耳鳴りの正体は?― マーク・ファゲルソン
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0:07 - 0:13長い1日を終えて帰宅したあなたは
ひとり静かな夜を過ごしています -
0:13 - 0:17しかし 静けさはなく
絶え間なく鳴り響く音が — -
0:17 - 0:20音を立てるようなものは
何もないのに聞こえます -
0:20 - 0:24今あなたが経験しているのは
いわゆる「耳鳴り」で -
0:24 - 0:27外部に音源がないにもかかわらず
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0:27 - 0:33キーン、ブンブン、シー、カチカチ
といった雑音を感じる状態です -
0:33 - 0:37耳鳴りは 古代バビロン以来ずっと
人類を悩ませ続け -
0:37 - 0:41レオナルド・ダヴィンチや
チャールズ・ダーウィンも苦しみました -
0:41 - 0:44現在 世界では
およそ7人に1人が -
0:44 - 0:47耳鳴りを経験しています
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0:47 - 0:51では このしつこい音は
どこから来るのでしょうか? -
0:51 - 0:56普通 何かが聞こえる際には
音波が耳の様々な部分にぶつかって -
0:56 - 1:02振動を起こし
蝸牛の中にあるリンパ液に伝わります -
1:02 - 1:04振動が十分に大きければ
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1:04 - 1:07化学反応が引き起こされ
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1:07 - 1:10生体電気信号に変換されます
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1:10 - 1:16これらの神経の活動電位は
聴覚伝導路を通って脳に伝わり -
1:16 - 1:19私たちが知覚する音となります
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1:19 - 1:22しかし ほとんどの耳鳴りでは
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1:22 - 1:26この謎の音を
発生させる神経信号は -
1:26 - 1:29まったく耳の中を伝わりません
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1:29 - 1:34その代わりに 自身の中枢神経系が
内部で音を生成しているのです -
1:34 - 1:38正常な状態では
この自己生成された信号は -
1:38 - 1:41聴覚に必要不可欠なものです
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1:41 - 1:44すべての哺乳類は
聴覚伝導路全体にわたり -
1:44 - 1:47継続的な神経活動を示します
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1:47 - 1:48音がない場合は
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1:48 - 1:52この神経活動をベースラインとし
神経コードはこの状態を -
1:52 - 1:55無音と設定します
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1:55 - 1:58音がすると
この神経活動は変化し -
1:58 - 2:03脳が無音と音を
区別できるようになります -
2:03 - 2:09しかし 聴覚系の健康状態が
この背景信号に影響することがあります -
2:09 - 2:14大きな音 病気 毒素
そして自然な老化までもが -
2:14 - 2:16蝸牛細胞を損傷することがあります
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2:16 - 2:19中には数時間で治るものもありますが
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2:19 - 2:25たくさんの細胞が
徐々に または一度に死ぬと -
2:25 - 2:29聴覚系の感度が低下してしまいます
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2:29 - 2:32情報を伝達する蝸牛細胞が減ると
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2:32 - 2:36入ってくる音が発する
神経信号が弱まります -
2:36 - 2:40そして多くの環境音が
完全に失われてしまうことがあります -
2:40 - 2:46脳はこれを補うために より多くの
エネルギーを使って聴覚伝導路を監視します -
2:46 - 2:49あなたがラジオのつまみを
回して調整するように -
2:49 - 2:54脳は より明瞭な信号が得られるよう
調整つまみをひねりながら -
2:54 - 2:56神経活動を修正します
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2:56 - 2:59この背景神経活動を増やすことで
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2:59 - 3:04弱い聴覚入力の処理を
助けようとするのです -
3:04 - 3:08ただ これは 無音のベースラインを
変えてしまう可能性もあり -
3:08 - 3:13すると音がしなくても
静寂とは程遠い状態になってしまうのです -
3:13 - 3:15これを「自覚的耳鳴り」と言い
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3:15 - 3:19耳鳴りの大多数を占めます
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3:19 - 3:22自覚的耳鳴りは
分かっている限り あらゆる耳の疾患に -
3:22 - 3:25関連がある症状ですが
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3:25 - 3:28必ずしも悪いものではありません
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3:28 - 3:30症状が現れると驚ろくでしょうが
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3:30 - 3:35自覚的耳鳴りは
本質的には悪影響はありません -
3:35 - 3:39しかし 一部の人にとっては
自覚的耳鳴りの症状が現れると -
3:39 - 3:42心の傷や痛みが
呼び覚まされることがあり -
3:42 - 3:45耳鳴りが悪化してしまいます
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3:45 - 3:51この心理的な悪循環により
よく起こるのが「厄介な耳鳴り」で -
3:51 - 3:56これは PTSD 不眠症 不安や鬱の症状を
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3:56 - 3:58悪化させる可能性があります
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3:58 - 4:01自覚的耳鳴りを完治する方法は
知られていません -
4:01 - 4:04そこで 医師にできる
一番大切なことは -
4:04 - 4:07患者がこの聴覚的な事象を
理解するのを助け -
4:07 - 4:13ややもすると苦痛を起こす音と
中立的な関係を築くよう促すことです -
4:13 - 4:19例えば 音響療法では
雨や鳥の鳴き声 音楽などの音を使って -
4:19 - 4:23耳鳴りを遮蔽し
ストレスを軽減します -
4:23 - 4:29情報マスキングという方法では
鎮静効果のある複雑な聴覚信号を使用し -
4:29 - 4:32脳の注意を
耳鳴りの音からそらします -
4:32 - 4:35エネルギーマスキングという方法では
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4:35 - 4:38患者の耳鳴りと
同じ周波数の音を使用し -
4:38 - 4:43耳鳴りの信号を伝える
ニューロンを占有します -
4:43 - 4:46カウンセリングと並行して
これらの治療法を実施すれば -
4:46 - 4:49耳鳴りがする人が
自分と耳鳴りとの関係を -
4:49 - 4:52再評価できるようになります
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4:52 - 4:56控えめに言っても
静寂を失うのはつらいことです -
4:56 - 5:02耳鳴りが明らかにしているのは
内部の雑音を取り除くことに失敗しても -
5:02 - 5:05脳が 周りの世界を
常に分析しているということです -
5:05 - 5:08ある意味では 耳鳴りを経験することは
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5:08 - 5:12脳が独り言を言っているのを
盗み聞きしているようなものです — -
5:12 - 5:15聞きたい会話ではないかもしれませんが
- Title:
- 耳鳴りの正体は?― マーク・ファゲルソン
- Speaker:
- マーク・ファゲルソン
- Description:
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耳鳴りは、古代バビロン以来ずっと人類を悩ませ続け、レオナルド・ダヴィンチやチャールズ・ダーウィンも苦しみました。現在、世界では、およそ7人に1人が耳鳴りを経験しています。一体耳鳴りとは何なのでしょうか?このしつこい音はどこから来るのでしょうか?マーク・ファゲルソンが、静寂の喪失の原因を探るために、聴覚系の中を旅します。
講師:マーク・ファゲルソン、 監督:Zedem Media
*このビデオの教材:https://ed.ted.com/lessons/what-s-that-ringing-in-your-ears-marc-fagelson - Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TED-Ed
- Duration:
- 05:17
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