鳥の渡りに関する3つの奇説 ― ルーシー・クック
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0:09 - 0:131822年5月 クリスチャン・ルートヴィヒ・
フォン・ボスマー伯爵は -
0:13 - 0:18北ドイツの城の敷地内で
コウノトリを撃ち落としました -
0:18 - 0:23しかし その鳥を仕留めたのは
彼が初めてではありませんでした -
0:23 - 0:25コウノトリを回収した際に
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0:25 - 0:30ボスマーはその鳥に約90センチの
木の槍が突き刺さっているのを目にけました -
0:30 - 0:34地元の教授は その武器は
アフリカのものだと同定しました -
0:34 - 0:39このコウノトリはどういうわけか
アフリカで槍で刺された後 -
0:39 - 0:44伯爵の城まで
2500キロ以上飛んで来たのです -
0:44 - 0:49この驚異的な飛行は
コウノトリの回復力の証拠のみならず -
0:49 - 0:55何世紀にもわたって科学者を悩ませてきた
謎を解く重要な手がかりとなったのです -
0:55 - 0:58鳥が季節ごとに姿を消すという謎です
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0:58 - 1:03現在 私たちが渡りと呼ぶ
鳥が毎年姿をくらます行動について -
1:03 - 1:06古代の博物学者たちの中で
さまざまな学説がありました -
1:06 - 1:11アリストテレスは 特に評判のよい
3つの説を提唱しました -
1:11 - 1:17その1つに 鳥は季節に合わせて
体を変化させるという説がありました -
1:17 - 1:20例えば夏場に姿を現すウグイスは
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1:20 - 1:24毎年冬になると黒い帽子をかぶる
とされていましたが -
1:24 - 1:29決して同時に現れることがないものの
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1:29 - 1:32実際には形や大きさが似ている別種です
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1:32 - 1:36その後 何世紀にもわたり
鳥は人間 -
1:36 - 1:40植物 さらには船の材木にまで
変身すると言われていました -
1:40 - 1:45この最後の変身は多くのキリスト教の聖職者に
特に人気がありました -
1:45 - 1:48もしカオジロガンが
本当に木でできていたなら -
1:48 - 1:54聖職者たちはベジタリアンとみなされ
肉を断った期間も楽しめたことでしょう -
1:54 - 2:00アリストテレスの より真実味がある
2番目の仮説は鳥は冬眠するというものでした -
2:00 - 2:02これは それほど非現実的ではありません
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2:02 - 2:09種によっては 短く深い眠りに入り
心拍数や代謝を低下させるものもいます -
2:09 - 2:12実際 冬眠する鳥は少なくとも1種はいます
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2:12 - 2:17プアーウィルヨタカは
北アメリカの砂漠で冬眠します -
2:17 - 2:21しかし研究者たちは19世紀に入ってからも
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2:21 - 2:24もっと奇抜な冬眠の方法を提案しました
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2:24 - 2:29ツバメは羽が抜け
穴の中で冬眠したり -
2:29 - 2:34湖や川の底で冬を越すという考えでした
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2:34 - 2:37アリストテレスの3つめの説は
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2:37 - 2:40より合理的で
現実的な移住のようなものです -
2:40 - 2:45しかし この説はまた極端なものに発展します
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2:45 - 2:511666年に 移住論を唱える第一人者が
毎年冬になると 鳥は月に向かって -
2:51 - 2:53飛んでいくと確信しました
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2:53 - 2:58著名な研究者がこのような奇想天外なことを
考えるのは奇妙に思えるでしょう -
2:58 - 3:01しかし実際のところ
渡りの本当の話は -
3:01 - 3:05彼らの荒唐無稽な理論よりもさらに
信じがたいものなのかもしれません -
3:05 - 3:09全鳥類の約20%が毎年
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3:09 - 3:13温暖な気候と新鮮な食料を求めて
地球上を移動しています -
3:13 - 3:16北半球で夏を過ごす鳥の場合
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3:16 - 3:22この旅は700kmから
17000km以上にも及び -
3:22 - 3:26中には4ヶ月もかけて
移動するものもあります -
3:26 - 3:33大洋を渡る鳥たちは 100時間以上も
休むことなしに空を飛ぶこともあるでしょう -
3:33 - 3:37飛んだままで 眠たり食べたりしながら
果てしなく続く大海原を -
3:37 - 3:42星や風の流れ
地球の磁場を頼りに移動します -
3:42 - 3:47これらの壮大な旅の詳細を追跡することは
極めて困難です -
3:47 - 3:51また鳥たちは可能な限り最も直線的なルートを
通ることが多いのですが -
3:51 - 3:55嵐や人間による開発のせいで
そのルートが変わることがあり -
3:55 - 3:59移動経路の解明が
さらに複雑になります -
3:59 - 4:03幸いなことに
フォン・ボスマー伯爵のコウノトリは -
4:03 - 4:07ヨーロッパのコウノトリが冬に南下することを
物理的に証明してくれただけでなく -
4:07 - 4:10どこへ移動していたのかも
示してくれました -
4:10 - 4:12ヨーロッパ中の鳥類学者たちは
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4:12 - 4:15このコウノトリの航跡を
地図に表そうと躍起になりました -
4:15 - 4:18ヨハネス・ティエネマンもその1人でした
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4:18 - 4:22世界初の常設鳥類観測所の所有者です
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4:22 - 4:26ティエネマンは鳥類研究における
第一人者でありました -
4:26 - 4:29そして この分野における
最大の謎を解くために -
4:29 - 4:33ドイツ中から
大勢のボランティアを集めました -
4:33 - 4:39彼のチームは2000羽のコウノトリの足に
アルミの輪をつけ -
4:39 - 4:43そこに 個体番号と
彼のオフィスの住所を記しました -
4:43 - 4:47そして
この実験をできるだけ広く宣伝しました -
4:47 - 4:52彼の願いは 実験の話が
アフリカにまで伝わり -
4:52 - 4:57タグを見つけた人たちが 情報を添えて
これを送り返してくれることでした -
4:57 - 5:01案の定 1908年から1913年まで
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5:01 - 5:08ティエネマンは178個の輪を受け取り
そのうち48個はアフリカで発見されました -
5:08 - 5:13このデータをもとに 彼は
初の発見となる移動ルート図を作成し -
5:13 - 5:18コウノトリが月に飛んでいたのではないことが
決定的になりました
- Title:
- 鳥の渡りに関する3つの奇説 ― ルーシー・クック
- Speaker:
- ルーシー・クック
- Description:
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1822年、ドイツでフォン・ボスマー伯爵がコウノトリを撃ち落としました。しかし、この鳥にはすでに長さ約90センチの木の槍が刺さっていました。コウノトリはアフリカで槍に刺された後、2,500km以上の距離を飛んでいたのです。この驚くべき飛行は、何世紀にもわたって科学者を悩ませてきた謎、すなわち鳥が季節によって姿を消すことについて、重要な手がかりであることを証明したのです。ルーシー・クックが鳥の渡りの発見に迫ります。
講師:ルーシー・クック
監督: Visorama
ナレーション:アディソン・アンダーソン
音楽:Bamm Bamm Wolfgang & Gavin Dodds - Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TED-Ed
- Duration:
- 05:20
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