ヴァイキング船だけが持つ特長 ― ジャン・ビル
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0:07 - 0:10ヴァイキングは 岩がちの
荒涼とした北方の地からやってきました -
0:10 - 0:13現在のスカンジナビア です
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0:13 - 0:16はるか南方で
ローマ帝国が栄えていたとき -
0:16 - 0:22スカンジナビアには小さな村しかなく
中央政府も貨幣制度もありませんでした -
0:22 - 0:23しかし 11世紀までに
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0:23 - 0:27ヴァイキングはスカンジナビアから
遠くはなれた地にまで勢力を広げ -
0:27 - 0:29ヨーロッパじゅうの
交易ルートを配下に置き -
0:29 - 0:32アフリカの王国をも征服し
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0:32 - 0:36北アメリカにまで
拠点を築きました -
0:36 - 0:39彼らの繁栄の秘密は
船にありました -
0:39 - 0:41ヴァイキングの
恐るべきロングシップの原型は -
0:41 - 0:46独木舟ともいわれる 粗末な丸木舟で
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0:46 - 0:47数千年間
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0:47 - 0:51スカンジナビアの住人は
そんな舟を輸送に用いていました -
0:51 - 0:56鬱蒼とした森林とそびえ立つ山々のせいで
人の移動は 陸では困難でしたが -
0:56 - 1:00長い海岸線と いくつもの川や湖
そしてフィヨルドのおかげで -
1:00 - 1:03陸路に代わる手段での移動が可能でした
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1:03 - 1:07初期の舟は 木をくり抜いて作られ
パドルをこいで操縦するものでした -
1:07 - 1:10時を経て 丸木舟は
厚板を用いて造られる船に進化しました -
1:10 - 1:13クリンカー・ビルド工法 ー
これは「鎧張り」ともいわれ -
1:13 - 1:19厚い板材の一端を他の板の端に
重なるように張り合わせ 船体を造る工法です -
1:19 - 1:21ローマ帝国がその勢力を
北方へ広げていくと -
1:21 - 1:25スカンジナビア人の中には
身近な存在となった帝国の兵士となり -
1:25 - 1:28ローマの海事技術を
故郷に持ち帰る者もいました -
1:28 - 1:31ローマ帝国の根幹をなすものは
地中海世界の文化であり -
1:31 - 1:34海洋を思うがままに航行する
大きな戦艦と -
1:34 - 1:38水上輸送を行う
貨物船の技術もその一部でした -
1:38 - 1:41それらの船は
帆とオールにより推進力を得るもので -
1:41 - 1:45船殻を構成する厚板と銅や鉄や木の杭で
結合された船内部の肋材が -
1:45 - 1:50強固な骨組みを構成し
強度の要となっていました -
1:50 - 1:54最初にスカンジナビアで
導入された新技術は -
1:54 - 1:57固定式のオールであり
不安定なパドルはオールに換わりました -
1:57 - 2:00すると 操縦の効率性は著しく上がり
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2:00 - 2:03同時に 船体の強度を高める必要も生じました
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2:03 - 2:08そこで船大工は 鉄釘を
固定力の強い留め具として使い始めました -
2:08 - 2:12木をくり抜くのをやめ 竜骨を据え
木材を組み上げて造船するようになり -
2:12 - 2:15船体は高さを増し
耐航能力が高まりました -
2:15 - 2:19しかしそんな初期の船はスカンジナビア独自の
丸木舟の概念もあわせ持っていました -
2:19 - 2:23船の強度を保つのは 木製の船殻であり
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2:23 - 2:26内部の柱や梁ではありませんでした
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2:26 - 2:29外板こそ船そのものという造りで
船殻が薄いのに船体は頑丈で -
2:29 - 2:32その軽さは
ローマの船の比ではありませんでした -
2:32 - 2:37張り合う首領たちは瞬く間に
この新たな船の性能をさらに向上させました -
2:37 - 2:40船が軽くなるほど その用途は広がり
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2:40 - 2:44資金も労働力も少なくて済む ―
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2:44 - 2:50大量の人手を確保できない分散型社会では
重要な利点でした -
2:50 - 2:53当時の船にはまだ帆がありませんでした
帆は高価でしたし -
2:53 - 2:57さしあたっては 手漕ぎで十分だったのです
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2:57 - 3:035世紀に 西ローマ帝国が崩壊した後
状況が変わりました -
3:03 - 3:05西ヨーロッパは
深刻な経済的打撃を受け -
3:05 - 3:09スカンジナビアにとっては
太刀打ちしやすい相手となりました -
3:09 - 3:10西ヨーロッパが立ち直るにつれ
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3:10 - 3:15新しく盛んな交易ルートが
スカンジナビアやその先まで延ばされました -
3:15 - 3:17そのルートに沿って富が築かれ
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3:17 - 3:22スカンジナビア住人の中に
大いなる財力と権力を持つ新階級が現れました -
3:22 - 3:25その者たちは常に争っていて
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3:25 - 3:28交易ルートと領地の取り合いをしていました
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3:28 - 3:328世紀になると
帆船の価値が高まり始めました -
3:32 - 3:37新たに略奪行為をはたらけそうな所を
探し求めて 遠くまで速く進めるのです -
3:37 - 3:39帆を得たことで
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3:39 - 3:43元々 軽くて速い船は
ほぼ無敵状態になりました -
3:43 - 3:46ヴァイキング船の誕生です
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3:46 - 3:51すぐにヴァイキングのロングシップは
100人もの兵士の輸送が可能になりました -
3:51 - 3:53船は艦隊をなし 広い浜に上陸するほか
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3:53 - 3:59川を伝って内陸にまで入り込んだり
陸に上げて移動させることもできました -
3:59 - 4:00平時には
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4:00 - 4:04船は 物資の輸送船や
貿易船として使われました -
4:04 - 4:08釣りや 近場への旅行に使われる
小型のヴァイキング船もあれば -
4:08 - 4:11遠洋航海に適した大型船もあり
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4:11 - 4:14何十トンもの貨物を運ぶことが可能でした
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4:14 - 4:21不利な地形や経済力の弱さを物ともせずに
創造力を発揮したヴァイキングは西に船を進め -
4:21 - 4:25北大西洋地域に定住し
北アメリカ海岸を探検しました -
4:25 - 4:29他のヨーロッパ諸国がその地に足を踏み入れる
何世紀も前のことでした
- Title:
- ヴァイキング船だけが持つ特長 ― ジャン・ビル
- Speaker:
- ジャン・ビル
- Description:
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ローマ帝国が栄えていたとき、スカンジナビアには小さな村しかなく、中央政府もありませんでした。しかし11世紀までに、その地の人々はスカンジナビアからはるか遠くまで勢力を広げ、ヨーロッパじゅうの交易ルートを配下に置き、アフリカの王国をも征服し、北アメリカにまで拠点を築きました。その成功の秘密とは?ヴァイキングの恐るべきロングシップの歴史を、ジャン・ビルが語ります。
講師:ジャン・ビル
監督:TOTEM Studio*このビデオの教材:https://ed.ted.com/lessons/what-was-so-special-about-viking-ships-jan-bill
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TED-Ed
- Duration:
- 04:30
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