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色分けされた手術

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    今日お話ししたいことは
  • 0:02 - 0:05
    医学における
    大きな誤解の一つについてです
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    それは 医学的な大発見が
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    続きさえすれば
    私たちの抱える問題は
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    全て解決されるという考えです
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    私達の社会は 夢みがちです
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    科学者が 独りきりで
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    ある夜遅くに
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    世界を揺るがすような発見をする
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    ジャーン! 一夜にして
    全てが変わってしまう
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    とても魅力的な想像です
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    しかし実際はそうではありません
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    現実では 現在の医学は
    団体競技なのです
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    様々な意味で
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    ずっとそうでした
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    私が実際にそれを
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    まざまざと体験したときのことを
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    お話ししましょう
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    私は外科医です
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    そして私たち外科医は常に
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    光と密接な関係がありました
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    [光あれ!]
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    切開すると患者の身体の中は
    とても暗いのです
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    何をしているかの確認に光が必要です
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    そのため 手術は伝統的に
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    朝早くに開始して
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    日光を有効活用してきたのです
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    この昔の絵を見ると
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    初期の手術室が大体
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    建物の一番上に置かれていたのが分かります
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    西洋で一番古い手術室が
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    ロンドンにあります
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    この手術室は
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    教会の一番上にあり
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    日光を取り入れるようにしています
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    そしてこれはアメリカでもっとも有名な
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    病院のひとつである
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    ボストンのマサチューセッツ総合病院です
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    手術室はどこでしょう?
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    まさにここ
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    建物の頂上にあり
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    たくさんの窓から光が入るようになっています
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    今日の手術室では
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    日光は必要なくなりました
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    日光を使う替わりに
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    手術室用に作られた
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    照明器具を使うからです
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    肉眼で見える光ではなく
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    今までは見えなかったものが
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    見えるようになる
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    違う種類の光をもたらすことができます
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    これが私の考えている光
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    蛍光の魔法です
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    少し補足させてください
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    医学部の授業では
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    画面のように図解で解剖学を学び
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    全てが色分けされていました
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    神経は黄色 動脈は赤色
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    そして静脈は青色です
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    誰でも外科医になれそうですよね
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    しかし これは首の図と同じ部位ですが
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    実際の手術で目にするとき
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    それぞれの組織を見分けるのは
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    そう簡単ではありません
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    この数日間 私たちは
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    ガンが我々の社会でまだまだ
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    緊急の問題であり
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    1分に1人がガンで亡くなる状況を
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    解消することが
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    どれほど強く求められているか
    聞いてきました
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    ガンが早期に見つかり
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    手術によって摘出できる場合なら
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    そのガン細胞に
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    どんな遺伝子やタンパク質が
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    含まれていても関係ありません
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    もうビンの中にあるのですから
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    摘出は完了し ガンが完治したのです
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    ガン切除法をお話しします
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    医者は 研修を通じ ガンの見え方
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    触感や他の組織との繋がり
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    そして あらゆる経験を元に
    最善を尽くして
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    こう言います
    「よし ガンはなくなった
  • 3:21 - 3:24
    うまくいった 摘出が終わった」
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    患者がまだ手術台に寝ている時に
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    こんな風に外科医は話します
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    実際には全て摘出したか
    まだわかりません
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    患者の手術部位に残された
  • 3:34 - 3:37
    周辺数か所から検体をとり
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    病理検査室へ送る必要があります
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    検査中 患者は手術台の上にいて
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    看護師 麻酔医 外科医 そして
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    助手は待っているのです
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    待つしかないのです
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    病理医はその検体を
  • 3:50 - 3:54
    凍らせ 切断し 一つずつ顕微鏡で確認し
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    手術室へ結果を伝えます
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    1検体につき20分かかります
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    もし3つ検体があったら
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    1時間かかるのです
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    そして病理医が言うのは
  • 4:04 - 4:06
    「実は AとBは大丈夫ですが
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    Cにはまだガンが残っているので
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    その部分を切除してください」
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    手術ではこの検査と切除を何回も続けます
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    この手順を経てはじめて こう言えます
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    「終わりました
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    全ての腫瘍は摘出されたと思います」
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    数日後に患者は帰宅しますが
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    私たち担当医に電話がかかり
  • 4:26 - 4:28
    「残念ですが
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    最終の病理検査を
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    最後の検体に行っていたところ
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    辺縁にガンがありました
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    患者にはまだガンが残っています」と
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    告げられるのは
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    度々ある話です
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    こうなると医者は 自分の患者に
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    再手術の可能性だとか
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    放射線療法や化学療法などの
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    追加の治療が必要なことを
    伝えねばならなくなります
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    ですから 外科医が手術中に
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    術野にガンが残っているかを
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    確実に分かる方が
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    良いに決まっていますよね
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    様々な意味で 私たちはいまだに
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    暗闇の中で手術しているような
    ものなのです
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    2004年 外科の研修中に
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    ロジャー・チェン先生と
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    出会う幸運に恵まれました
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    2008年にノーベル化学賞を
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    受賞した方です
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    ロジャーとそのチームは
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    ガンの発見方法を研究しており
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    とても賢い分子を
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    開発していました
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    彼らが開発した分子は
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    3つの部分からできています
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    主要な部分は青い部分 ポリカチオンで
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    体の中のどの組織にも
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    とてもくっつきやすいものです
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    この成分だけを
  • 5:45 - 5:47
    含む溶液を
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    ガン患者に投与すると
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    全てが光ってしまいます
  • 5:52 - 5:53
    特異的なものはありません
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    まったく特異性がないのです
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    そこで彼らはさらに2つ
    成分を加えました
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    1つ目は赤い部分 ポリアニオンで
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    シールの裏側のように
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    くっつかない役目を果たします
  • 6:05 - 6:07
    この2つを一緒にすると
    分子は中性になり
  • 6:07 - 6:09
    何物にも着かなくなります
  • 6:09 - 6:13
    これら2つの分子は
    特定の「分子ハサミ」でしか切れない
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    第3の物質により結び付けられます
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    分子ハサミとは
    例えば腫瘍が作り出す
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    タンパク分解酵素のようなものです
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    次のように使います
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    この3部構成の分子を含む溶液を作って
  • 6:28 - 6:30
    緑色で表されている
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    色素と一緒にガン患者の
    静脈に注射します
  • 6:32 - 6:34
    すると
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    正常な組織はハサミとはならず
  • 6:36 - 6:39
    分子は体内を素通りし
    排泄されます
  • 6:39 - 6:42
    しかし腫瘍があった場合
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    分子ハサミが存在し
  • 6:44 - 6:46
    この分子を切断可能部位で
  • 6:46 - 6:48
    切断します
  • 6:48 - 6:50
    そして こうなります
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    腫瘍は標識され
  • 6:51 - 6:54
    蛍光を発します
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    これは腫瘍が神経の周りに
  • 6:56 - 6:59
    できている例です
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    腫瘍がどこかわかりますか?
  • 7:01 - 7:03
    私が研究中には分かりませんでした
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    しかし ほら 蛍光です
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    緑色に見えます
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    そう 今なら皆さん全員が
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    ガンの位置が分かりますね
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    手術室 術野でも
    分子レベルでガンの場所や
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    外科医が摘出のために
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    どう切除すれば良いのか
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    どの程度周りを切除するのか
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    分かるのです
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    また 蛍光のすごいところは
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    明るいだけではなく
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    組織を透過して光るところです
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    蛍光が発する光は 組織を
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    通り抜けられるのです
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    なので 腫瘍が表面になかったとしても
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    見ることができるのです
  • 7:44 - 7:46
    この動画では 腫瘍が
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    緑色に光っているのが見えます
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    実は正常な筋肉が上にかぶさっています
    見えますか?
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    その筋肉をはぎ取ってみましょう
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    しかし筋肉をめくる前でも
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    腫瘍が下にあるのが見えました
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    これが腫瘍を蛍光で
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    標識することの長所なのです
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    境目が分子レベルで
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    見えるだけではなく
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    表面ではない 通常見えないところに
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    あったとしても見えるのです
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    またリンパ節転移発見にも活用できます
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    センチネルリンパ節切除は
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    乳ガンやメラノーマ(悪性黒色腫)の治療を
    大きく変えました
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    以前は腋下リンパ節を
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    全て切除するという
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    患者を弱らせてしまう手術が必要でした
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    センチネルリンパ節切除が標準的な
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    手術方法となった今 外科医は
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    リンパ節のうちで ガンの下流にある
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    最初のリンパ節だけを
    探せばよくなりました
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    もしそのリンパ節にガンがあった場合
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    その女性は腋下リンパ節の
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    廓清手術を受けるのです
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    つまり
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    リンパ節にガンが見つからなかった場合
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    その女性は不必要な
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    手術を受ける必要がないのです
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    しかし現在の手術法では
    センチネルリンパ節は
  • 9:02 - 9:05
    どこへ行くかを示す
  • 9:05 - 9:07
    地図に過ぎません
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    例えば高速道路を運転していて
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    次のガソリンスタンドを知りたければ
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    地図があれば
    道の先のガソリンスタンドがわかります
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    しかしそこにガソリンが
  • 9:15 - 9:18
    あるかどうかまではわかりません
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    切り出して 家にもって帰り
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    スライスして 中を見て
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    やっと ガソリンがあることがわかるのです
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    このやり方だと多くの時間が必要です
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    検査の間も患者はまだ手術台の上です
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    麻酔医や外科医は待っています
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    時間がかかるのです
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    私たちの技術を使えばその場でわかります
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    小さな丸いコブがたくさん見えますね
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    この中に肥大したリンパ節があります
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    他のものと比べて少しだけ大きいものです
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    風邪でも
    肥大したリンパ節は見られます
  • 9:47 - 9:49
    肥大してもガンがあるとは限らないのです
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    私たちの技術があれば
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    外科医はすぐさま
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    どこにガンがあるか見分けられます
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    深くはお話ししませんが
  • 9:58 - 10:00
    私たちの技術は
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    腫瘍や転移性リンパ節を
    蛍光で標識するだけではなく
  • 10:04 - 10:08
    同じ3部構成の分子を使って
  • 10:08 - 10:11
    ガドリニウムの標識もでき
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    非侵襲的検査に使えます
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    ガン患者に対して
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    リンパ節がガンに侵されているかを
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    手術する前に知りたいと思えば
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    MRIで見ることができます
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    手術では何を切除すべきかを
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    知るのが重要です
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    しかし同様に
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    身体機能に大切なものを
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    温存することも重要です
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    意図しない損傷を避けることが
    とても重要です
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    ここで私がお話ししているのは
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    神経のことです
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    神経は傷つけられると
  • 10:44 - 10:46
    麻痺や
  • 10:46 - 10:48
    痛みを引き起こします
  • 10:49 - 10:51
    前立腺ガンを例に取ると
  • 10:51 - 10:53
    60%の男性が
  • 10:53 - 10:55
    前立腺ガンの手術のあと
  • 10:55 - 10:57
    尿失禁と勃起不全を
  • 10:57 - 10:59
    起こす可能性があります
  • 10:59 - 11:02
    多くの人に多くの問題が
    起こってしまうのです
  • 11:02 - 11:03
    そしてこれは
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    外科医が十分に注意して
  • 11:06 - 11:09
    神経を避けるような手術
    神経温存手術をしても
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    起こるのです
  • 11:12 - 11:15
    前立腺ガンの場合には
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    これらの神経はとても細く
  • 11:17 - 11:19
    実際には見えないのです
  • 11:20 - 11:21
    血管に沿っていると知られている
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    解剖学的な経路を
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    たどっているに過ぎません
  • 11:25 - 11:29
    これは誰かが研究しているからこそ
    わかることですが
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    それは実際の場所は
  • 11:31 - 11:33
    まだ研究中ということです
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    こんな手術で大丈夫でしょうか
  • 11:37 - 11:40
    ガンの場所がわからないのに
    切除しようとしているのです
  • 11:40 - 11:43
    神経の場所がわからないのに
    温存しようとしているのです
  • 11:43 - 11:45
    お伝えしたように 蛍光によって
  • 11:45 - 11:46
    神経を可視化できれば
  • 11:46 - 11:49
    すばらしくないですか?
  • 11:50 - 11:53
    最初はあまり支持されませんでした
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    人には「長年この方法でやってきて
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    問題はないですよ
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    合併症もそれほどないし」と
    言われました
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    にもかかわらず 私は研究を進めました
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    ロジャーが助けてくれたのです
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    チーム全員を連れてきてくれました
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    ここでも団体競技の必要性がわかります
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    そしてついに神経を特異的に標識する
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    分子を見つけたのです
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    この溶液を作り
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    蛍光で標識し
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    マウスに投与したら
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    神経が文字通り光ったのです
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    どこが神経かわかります
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    これはマウスの坐骨神経です
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    大きく太い部分がよく分かるでしょう
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    しかし 私が今切開しているところには
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    とても微細な分枝がありますが
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    実際には見えません
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    小さいメデューサの
    頭のようなものが見えますね
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    顔の表情や動き 呼吸に関わる
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    それぞれの神経や
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    前立腺のあたりの排尿の神経も
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    見ることができます
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    神経一つずつを見ることができるのです
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    この2つの蛍光試薬を同時に使うと
    どうなるかお教えしましょう
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    ここに腫瘍があります
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    この腫瘍の辺縁がわかりますか?
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    これでわかりますね
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    この腫瘍に入り込んでいる
    神経はどうでしょう?
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    白い部分は見やすいですが
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    腫瘍の中に入っている部分はどうでしょう?
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    どこに入っているかわかりますか?
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    これでわかりますね
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    基本的には 私達は
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    組織を染色し
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    手術野を色分けする方法を開発したのです
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    これはちょっとした突破口です
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    手術のやり方を変えると思っています
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    私達は研究結果を
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    米国科学アカデミー紀要と
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    ネイチャー バイオテクノロジーで
    発表しました
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    ディスカバーとエコノミストでは
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    解説を頂いています
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    多くの同僚の外科医に見せたところ
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    「すごい 私の患者も
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    恩恵を受けられるだろう
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    この方法なら 私の手術は
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    より良い結果が出せて
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    合併症も少なくなる」と
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    言っていました
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    今 待ち望まれているのは
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    この技術の更なる発達と
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    通常の手術室で
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    この蛍光を見ることを
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    可能にする器機の
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    開発です
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    最終的なゴールは
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    これらを患者に適用することです
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    しかし 一回使用の
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    蛍光分子を開発する単純な
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    やり方はないと
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    わかりました
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    当然ながら医薬業界では
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    長期間 毎日服用する
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    複数回使用薬などに焦点が当てられています
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    私達はこの技術を発展させることに
    専念しています
  • 14:44 - 14:47
    また新薬の開発や 成長因子の使用
  • 14:47 - 14:49
    周囲の細胞を傷つけずに
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    問題の原因となる
  • 14:51 - 14:53
    神経を殺すことに注力しています
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    私達はこれが可能であること
    専心すべきことであると信じています
  • 14:57 - 15:00
    最後に お伝えしたいことがあります
  • 15:02 - 15:04
    革新が成功するには
  • 15:04 - 15:07
    1つの突破口だけでは成し得ません
  • 15:07 - 15:10
    短距離走ではありません
  • 15:10 - 15:13
    個人競技ではないのです
  • 15:13 - 15:16
    革新が成功するには
  • 15:16 - 15:19
    団体競技 リレー競技が必要です
  • 15:19 - 15:23
    1つのチームが突破口を開き
  • 15:23 - 15:24
    他のチームが
  • 15:24 - 15:27
    それを受け容れ 適応させるのです
  • 15:27 - 15:30
    そのためには 長期にわたって
    昼夜を分かたず
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    教育し 説得し
  • 15:32 - 15:35
    受容される たゆまぬ勇気が
  • 15:35 - 15:37
    必要なのです
  • 15:38 - 15:40
    今日の健康と医学に投じたいのは
  • 15:40 - 15:41
    この光なのです
  • 15:42 - 15:43
    どうもありがとう
  • 15:43 - 15:47
    (拍手)
Title:
色分けされた手術
Speaker:
クウェン・グエン
Description:

細胞の種類ごとに色分けされた教科書と、実際の手術は今まで全く異なるものでしたが、これからは違います。TEDMEDではクウェン・グエンが分子マーカーを使って、どこを切ればいいのかが見えるように腫瘍を緑色に光らせます。

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDTalks
Duration:
15:48
Retired user edited Japanese subtitles for Color-coded surgery
Retired user edited Japanese subtitles for Color-coded surgery
Retired user edited Japanese subtitles for Color-coded surgery
Shogo Kobayashi added a translation

Japanese subtitles

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