析すれば
疾患の検知を -
1:28 - 1:30侵襲的な診断法 ―
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1:30 - 1:34生体組織検査や採血 放射線などを
使わずにできるでしょうか -
1:34 - 1:36理論上は 可能です
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1:36 - 1:41しかし 疾患の検査は
アルコールの検査より さらに複雑です -
1:41 - 1:42疾患を特定するには
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1:42 - 1:47研究者は 呼気中の何十もの
一連の化合物を調べる必要があります -
1:47 - 1:50ある疾患では
これらの化合物のいくつかで -
1:50 - 1:54濃度が増減するものもあれば
変化しないものも あるかもしれません -
1:54 - 1:58それぞれの疾患によって
プロファイルはおそらく異なり -
1:58 - 2:01同じ疾患でも ステージ(病期)によって
異なるかもしれません -
2:01 - 2:05例えば がんは呼気分析による診断で
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2:05 - 2:08もっとも研究されている疾患の一つです
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2:08 - 2:11多くの腫瘍が引き起こす
生化学的変化の一つに -
2:11 - 2:14エネルギー産生過程
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2:14 - 2:17いわゆる解糖系の亢進があります
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2:17 - 2:19これは ワールブルグ効果として
知られており -
2:19 - 2:24この解糖系の亢進の結果
乳酸のような代謝物が増加し -
2:24 - 2:28全ての代謝過程に
次々と影響を与えます -
2:28 - 2:32最終的には
呼気組成が変化し -
2:32 - 2:36硫化ジメチルなどの
揮発性有機化合物の濃度が -
2:36 - 2:39増える可能性があります
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2:39 - 2:43しかし ワールブルグ効果は
がん活動の潜在的な指標の一つにすぎず -
2:43 - 2:47がんの種類については
何も明らかになりません -
2:47 - 2:51診断には さらに多くの指標が必要です
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2:51 - 2:53わずかな違いを見つけるために
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2:53 - 2:56研究者は 健康な人の息と
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2:56 - 2:59特定の疾患にかかっている人の息を
比べます -
2:59 - 3:02これには 何百もの息のサンプルに基づいた
プロファイルを使います -
3:02 - 3:06この複雑な分析には
アルコール検知器とは根本的に異なる -
3:06 - 3:10もっと多目的なタイプのセンサーが必要です
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3:10 - 3:12現在 開発中のものがいくつかあり
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3:12 - 3:15電界の中で 化合物の動きを観察し
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3:15 - 3:19見分けるものもあります
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3:19 - 3:23他には
様々な材料でできた抵抗アレイに -
3:23 - 3:27特定の組み合わせの
揮発性有機化合物を接触させ -
3:27 - 3:29各抵抗の抵抗値の変化を見るものもあります
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3:29 - 3:31他にもいくつか課題があります
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3:31 - 3:35これらの物質は
非常に低濃度で存在しており -
3:35 - 3:37普通はわずか
数ppb(10億分の1)程度で -
3:37 - 3:40呼気中のエタノールの濃度より
ずっと低いのです -
3:40 - 3:44化合物のレベルは
病気以外の要因によっても左右されます -
3:44 - 3:49年齢 性別 栄養状態
ライフスタイルなどです -
3:49 - 3:50最後に挙げる問題としては
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3:50 - 3:53サンプル内の化合物のうち
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3:53 - 3:55患者の体内で生成されたものと
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3:55 - 3:57検査の直前に吸い込んだものとを
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3:57 - 3:59区別することです
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3:59 - 4:04これらの課題が残っており
呼気分析は まだ実用化に至っていません -
4:04 - 4:07しかし 肺がんや大腸がん
その他のがんにおける -
4:07 - 4:11予備的な臨床試験では
有望な結果が出ています -
4:11 - 4:17がんの早期発見は いつか呼吸と同じくらい
いとも簡単なことになるかもしれません
- Title:
- 呼気分析計でがんを検知できるか?―ジュリアン・ブルシュカ
- Speaker:
- ジュリアン・ブルシュカ
- Description:
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アルコール検知器は、血中アルコール濃度を飲酒を終えてから何時間もたった息だけをもとに、どのように計測するのでしょうか?これと同じ技術を用いて、人の息を分析することで、生体組織検査や採血、放射線などの侵襲的な診断ツールを使うことなく、疾患の検知を行うことができるのでしょうか?ジュリアン・ブルシュカがこの複雑なプロセスを詳しく説明します。
講師:ジュリアン・ブルシュカ、監督:Cabong Studios
*このビデオの教材:https://ed.ted.com/lessons/could-a-breathalyzer-detect-cancer-julian-burschka - Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TED-Ed
- Duration:
- 04:17
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