< Return to Video

インターネットで力を手に入れるために一般市民ができること

  • 0:00 - 0:04
    (ブリン・フリードマン)
    あなたは以前 20世紀には
  • 0:04 - 0:07
    地球規模の権力は
    政府の手中にあったが
  • 0:07 - 0:09
    デジタル世紀の初頭にある今
  • 0:09 - 0:11
    その権力は企業に移り
  • 0:11 - 0:15
    さらに将来 個人の手に移るだろうと
    おっしゃいました
  • 0:15 - 0:17
    しかし 多くの人が
  • 0:17 - 0:19
    それは間違いで
  • 0:19 - 0:21
    権力は企業の手中に収まると
    考えています
  • 0:21 - 0:22
    あなたはなぜそうお考えで
  • 0:22 - 0:25
    なぜ個人が力を
    勝ち取るのでしょうか
  • 0:25 - 0:28
    (ファディ・チェハデ)
    企業は個人の要望に応えるからです
  • 0:28 - 0:30
    我々市民は
  • 0:30 - 0:35
    世界がどう統治され どう前進するか
    これからの世の中の形成に
  • 0:35 - 0:38
    大きく携わっていると
    理解していく必要があります
  • 0:38 - 0:42
    確かに今 綱引きは
    政府間で行われていますが
  • 0:42 - 0:45
    政府は 権力の多くを
    企業に奪われました
  • 0:45 - 0:49
    なぜなら インターネットは
    政府が権力を持つ国民国家システムの周りに
  • 0:49 - 0:51
    構築されたわけではないからです
  • 0:51 - 0:53
    インターネットは
    国家を越えた存在です
  • 0:53 - 0:56
    多国籍でもないし
    国家の中にもとどまりません
  • 0:56 - 0:59
    結果として 企業が権力を持ったのです
  • 1:00 - 1:02
    企業は経済を形作り
  • 1:02 - 1:04
    社会をも形作ります
  • 1:04 - 1:06
    政府は方策を持たず
  • 1:06 - 1:08
    今は 企業の動きに
    反応するのみです
  • 1:08 - 1:11
    そして 我々市民が―
  • 1:11 - 1:16
    私が思うに 市民こそがこの状況で
    最も重要な要素なのですが―
  • 1:16 - 1:17
    その役割を担わないとなると
  • 1:17 - 1:18
    あなたの言う通りでしょう
  • 1:19 - 1:23
    私を中傷する人や
    ビジネスが優勢なままになると考える人が
  • 1:23 - 1:24
    正しいでしょう
  • 1:24 - 1:28
    (ブリン)つまり個人が企業に対して
  • 1:28 - 1:31
    対応を求めていく
    ということでしょうか
  • 1:31 - 1:34
    企業が対応しないという
    懸念はありますか?
  • 1:34 - 1:36
    (ファディ)あると思います
  • 1:36 - 1:37
    2週間前のことですが
  • 1:38 - 1:42
    Skipという小さな会社が
    UberやLyftなどの会社を追い抜き
  • 1:42 - 1:47
    サンフランシスコ市でスクーターの
    ビジネスをする許可を獲得しました
  • 1:47 - 1:49
    なぜSkipが勝ち取ったかというと
  • 1:49 - 1:52
    Skipは あちこちにスクーターが
    乗り捨てられていることに
  • 1:52 - 1:55
    うんざりしているサンフランシスコ市民の
    声に耳を傾けました
  • 1:55 - 1:58
    そして サンフランシスコ市に対して
  • 1:58 - 2:00
    「我々はスクーターを
    提供するだけでなく
  • 2:00 - 2:03
    規則に則ってサービスを管理し
  • 2:03 - 2:06
    市民の要求に対応する」と
    伝えました
  • 2:06 - 2:09
    Skipは自らの行動を
    自己統制することで
  • 2:09 - 2:12
    強力な競合他社を差し置いて
    契約を締結しました
  • 2:12 - 2:15
    (ブリン)ガイドラインや自己統制といえば
  • 2:15 - 2:19
    あなたは これまでの人生を
    インターネットに関するガイドラインや
  • 2:19 - 2:21
    規範を作るのに捧げてきました
  • 2:21 - 2:23
    そういう時代は過ぎたのでしょうか?
  • 2:23 - 2:26
    今後 人々を導き
    コントロールするのは
  • 2:26 - 2:28
    また規範を作るのは
    誰になるとお考えですか?
  • 2:28 - 2:33
    (ファディ)インターネットの
    技術面を統制する規制については
  • 2:33 - 2:36
    すでに十分整備されています
  • 2:36 - 2:39
    ここ数年 私はインターネットを
    1つのネットワークに
  • 2:39 - 2:43
    統合している部分にまつわる
    規制作りに集中していました
  • 2:44 - 2:46
    ドメイン名や
    IPアドレスに関する規制は
  • 2:46 - 2:48
    すでに制定されています
  • 2:48 - 2:52
    しかし インターネットの
    より上位のレイヤーに踏み込んで
  • 2:52 - 2:55
    私たちが日々影響を受ける事柄である
  • 2:55 - 2:58
    プライバシーや
    セキュリティーなどについては
  • 2:58 - 3:05
    規範を作るシステムは
    残念ながら まだ整っていません
  • 3:05 - 3:07
    これは問題です
  • 3:07 - 3:10
    私たちは協力と統治のシステムを
  • 3:10 - 3:13
    早急に作らなければなりません
  • 3:13 - 3:18
    そうすることで 企業や政府や市民が
    新しいデジタル社会を
  • 3:18 - 3:20
    どのように発展させるか
    合意できるでしょう
  • 3:20 - 3:24
    (ブリン)ではテック企業が
    そうする動機は何でしょうか?
  • 3:24 - 3:26
    例えば Facebook社は
  • 3:26 - 3:29
    ユーザーの利益を
    最優先していると言っていますが
  • 3:29 - 3:31
    多くの人は
    そう思っていないでしょう
  • 3:31 - 3:37
    (ファディ)市民からの反響に対する
    テック企業の反応の仕方には
  • 3:37 - 3:40
    見るに堪えないものがあります
  • 3:41 - 3:44
    2~3年前は その反響を
    退ける企業もありました
  • 3:44 - 3:50
    役員会議で何度も耳にしたのは
    「これはプラットフォームに過ぎない
  • 3:50 - 3:53
    当社のプラットフォームに影響を受け
  • 3:53 - 3:56
    パキスタンの家族が
    自分の娘を殺しても
  • 3:56 - 3:58
    それは私たちの問題ではない
    彼らの問題だ」
  • 3:58 - 4:00
    というものです
  • 4:00 - 4:03
    しかし今や そういったテック企業も
  • 4:03 - 4:08
    このままでは持続可能ではないと
    気付きはじめ
  • 4:09 - 4:11
    抵抗を目の当たりにし始めています
  • 4:11 - 4:14
    市民やユーザーからだけではなく
  • 4:14 - 4:16
    政府からも ついに
    このままではよくないと
  • 4:16 - 4:18
    言われる時代になりました
  • 4:18 - 4:24
    ですから 成熟が見られてきたと
    私は考えています
  • 4:24 - 4:26
    特にシリコンバレーの上層部でも
  • 4:26 - 4:31
    「我々には義務がある」と
    考えられるようになったのです
  • 4:31 - 4:33
    私がテック企業のリーダーに伝えるのは
  • 4:33 - 4:37
    「あなたは企業のCEOとして
    成功することもできますが
  • 4:37 - 4:39
    世話役にもなれます」と
    いうことです
  • 4:40 - 4:41
    「世話役」が鍵です
  • 4:41 - 4:44
    「何十億人もの人生や経済を
    形作るための力を
  • 4:44 - 4:49
    取り仕切る世話役にもなれるのです
  • 4:49 - 4:51
    どちらになりたいですか」
  • 4:51 - 4:54
    その答えは
    二者択一ではないのです
  • 4:55 - 4:57
    これこそが今の社会に
    足りないものです
  • 4:57 - 5:01
    Microsoft社の社長である
    ブラッド・スミスのような人が
  • 5:01 - 5:03
    数か月前に
  • 5:03 - 5:06
    「デジタル社会の安全管理のために
  • 5:06 - 5:08
    新たなジュネーブ条約の改正が
    必要だ」と述べると
  • 5:08 - 5:12
    シリコンバレーの
    多くの企業幹部は
  • 5:12 - 5:15
    彼の発言に反対の意を示しました
  • 5:15 - 5:17
    「我々は自己規制ができる
  • 5:17 - 5:20
    ジュネーブ条約なんていらない」と
  • 5:20 - 5:22
    しかし状況は変わりつつあり
  • 5:22 - 5:25
    多くのリーダーたちが
    「手を貸してくれ」と
  • 5:26 - 5:27
    助けを求めています
  • 5:27 - 5:29
    しかし ここに難問があります
  • 5:30 - 5:33
    一体誰がこれらのリーダーを
    正しく導くのか?
  • 5:33 - 5:35
    (ブリン)では実際
    誰が手を貸すのでしょう?
  • 5:35 - 5:40
    色々お話も聞きたいですが
    タイムリミットもあるので
  • 5:40 - 5:45
    デジタル社会の規制について
    あなたが一番恐れていることと
  • 5:45 - 5:47
    一番期待できるところは何ですか?
  • 5:49 - 5:56
    (ファディ)一番の期待は
    市民一人ひとりが 新しいデジタル社会を
  • 5:56 - 5:57
    取り仕切ることです
  • 5:57 - 5:59
    それに希望を持っています
  • 5:59 - 6:04
    なぜなら 我々は多くの場合 自分以外の
    人のせいにしたくなります
  • 6:04 - 6:06
    「テック企業のCEOの責任だ」
  • 6:06 - 6:08
    「政府の働きかけが足りない」
  • 6:08 - 6:10
    では自分はどうか?
  • 6:10 - 6:15
    実際にデジタル社会で
    暮らしている我々は
  • 6:15 - 6:17
    きちんと責任を
    取っているのでしょうか?
  • 6:17 - 6:21
    私は大学の学長たちに
    こう呼びかけているのです
  • 6:21 - 6:27
    これからコード書いたり
    IoTデバイスを設計したりする
  • 6:27 - 6:30
    工学やコンピューターサイエンスの
    学生全員に
  • 6:30 - 6:35
    これから設計するものに対する
    責任感と取り仕切る意志を
  • 6:35 - 6:36
    持たせることが大事だと
  • 6:36 - 6:39
    そのためにヒポクラテスの誓いのような
  • 6:39 - 6:40
    誓いを作ったらと
    提案しています
  • 6:40 - 6:43
    これから工学部に
    足を踏み入れる全ての学生が
  • 6:43 - 6:47
    技術者としてや学問への宣誓をし
  • 6:47 - 6:50
    市民へ誓いを立ててほしいのです
  • 6:50 - 6:52
    皆が立ち上がる
    それが私の希望です
  • 6:53 - 6:57
    これからもずっと政府と企業は
    この権力の奪い合いを続けますが
  • 6:57 - 6:59
    市民はどこにいるのでしょう
  • 6:59 - 7:03
    我々が自ら その舞台に
    姿を現さなければ
  • 7:03 - 7:06
    良くない結末が
    待っていると思います
  • 7:06 - 7:08
    そして一番恐れていること
  • 7:09 - 7:12
    現在駆け引きが盛んで
    私が一番恐れていることでもあり
  • 7:12 - 7:15
    夜も眠れないほどであることは
  • 7:15 - 7:20
    リベラルな西欧諸国と
  • 7:21 - 7:25
    中国の間で今起きている
    人工知能における戦いです
  • 7:25 - 7:27
    ここでは本当の戦いが起きています
  • 7:27 - 7:32
    核不拡散の時代を生きてきた我々は
  • 7:32 - 7:35
    とても危険な兵器を
    交渉の場から
  • 7:35 - 7:38
    引き上げる決断が
    なされる場面を目にしてきました
  • 7:39 - 7:42
    カーネギー国際平和財団が
    ある研究結果を発表しました
  • 7:42 - 7:45
    核兵器を作った
    全ての国家に話を聞き
  • 7:45 - 7:47
    こう問いかけました
  • 7:47 - 7:53
    「他の国家の学校や病院に対して
  • 7:53 - 7:55
    どのデジタル“兵器”を
    取り下げるか」と聞いたのです
  • 7:56 - 7:57
    そして
  • 7:57 - 8:00
    全ての核保有国の答えは
  • 8:01 - 8:03
    「なし」でした
  • 8:04 - 8:05
    それが一番怖いのです
  • 8:06 - 8:09
    デジタル社会の兵器化と
    そこにたどり着くまでの競争を
  • 8:09 - 8:11
    私は一番恐れています
  • 8:11 - 8:14
    (ブリン)まだまだ仕事が
    ありそうですね
  • 8:14 - 8:15
    私たちもそうです
  • 8:15 - 8:18
    ファディ
    今日はありがとうございました
  • 8:18 - 8:19
    (ファディ)ありがとう
  • 8:19 - 8:22
    (拍手)
Title:
インターネットで力を手に入れるために一般市民ができること
Speaker:
ファディ・チェハデとブリン・フリードマン
Description:

テクノロジー設計者のファディ・チェハデは、ドメイン名システムやIPアドレス基準などの重要な事柄を設計し、インターネットを機能させるインフラの整備に携わりました。現在は、社会がテクノロジーをどう有効に使えるかを研究しています。TED Instituteのキュレーターであるブリン・フリードマンとのテンポの良い対談で、チェハデは西洋と中国の間で進行中の人工知能をめぐる戦いや、テック企業がいかにして生活と経済を形作る力を取り仕切れるか、そして一般市民がどのようにしてインターネットにおける力を手に入れられるかについて語ります。

more » « less
Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDTalks
Duration:
08:34

Japanese subtitles

Revisions