エルフ語やクリンゴン語、ドスラク語やナヴィ語は本当の言語なのか? ― ジョン・マクォーター
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0:07 - 0:09多くの人々にとって
『ゲーム・オブ・スローンズ』の -
0:09 - 0:10かっこいいことの1つは
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0:10 - 0:12ドスラクの海の住民たちが
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0:12 - 0:14独自の言語を持っていることでしょう
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0:14 - 0:16ドスラク語の すぐ前には
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0:16 - 0:20『アバター』でナヴィ族が話す言葉があり
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0:20 - 0:22その前には もちろん
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0:22 - 0:23『スタートレック』でクリンゴン人が話す
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0:23 - 0:25まったく独自の言語が1979年以来
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0:25 - 0:27存在していました
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0:27 - 0:29また J.R.R. トールキンの
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0:29 - 0:32『ロード・オブ・ザ・リング』三部作の
エルフ語も忘れてはいけません -
0:32 - 0:35なぜなら これこそが架空の人工言語の
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0:35 - 0:37正式な祖なのですから
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0:37 - 0:41人工言語は
「人工的に構築された言語」の略です -
0:41 - 0:43置き換え言葉のような暗号よりも
言語らしいもので -
0:43 - 0:45単なる人工スラングの
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0:45 - 0:46寄せ集めでもありません
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0:46 - 0:47『時計じかけのオレンジ』で
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0:47 - 0:4810代の不良が話す
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0:48 - 0:50ナッドサットでは
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0:50 - 0:51ロシア語由来の「droog」が
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0:51 - 0:53「友達」という意味になっています
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0:53 - 0:55人工言語を本当の言語にしているのは
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0:55 - 0:57その語彙の多さではありません
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0:57 - 1:00もちろん たくさんの単語が
あることは重要です -
1:00 - 1:02ドスラク語には何千語もあります
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1:02 - 1:04ナヴィ語は まず1500語が作られましたが
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1:04 - 1:08ウェブサイトでファンが着々と
単語を増やしています -
1:08 - 1:09しかし 語彙そのものと
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1:09 - 1:11本当の言語たらしめるものの違いは
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1:11 - 1:13トールキンが古エルフ語を
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1:13 - 1:14作り出した方法から
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1:14 - 1:16理解することができます
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1:16 - 1:19古エルフ語は数千語を持つ人工言語です
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1:19 - 1:22結局のところ ロシア語の単語を
5千語覚えたところで -
1:22 - 1:25文章をろくに作れないのです
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1:25 - 1:274歳児の方が はるかにうまく話せるでしょう
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1:27 - 1:29これは どのようにして単語を
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1:29 - 1:30つなぎ合わせるかを知らないからです
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1:30 - 1:33つまり 本当の言語には文法があるのです
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1:33 - 1:34エルフ語にはあります
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1:34 - 1:36英語では 動詞を過去形にするには
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1:36 - 1:38「-ed」をつけます
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1:38 - 1:40「wash (洗う)」が
「washed (洗った)」になります -
1:40 - 1:42エルフ語では「洗う」は
「allu」で -
1:42 - 1:45「洗った」は「allune」です
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1:45 - 1:48本当の言語は 時とともに変化します
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1:48 - 1:49千年前から
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1:49 - 1:51現在に至るまで
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1:51 - 1:53まったく同じ言語などないのです
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1:53 - 1:55人々は話すうちに
新しい使い方へ移行し -
1:55 - 1:57古いものは捨て去られ
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1:57 - 1:57間違いが起こったり
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1:57 - 1:58クリエイティブになったりします
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1:58 - 2:00現在の言い回しで言う
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2:00 - 2:02「私たちに必要な糧を今日与えてください」は
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2:02 - 2:04古英語では
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2:04 - 2:08「Urne gedaeghwamlican
hlaf syle us todaeg」 でした -
2:09 - 2:11人工言語でも様々な変化をします
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2:11 - 2:13トールキンは古い形と
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2:13 - 2:15新しい形のエルフ語を作りました
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2:15 - 2:17クイヴィエーネンで初めて
エルフが目覚めたとき -
2:17 - 2:18彼らの新しい言語で
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2:18 - 2:21「人々」を表す語は「kwendi」でしたが
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2:21 - 2:22旅立った集団のひとつ
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2:22 - 2:24テレリの言葉では
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2:24 - 2:27時が経つにつれて
「k」が「p」に変わって -
2:27 - 2:29「kwendi」が「pendi」になりました
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2:29 - 2:31本当の言語と同様に
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2:31 - 2:34エルフ語のような人工言語は
多くの言語に分かれます -
2:34 - 2:37ローマ人がヨーロッパ中に
ラテン語を広めると -
2:37 - 2:40フランス語やスペイン語
イタリア語が生まれました -
2:40 - 2:42集団が別の場所に移ると
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2:42 - 2:44時が経つにつれ
他の物事と同様に話し方が -
2:44 - 2:46大きく変化するのです
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2:46 - 2:49ですから ラテン語で「手」は「manus」ですが
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2:49 - 2:51フランス語では「main」になり
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2:51 - 2:53一方スペイン語では「mano」になりました
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2:53 - 2:57トールキンはエルフ語にも
同じようなことが起こるようにしました -
2:57 - 3:00元の語「kwendi」がテレリの人々にとって
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3:00 - 3:01「pendi」になった一方
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3:01 - 3:04中つ国じゅうに広がった
アヴァリの人々の間では -
3:04 - 3:05「w」が抜け落ちて
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3:05 - 3:07「kindi」になりました
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3:07 - 3:10トールキンがもっとも肉付けした
エルフ語の種類は -
3:10 - 3:12クゥエンヤ語とシンダール語で
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3:12 - 3:13彼らの言葉の異なり方は
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3:13 - 3:15フランス語とスペイン語の関係のようです
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3:15 - 3:17クゥエンヤ語では「飲み物」を
「suc」と言う一方 -
3:17 - 3:19シンダール語では「sog」と言います
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3:20 - 3:23ご存知の通り 本当の言語は
混乱を伴うものです -
3:23 - 3:24これは変化をするからで
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3:24 - 3:27変化と言うのは秩序に逆らって
起こるものなのです -
3:27 - 3:28ちょうどリビングや
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3:28 - 3:29本棚と同じですね
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3:29 - 3:32本当の言語は決して
完全に論理的ではないのです -
3:32 - 3:34そのようなわけで トールキンは
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3:34 - 3:36エルフ語にも多くの例外を設けました
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3:36 - 3:38多くの動詞が不規則に活用するので
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3:38 - 3:39覚えるしかないのです
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3:39 - 3:41「know (知る)」という動詞を
例にとりましょう -
3:41 - 3:43過去形では「knew」ですが
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3:43 - 3:47これは英語のいかなる規則でも
説明できません -
3:47 - 3:48仕方ありませんね
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3:48 - 3:50エルフ語では「知る」は「ista」ですが
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3:50 - 3:53「知った」は「sinte」です
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3:53 - 3:54そういうものなのです
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3:54 - 3:55しかし 実際には
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3:55 - 3:57エルフ語は言語の総体というよりも
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3:57 - 3:59本当の言語のスケッチと言ったところです
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3:59 - 4:01トールキンにとって エルフ語は
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4:01 - 4:03人々が実際に話せる何かを
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4:03 - 4:05生み出す試みというよりも
趣味のようなものでした -
4:05 - 4:07『ロード・オブ・ザ・リング』の映画で
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4:07 - 4:08登場人物が話すエルフ語のほとんどは
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4:08 - 4:10トールキンの時代以降に
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4:10 - 4:12熱心なファンが 「トールキンであれば
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4:12 - 4:14どのように構成しただろうか」と
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4:14 - 4:16考えて作られたものです
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4:16 - 4:18周りに本当にエルフ語を話す
エルフはいないので -
4:18 - 4:20それが私たちにできる
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4:20 - 4:21精一杯の努力なのです
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4:21 - 4:24現代の人工言語はもっと発達しています
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4:24 - 4:27ドスラク語やナヴィ語 そしてクリンゴン語は
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4:27 - 4:29実際に話せるくらいに発達しています
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4:29 - 4:31これが『ハムレット』のクリンゴン語訳です
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4:31 - 4:33とはいえ 実際に演じるなら
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4:33 - 4:35「k」の音を口蓋垂という
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4:35 - 4:37のどの奥にぶら下がっているものを
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4:37 - 4:39使って発音しなければなりませんが
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4:39 - 4:40信じようが信じまいが
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4:40 - 4:41世界中の多くの言語で
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4:41 - 4:42同じことをしています
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4:42 - 4:45たとえばエスキモーの言葉などです
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4:45 - 4:47エルフ語の発音はもっと簡単です
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4:47 - 4:49それでは この人工言語入門編を
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4:49 - 4:52エルフ語をはじめとした
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4:52 - 4:54人工言語を使って
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4:54 - 4:58心のこもった4言語のいとまごいで
締めくくるとしましょう -
4:58 - 4:59“A na marie!” (エルフ語)
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4:59 - 5:00“Hajas!” (ドラスク語)
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5:00 - 5:02ナヴィ語の “Kiyevame!”
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5:02 - 5:03“Qapla!” (クリンゴン語)
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5:03 - 5:05そして「さようなら!」
- Title:
- エルフ語やクリンゴン語、ドスラク語やナヴィ語は本当の言語なのか? ― ジョン・マクォーター
- Speaker:
- John McWhorter
- Description:
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『ゲーム・オブ・スローンズ』のドスラク語や『アバター』のナヴィ語、『スター・トレック』のクリンゴン語や『ロード・オブ・ザ・リング』のエルフ語に共通していることは何でしょうか?これらは皆、空想により作られた架空の言語、つまり人工言語なのです。人工言語は、本当の言語の持つ豊かな複雑さをすべて兼ね備えています。たくさんの語彙や文法の規則、そして混乱や進化を許容する余地などです。ジョン・マクォーターが、なぜこれらの人工的に作られた言語は、映画の最後のクレジットが流れてしまったずっと後になっても、ファンの心を捉えて離さないのかを説明します。
レッスン:ジョン・マクォーター、アニメーション:Enjoyanimation
*このビデオの教材: http://ed.ted.com/lessons/are-elvish-klingon-dothraki-and-na-vi-real-languages-john-mcwhorter
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TED-Ed
- Duration:
- 05:21
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