気候危機の新たな緊急性
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0:00 - 0:02(クリス・アンダーソン)アル ようこそ
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0:02 - 0:04たった半年前
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0:05 - 0:08何十年も前のように思えますが
本当に半年前のこと - 
0:09 - 0:15地球上の知識人の誰もが
気候危機を口にしていました - 
0:15 - 0:19それが最近の出来事(コロナ禍)によって
注意を逸らされてしまいましたね - 
0:19 - 0:21そのことをどれくらい心配していますか?
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0:23 - 0:26(アル・ゴア)クリス
まず この対話に招待していただき - 
0:26 - 0:27ありがとうございます
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0:27 - 0:31私達の注意を奪ってしまった
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0:31 - 0:32新しい大きな課題を前にして
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0:32 - 0:35気候危機に対する
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0:35 - 0:38人々の反応は様々です
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0:38 - 0:39それは当然です
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0:40 - 0:44その理由の一つは
あなたが触れた通りで - 
0:44 - 0:47科学者達が 私たちに向けて
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0:47 - 0:50極めて深刻な警告を発して
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0:50 - 0:52髪を振り乱して訴えるとき
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0:52 - 0:55彼らの意見を聞くべきだと
みんな理解しているからです - 
0:55 - 0:59この教訓は新たなかたちで
実感されつつあります - 
0:59 - 1:01ところで他の共通点は
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1:01 - 1:06新型コロナウイルスによる
パンデミックのように 気候危機は - 
1:07 - 1:09驚くべき不正や不平等 不均衡が
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1:09 - 1:14有色人種や貧しい人々のコミュニティに
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1:14 - 1:18影響を与えているということを
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1:18 - 1:20新たなかたちで浮き彫りにしています
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1:21 - 1:22もちろん2つに違いはあります
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1:22 - 1:27気候危機のもたらす影響は
パンデミックのように - 
1:27 - 1:30数年単位のものではなく
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1:30 - 1:34数世紀かそれ以上にわたるものです
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1:34 - 1:40もうひとつの違いは
気候危機に対処するために - 
1:40 - 1:42経済活動を抑制する代わりに
 - 
1:42 - 1:47世界中の国々が新型コロナウイルスの
対応として行ったように - 
1:47 - 1:51数千万の新しい雇用が生みだせます
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1:51 - 1:54これは政治的発言のように聞こえますが
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1:54 - 1:57本当なのです
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1:57 - 1:58過去5年にわたって
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1:58 - 2:01アメリカで最も急速に雇用が
伸びていたのはソーラーパネル設置業者で - 
2:02 - 2:06その次は風力タービン技術者でした
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2:06 - 2:11そして『Oxford Review of Economics』は
数週間前に - 
2:11 - 2:16再生エネルギーと持続可能な技術に
力を入れることで - 
2:16 - 2:20雇用率の高い経済回復を
実現できることを示しました - 
2:20 - 2:24私達は転換点を越えようと
しているのだと思います - 
2:24 - 2:27世界中の国々があげている
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2:27 - 2:30経済回復計画を見るだけでも
 - 
2:30 - 2:35皆「グリーンな経済回復」に
とても力を注いでいるのが分かります - 
2:35 - 2:38(アンダーソン)パンデミックの
明らかな影響は - 
2:38 - 2:41世界経済を急停止させ
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2:41 - 2:45温室効果ガスの排出を減らしたことですが
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2:46 - 2:48その影響はどれほどだったのでしょう
 - 
2:48 - 2:52そしてそれは間違い無く
良いニュースなのでしょうか? - 
2:53 - 2:56(ゴア)クリス それは
錯覚している部分があります - 
2:56 - 3:022008年~2009年の金融危機を
振り返れば分かることです - 
3:02 - 3:06その間二酸化炭素排出量は1%減りましたが
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3:06 - 3:082010年には
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3:08 - 3:11経済の再興とともに勢いよく戻して
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3:11 - 3:134%上昇しました
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3:13 - 3:18最新の予測では この(新型コロナ
パンデミックによる)人為的な経済休止期間中 - 
3:18 - 3:21二酸化炭素排出量は少なくとも
5%減りそうです - 
3:21 - 3:27これは経済学者ポール・クルーグマンの
鋭い指摘の通りです - 
3:27 - 3:31しかしそれが金融危機の後のように
戻ってしまうかどうかについては - 
3:31 - 3:34私達次第でもあります
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3:34 - 3:38もしグリーン・リカバリー計画が
実施されれば— - 
3:38 - 3:42多くの国々がそうする決断をしていますが
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3:42 - 3:46過去と同じ間違いを繰り返さずに済むでしょう
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3:46 - 3:49この流れが起こっている現在では
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3:49 - 3:56再生可能エネルギーや
 - 
3:56 - 3:58電気自動車 蓄電池や
 - 
3:58 - 4:01その他の持続維持可能な手段にかかる費用が
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4:01 - 4:05下がり続けていて
 - 
4:05 - 4:08どんどん競争力を増しています
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4:08 - 4:13価格の降下が
どれ程速く起こっているかというと - 
4:13 - 4:165年前 太陽光と風力による電力が
 - 
4:16 - 4:19化石燃料を使った電力よりも
安かったのは - 
4:19 - 4:21世界の1%の場所でだけでした
 - 
4:21 - 4:24今年ではそれが世界の2/3になっています
 - 
4:24 - 4:26そして今から5年後
 - 
4:26 - 4:31世界中でそうなるでしょう
 - 
4:31 - 4:35電気自動車は2年で
価格競争力を持つようになるし - 
4:35 - 4:38さらに価格は下がり続けるでしょう
 - 
4:38 - 4:41ですから色々な変化が起こっており
 - 
4:41 - 4:45それらが金融危機後のパターンとは
違ったシナリオに導くでしょう - 
4:46 - 4:50(アンダーソン)そうした価格の
違いが世界各地で生じる理由には - 
4:50 - 4:54明らかにそこで得られる
太陽光や風力の違いや - 
4:54 - 4:56建築費用の違いなどがありますね
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4:57 - 5:01(ゴア)政治的要因も多分にあるでしょう
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5:01 - 5:05世界は馬鹿げたほどの金額を
化石燃料に - 
5:05 - 5:07つぎ込んでいます
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5:07 - 5:12それはアメリカや他の先進国よりも
多くの途上国でみられますが - 
5:12 - 5:16ここアメリカでもそうです
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5:16 - 5:18しかし世界中で
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5:18 - 5:23風力と太陽光による電力は
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5:23 - 5:24数年以内に 化石燃料による
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5:24 - 5:26発電よりも安価になるでしょう
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5:27 - 5:30(アンダーソン)確か耳にした話では
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5:30 - 5:32パンデミックによって減った
二酸化炭素排出量は - 
5:32 - 5:35排出量削減目標を達成するのに
 - 
5:35 - 5:37毎年必要な減少量までは
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5:37 - 5:40達していないということでした
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5:41 - 5:43そうなのでしょうか それなら
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5:43 - 5:45目標達成は非常に難しく思えませんか?
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5:46 - 5:48(ゴア)やさしくはないと思います
数字を見てみましょう - 
5:48 - 5:521年ほど前のIPCC
(国連気候変動に関する政府間パネル)の - 
5:52 - 5:54報告書からの数字です
 - 
5:55 - 6:00地球の気温を摂氏1.5度以上
上昇させないためには - 
6:00 - 6:03どうしたら良いかという研究です
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6:03 - 6:08毎年膨大な削減量が必要です
 - 
6:08 - 6:11パンデミックで減ったほどの
量の削減が必要ですから - 
6:11 - 6:13それは非常に難しいように思えます
 - 
6:13 - 6:20しかし 劇的な変化を起こす機会は
確かにあって - 
6:20 - 6:22計画は不可解なものではないんです
 - 
6:22 - 6:28効果的なクリーンエネルギーへの移行に
最も可能性のある2つのセクターから始めます - 
6:28 - 6:31先ほど触れた 発電では
 - 
6:31 - 6:332019年
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6:33 - 6:37世界中で新たに建設された
 - 
6:37 - 6:39発電所の
 - 
6:39 - 6:4372%は太陽光と風力発電によるものでした
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6:43 - 6:48化石燃料発電所への
補助金が無くなれば - 
6:48 - 6:51より多くの発電所が
 - 
6:51 - 6:52閉鎖されていくでしょう
 - 
6:52 - 6:54新たにいくつか化石燃料発電所が
 - 
6:54 - 6:57建設されていますが
閉鎖される数の方が多いのです - 
6:57 - 6:59そして交通ということでは
 - 
6:59 - 7:022つ目のセクターが始動しています
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7:02 - 7:08先程触れた 安価になった
電気自動車に加えて - 
7:08 - 7:12世界中で45の管轄区が―
 - 
7:12 - 7:17国家や地域や市町村が―
 - 
7:17 - 7:20内燃機関を段階的に廃止する
 - 
7:20 - 7:22法律を可決しました
 - 
7:22 - 7:26インドですら これから10年以内
2030年までに - 
7:26 - 7:31国内で内燃機関を新たに売るのを
 - 
7:31 - 7:32禁止すると言っています
 - 
7:32 - 7:35その他にも色々な事例があります
 - 
7:35 - 7:39ですから 国家計画として真剣に取り組み
 - 
7:39 - 7:43世界的な削減努力によって
 - 
7:43 - 7:46達成できる削減量は
 - 
7:46 - 7:49過去の比では無いと思います
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7:50 - 7:53(アンダーソン)ここで
全体像を理解させてください - 
7:53 - 7:56パンデミックが起こる前は
 - 
7:56 - 7:59世界中で
 - 
7:59 - 8:0355ギガトンのCO2様温室効果ガスを
排出していました - 
8:03 - 8:05メタンなど
 - 
8:05 - 8:09他の温室効果ガスを含むものです
 - 
8:09 - 8:12世界中の科学者達が属する組織
 - 
8:12 - 8:15IPCCによると
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8:15 - 8:20この危機を脱する唯一の方法は
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8:20 - 8:23どんなに遅くとも2050年までに
その数字を55からゼロへと - 
8:23 - 8:26持っていくことですが
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8:26 - 8:30そうしたとしても気温はまだ
1.5度どころか2度ほど - 
8:30 - 8:35上昇する可能性があると
言っていいでしょうか? - 
8:35 - 8:38これがIPCCが推奨している
 - 
8:38 - 8:40おおよその全体像なのでしょうか?
 - 
8:41 - 8:42(ゴア)その通りです
 - 
8:42 - 8:47パリ協定で合意されたグローバルな目標は
 - 
8:47 - 8:512050年に排出量をネット・ゼロに
するというものです - 
8:51 - 8:53多くの人が付け加えるのが
 - 
8:53 - 8:58それが実は2030年までに
45〜50%の削減をしてはじめて - 
8:58 - 9:03ネット・ゼロへの道が
開かれるということです - 
9:04 - 9:06(アンダーソン)そのようなタイムラインで
 - 
9:06 - 9:0830年にわたる法案を考えるのは
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9:08 - 9:11想像さえ難しいものですね
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9:11 - 9:13簡潔に言うと
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9:13 - 9:17人類のやるべきことは
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9:17 - 9:192030年までに排出量を半減させることだと
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9:19 - 9:25つまり年間7~8%の削減ということですね
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9:25 - 9:27もし私が間違っていなければ
 - 
9:27 - 9:29(ゴア)そこまでではありませんが
 - 
9:29 - 9:31近いですね
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9:32 - 9:37(アンダーソン)それは
私達が今年体験した程度の年間削減量が - 
9:37 - 9:39必要だろうということですね
 - 
9:39 - 9:42今年は経済活動を停止してしまうことで
それが達成できました - 
9:42 - 9:45あなたはそれを今後 経済成長や
 - 
9:45 - 9:49雇用が生まれるかたちで実現することを
提唱されていますね - 
9:49 - 9:51そのことをもう少しお話しください
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9:51 - 9:54電力供給のありかたを変え
 - 
9:54 - 9:56交通のあり方を変え
 - 
9:56 - 9:58そうすれば
 - 
9:58 - 10:00どの程度 問題は解決できるのでしょう?
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10:01 - 10:03(ゴア)達成できるのは
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10:03 - 10:06先程触れた2つのセクターに加えて
 - 
10:06 - 10:11製造業そして摂氏千度の温度を必要とする
 - 
10:11 - 10:15あらゆる産業に取り組まなければなりません
 - 
10:15 - 10:17それにも解決策があります
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10:17 - 10:23そして改めて触れますが
ドイツが始めたばかりの - 
10:23 - 10:26再生農業にも取り組まなければなりません
 - 
10:27 - 10:32農業技術を変えることで
 - 
10:32 - 10:34世界中で表土に
 - 
10:35 - 10:38大量の炭素を隔離できる機会があります
 - 
10:38 - 10:41農家が主体となったムーブメントもあります
 - 
10:41 - 10:45ビルを環境に合わせてリフォームしたり
 - 
10:45 - 10:50森林や海の管理法を変える
必要もあります - 
10:50 - 10:54ですがまず2つ
簡単に触れさせてください - 
10:54 - 10:57まず高温度を利用する事例については
 - 
10:57 - 11:01メルケル独首相は10日前に
 - 
11:01 - 11:04私の友人であり素晴らしい公僕である
 - 
11:04 - 11:07ペーター・アルトマイヤー大臣の
リーダーシップの下に - 
11:07 - 11:12グリーン水素戦略に着手しました
 - 
11:12 - 11:18水素を限界費用無しの再生エネルギーで
生み出すのです - 
11:18 - 11:20それについて クリス
 - 
11:20 - 11:25風力と太陽光発電の断続性については
耳にしたことがあるでしょう - 
11:25 - 11:28太陽光は太陽が照っていない時には
発電できませんし - 
11:28 - 11:31風力は風が吹いていない時には発電できません
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11:31 - 11:34しかし蓄電池の性能は上がってきており
 - 
11:34 - 11:38技術はより効率的で
強力になっています - 
11:38 - 11:42その結果 1日の中で
発電できる時間は長くなり - 
11:42 - 11:47その時間で発電できる量は
使い切れないほど多くなっています - 
11:47 - 11:48それをどう使えばいいのか?
 - 
11:48 - 11:53次の1時間分の発電では
限界費用はゼロになります - 
11:53 - 11:54すると突然
 - 
11:54 - 11:59水素を水から取り出す
エネルギーを必要とするプロセスの - 
11:59 - 12:01経済効率性が増し
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12:02 - 12:07石炭やガスに代わるようになります
 - 
12:07 - 12:09既に実現もしています
 - 
12:09 - 12:13あるスウェーデンの会社が
グリーン水素によって鋼を作っており - 
12:13 - 12:18ドイツはグリーン水素実施のための
大きなイニシアチブを始めたばかりです - 
12:18 - 12:22それらは世界が進むべき
道を示していると思います - 
12:22 - 12:25建築物の改良について
少し触れたいのですが - 
12:25 - 12:30世界とアメリカにおける
地球温暖化汚染の - 
12:30 - 12:32およそ20~25%は
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12:32 - 12:35エネルギー効率の悪い
建築物から発生しています - 
12:35 - 12:40こういった建物は
市場で競争力のある価格を維持し - 
12:40 - 12:42できるだけマージンを取ろうとして
 - 
12:42 - 12:45断熱材や窓やLED照明などを設置しない
 - 
12:45 - 12:51会社や個人によって建てられたものです
 - 
12:51 - 12:55しかしその建物を買ったりリースしたりする
 - 
12:55 - 12:56会社や個人は
 - 
12:56 - 12:59月々の光熱費をより低く
抑えたいと思うのです - 
12:59 - 13:01今では このような
 - 
13:01 - 13:04プリンシパル=エージェント間の
利益の乖離問題 つまり - 
13:04 - 13:08建築会社と居住者のインセンティブの違いを
解決する方法がいくつかあり - 
13:08 - 13:133~5年で費用が回収できる
ビルディングリフォームの - 
13:13 - 13:15プログラムがあります
 - 
13:15 - 13:18そこに数千万の労働力を
投入できるかもしれませんが - 
13:18 - 13:21建物はどのコミュニティにもあるため
そうした仕事は - 
13:21 - 13:25必然的に外注できません
 - 
13:25 - 13:28私達はこれに真剣に
取り組まなくてはなりません - 
13:28 - 13:31このパンデミック後に持続維持可能な
 - 
13:31 - 13:35繁栄を実現するために
こうした雇用が必要なのですから - 
13:37 - 13:39(アンダーソン)水素経済に立ち戻ると
 - 
13:39 - 13:41先程お話しされたようなことを
 - 
13:41 - 13:42人々が聞くと
 - 
13:42 - 13:45「水素自動車だって?でも
 - 
13:46 - 13:49うまく行かないアイデアだと聞いたぞ」
と思うでしょう - 
13:49 - 13:51でも水素エネルギーを
それよりも広い視野で考えていますね - 
13:51 - 13:56水素は 再生エネルギーの
バッファのような働きをする - 
13:56 - 13:59貯蔵の仕組みになるだけでなく
 - 
13:59 - 14:01もっと安価な水素エネルギーがあれば
 - 
14:01 - 14:07現在二酸化炭素を多く排出している
 - 
14:07 - 14:11鋼やセメントの生産などに
 - 
14:11 - 14:15欠かせないものとして活用できるはずだと
 - 
14:15 - 14:16そういうことですか?
 - 
14:16 - 14:21(ゴア)ええ 私はずっと
水素エネルギーに懐疑的でした - 
14:21 - 14:25主に水素を「水から取り出す」費用が
 - 
14:25 - 14:28とても高額だったからです
 - 
14:28 - 14:30ですがゲームチェンジャーとなったのは
 - 
14:30 - 14:36太陽光と風力による発電が
 - 
14:36 - 14:40人々の予測を超える
驚くほど大量の電力を供給し - 
14:40 - 14:43突然 電力を大量に必要とする
 - 
14:43 - 14:46グリーン水素生産に使えるほど
 - 
14:46 - 14:48安くなったことです
 - 
14:48 - 14:52私はまだ水素エネルギーを自動車に
利用できるか少し疑っています - 
14:52 - 14:58トヨタは25年間研究していますが
何も実現していません - 
14:58 - 15:00絶対に無理だとは言いません
 - 
15:00 - 15:05水素エネルギーはこうした高温工業プロセスに
最も適していると思いますし - 
15:05 - 15:11既に電力で交通を脱炭素していく
 - 
15:11 - 15:12道筋は立っていて
 - 
15:12 - 15:14それは素晴らしくうまくいっています
 - 
15:14 - 15:20テスラはもうすぐ世界で 時価総額が最も高い
自動車企業になるでしょう - 
15:20 - 15:21アメリカでは既にそうです
 - 
15:21 - 15:24もうすぐトヨタを追い抜きます
 - 
15:24 - 15:31テスラが立ち上げた
セミトラックの企業と - 
15:31 - 15:36他に 電気とグリーン水素の
ハイブリッド車の企業も立ち上がる予定です - 
15:36 - 15:40水素エネルギーを実用化できるのか
もうすぐ分かるでしょう - 
15:40 - 15:44ですが私は車やトラックには
電力が好ましいと考えています - 
15:45 - 15:47(アンダーソン)視聴者からの
質問に移る前に - 
15:47 - 15:50伺いたいのは 原子力についてです
 - 
15:50 - 15:53環境保護主義者の中には原子力が
 - 
15:53 - 15:56もしくは次世代の原子力発電が
 - 
15:56 - 15:59クリーンな未来 クリーンな
エネルギーの未来のために - 
15:59 - 16:04必須だと考えている人達がいます
 - 
16:04 - 16:08あなたはまだ原子力について
懐疑的なのでしょうか? - 
16:08 - 16:12(ゴア)クリス 市場が懐疑的なんですよ
 - 
16:12 - 16:17原子力に頼れないということについて
私達は非常にがっかりしています - 
16:17 - 16:20原子力エネルギーが始まった頃
私はオークリッジ国立研究所を - 
16:20 - 16:22代表していましたし
若き議員だった頃 - 
16:22 - 16:24私が火付け役でした
 - 
16:24 - 16:26とても情熱を持って支持していました
 - 
16:26 - 16:28でもコスト超過や
 - 
16:28 - 16:32発電所建設にまつわる課題が
 - 
16:32 - 16:35決定的になり
 - 
16:35 - 16:39電力会社はもう興味を失ってしまったのです
 - 
16:39 - 16:43原子力は最も高額な電力源に
なってしまいました - 
16:43 - 16:49ここで付け加えておきたいのですが
いくつかの古い原子炉は - 
16:49 - 16:55まだまだ使用可能なものがあります
 - 
16:55 - 16:57多くの環境保護主義者達のように
 - 
16:57 - 17:03私も 安全が担保されれば
 - 
17:03 - 17:09暫くの間は稼働が許されるべきだと
考えるようになりました - 
17:09 - 17:12しかし新しい原子力発電所建設に関しては
 - 
17:12 - 17:14こう考えるべきだと思います
 - 
17:14 - 17:16もしあなたが社長で
 - 
17:16 - 17:20―あなたは実際にそうなのですが
 - 
17:20 - 17:24電力会社の社長だとして
 - 
17:24 - 17:25経営陣にこう言うとします
 - 
17:25 - 17:28「新しい原子力発電所を作りたい」
 - 
17:28 - 17:32まず答えるべき2つの質問の1つは
 - 
17:32 - 17:34費用が幾ら掛かるかですが
 - 
17:34 - 17:37私が世界中で見つけてきた
 - 
17:37 - 17:40技術コンサルティング会社の中で
 - 
17:40 - 17:43費用見積書に
サインしようとする会社は - 
17:43 - 17:45一社もありませんでした
 - 
17:45 - 17:47幾ら掛かるか分からないからです
 - 
17:47 - 17:492つめは
 - 
17:49 - 17:53発電所が電力を売れるようになるまで
どれくらいの期間がかかるかですが - 
17:53 - 17:55ここでも答えは同じで
 - 
17:55 - 17:57「分からない」のです
 - 
17:57 - 17:59ですから もし 幾ら費用が掛かるか
 - 
18:00 - 18:02いつまでに出来上がるかが分からず
 - 
18:02 - 18:06その電力が他の発電方法よりも
 - 
18:06 - 18:09高額になることがわかっていると
 - 
18:09 - 18:11やる気は削がれます
 - 
18:11 - 18:14それが世界中の電力会社での実情なんです
 - 
18:16 - 18:17(アンダーソン)なるほど
 - 
18:17 - 18:20興味深い議論ですね
 - 
18:20 - 18:22ここでコミュニティからの
質問を見てみましょう - 
18:22 - 18:251つめを見せて下さい
 - 
18:26 - 18:29プロサンタ・チャクラバーティからです
 - 
18:29 - 18:31「コロナウイルスや気候変動に懐疑的な人々は
 - 
18:31 - 18:34科学一般に対して懐疑的なようです
 - 
18:34 - 18:36科学者たちからの共同のメッセージも
 - 
18:36 - 18:37薄められ 捻じ曲げられるようです
 - 
18:37 - 18:39それをどう正せるでしょう?」
 - 
18:40 - 18:44(ゴア)プロサンタ 良い質問です
 - 
18:45 - 18:50簡潔に答えようと思います
 - 
18:50 - 18:52アメリカでは
 - 
18:52 - 18:57専門家達に失望させられてきたという
 - 
18:57 - 19:01思いがありますが
 - 
19:01 - 19:08その感情は他の国々よりも
特に強いのです - 
19:08 - 19:15アメリカでは ここ数十年で
いわゆる「専門家」の意見は - 
19:15 - 19:19政治システムに組み込まれた
巨大資本による - 
19:19 - 19:25不健全な支配のせいで
力を失っています - 
19:25 - 19:31そしてこの支配は エリート達に
利益をもたらすため経済政策を - 
19:31 - 19:34歪めるまでになっています
 - 
19:34 - 19:35これは少々激しい意見のように
 - 
19:35 - 19:38思えるかもしれませんが
実際に起った事です - 
19:38 - 19:4240年以上 中所得層の所得は
 - 
19:42 - 19:46ほとんど上昇しませんでした
 - 
19:46 - 19:51アフリカ系アメリカ人達や
他の有色人種のコミュニティが - 
19:51 - 19:54経験した不公正について言うと
 - 
19:54 - 19:59アフリカ系アメリカ人達と
大部分のアメリカ人達との間の賃金格差は - 
19:59 - 20:021968年と同じレベルです
 - 
20:02 - 20:05家庭の貯蓄や
 - 
20:05 - 20:06純資産についても―
 - 
20:06 - 20:11「典型的な」白人家庭1軒の純資産は
 - 
20:11 - 20:17「典型的な」アフリカ系アメリカ人家庭
11.5軒分に相当します - 
20:17 - 20:21トップ1%あるいは0.1%の収入が
 - 
20:21 - 20:24上昇し続けるのを見ると
 - 
20:24 - 20:26人々はこう思います
「ちょっと待った - 
20:26 - 20:30政策立案している専門家達は
 - 
20:30 - 20:34私のためになることを
きちんとしていない」 - 
20:34 - 20:36最後に クリス
 - 
20:36 - 20:39これまでに反理性的な傾向により
 - 
20:39 - 20:42真実が脅かされてきました
 - 
20:42 - 20:46何十年も前に
 - 
20:46 - 20:51俳優に白衣を着せて医者のふりをさせ
人々に タバコを吸っても - 
20:51 - 20:56何の健康被害も起こさないという
偽の情報を流した - 
20:56 - 21:00タバコ産業によって用いられたものと
同じ戦略が用いられています - 
21:00 - 21:03その結果として1億人が亡くなりましたが
 - 
21:03 - 21:09それと同じように真実を
軽んじる戦略が用いられています - 
21:09 - 21:13ある人が言ったように
知識の権威を軽んじ - 
21:13 - 21:18不都合な真実が
否定されるようになっています - 
21:18 - 21:22ありきたりな言い方で恐縮ですが
 - 
21:22 - 21:24この言葉がしっくりきます
 - 
21:24 - 21:31慎重に検証された
最善のエビデンスを重んじる態度を - 
21:31 - 21:34放棄すべきではないですし
 - 
21:34 - 21:36それを最良の政策立案に
 - 
21:36 - 21:40活用していくべきです
 - 
21:40 - 21:43(アンダーソン)アル
パンデミックが起こった結果 - 
21:43 - 21:46多くの人々が科学者の意見に
 - 
21:46 - 21:49改めて耳を傾け始めていると
いうことはありませんか? - 
21:49 - 21:52この数ヶ月 こんなことを考える
機会があったでしょう - 
21:52 - 21:56「自分はウイルスについて
 - 
21:56 - 21:57政治家の言葉と科学者の言葉の
 - 
21:57 - 22:00どちらを信じるだろうか?」と
 - 
22:00 - 22:03この教訓は将来にも当てはまるのでは?
 - 
22:04 - 22:07(ゴア)もし世論調査が正確なら
 - 
22:07 - 22:13人々は パンデミックが存在しないように
振る舞うことに利益がある政治家達よりも - 
22:13 - 22:19医師の言うことを
信じていますよ - 
22:19 - 22:22そしてタルサであった
トランプ大統領の集会の - 
22:22 - 22:26驚くべき空席状況を見ると―
 - 
22:26 - 22:33消防署長の話によると
収容人数19,000人のスタジアムの - 
22:33 - 22:343分の1も埋まりませんでした
 - 
22:35 - 22:38あなたもニュースで空っぽの座席を
見たことでしょう - 
22:38 - 22:43つまり 熱心なトランプ信者でさえも
 - 
22:43 - 22:48ドクター・トランプよりも
 - 
22:48 - 22:52本物の医師のアドバイスを
信じ始めたのでしょう - 
22:53 - 22:56(アンダーソン)ひょっとしたら
TikTok世代の助けがあったかも - 
22:56 - 22:59(ゴア)でも実際には
参加者数には影響しなかったんです - 
22:59 - 23:03彼らのやり方は賢かったし
私も称賛していて - 
23:03 - 23:09結果的にトランプ政権の
参加者数の予想に影響を及ぼしました - 
23:09 - 23:14彼らのお陰でトランプ大統領は
数日前に - 
23:14 - 23:16「百万人が申し込んだ」と発言しました
 - 
23:16 - 23:18でも彼らは―
 - 
23:18 - 23:22参加しようとした人の席を
とった訳ではありません - 
23:22 - 23:25TikTokは参加者数ではなく
期待数に影響を与えただけです - 
23:25 - 23:28(アンダーソン)次の質問です
 - 
23:31 - 23:34「公共交通の利用を恐れて
 - 
23:34 - 23:37世界中で個人所有の車の利用が
急増するのを懸念されませんか?」 - 
23:39 - 23:46(ゴア)それはあり得ますね
 - 
23:46 - 23:49公共交通網のトレンドは
 - 
23:49 - 23:53UberやLyftなどの
ライドシェアサービスによって - 
23:53 - 23:58既に良くない方向へ向かっていました
 - 
23:58 - 24:04そして もし自主性に任せることが
支持者達の望む目標を達成したら - 
24:04 - 24:08それもまた影響してくるでしょう
 - 
24:08 - 24:12間違い無く
 - 
24:12 - 24:18中にはこのパンデミックの
脅威が完全に去るまで - 
24:18 - 24:20公共交通機関の
 - 
24:20 - 24:27利用を控える人がいるかもしれません
 - 
24:27 - 24:30(アンダーソン)それにも
ワクチンが必要ですね - 
24:30 - 24:32(ゴア)(笑)ええ
 - 
24:32 - 24:33(アンダーソン)次です
 - 
24:36 - 24:39ソナー・ルスラ ロサンゼルスより質問です
 - 
24:39 - 24:42「先週のような北極の気温上昇からすると
 - 
24:42 - 24:44永久凍土や森林のような
二酸化炭素吸収源が - 
24:44 - 24:45消失する速度が
 - 
24:45 - 24:47予測よりも速くなっているようです
 - 
24:47 - 24:51予測モデルは人為的排出量に
とらわれすぎでしょうか?」 - 
24:51 - 24:52興味深い質問です
 - 
24:52 - 24:57(ゴア)予測モデルは北極圏の
 - 
24:57 - 25:01驚くべき急激な気温上昇をもたらした
 - 
25:01 - 25:03要因を考慮に入れていました
 - 
25:03 - 25:06それらは予測されていたものです
 - 
25:06 - 25:09その一因としては
 - 
25:09 - 25:12雪や氷の層が溶けてしまうと
 - 
25:13 - 25:17太陽光の90%を
宇宙空間へ反射するものが - 
25:17 - 25:20無くなってしまい
 - 
25:20 - 25:24代わりに 色が暗いツンドラや海洋に
太陽光の90%が - 
25:24 - 25:26吸収されることが挙げられます
 - 
25:26 - 25:32それが北極で温暖化が加速する原因です
 - 
25:32 - 25:34これは予測されていました
 - 
25:34 - 25:38予測モデルにはその他
色々な影響が含まれていますが - 
25:38 - 25:42そのいくつかは較正し直すべきでしょう
 - 
25:42 - 25:45科学者たちが新たに懸念しているのは
 - 
25:45 - 25:51ツンドラが解けることで
 - 
25:51 - 25:53二酸化炭素とメタン排出が
 - 
25:53 - 25:58予想より多くなる可能性があることです
 - 
25:58 - 26:02最新の研究もありますが
 - 
26:02 - 26:04これにはあまり触れないでおきます
 - 
26:04 - 26:08「気候感度」という難解な言葉が
出てきますから - 
26:08 - 26:13これはモデルの中でも
確定するのが難しい要素のため - 
26:13 - 26:15誤差の幅が大きくなります
 - 
26:15 - 26:19最新の科学的証拠が指し示しているのは
 - 
26:19 - 26:22気候感度は予想していたよりも大きく
 - 
26:22 - 26:26気候変動への対処はもっと
大変なタスクとなるだろうということです - 
26:26 - 26:28しかしやる気を
くじかれるべきではありません - 
26:28 - 26:32一旦 転換点を過ぎれば —
 - 
26:32 - 26:34今 過ぎつつあると信じていますが
 - 
26:34 - 26:35私が言ったように
 - 
26:35 - 26:38排出量削減をスピードアップする
 - 
26:38 - 26:41多くの方法を見つけられると思います
 - 
26:42 - 26:45(アンダーソン)もう1つ質問を紹介します
 - 
26:47 - 26:50「地球工学は驚くべき発展を遂げています
 - 
26:50 - 26:55エクソン社は期待の持てる
グローバル・サーモスタット社の技術に - 
26:55 - 26:57投資しています
 - 
26:57 - 27:01そうした空気・水による
二酸化炭素回収技術をどう思いますか? - 
27:01 - 27:03スティーブン・ペトラネク」
 - 
27:03 - 27:07(ゴア)クリス この話を
したことがありましたね - 
27:07 - 27:11私は大変な結果をもたらしかねない
 - 
27:11 - 27:18無計画な世界規模の
実験をすることに対して - 
27:18 - 27:22強く反対してきました
 - 
27:22 - 27:26多くの人々はそのアプローチに
恐れを抱いています - 
27:26 - 27:32しかし 「地球工学」という用語は
様々な物事を指す微妙な言葉です - 
27:32 - 27:38もし 街並みがより多くの
エネルギーを反射するように - 
27:38 - 27:42屋根を白く塗るとすれば
 - 
27:42 - 27:46それは副次的作用を
引き起こす危険はありません - 
27:46 - 27:48その他の問題のないことも含めて
 - 
27:48 - 27:52漠然と「地球工学」と呼ばれているんです
 - 
27:52 - 27:57しかし 太陽光を遮断してしまう
というアイデアは - 
27:57 - 27:59私から見ると狂気の沙汰です
 - 
27:59 - 28:03植物は光合成のための太陽光が必要です
 - 
28:03 - 28:05ソーラーパネルも発電するために
 - 
28:05 - 28:11太陽光を必要とします
 - 
28:11 - 28:16ありとあらゆるものを変えた結果
 - 
28:16 - 28:23すでに進行中の地球温暖化という
計画のない実験を - 
28:23 - 28:28打ち消すことができるかのように
思い込むのは - 
28:28 - 28:31誤った考え方です
 - 
28:31 - 28:33誤りのひとつは
「解決法は一つだけ」というバイアスで - 
28:33 - 28:37ある人々はただこう言いたいだけの
欲求に駆られています - 
28:37 - 28:40「あのたった一つの解決策が
それだけが必要なんだ - 
28:40 - 28:42結果なんか知ったこっちゃない」と
 - 
28:42 - 28:44クレイジーです
 - 
28:44 - 28:46(アンダーソン)少し反論させてください
 - 
28:46 - 28:49解決策は1つだけで
オール・オア・ナッシングという - 
28:49 - 28:54地球工学的アプローチは
クレイジーだとしましょう - 
28:54 - 28:59しかし世界的な二酸化炭素排出の状況を見ると
 - 
28:59 - 29:01例えば10年後に
 - 
29:01 - 29:04排出量削減のペースが遅れて
 - 
29:04 - 29:08電車に乗り遅れるように
手遅れになる状況が - 
29:08 - 29:11いくつか起こってしまうという
シナリオが考えられています - 
29:11 - 29:16そして気温は3、4、5、6、7度と
上昇していき - 
29:16 - 29:19あらゆる文明が危機に晒されるだろうと
 - 
29:20 - 29:23確かに 地球工学のアプローチは
 - 
29:24 - 29:27医学のアプローチを
参考にできると思います - 
29:27 - 29:31何百年も私達は人体を理解していませんでした
 - 
29:31 - 29:33色々な治療を試してみて
 - 
29:33 - 29:38いくつかは効果があり
またいくつかは効果がありませんでした - 
29:38 - 29:41医療従事者の中に
 - 
29:41 - 29:45「患者の生命に関わる決断に
オール・オア・ナッシングでいこう」などと - 
29:45 - 29:47言う人はいません
 - 
29:47 - 29:49「いくつか試そう」と言うに違いありません
 - 
29:49 - 29:51もし実験が可逆的なものであれば
 - 
29:51 - 29:53そもそも可能なものであれば
 - 
29:53 - 29:56効果があると思えるものであれば
 - 
29:56 - 30:01人類の未来の健康のために
 - 
30:01 - 30:05何が可能なのか 何らかの
実験をしてみる責任があると思います - 
30:05 - 30:09例えば 海に何かを撒いて
 - 
30:09 - 30:11環境に大きな負荷がかからない
 - 
30:11 - 30:15二酸化炭素吸収源が
作れないかどうか - 
30:15 - 30:17実験してみるのです
 - 
30:17 - 30:21あるいは 大気を二酸化硫黄で
満たしたりする前に - 
30:22 - 30:26もっと規模の小さい実験によって
 - 
30:26 - 30:30コスト効率良く気温を
下げられるかどうかを測ってみるなど - 
30:30 - 30:32もちろん それなら
全くおかしな話ではありませんし - 
30:32 - 30:35もし他の方法が効果が無いとなれば
 - 
30:35 - 30:37考えておくべきものなのではないでしょうか?
 - 
30:38 - 30:42(ゴア)海に何かを撒くことで
 - 
30:42 - 30:43二酸化炭素吸収率が
 - 
30:43 - 30:48上がるかどうかという実験は
既に行われました - 
30:48 - 30:52そうした実験は完全な失敗に終わりました
 - 
30:52 - 30:55予想されていた通りです
 - 
30:55 - 30:59しかしこれは
 - 
30:59 - 31:00例えば
 - 
31:00 - 31:04アルミ泊を地球の周りを回る大気に
飛ばすような実験とは全く違います - 
31:05 - 31:10これは太陽光地球工学の始まりでした
 - 
31:10 - 31:14彼らは今や 石灰の粉末を
使うことを考えています - 
31:14 - 31:18至る所 石灰の粉をかぶることになります
 - 
31:18 - 31:24これの重要な点はそれが不可逆的な
影響を生むかも知れないということです - 
31:24 - 31:27(アンダーソン)でもアル
それは大げさです - 
31:27 - 31:30気温を1度か2度下げるのに必要な
 - 
31:30 - 31:33石灰粉の量は
 - 
31:33 - 31:36地球上を覆ってしまうような
量ではないでしょう - 
31:36 - 31:38すごく少量で
 - 
31:38 - 31:43人々が毎日さらされているチリよりも
もっと少ない量のはずです - 
31:43 - 31:45つまり―
 - 
31:46 - 31:51(ゴア)まず どうやって小さな実験を
大気で「試して」みることができるのか - 
31:51 - 31:52わかりません
 - 
31:52 - 31:54次に
 - 
31:54 - 31:58そのアプローチを取るとすれば
 - 
31:58 - 32:02使うと決まった物質の量を
 - 
32:02 - 32:04段々と増やしていかなければ
ならなくなるでしょう - 
32:04 - 32:07毎年その量を増やしていって
 - 
32:07 - 32:09それを止めた時
 - 
32:09 - 32:15突然元に戻ってしまうでしょう
 - 
32:15 - 32:20まるで『ドリアン・グレイの肖像』で
 - 
32:20 - 32:25主人公が突然老いてしまったようにね
 - 
32:25 - 32:29誰かがこんなアプローチを
考えているということ自体が - 
32:29 - 32:34人々が追い詰められていると
感じ始めていることを - 
32:34 - 32:38示しているのだと思います
 - 
32:38 - 32:40それは理解できます
 - 
32:40 - 32:47しかし それによって 安全への思慮を欠く
実験へと突き進むべきではありません - 
32:47 - 32:51そして実験的がん治療の例えで言うならば
 - 
32:52 - 32:53例えば
 - 
32:53 - 32:56患者はインフォームド・コンセントに
同意するものですが - 
32:56 - 33:00声無き78億人の人々から
 - 
33:00 - 33:02インフォームド・コンセントを得るのは
難しいでしょう - 
33:02 - 33:07誰かが思いついた無謀な計画で
 - 
33:07 - 33:12彼らは恐ろしい結末を迎えるかも
知れないのです - 
33:12 - 33:16その計画は 地球全体の
大気の組成を変えることで - 
33:16 - 33:19人類が毎日1億5千2百万トンの
 - 
33:19 - 33:24気候温暖化物質を
放出しているという事実を - 
33:24 - 33:27打ち消せるという希望的観測に
 - 
33:27 - 33:29基づいているのですから
 - 
33:29 - 33:32それは狂気の沙汰です
 - 
33:32 - 33:3410年ほど前に ある科学者が
 - 
33:34 - 33:36このような例え話をしました
 - 
33:36 - 33:39沈みかけた船に2人が乗っていて
 - 
33:39 - 33:421人がこう言いました
 - 
33:42 - 33:47「鏡を使って岸に合図を送り
 - 
33:47 - 33:48波を起こす精巧な機械を
 - 
33:48 - 33:51作ってもらえばいいかも知れない
 - 
33:51 - 33:55その機械で 船の後ろにいる人々が
船体を揺らすのを - 
33:55 - 33:57打ち消すのだ」
 - 
33:57 - 33:59一方 揺らすのをやめさせてもいいわけです
 - 
33:59 - 34:04それが私達がすべきことです
危機の原因を止めれば良いのです - 
34:04 - 34:06(アンダーソン)良い例え話ですね
 - 
34:06 - 34:10でも もし船を揺らす人々を止める労力が
 - 
34:10 - 34:14あなたが説明してくれた
科学的な提案と同じくらい複雑で - 
34:14 - 34:17波で打ち消す試みが
 - 
34:17 - 34:20船を揺らすのを止めるように人々に
言うくらい単純なものだとしたら - 
34:20 - 34:22話は違ってきます
 - 
34:22 - 34:26あなたが仰った
インフォームド・コンセントの例えは - 
34:26 - 34:28本当に難しい話ですが
 - 
34:28 - 34:30現在私達が大気に対して
行っていることに - 
34:30 - 34:34インフォームド・コンセントを
求めた人はいません - 
34:34 - 34:38確かにモラルハザード問題は
 - 
34:38 - 34:39憂慮すべきものです
 - 
34:39 - 34:44もし私達が地球工学に頼ってしまい
 - 
34:44 - 34:47その他の努力を止めてしまったら
 - 
34:47 - 34:48それは困った事態になります
 - 
34:48 - 34:49たぶん
 - 
34:49 - 34:52もっと細かな議論ができると良いと思います
 - 
34:52 - 34:53例えば
 - 
34:54 - 34:56とても複雑な問題に対して
いくつかのアイデアがあって - 
34:56 - 34:59それらを細心の注意を払いながら
調整していくような - 
34:59 - 35:02互いに密に連携を取りながら―
 - 
35:02 - 35:04地球工学全てがダメだと
 - 
35:04 - 35:06言ってしまう前に
 - 
35:06 - 35:09もっと詳しく議論してみようというのが
 - 
35:09 - 35:10ここでの目標なのでは?
 - 
35:11 - 35:14(ゴア)私もいくつか
 - 
35:14 - 35:17穏やかなやり方について
語ったことがあります - 
35:17 - 35:19それらを除外してはいません
 - 
35:19 - 35:23しかし地球に射す太陽光を遮ってしまうと
 - 
35:23 - 35:2978億人に影響を与えるだけでなく
 - 
35:29 - 35:31植物や
 - 
35:31 - 35:32動物
 - 
35:32 - 35:34海流
 - 
35:34 - 35:36風の流れ
 - 
35:36 - 35:39そして私達が既に乱している
 - 
35:39 - 35:45自然のプロセスに
もっと影響を与えることになります - 
35:45 - 35:52かつて私が信じていたテクノ・オプティミズム
(技術で全てが解決できる期待)とは - 
35:52 - 35:59真新しい技術的な解決を手に入れて
 - 
35:59 - 36:03地球の自然環境全体を
作り直すということでした - 
36:03 - 36:06大気を 人間が排出した
熱を吸収する気体を処理する - 
36:06 - 36:10下水管のように使っても
影響を打ち消せるように - 
36:10 - 36:14環境を変えられるほど
 - 
36:14 - 36:17自分は賢いと思っている人がいるのです
 - 
36:17 - 36:21大気を下水管のように使うのを
止める方がもっと重要なのですよ - 
36:21 - 36:23そこが問題なんです
 - 
36:23 - 36:26(アンダーソン)それが最も重要な点だ
ということは同意します - 
36:26 - 36:28それを言うと
 - 
36:28 - 36:31カーボン・プライシング
(炭素価格付け)は必要でしょうか - 
36:31 - 36:34また そうなる見込みは?
 - 
36:35 - 36:40(ゴア)両方の質問にイエスです
 - 
36:40 - 36:43何十年も ほぼ全ての経済学者が
 - 
36:43 - 36:46気候危機について聞かれると
 - 
36:46 - 36:48「二酸化炭素に価格を付ければ良い」
と言っています - 
36:48 - 36:53私ももちろん賛成です
 - 
36:53 - 36:54しかしこの実現は大変です
 - 
36:54 - 36:59それにもかかわらず世界中43の国々で
 - 
36:59 - 37:03すでに炭素に価格を設定しています
 - 
37:03 - 37:04ヨーロッパでは
 - 
37:04 - 37:08ついにカーボン・プライシングの
仕組みを機能させました - 
37:08 - 37:11これは排出量取引制度です
 - 
37:11 - 37:14二酸化炭素に課税した地域もあります
 - 
37:14 - 37:18それは経済学者達が好むやり方です
 - 
37:18 - 37:22中国は国家排出量取引制度を
実施しようとしています - 
37:22 - 37:27アメリカでもカリフォルニアなどの州が
同じく行っています - 
37:27 - 37:33レベニュー・ニュートラル(増減税同額)な
方法で人々に還元されることができます - 
37:33 - 37:37ですが ご承知の通り
反対意見があまりに多いため - 
37:37 - 37:42他のアプローチを
取らなければなりません - 
37:42 - 37:46殆どの環境活動家達が
今 言っていることは - 
37:46 - 37:49良いアイデアを潰さないように
しようということです - 
37:49 - 37:51これを他の方法で実現することもできます
 - 
37:51 - 37:56必要なのは あらゆる合理的な解決策で
 - 
37:56 - 38:00規制もそのひとつです
 - 
38:00 - 38:07市場志向のアプローチをとった場合
 - 
38:07 - 38:10提案が政治的に難しくなりすぎると
 - 
38:10 - 38:13規制に頼ることになります
 - 
38:13 - 38:17規制というと人聞きが悪いですが
 - 
38:17 - 38:19それが多く用いられています
 - 
38:19 - 38:22内燃機関の段階的な廃止も
 - 
38:22 - 38:24その一例です
 - 
38:24 - 38:28アメリカで160都市が
 - 
38:28 - 38:33規制を定め 期日までに
 - 
38:33 - 38:39電力の100%を再生可能エネルギーに
移行するということです - 
38:39 - 38:44市場の力が再生可能エネルギーや
 - 
38:44 - 38:48持続維持可能なソリューションの
価格を押し下げ続けていて - 
38:48 - 38:50それが私達の追い風となっています
 - 
38:51 - 38:53好ましい状況です
 - 
38:54 - 38:56(アンダーソン)カーボン・
プライシングへの反発は - 
38:56 - 38:59環境保護運動の枠を超えて
 - 
38:59 - 39:03ビジネス全般に対する
反発になります - 
39:03 - 39:05ビジネスつまり資本主義が
 - 
39:05 - 39:07気候危機の原因だとして
責められていますね - 
39:07 - 39:11終わりなき成長を求め続け
 - 
39:13 - 39:17ビジネスが解決策になるとは
 - 
39:17 - 39:20信じていない人が大勢いるのです
 - 
39:20 - 39:23前進に向けた唯一の方法は
規制を作り - 
39:23 - 39:25ビジネスに正しい行動をとらせることです
 - 
39:25 - 39:29あなたはビジネスが解決策の
一部となるべきだと考えますか - 
39:30 - 39:32(ゴア)もちろんです
 - 
39:32 - 39:37それはこの危機を
解決するのに必要な資本の額は - 
39:37 - 39:42政府が拠出できる額よりも大きいからです
 - 
39:42 - 39:45ビジネスは―
 - 
39:45 - 39:50多くのビジネスはとても
建設的な役割を担い始めています - 
39:50 - 39:54そうすることを
 - 
39:54 - 39:56顧客や投資家達
 - 
39:56 - 39:58経営陣達
 - 
39:58 - 40:01役員達 家族達から求められています
 - 
40:01 - 40:02そして
 - 
40:02 - 40:06若い世代はもっと明るい未来を求めています
 - 
40:06 - 40:10CEOが新入社員を面接すると
 - 
40:10 - 40:14逆に彼らがCEOに質問をしてくるそうです
 - 
40:14 - 40:16彼らはもちろん安定した
収入を求めていますが - 
40:16 - 40:20それと同時に家族や友達や同僚に
 - 
40:20 - 40:24収入を得る以上のことをしていると
話せるようになりたいのです - 
40:24 - 40:29新しい世代の変化として
象徴的な例があります - 
40:29 - 40:33今 アメリカでは65の大学で
 - 
40:33 - 40:38共和党大学生クラブが一丸となって
 - 
40:38 - 40:41共和党全国委員会に
気候問題についての政策を - 
40:41 - 40:43変えるよう要求したことです
 - 
40:43 - 40:46さもなくばその世代からの支持は得られないと
 - 
40:46 - 40:49これは世界的なトレンドです
 - 
40:49 - 40:52グレタ世代がこれを
 - 
40:53 - 40:55あらゆる面で牽引しています
 - 
40:55 - 40:58世論調査をみると
 - 
40:58 - 41:02若い共和党員の多くが
 - 
41:02 - 41:05気候政策の転換を求めています
 - 
41:05 - 41:09これは目下育ってきている
 - 
41:09 - 41:11ムーブメントです
 - 
41:12 - 41:14(アンダーソン)それについて
伺おうと思っていました - 
41:14 - 41:17過去20年にわたって
 - 
41:17 - 41:20気候問題が政治利用され―
 - 
41:20 - 41:23特にアメリカでのことですが
 - 
41:23 - 41:26あなたもよくその中心にいて
 - 
41:26 - 41:28容赦なく不公平な方法で
 - 
41:28 - 41:32人々に攻撃されたことがあったでしょう
 - 
41:32 - 41:37次世代のお陰で
 - 
41:37 - 41:38それは変わってきていますか?
 - 
41:39 - 41:42(ゴア)もちろんです
 - 
41:42 - 41:44あまり世論調査に
頼りたくはありません - 
41:44 - 41:46それにはもう触れましたが
 - 
41:46 - 41:47新たに出た調査は
 - 
41:47 - 41:52揺らぐトランプ支持者に関してです
 - 
41:52 - 41:54過去に彼を強く支持していた人々で
次もそうしようと - 
41:54 - 41:56考えている人々です
 - 
41:56 - 41:59第1の問題は 驚くべきもので
 - 
41:59 - 42:01彼らが戸惑っているのが
 - 
42:01 - 42:06トランプ大統領とその取り巻きの
気候に対する狂気じみた取り組み方です - 
42:06 - 42:12共和党支持者の大半が
 - 
42:12 - 42:16気候危機の実質的な解決策を
探り始める用意が - 
42:16 - 42:17あると言っています
 - 
42:17 - 42:20私達はそこまできていると信じていますよ
 - 
42:21 - 42:24(アンダーソン)あなたは
気候問題についての旗振り役を務めてきた - 
42:24 - 42:27民主党員ですね
 - 
42:28 - 42:32ひょっとしてあなたが
 - 
42:32 - 42:34わかりませんが 扉を開いて
共和党の人々を受け入れ - 
42:34 - 42:38「これは政治を超えた問題です」と
言うことが出来るのでは? - 
42:39 - 42:42(ゴア)ええ そういったことは
全て試してみましたし - 
42:42 - 42:48それで少しはポジティブな変化が
あったかもしれません - 
42:48 - 42:51私は共和党と幅広く協業してきましたし
 - 
42:51 - 42:55ホワイトハウスを去った後も
 - 
42:55 - 42:59ニュート・ギングリッチや
パット・ロバートソン - 
42:59 - 43:01その他著名な共和党員たちを
 - 
43:01 - 43:04私と一緒にテレビ広告に出させて
 - 
43:04 - 43:07気候危機を解決をすべきだと
言ってきました - 
43:07 - 43:11しかし石油業界は
 - 
43:11 - 43:15共和党の中での
 - 
43:15 - 43:18圧力を強めました
 - 
43:18 - 43:22ローマ教皇が回勅を出したとき
 - 
43:22 - 43:25どのような攻撃を受け
 - 
43:25 - 43:27悪者と呼ばれたかを思い出してみてください
 - 
43:27 - 43:29皆ではありませんでしたが
 - 
43:29 - 43:33反気候危機ムーブメントの旗手達は
 - 
43:33 - 43:39教皇フランシスコへの攻撃を
即座にはじめました - 
43:39 - 43:42その他にもこうした事例があります
 - 
43:42 - 43:44党派の原理を持ち込み
 - 
43:44 - 43:47問題を党派間の問題にしてしまうのです
 - 
43:47 - 43:49たとえ民主党が手を差し伸べ
 - 
43:49 - 43:51超党派の協力を呼びかけてもです
 - 
43:51 - 43:55私もこれは党派に限った問題に
なるべきではないと思っています - 
43:55 - 43:58そうではなかったものが
 - 
43:58 - 44:02意図的に党派問題における
武器として使われています - 
44:02 - 44:04(アンダーソン)石油企業の
CEO達にも子供がいて - 
44:04 - 44:07親達に呼びかけています
 - 
44:07 - 44:09そんなCEOの中には方向性をシフトして
 - 
44:09 - 44:11未来の為に投資し
 - 
44:11 - 44:14未来の一部となるよう
模索している人がいると感じます - 
44:14 - 44:16そう思いますか?
 - 
44:17 - 44:18(ゴア)ええ
 - 
44:18 - 44:23石油ガス関連を含む
企業のビジネスリーダー達は - 
44:23 - 44:27家族から そして
 - 
44:27 - 44:29友人達から
 - 
44:29 - 44:32社員から意見を聞いていると思います
 - 
44:32 - 44:35IT産業では
 - 
44:35 - 44:42企業がもっと真剣に
取り組むように求める多数の社員が - 
44:42 - 44:45ストライキをしたところもあります
 - 
44:45 - 44:46アップルを誇りに思いますよ
 - 
44:46 - 44:49付け足したように
アップルを称えるのをお許しください - 
44:49 - 44:52私は取締役の一人ですが
ティム・クックと - 
44:52 - 44:55アップルの同僚の大ファンなんです
 - 
44:55 - 44:57アップルは素晴らしい事を成し遂げている
 - 
44:57 - 45:00優れたIT企業の一例です
 - 
45:00 - 45:01他にも数社そのような例があります
 - 
45:01 - 45:05多くの産業にも例となる会社があります
 - 
45:05 - 45:09しかし石油ガス企業へのプレッシャーは
 - 
45:09 - 45:11かなりのものです
 - 
45:11 - 45:15BPは125億ドル相当の
 - 
45:15 - 45:19石油ガス資産を減損処理し
 - 
45:19 - 45:23二度とそれらを使わないと言ったのです
 - 
45:23 - 45:29既に見つかっている化石燃料の2/3は
 - 
45:29 - 45:33燃やされることは無くなります
 - 
45:33 - 45:38これは世界経済にとって
サブプライム・ローン危機のような - 
45:38 - 45:40大きな経済リスクとなります
 - 
45:40 - 45:4522兆ドル相当の
サブプライム・炭素資産があり - 
45:45 - 45:47昨日はシェールガス・オイルの価格が
 - 
45:47 - 45:50経済性を欠くレベルまで下がっている為に
 - 
45:50 - 45:54米国のシェールガス産業に
倒産の波が押し寄せているという - 
45:54 - 45:57大きなニュースレポートが
 - 
45:57 - 46:03報道されたばかりです
 - 
46:03 - 46:05(アンダーソン)つまり
ここで起こったことは - 
46:05 - 46:10電気自動車や電気関連技術や
太陽光発電などなどが - 
46:10 - 46:13石油価格を押し下げる役割を果たし
 - 
46:13 - 46:15埋蔵された莫大な量の原油を
 - 
46:15 - 46:19開発しても利益が上がらない
ということですね - 
46:20 - 46:21(ゴア)その通りです
 - 
46:21 - 46:24主にそういうことです
 - 
46:24 - 46:31今後数年にわたる
エネルギー資源の予測は一様に - 
46:31 - 46:34風力と太陽光発電からの
 - 
46:34 - 46:37電力価格が下がり続けるとしていて
 - 
46:38 - 46:42ガスや石炭を燃やし
 - 
46:42 - 46:48蒸気を発生させてタービンを
回すというやり方は - 
46:48 - 46:50もう経済的ではなくなるとされています
 - 
46:50 - 46:53同様に 交通セクターにおける電力化も
 - 
46:53 - 46:56同じような効果をもたらします
 - 
46:56 - 47:01国家や地方自治体で
 - 
47:01 - 47:04このようなトレンドが見受けられます
 - 
47:04 - 47:06これは前にも触れましたが
 - 
47:06 - 47:10彼らは現在とはかなり違った
エネルギーの未来を予測しています - 
47:10 - 47:12ビジネスリーダーが話題に上ったので
 - 
47:12 - 47:14話を戻します
 - 
47:14 - 47:18先程あった資本主義自体に関する質問について
 - 
47:18 - 47:20少々考えを述べたいと思います
 - 
47:20 - 47:22多くの人々が
 - 
47:22 - 47:26資本主義が根本的な
問題なのかもしれないと思っています - 
47:26 - 47:32現在の資本主義のあり方は
改革が絶対に必要であると思います - 
47:32 - 47:36短期的な展望が語られることが多いですが
 - 
47:36 - 47:40現代の資本主義の問題の核心は
 - 
47:40 - 47:45我々にとって重要なものを
どう測っているかにあります - 
47:45 - 47:49資本主義は成功した
経済の基底に必ず存在しており - 
47:49 - 47:51需要と供給の均衡をとり
 - 
47:51 - 47:54高度な人間の可能性を引き出します
 - 
47:54 - 47:56資本主義が消え去ることはありません
 - 
47:56 - 47:59しかし改革は必要です
 - 
47:59 - 48:02なぜなら 現在私達が価値があるとして
測っている物事は - 
48:02 - 48:05環境汚染といった 「外部不経済」を
 - 
48:05 - 48:06考慮に入れていないからです
 - 
48:06 - 48:09また「正の外部性」も考慮していません
 - 
48:09 - 48:12例えば 教育や健康 メンタルヘルス
 - 
48:12 - 48:14家庭への投資といったことです
 - 
48:14 - 48:21現在の資本主義は 地下水や表土の枯渇や
生物種の絶滅といったことを - 
48:21 - 48:23考慮に入れていません
 - 
48:23 - 48:28そして所得や純資産がどこへ分配されて行くか
ということも考慮に入れていません - 
48:28 - 48:32GDPが上がると皆 喜びます
 - 
48:33 - 48:362% 3%なら「ワオ!」
4%なら「素晴らしい!」 - 
48:37 - 48:40しかしそれに付随するのは
大幅な汚染の拡大や - 
48:41 - 48:45慢性的な公共財への投資不足
 - 
48:45 - 48:49代替の効かない自然資源の枯渇
 - 
48:49 - 48:55資本主義と民主主義両方の未来を脅かす
 - 
48:55 - 48:58百年以上 経験したことのない程の
最悪の不平等です - 
48:58 - 49:01ですから資本主義を変え
改革しなければなりません - 
49:02 - 49:05(アンダーソン)資本主義は変革しても
捨て去らないように ですね - 
49:05 - 49:07この課題を解決するためには
前進するために - 
49:07 - 49:09資本主義が必要ですからね
 - 
49:09 - 49:12(ゴア)ええ そう思います
それからもうひとつ - 
49:12 - 49:16過去百年の間に起こった最悪の環境破壊は
 - 
49:16 - 49:2020世紀に資本主義の代わりとなる
右や左の政治的信条を - 
49:20 - 49:24実験してみた場所で起こったのです
 - 
49:24 - 49:26(アンダーソン)興味深いですね
 - 
49:26 - 49:28最後に皆さんからの質問を2つ
 - 
49:32 - 49:34チャドバーン・ブロムクイスト
 - 
49:34 - 49:37「現在のパンデミックによる
影響を推測する時 - 
49:37 - 49:41我々の気候変動との戦いにおいて
最もインパクトのある教訓は - 
49:41 - 49:43何になると思いますか?」
 - 
49:44 - 49:46(ゴア)思慮深い質問ですね
 - 
49:46 - 49:51即座にそれに見合う
答えが出せればいいのですが - 
49:51 - 49:53まず
 - 
49:53 - 49:55科学者を無視しないことです
 - 
49:56 - 49:58科学や医学の専門家たちが
 - 
49:58 - 50:01実質的に全員一致した意見である時
 - 
50:01 - 50:03それに注意を払うことです
 - 
50:03 - 50:06政治家の言うことに
気を逸らされたりしないでください - 
50:06 - 50:09トランプ大統領は徐々に
 - 
50:09 - 50:12ウイルスについて誤魔化すのは
難しそうだとわかってきたようです - 
50:12 - 50:15彼はタルサでウイルスについて嘘の考えを
 - 
50:15 - 50:17広めようとしましたが
うまくいきませんでした - 
50:17 - 50:23残念なことに彼は1ヶ月前に
無謀にも - 
50:23 - 50:27マスクを着け ソーシャルディスタンスを
取るべきだというアドバイスを - 
50:27 - 50:28無視して
 - 
50:28 - 50:30逆の行動を取ろうとしました
 - 
50:30 - 50:34その結果が はるかに強烈な影響を
 - 
50:34 - 50:36及ぼし始めています
 - 
50:36 - 50:37それ以上に クリス
 - 
50:37 - 50:42この時代を彩っているのは
 - 
50:42 - 50:47最高の機会であり
 - 
50:47 - 50:51そこで人々は生活パターンを考え直し
 - 
50:51 - 50:57色々な物事をより良く
今と違ったやり方でやれないかと - 
50:57 - 50:58考えることができるのです
 - 
50:58 - 51:03そして先程言った新しい世代が
 - 
51:03 - 51:05この小休止によってより一層の影響を
 - 
51:05 - 51:06受けています
 - 
51:07 - 51:08もうすぐ終わると願っていますが
 - 
51:08 - 51:10しかし教訓は残ると
 - 
51:10 - 51:12願っています
 - 
51:12 - 51:16(アンダーソン)確かに これまで
せざるを得なかったことが 二酸化炭素を - 
51:16 - 51:18出さずにできるのは すごいことです
 - 
51:18 - 51:20もう1つ質問です
 - 
51:23 - 51:26フランク・ヘネシー
「人間が新型コロナウイルスのせいで - 
51:26 - 51:29新しい生活様式に
素早く適応した姿を見ていると - 
51:29 - 51:32気候変動に対応した行動変容が
可能なことを示しているという - 
51:32 - 51:34希望が持てるのでは?」
 - 
51:36 - 51:42(ゴア)ええ ですが この危機の中に
また危機があることに - 
51:42 - 51:45気をつけるべきだと思っています
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51:45 - 51:52既に述べたアフリカ系アメリカ人
コミュニティへの影響や - 
51:52 - 51:55ラテン系コミュニティや
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51:55 - 51:56先住民への影響です
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51:57 - 51:59現在 最も感染率が高いのは
ナバホ・ネーションです - 
51:59 - 52:05この危機に直面している
人たちにとって - 
52:05 - 52:10こういった質問の一部は
違った意味を持ちます - 
52:10 - 52:17そしてこれが続くのは許容できません
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52:18 - 52:21皆さんや私
 - 
52:21 - 52:25おそらく視聴者の多くの方々とは違って
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52:25 - 52:28有色人種の貧しいコミュニティの人々にとって
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52:28 - 52:30これは全く違った危機なのです
 - 
52:30 - 52:32彼らのためにも
 - 
52:32 - 52:34私達のためにも
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52:34 - 52:38最良の科学を用いて
 - 
52:38 - 52:40このパンデミックを解決しなければなりません
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52:40 - 52:43「パンデミック経済学」という
言葉を知っているでしょう - 
52:43 - 52:46パンデミック経済学の第1原則は
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52:46 - 52:47パンデミックに対処することですが
 - 
52:47 - 52:51私達はまだそれをやっていません
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52:51 - 52:55大統領は再選のために
経済を刺激しようとしています - 
52:55 - 52:56何万人もの
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52:56 - 53:00死者がアメリカで出るという
予測はそっちのけで - 
53:00 - 53:03それは私は許せないと思っています
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53:03 - 53:06(アンダーソン)ありがとうございます
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53:06 - 53:10アル あなたはコミュニティの中で
指揮をとり - 
53:10 - 53:17TEDが「カウントダウン」という
イニシアチブを始めるよう促してくれました - 
53:17 - 53:19感謝します
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53:19 - 53:22この対話は多くの人々の間で続くでしょう
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53:22 - 53:26もしこれを見て 気候危機に興味を持った方は
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53:26 - 53:30カウントダウンのウェブサイトを
見てみて下さい - 
53:30 - 53:32countdown.ted.com です
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53:32 - 53:362020年10月10日には
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53:36 - 53:40世界に向けて警報を発信します
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53:40 - 53:42気候危機にはもう猶予が無く
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53:42 - 53:43これが本当に重要な問題なのだと
 - 
53:43 - 53:46その日は世界に向けて無料の
 - 
53:46 - 53:48素晴らしいコンテンツを発信します
 - 
53:48 - 53:53アル あなたのインスピレーションと
ご支援に感謝します - 
53:53 - 53:55今日のセッションを締めくくるにあたって
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53:55 - 53:58今後10年がどのようになっていくかの
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53:58 - 54:03予想図を描いて頂けますか?
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54:03 - 54:07希望はあるのでしょうか
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54:08 - 54:09(ゴア)喜んで
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54:09 - 54:12手短にしますが
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54:12 - 54:167月18日から26日にかけて
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54:16 - 54:20クライメート・リアリティ・プロジェクトは
世界規模のトレーニングを行い - 
54:20 - 54:23それには既に8千人が申し込みました
 - 
54:23 - 54:26あなたも climatereality.com で登録できます
 - 
54:26 - 54:27そして「明るい未来」について
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54:27 - 54:31これはカウントダウンに
関わろうとする皆さんの - 
54:31 - 54:34あらゆる努力から始まります
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54:34 - 54:37クリス あなたもあなたのチームも
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54:37 - 54:40とても良い仲間です
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54:40 - 54:45カウントダウン・プロジェクトを
とても楽しみにしています - 
54:45 - 54:48TEDは共有する価値のあるアイデアを
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54:48 - 54:51広め 意識を高め
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54:51 - 54:53世界中の人々を啓蒙するのに
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54:53 - 54:55比類無き影響力を持っています
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54:55 - 54:59それがこれまでになく
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54:59 - 55:01気候危機とその解決策に必要なのです
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55:01 - 55:05そのためにカウントダウン・プログラムを
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55:05 - 55:09開催して下さることに感謝しています
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55:11 - 55:12(アンダーソン)ありがとうございます
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55:12 - 55:14そして世界は?準備はどうでしょうか?
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55:14 - 55:17人類はこれをうまく切り抜けて
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55:17 - 55:22孫たちの世代は美しい人生を楽しみ
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55:22 - 55:25自然を慈しみ 毎日 次の竜巻や津波に怯えて
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55:25 - 55:28暮らさなくても良くなるのでしょうか?
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55:29 - 55:33(ゴア)私はそうなると前向きに信じています
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55:33 - 55:37しかし答えは私達次第です
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55:37 - 55:41過去には暗い時代もありましたが
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55:41 - 55:45私達は再び難局に立ち向かう為に
立ち上がりました - 
55:45 - 55:50私達には 進化の過程で
受け継いできたものや - 
55:50 - 55:52文化からくる制約がありますが
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55:52 - 55:55しかしそうした制約を好機に変え
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55:55 - 55:57せっぱ詰まった時
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55:57 - 55:59人類の生存が懸かっている時
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55:59 - 56:02子どもたちと未来の世代の
存続が懸かっている時 - 
56:02 - 56:07私達は思いもよらないことが
達成できるものです - 
56:07 - 56:10今はそんな時です
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56:10 - 56:13私達は機に臨んで立ち上がり
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56:13 - 56:15輝かしく クリーンで 繁栄した
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56:15 - 56:19公平で公正な未来を築くでしょう
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56:19 - 56:21心からそう信じています
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56:22 - 56:26(アンダーソン)アル・ゴア
あなたのライフワークに感謝します - 
56:26 - 56:28この問題への認識を高めたこと
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56:28 - 56:30この時間を
共に過ごしてくださったことに - 
56:30 - 56:31ありがとうございました
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56:31 - 56:32(ゴア)こちらこそ
 
- Title:
 - 気候危機の新たな緊急性
 - Speaker:
 - アル・ゴア
 - Description:
 - 
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コロナウイルスによって世界は大部分の活動が停止し、二酸化炭素の排出量は5%減少しました。 アル・ゴアは、排出量を抑え続けられるかどうかは私たち次第だと言います。
このインタビューでアル・ゴアは、風力や太陽光エネルギーのコストが着実に低下することで製造業や交通機関、農業を変化させ、化石燃料や原子力エネルギーに代わる安価な代替エネルギーの提供が可能になり、何百万人もの新しい雇用を生み出せると語っています。
地球工学について、また、地球規模での努力と、変化を牽引する若者世代を通じて、人類がいかにしてクリーンで豊かな未来を創造できるかについてゴアが考えを述べています。(この対話はTEDの最高責任者クリス・アンダーソンが主催し2020年6月23日に収録されました) - Video Language:
 - English
 - Team:
 
 closed TED
- Project:
 - TEDTalks
 - Duration:
 - 56:45
 
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