海洋汚染は海水の化学をどのように変えるのか
-
0:02 - 0:06海洋が私たちの日常にいかに重要なのか
皆さんは考えたことがありますか? -
0:08 - 0:11海洋は地球の表面積の3分の2を占め
-
0:11 - 0:14私たちが呼吸する酸素の半分を供給し
-
0:14 - 0:16気候を安定させます
-
0:16 - 0:20私たちに職や薬、食べ物を提供しており
-
0:20 - 0:25そこには世界中の人々が必要とする
タンパク質の20パーセントも含まれます -
0:26 - 0:29かつては海洋はとても広大なので
-
0:29 - 0:31人間活動の影響を受けないと
考えられていました -
0:32 - 0:35本日は海洋を変化させている
深刻な現状をお話しします -
0:36 - 0:40それは「海洋酸性化」や
「気候変動の邪悪な双子」と呼ばれています -
0:40 - 0:43それは「海洋酸性化」や
「気候変動の邪悪な双子」と呼ばれています -
0:44 - 0:49私たちが大気中に
放出した二酸化炭素の25%を -
0:49 - 0:52海洋が吸収していることをご存知ですか?
-
0:52 - 0:56二酸化炭素は気候変動の要因になっている
温室効果ガスなので -
0:56 - 0:59これは海洋がもたらす
もう一つの素晴らしい恩恵です -
0:59 - 1:00これは海洋がもたらす
もう一つの素晴らしい恩恵です -
1:01 - 1:05しかし 私たちが大気中に
ますます二酸化炭素を排出し続けているので -
1:05 - 1:08しかし 私たちが大気中に
ますます二酸化炭素を排出し続けているので -
1:08 - 1:10二酸化炭素は海洋に溶け続けています
-
1:11 - 1:14それが海の化学システムを変えているのです
-
1:15 - 1:18二酸化炭素が海水に溶けると
-
1:18 - 1:20たくさんの化学反応が起こります
-
1:20 - 1:22皆さんにとって幸運なことに
-
1:22 - 1:25本日は化学の詳しい話をする時間はありません
-
1:25 - 1:29けれど二酸化炭素が海洋中に溶けるほど
-
1:29 - 1:31海水のpHは下がります
-
1:32 - 1:36それは基本的に海洋酸性度が
上がることを意味しています -
1:36 - 1:40このプロセス全体を海洋酸性化と呼びます
-
1:41 - 1:44海洋酸性化は気候変動と
同時に起きています -
1:44 - 1:48科学者たちは海洋酸性化を
20年以上観測しています -
1:49 - 1:52この図はハワイで得られた
重要な時系列データです -
1:52 - 1:57一番上の線は絶え間なく上昇し続けている
大気中の二酸化炭素濃度を示しています -
1:57 - 1:59一番上の線は絶え間なく上昇し続けている
大気中の二酸化炭素濃度を示しています -
1:59 - 2:02これは人間活動の結果と比例しています
-
2:03 - 2:07その下の線は 海の表層に溶けている
二酸化炭素の濃度が -
2:07 - 2:10上昇していることを示しています
-
2:11 - 2:14観測が始まって以来
-
2:14 - 2:17大気中の二酸化炭素と
同じ割合で上昇しています -
2:17 - 2:20一番下のラインは
化学組成の変化を示しています -
2:20 - 2:23二酸化炭素が海に溶ければ溶けるほど
-
2:23 - 2:25海水のpHは下がり
-
2:26 - 2:30それは基本的に海洋酸性度が
上がっていることを意味しています -
2:31 - 2:35アイルランドでは科学者たちが
海洋酸性化をモニタリングしています― -
2:35 - 2:38海洋研究所やアイルランド国立大学
ゴールウェイ校の科学者たちです -
2:38 - 2:42私たちも海洋酸性化の進展を
観測しており -
2:42 - 2:45世界中の大洋での
データと同じ速度で進行しています -
2:46 - 2:49これは私たちのすぐ側で起こっています
-
2:50 - 2:53海洋の変化をモニタリングするために
私たちがどのように -
2:53 - 2:55データを集めているか一例を挙げましょう
-
2:55 - 2:58まず私たちは真冬にたくさん
サンプルを集めます -
2:58 - 3:00皆さんのご想像のように
-
3:00 - 3:03北大西洋ではひどい暴風雨に
遭うこともあります -
3:03 - 3:06船酔いする人には向いていません
-
3:06 - 3:08私たちはとても価値のあるデータを
収集しています -
3:09 - 3:11機械を船側から下ろします
-
3:11 - 3:14機械の底にはセンサーが付いていて
-
3:14 - 3:17周辺の海水がどうなっているのか―
-
3:17 - 3:19水温や溶存酸素量などが分かります
-
3:19 - 3:23それからこれらの大きなボトルに
海水のサンプルを集めます -
3:23 - 3:27大陸棚のすぐそばの海底は
水深4km以上もざらですが -
3:27 - 3:29大陸棚のすぐそばの海底は
水深4km以上もざらですが -
3:29 - 3:32そこから海面までまっすぐ等間隔に
サンプルを集めます -
3:33 - 3:35海水をデッキに引き上げ
-
3:35 - 3:38船上で分析するか
-
3:38 - 3:41研究室に持ち帰り
様々な化学的パラメーターを分析します -
3:41 - 3:43これはなぜ重要なのでしょうか?
-
3:43 - 3:47海洋酸性化は人類に
どのような影響を与えるのでしょうか? -
3:49 - 3:52このような事実が懸念されています
-
3:53 - 3:59産業化以前の時代と比べて
海洋酸性度は既に26%上昇しています -
3:59 - 4:03この直接の原因は人間活動です
-
4:04 - 4:08二酸化炭素の排出を遅らせない限り
-
4:08 - 4:14今世紀末までに
海洋酸性度が170%上昇すると -
4:14 - 4:17予想されています
-
4:18 - 4:20私たちの子供が生きている間のことです
-
4:22 - 4:27現在の海洋酸性化は
-
4:27 - 4:34過去5500万年以上の間の
どの酸性化よりも10倍速いのです -
4:34 - 4:38海洋生物はこんなに急速な変化を
-
4:38 - 4:41かつて一度も経験したことがありません
-
4:42 - 4:45文字通り海洋生物が
どのように適応するのか予測できないのです -
4:47 - 4:52何百万年前にも自然による
海洋酸性化が起こりましたが -
4:52 - 4:55それはこんにちの酸性化よりも
かなりゆっくりでした -
4:55 - 5:00同時に多くの海洋生物が
大量に絶滅しました -
5:01 - 5:02またそうなってしまうのでしょうか?
-
5:03 - 5:04そうかもしれません
-
5:05 - 5:09いくつかの種はうまく対応しているという
研究結果が出ています -
5:09 - 5:12しかし多くの種はよくない反応を示しています
-
5:13 - 5:17非常に懸念されていることの一つは
海洋酸性度が上昇すると -
5:17 - 5:22海水中の炭酸イオンの濃度が減少することです
-
5:22 - 5:25これらのイオンは基本的に
-
5:25 - 5:28殻を作る海洋生物の多くにとって
重要な成分です -
5:29 - 5:33例えばカニ、ムラサキイガイ、カキです
-
5:34 - 5:36もう一つの例はサンゴです
-
5:36 - 5:39サンゴはサンゴ礁を形成するために
-
5:39 - 5:43海水中の炭酸イオンを使って骨格を作ります
-
5:44 - 5:47海洋酸性度が上昇するにつれて
-
5:47 - 5:50炭酸イオンの濃度が減少し
-
5:50 - 5:55これらの種はまず殻を作るのが困難になります
-
5:55 - 5:59さらに低い濃度では
実際に溶け始めます -
6:00 - 6:03これは翼足類で
海の蝶とも呼ばれています -
6:04 - 6:07オキアミからサケ、クジラまで
海に生息する -
6:07 - 6:10多くの種にとって重要な食糧源です
-
6:11 - 6:15今世紀末に予測されているpHの海水に
-
6:15 - 6:18翼足類の殻を浸した実験では
-
6:19 - 6:25このとても現実的なpHの海水中で
たった45日後には -
6:25 - 6:29殻がほぼ完全に溶けていることが分かります
-
6:30 - 6:34ゆえに海洋酸性化は食物連鎖や
-
6:34 - 6:36私たちの日々の食事に直接影響します
-
6:36 - 6:40皆さんも貝類やサケが好きでしょう?
-
6:41 - 6:42影響を受ける可能性のある餌を
食べている他の多くの魚も -
6:42 - 6:45影響を受ける可能性のある餌を
食べている他の多くの魚も -
6:46 - 6:48これは冷水サンゴです
-
6:48 - 6:52アイリッシュ海の大陸棚のすぐそばにも
-
6:52 - 6:54冷水サンゴがいることをご存知でしたか?
-
6:54 - 6:58冷水サンゴは重要な水産資源も含めて
豊かな生物多様性を支えています -
6:59 - 7:02今世紀末までに
-
7:02 - 7:08今知られている世界中の冷水サンゴの70%は
-
7:09 - 7:13骨格を溶かす海水に囲まれるだろうと
予想されています -
7:17 - 7:21最後に私が例に挙げるのは
健康な熱帯サンゴです -
7:21 - 7:262100年に予想される
pHの海水に浸けられると -
7:27 - 7:336ヶ月後にはサンゴは
ほぼ完全に溶けてしまいました -
7:34 - 7:37サンゴ礁は
-
7:37 - 7:43世界中の全ての海洋生物の
25%を支えています -
7:44 - 7:45全ての海洋生物です
-
7:46 - 7:50このように 海洋酸性化が世界的な
脅威であることが分かります -
7:51 - 7:53私には8ヶ月になる息子がいます
-
7:54 - 7:58海洋酸性化を今から遅らせない限り
-
7:58 - 8:02息子が大人になる頃 海洋が
どうなっているのか考えるのが恐ろしいです -
8:04 - 8:06海洋酸性化は必ず起きます
-
8:06 - 8:10人間は既に大気中に過剰に
二酸化炭素を排出しました -
8:11 - 8:14けれど遅らせることはできます
-
8:14 - 8:18最悪のシナリオは防げます
-
8:19 - 8:21唯一の防止策は
-
8:21 - 8:24二酸化炭素の排出を減らすことです
-
8:25 - 8:29これは皆さんや私
産業界、政府にとって重要です -
8:30 - 8:33私たちは一丸となって
取り組む必要があります -
8:34 - 8:36そうすれば地球温暖化や
海洋酸性化を遅らせることも -
8:36 - 8:41私たちの世代やこれからの世代のために
-
8:41 - 8:44健康な海と地球を維持することもできます
-
8:45 - 8:50(拍手)
- Title:
- 海洋汚染は海水の化学をどのように変えるのか
- Speaker:
- トリオナ・マクグラス
- Description:
-
人間が大気中に二酸化炭素を排出し続けるにつれて、より多くの二酸化炭素が海洋に溶け、それによって海水の化学組成は劇的に変化しています。トリオナ・マクグラスは、海洋酸性化として知られるこのプロセスを研究しています。彼女はこのトークで海洋学者の世界にいざないます。「気候変動の邪悪な双子」がどのように海洋や海洋で生きている生物に影響を与えるのか理解を深めましょう。
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 09:03
Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for How pollution is changing the ocean's chemistry | ||
Natsuhiko Mizutani approved Japanese subtitles for How pollution is changing the ocean's chemistry | ||
Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for How pollution is changing the ocean's chemistry | ||
Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for How pollution is changing the ocean's chemistry | ||
Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for How pollution is changing the ocean's chemistry | ||
Eriko Tsukamoto accepted Japanese subtitles for How pollution is changing the ocean's chemistry | ||
Eriko Tsukamoto edited Japanese subtitles for How pollution is changing the ocean's chemistry | ||
Shiori Watanabe edited Japanese subtitles for How pollution is changing the ocean's chemistry |