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ヴァイキング船だけが持つ特長 ― ジャン・ビル

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    ヴァイキングは 岩がちの
    荒涼とした北方の地からやってきました
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    現在のスカンジナビア です
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    はるか南方で
    ローマ帝国が栄えていたとき
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    スカンジナビアには小さな村しかなく
    中央政府も貨幣制度もありませんでした
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    しかし 11世紀までに
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    ヴァイキングはスカンジナビアから
    遠くはなれた地にまで勢力を広げ
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    ヨーロッパじゅうの
    交易ルートを配下に置き
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    アフリカの王国をも征服し
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    北アメリカにまで
    拠点を築きました
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    彼らの繁栄の秘密は
    船にありました
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    ヴァイキングの
    恐るべきロングシップの原型は
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    独木舟ともいわれる 粗末な丸木舟で
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    数千年間
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    スカンジナビアの住人は
    そんな舟を輸送に用いていました
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    鬱蒼とした森林とそびえ立つ山々のせいで
    人の移動は 陸では困難でしたが
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    長い海岸線と いくつもの川や湖
    そしてフィヨルドのおかげで
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    陸路に代わる手段での移動が可能でした
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    初期の舟は 木をくり抜いて作られ
    パドルをこいで操縦するものでした
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    時を経て 丸木舟は
    厚板を用いて造られる船に進化しました
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    クリンカー・ビルド工法 ー
    これは「鎧張り」ともいわれ
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    厚い板材の一端を他の板の端に
    重なるように張り合わせ 船体を造る工法です
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    ローマ帝国がその勢力を
    北方へ広げていくと
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    スカンジナビア人の中には
    身近な存在となった帝国の兵士となり
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    ローマの海事技術を
    故郷に持ち帰る者もいました
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    ローマ帝国の根幹をなすものは
    地中海世界の文化であり
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    海洋を思うがままに航行する
    大きな戦艦と
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    水上輸送を行う
    貨物船の技術もその一部でした
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    それらの船は
    帆とオールにより推進力を得るもので
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    船殻を構成する厚板と銅や鉄や木の杭で
    結合された船内部の肋材が
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    強固な骨組みを構成し
    強度の要となっていました
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    最初にスカンジナビアで
    導入された新技術は
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    固定式のオールであり
    不安定なパドルはオールに換わりました
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    すると 操縦の効率性は著しく上がり
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    同時に 船体の強度を高める必要も生じました
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    そこで船大工は 鉄釘を
    固定力の強い留め具として使い始めました
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    木をくり抜くのをやめ 竜骨を据え
    木材を組み上げて造船するようになり
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    船体は高さを増し
    耐航能力が高まりました
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    しかしそんな初期の船はスカンジナビア独自の
    丸木舟の概念もあわせ持っていました
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    船の強度を保つのは 木製の船殻であり
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    内部の柱や梁ではありませんでした
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    外板こそ船そのものという造りで
    船殻が薄いのに船体は頑丈で
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    その軽さは
    ローマの船の比ではありませんでした
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    張り合う首領たちは瞬く間に
    この新たな船の性能をさらに向上させました
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    船が軽くなるほど その用途は広がり
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    資金も労働力も少なくて済む ―
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    大量の人手を確保できない分散型社会では
    重要な利点でした
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    当時の船にはまだ帆がありませんでした
    帆は高価でしたし
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    さしあたっては 手漕ぎで十分だったのです
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    5世紀に 西ローマ帝国が崩壊した後
    状況が変わりました
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    西ヨーロッパは
    深刻な経済的打撃を受け
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    スカンジナビアにとっては
    太刀打ちしやすい相手となりました
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    西ヨーロッパが立ち直るにつれ
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    新しく盛んな交易ルートが
    スカンジナビアやその先まで延ばされました
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    そのルートに沿って富が築かれ
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    スカンジナビア住人の中に
    大いなる財力と権力を持つ新階級が現れました
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    その者たちは常に争っていて
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    交易ルートと領地の取り合いをしていました
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    8世紀になると
    帆船の価値が高まり始めました
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    新たに略奪行為をはたらけそうな所を
    探し求めて 遠くまで速く進めるのです
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    帆を得たことで
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    元々 軽くて速い船は
    ほぼ無敵状態になりました
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    ヴァイキング船の誕生です
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    すぐにヴァイキングのロングシップは
    100人もの兵士の輸送が可能になりました
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    船は艦隊をなし 広い浜に上陸するほか
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    川を伝って内陸にまで入り込んだり
    陸に上げて移動させることもできました
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    平時には
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    船は 物資の輸送船や
    貿易船として使われました
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    釣りや 近場への旅行に使われる
    小型のヴァイキング船もあれば
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    遠洋航海に適した大型船もあり
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    何十トンもの貨物を運ぶことが可能でした
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    不利な地形や経済力の弱さを物ともせずに
    創造力を発揮したヴァイキングは西に船を進め
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    北大西洋地域に定住し
    北アメリカ海岸を探検しました
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    他のヨーロッパ諸国がその地に足を踏み入れる
    何世紀も前のことでした
Title:
ヴァイキング船だけが持つ特長 ― ジャン・ビル
Speaker:
ジャン・ビル
Description:

ローマ帝国が栄えていたとき、スカンジナビアには小さな村しかなく、中央政府もありませんでした。しかし11世紀までに、その地の人々はスカンジナビアからはるか遠くまで勢力を広げ、ヨーロッパじゅうの交易ルートを配下に置き、アフリカの王国をも征服し、北アメリカにまで拠点を築きました。その成功の秘密とは?ヴァイキングの恐るべきロングシップの歴史を、ジャン・ビルが語ります。
講師:ジャン・ビル
監督:TOTEM Studio

*このビデオの教材:https://ed.ted.com/lessons/what-was-so-special-about-viking-ships-jan-bill

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TED-Ed
Duration:
04:30

Japanese subtitles

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