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ホロコースト否定説の嘘に潜むもくろみ

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    今日は皆さんに
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    嘘つきと 訴訟と
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    笑いの話をします
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    ホロコースト否定説について
    初めて聞いた時は
  • 0:12 - 0:13
    笑ってしまいました
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    ホロコーストの「否定」ですって?
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    大量虐殺事件の中でも
    世界一 記録が充実していて
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    悪名高き
    あのホロコーストを?
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    否定して
    一体誰が信じるのでしょう?
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    考えてみてください
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    もしも否定者らが正しいなら
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    誤証言していることになるのは
    誰でしょうか?
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    まず犠牲者が挙げられます
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    自らの悲痛な体験を証言した
    生存者たちです
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    他には誰がいるでしょう?
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    目撃者です
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    東部戦線の数多ある
    街や村や都市の住民が
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    目の当たりにしたのは
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    隣近所に住む人々が
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    老若男女問わず一斉に検挙され
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    街の外れまで連行された揚げ句
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    銃殺され 野ざらしにされる姿でした
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    そしてポーランド人もです
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    絶滅収容所近郊の
    町や村に住んでいた彼らが
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    毎日のように目にしたのは
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    大勢の人を詰め込んだ列車が
    収容所へと向かい
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    空っぽになって戻る光景でした
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    しかし 何よりも重大な
    誤証言は 誰のものになるでしょう?
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    加害者たちです
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    こう証言する人々です
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    「我々がやった」
    「私がやった」
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    こんな 一言が続くかもしれません
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    「やむを得なかった
    強要されたんだ」
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    それでも やはり
    「私がやった」とは言うのです
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    考えてみてください
  • 1:43 - 1:49
    第二次世界大戦終結以降の
    戦争犯罪裁判において
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    「そんな事実はない」と言う
    戦争犯罪者は どの国にもいません
  • 1:57 - 2:01
    「やらされた」とは言っても
    「なかった」とは言いません
  • 2:02 - 2:04
    その時は じっくり考えた結果
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    この件は放っておくことにしました
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    私には研究や 論文や 心配事など
    もっと大事なことがあるし と
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    気持ちを切り替えました
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    それから10年と少し経った頃
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    2人の偉い学者から―
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    ホロコースト研究で最も著名な
    歴史学者である2人ですが―
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    声をかけられました
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    「一緒にコーヒーでもどうだい?
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    君にぴったりな
    研究課題があるんだが」
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    私を見込んで わざわざ
    課題を持ってきてくれたことに
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    好奇心と自尊心をくすぐられ
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    「どんな内容ですか?」と尋ねました
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    「ホロコースト否定説だよ」
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    笑ったのは これが2度目でした
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    ホロコースト否定説?
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    地球平面説の類?
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    プレスリー生存説みたいな?
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    そんなこと言っている人たちを調べろと?
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    すると こう言われました
  • 2:53 - 2:55
    「そうとも 興味があるんだ
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    一体 何者なのか?
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    何が目的なのか?
  • 2:58 - 3:02
    どうやって人々を
    納得させているのか?」
  • 3:03 - 3:06
    そこでこう思いました
    教授たちが調べる価値があると考えるなら
  • 3:06 - 3:10
    ちょっとの間
    気晴らしにやってみよう
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    1年か2年 長くてせいぜい4年
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    学術界では
    数年は「ちょっとの間」ですから
  • 3:15 - 3:16
    (笑)
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    学者は仕事がとっても遅いのです
  • 3:18 - 3:20
    (笑)
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    よし 調べてみよう と思い
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    研究を始めました
  • 3:23 - 3:26
    その結果
    いくつかの結論を導き出しました
  • 3:26 - 3:29
    その中の2つを
    皆さんにお話しします
  • 3:29 - 3:30
    1つは
  • 3:30 - 3:35
    否定者は「羊の皮を被った狼」である
    ということです
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    本質はナチスやネオナチと同類です
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    「ネオ」を付けるかどうかは
    お任せします
  • 3:43 - 3:45
    ただ 見た限りでは
  • 3:45 - 3:50
    ナチス親衛隊のような制服を
    着ているわけでも
  • 3:50 - 3:53
    壁に「かぎ十字」があるわけでもなく
  • 3:53 - 3:55
    ナチス式敬礼「ジークハイル」を
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    やる人もいませんでした
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    代わりに出てきたのは
  • 4:00 - 4:04
    いかにも立派な学者さながらに
    振る舞う人々でした
  • 4:05 - 4:06
    彼らには何があったかというと
  • 4:06 - 4:08
    研究所を作っていました
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    その名も「歴史見直し研究所」
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    一見 それらしい
    機関誌も出していました
  • 4:15 - 4:18
    『ジャーナル・オブ・
    ヒストリカルレビュー』
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    脚注のびっしり入った論文が
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    詰まった機関誌です
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    新たな呼び名までありました
  • 4:26 - 4:29
    「ネオナチ」ではなく
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    「反ユダヤ主義者」でもありません
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    「修正主義者」です
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    口上はこうです
    「我々は修正主義者である
  • 4:35 - 4:38
    我々の目的は1つ
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    誤った歴史認識を修正することだ」
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    しかし うわべをはぎとり
    少し内側を覗くと 本性が見えます
  • 4:48 - 4:50
    何が見えたと思います?
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    当時と変わらぬヒトラー賛美に
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    第三帝国や反ユダヤ主義
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    人種主義や偏見への賞賛でした
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    関心を惹かれたのはそこでした
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    反ユダヤ主義 人種主義 偏見が
    いかにも理性的な説の姿を装っていたのです
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    もう1つ発見したことがあります
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    私たちはよく 物事には事実と見解がある
    という考え方を教えられます
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    しかし 否定者たちを研究してから
  • 5:16 - 5:17
    考え方が変わりました
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    「事実」があって
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    「見解」があり
  • 5:21 - 5:23
    そして「嘘」があるのです
  • 5:23 - 5:27
    否定者たちのもくろみはこうです
    まず 自分たちの嘘を
  • 5:28 - 5:30
    「見解」として装います
  • 5:30 - 5:32
    例えば「斬新な見解」や
  • 5:32 - 5:35
    「型破りな見解」といった調子です
  • 5:35 - 5:37
    しかしその後
    これは「見解」だから
  • 5:37 - 5:39
    議論すべきだと言ってきます
  • 5:39 - 5:42
    その後 否定者たちは
    事実を歪めます
  • 5:43 - 5:45
    私は研究内容を
  • 5:45 - 5:46
    本にして出版しました
  • 5:46 - 5:49
    『ホロコーストの真実 ―
    大量虐殺否定者たちの嘘ともくろみ』
  • 5:49 - 5:51
    この本は世界各国で出版されました
  • 5:51 - 5:54
    ここイギリスでは
    ペンギンブックスから出ました
  • 5:54 - 5:57
    出版社とのやりとりも済んで
    次に移ろうとしていた時です
  • 5:58 - 6:02
    ペンギンブックスから
    手紙が届きました
  • 6:02 - 6:06
    笑ってしまいました
    これで3度目でした
  • 6:07 - 6:09
    笑いごとではなかったのですが
  • 6:09 - 6:11
    封筒を開けると
  • 6:11 - 6:17
    デイヴィッド・アーヴィングが
    ホロコースト否定者と呼ばれたことに対し
  • 6:17 - 6:18
    イギリスの法廷で
  • 6:18 - 6:21
    私を名誉毀損で訴えようとしている
    という知らせでした
  • 6:22 - 6:24
    私を訴えると言う
    デイヴィッド・アーヴィングとは
  • 6:24 - 6:25
    何者でしょうか?
  • 6:25 - 6:28
    デイヴィッド・アーヴィングは
    歴史著述家です
  • 6:28 - 6:30
    著書のほとんどは
    第二次世界大戦についてです
  • 6:30 - 6:33
    著書のほぼ全てにおいて
    展開している主張が
  • 6:33 - 6:37
    ナチスは実はそんなに悪ではなく
  • 6:37 - 6:40
    連合国は実はそんなに善ではなかった
    というものです
  • 6:40 - 6:42
    ユダヤ人に何が起きたにしても
  • 6:42 - 6:44
    まあ自業自得だったのだという主張です
  • 6:44 - 6:46
    証拠資料があることも承知で
  • 6:46 - 6:47
    事実を知りながらも
  • 6:47 - 6:51
    どうにか歪めて
    こういった結論を出していたのです
  • 6:51 - 6:54
    昔から否定者だった訳では
    ありません
  • 6:54 - 6:55
    しかし80年代後半に
  • 6:55 - 6:58
    否定説を 非常に精力的に
    支持するようになりました
  • 7:00 - 7:02
    私が笑ってしまったのは
  • 7:02 - 7:05
    この男がホロコーストを
    否定するだけでなく
  • 7:05 - 7:07
    否定説に誇らしげだったからです
  • 7:07 - 7:09
    こんなことを言った男です
  • 7:09 - 7:13
    「私が戦艦アウシュビッツを沈める」
  • 7:13 - 7:14
    さらに
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    生存者の腕に掘られた
    数字のタトゥーを指さして
  • 7:20 - 7:21
    「その腕のタトゥーで
  • 7:21 - 7:25
    今までにいくら稼いだ?」
    と言い放った男です
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    こんなことも言った男です
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    「ケネディ上院議員の
    チャパキディック事件の犠牲者は
  • 7:32 - 7:35
    アウシュビッツの
    ガス室の犠牲者よりも多い」
  • 7:35 - 7:38
    アメリカの事件ですが
    事実か調べてみてください
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    まったく恥も外聞もなく
  • 7:42 - 7:45
    ホロスコートを否定していた男です
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    さて たくさんの学者仲間に
    こう忠告されました
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    「そんな奴 相手にするな」と
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    名誉毀損訴訟は
    無視できないと説明すると
  • 7:54 - 7:58
    「一体誰が彼を信じるというのか」
    と言われました
  • 7:58 - 8:00
    しかし問題がありました
  • 8:00 - 8:05
    イギリスの法律では
    被告つまり私の側に立証責任があるのです
  • 8:05 - 8:08
    自分が言ったことが真実だと
    証明しなくてはなりません
  • 8:08 - 8:11
    これとは対照的にアメリカや
  • 8:11 - 8:12
    その他多くの国々であれば
  • 8:12 - 8:16
    原告側である彼に立証責任があります
  • 8:16 - 8:17
    つまり こういうことです
  • 8:17 - 8:21
    私が戦わなかったとしたら
  • 8:21 - 8:23
    自動的に彼の勝訴になるのです
  • 8:24 - 8:25
    そして彼が勝訴した場合
  • 8:26 - 8:28
    こんなことを言っても
    正当な主張になってしまいます
  • 8:28 - 8:33
    「デイヴィッド・アーヴィング版
    ホロコーストは正規の見解である
  • 8:34 - 8:36
    デボラ・リップシュタットは
    私を否定者と呼び
  • 8:36 - 8:38
    これには名誉毀損が成立した
  • 8:38 - 8:42
    したがって 私デイヴィット・アーヴィングは
    ホロコースト否定者ではない」
  • 8:42 - 8:44
    アーヴィング版とはこんな内容です
  • 8:44 - 8:47
    「ユダヤ人虐殺計画は存在しなかった
  • 8:47 - 8:50
    ガス室も存在せず
  • 8:50 - 8:51
    銃による大虐殺もなかった
  • 8:51 - 8:55
    ヒトラーはこの惨劇に
    一切関連していない
  • 8:55 - 8:58
    これらは全て
    ユダヤ人のでっち上げである
  • 8:58 - 9:03
    ドイツ人から金をせしめ
    ユダヤ人国家を作るのが目的だ
  • 9:03 - 9:06
    ユダヤ人は
    連合国の支援と協力の下
  • 9:06 - 9:09
    資料や証拠を ねつ造したのだ」
  • 9:10 - 9:13
    これを黙認してしまったら
  • 9:13 - 9:17
    生存者や生存者の子供たちに
    顔向けができないと思いました
  • 9:18 - 9:20
    これを黙認してしまったら
  • 9:20 - 9:24
    歴史学者として失格だと思いました
  • 9:25 - 9:27
    というわけで 戦いました
  • 9:27 - 9:29
    映画『否定と肯定』を
    まだ観ていない人は
  • 9:29 - 9:30
    ネタバレ注意ですよ
  • 9:30 - 9:32
    私たちが勝ちました
  • 9:32 - 9:33
    (笑)
  • 9:33 - 9:36
    (拍手)
  • 9:40 - 9:44
    判決はこのような内容でした
    「デイヴィッド・アーヴィングは
  • 9:44 - 9:48
    嘘つきであり
  • 9:48 - 9:49
    人種差別主義者であり
  • 9:49 - 9:50
    反ユダヤ主義者である
  • 9:50 - 9:52
    偏向した歴史観を持ち
  • 9:52 - 9:54
    嘘を並べ 真実を歪めた
  • 9:54 - 9:57
    そして最も由々しきことに
  • 9:57 - 9:59
    これを意図的に行った」
  • 9:59 - 10:03
    私たちが示したパターンは25件以上の
    目立った実例から導き出されました
  • 10:03 - 10:05
    些細な誤りではありません
  • 10:05 - 10:07
    会場には執筆経験のある方も
    多いと思いますが
  • 10:07 - 10:11
    間違いは つきものです
    だから再版はありがたいのです
  • 10:11 - 10:12
    誤りを修正できますからね
  • 10:12 - 10:14
    (笑)
  • 10:15 - 10:18
    しかし このケースでは
    どの例も方向性は同じでした
  • 10:19 - 10:21
    ユダヤ人を非難し
  • 10:21 - 10:23
    ナチスの無実を主張するものです
  • 10:24 - 10:25
    では どうやって勝ったというと
  • 10:26 - 10:32
    アーヴィングの脚注を辿り
    情報源を突き止めたのです
  • 10:32 - 10:34
    こうして判明したのは何かというと
  • 10:34 - 10:36
    大多数の事例でも
  • 10:36 - 10:37
    圧倒的多数の事例でもなく
  • 10:37 - 10:42
    何らかの形でホロコーストに
    触れていた全ての事例において
  • 10:42 - 10:46
    証拠であるとされたものは
    歪められており
  • 10:46 - 10:48
    部分的な真実であり
  • 10:48 - 10:49
    日付は書き換えられ
  • 10:49 - 10:51
    順序は並べ替えられ
  • 10:51 - 10:53
    議事録には
    出席してもいない人物が加えられ
  • 10:53 - 10:56
    つまり 証拠など存在しなかった
    ということです
  • 10:56 - 10:58
    出された証拠では
    証明にならなかったのです
  • 10:58 - 11:01
    私たちは「何が起きたか」ではなく
  • 11:02 - 11:04
    アーヴィングが
    事実であると主張した内容も
  • 11:04 - 11:07
    ついでに 全ての否定者の主張も—
    アーヴィングが彼らを引用するか
  • 11:07 - 11:10
    逆に引用されるかのどちらかですから—
  • 11:10 - 11:11
    誤りだと証明しました
  • 11:11 - 11:12
    彼らの主張を
  • 11:12 - 11:15
    立証する証拠がなかったのです
  • 11:17 - 11:21
    さて 私の話は単なる物語に
    とどまりません
  • 11:21 - 11:25
    奇特な 6年にもわたる
    長く困難な訴訟の物語—
  • 11:25 - 11:30
    アメリカ人の大学教授が
    法廷闘争に引きずり込まれ
  • 11:30 - 11:33
    相手には「ネオナチの論客」
    という判決が下る—
  • 11:33 - 11:36
    そんな物語では終わりません
  • 11:36 - 11:38
    どんなメッセージがあるのか?
  • 11:38 - 11:41
    真実とは何かという
    話においては
  • 11:41 - 11:43
    実に重要なメッセージが
    込められています
  • 11:43 - 11:45
    なぜなら 現代では
  • 11:45 - 11:47
    皆さんご存知のように
  • 11:47 - 11:51
    真実や事実は 言わば
    「攻撃」を受けているからです
  • 11:52 - 11:55
    ソーシャルメディアが
    様々な恩恵をもたらしながらも
  • 11:55 - 11:58
    同時に 招いてしまった事態があります
  • 11:58 - 12:02
    「事実」それも客観的な
    既成事実と「嘘」との違いがなくなり
  • 12:02 - 12:04
    同列になってしまったのです
  • 12:05 - 12:06
    そして3つ目が
  • 12:07 - 12:08
    過激主義です
  • 12:09 - 12:13
    KKKの白装束という形や
  • 12:13 - 12:15
    十字架を燃やす儀式としては表れず
  • 12:15 - 12:19
    あからさまに白人至上主義者的な
    言葉さえ聞かないかもしれません
  • 12:19 - 12:24
    「オルタナ右翼」や「国民戦線」
    のように呼び名は様々ですが
  • 12:24 - 12:31
    しかし根底は いかにも理性的な説を装う
    ホロコースト否定説に見られた—
  • 12:31 - 12:33
    同じ過激思想なのです
  • 12:35 - 12:40
    今の時代 言ってみれば
    「真実」は「防御態勢」にあります
  • 12:40 - 12:43
    最近『ザ・ニューヨーカー』に載った—
  • 12:43 - 12:45
    クイズ番組を題材にした
    風刺漫画を思い出します
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    司会者が出演者の1人に言います
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    「はい あなたが正解です
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    でも対戦相手の方が
    大声で叫んだので
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    彼のポイントになります」
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    私たちには何ができるのか?
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    まず始めに
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    もっともらしい見た目に
    だまされないこと
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    その下の中身に目を向ければ
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    過激主義が隠れているのです
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    そして次に
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    「相対的な真実」など存在しないと
    理解しなくてはなりません
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    3つ目に
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    私たちは 「攻め」に回らねばなりません
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    「守り」ではいけません
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    誰かが
    荒唐無稽な主張をしてきたら
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    相手が その国で
    一番偉い立場の人だったとしても
  • 13:35 - 13:37
    世界一偉い人だったとしても
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    言わねばなりません
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    「証拠はあるのか?
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    根拠は何なのか?」
  • 13:43 - 13:45
    言質を問わねばなりません
  • 13:45 - 13:50
    彼らの嘘を 事実と同列に
    扱ってはいけません
  • 13:51 - 13:55
    先ほども言いましたが
    相対的な真実などありません
  • 13:55 - 13:58
    私たちの多くが 高等教育を受け
  • 13:58 - 14:00
    良識あるリベラルな世界で育ち
  • 14:00 - 14:03
    何にでも議論の余地があると
    教わりました
  • 14:03 - 14:05
    しかし それは間違いです
  • 14:05 - 14:09
    確実に真実であるという
    物事は存在し
  • 14:09 - 14:12
    紛れもない事実や
  • 14:12 - 14:14
    客観的真実もあります
  • 14:15 - 14:19
    何世紀も前にガリレオが
    教えてくれたことです
  • 14:19 - 14:24
    地球が太陽の周りを
    回っているという持説を
  • 14:24 - 14:27
    バチカンに無理やり撤回させられた後も
  • 14:27 - 14:28
    意見を表明しました
  • 14:28 - 14:30
    何と言ったと伝えられていますか?
  • 14:30 - 14:34
    「それでも地球は回っている」
  • 14:35 - 14:38
    地球は平らではありません
  • 14:38 - 14:40
    気候は変動しています
  • 14:41 - 14:44
    プレスリーが生きているわけありません
  • 14:44 - 14:45
    (笑)
  • 14:45 - 14:48
    (拍手)
  • 14:48 - 14:50
    最も重要なのは
  • 14:50 - 14:55
    真実と事実が「攻撃」されている
    ということです
  • 14:55 - 14:57
    私たちの目の前にある—
  • 14:57 - 14:58
    私たちに課された—
  • 14:58 - 15:00
    目前に迫る困難は
  • 15:00 - 15:01
    重大です
  • 15:02 - 15:04
    戦える期間は短いのです
  • 15:05 - 15:08
    今 行動しなければなりません
  • 15:09 - 15:12
    後からでは もう手遅れなのです
  • 15:12 - 15:14
    ありがとうございました
  • 15:14 - 15:17
    (拍手)
Title:
ホロコースト否定説の嘘に潜むもくろみ
Speaker:
デボラ・リップシュタット
Description:

「物事には真実と見解、そして嘘があります」と歴史学者のデボラ・リップシュタットは言います。ホロコースト否定者を対象とした自らの研究内容と、否定者らの歴史歪曲のもくろみを明かす、並外れた物語の中で、真実や事実を「攻撃」する人々に対して、攻めに回ろうと呼びかけます。「相対的な真実など存在しないのです」

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Video Language:
English
Team:
TED
Project:
TEDTalks
Duration:
15:30

Japanese subtitles

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