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分散化されたインターネットの必要性

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    三年前に
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    私は分散化されたウェブの構築を始めました
  • 0:06 - 0:09
    なぜならインターネットの
    将来が心配になったからです
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    現在のインターネットは
    ゲートキーパーが大きく関わっています
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    ウェブ上の何かに辿り着こうとしたら
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    いくつも仲介者を通さなければいけません
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    まずはじめに
    ドメインネームサーバーです
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    そしてサーバー運営会社が
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    あなたを第三者に橋渡しします
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    ウェブサイト運営会社です
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    ウェブサイトにアクセスするたびに
    そういうことが起きます
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    これらのゲートキーパーは
    インターネットの攻撃に対し脆弱で
  • 0:38 - 0:42
    また検閲や監視を
    より容易なものにしています
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    そして状況は悪化しているのです
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    全てはクラウドへと移行していて
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    そこではデータが巨大企業によって
    管理されています
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    この変化により さらに強力な
    仲介者が生み出されます
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    クラウドへの移行は
    理にかなっています
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    開発者とサービス運営側にとって
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    より簡単で低コストだからです
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    物理サーバーの管理を
    気にする必要がなくなります
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    彼らを責めることはできませんが
    この傾向は非常に危険です
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    なぜならこの方法だと巨大企業が
  • 1:16 - 1:21
    ホスティングサービスに関して
    無制限のコントロールを握れるからです
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    この力は容易に悪用できます
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    例えば昨年のことですが
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    900万のウェブサイトの
    ゲートキーパーをしている会社のCEOが
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    世論の圧力を受け
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    その会社が管理しているサイトの一つを
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    極右な内容ということで
    ブロックすることにしました
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    そして彼は社内の人たちにメールしました
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    「これは恣意的な決定だ
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    今朝起きたとき機嫌が悪かったので
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    サイトを締め出すことに決めたんだ」
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    彼自身 認めています
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    「こんな権力は誰も持つべきではない」
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    ある従業員が反応して質問しました
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    「インターネットが死んだ日なのでしょうか?」
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    インターネットが死んだとは思いません
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    しかし 今まさに私たちは
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    ある種の無責任な中央集権化の過程にあり
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    それはインターネットを
    さらに脆弱なものにします
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    人と人とが直接やりとりをする
    分散化されたウェブは
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    中心点となるウェブ運営サービスを
    取り除くことで
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    この問題を解決し
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    それによりユーザーが力を得て
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    残しておきたいサイトを
    自分で運営できるようになります
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    このネットワークでは サイトを
    他の訪問者から直接ダウンロードします
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    100人の訪問者がいるサイトは
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    世界中の100台のコンピュータで
    運営されるということです
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    基本的に これは民衆によって支えられた
    インターネットなのです
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    ネットワークのセキュリティは
    公開鍵暗号で守られます
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    それにより サイトの所有者以外は
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    誰もサイトを書き換えられません
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    電気を大きな発電所から得る代わりに
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    家の屋根にソーラーパネルを
    置くようなものです
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    近所に電気を
    必要とする人がいたら
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    その人はあなたの家から
    直接もらうことができます
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    だから分散化されたウェブでは
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    他の訪問者がアクセスできるよう
    みんなが手を貸せるのです
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    さらにはそのことによって
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    私たちが不公正であると感じている
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    例えば検閲のようなものに
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    立ち向かえます
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    中国においてはインターネットは
    厳しく統制されています
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    政府を批判することはできません
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    抗議集会を組織することも
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    天安門事件の犠牲者を
    想起させるような
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    絵文字を使うこともできません
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    分散化されたウェブにおいては
    何を見ることができ
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    何ができないのか決めるのは
    政府ではありません
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    民衆が決めます
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    ウェブがより民主的なものになります
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    同時にこのネットワークでは
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    世界のどこだろうと
    明らかに非合法なことをするのは
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    難しくなります
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    ユーザーは そういう
    問題あるコンテンツを載せて
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    自分の身を危険に
    晒したくはないからです
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    インターネットの自由に対する
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    増大する別の脅威は
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    過剰な規制です
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    私が思うに
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    インターネットを規制する法律に
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    賛成投票している議員たちは
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    自分の決断の意味を
    よく理解していません
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    例えば欧州議会では
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    新しい著作権保護法が
    議論されていて
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    その中の第13条は
    もし可決されたなら
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    全ての大手ウェブサイトは
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    巨大企業がコントロールする
    規則に基づき
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    コンテンツを自動的に
    ブロックするフィルターを
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    実装しなければならなくなります
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    元々の発想は
    著作権の保護です
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    しかしインターネット上の
    他の多くのものを危険にさらします
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    ブログ、批判、議論、リンク、共有
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    グーグルとユーチューブは
    既に似たシステムを持っていますが
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    毎時十万件の削除依頼を受け取っています
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    もちろん こんな量のデータを
    人手で処理はできません
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    だから機械学習を利用して
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    著作権を侵害しているかどうか
    判定しています
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    しかし こういったフィルターは判定を誤ります
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    フィルターは何でも取り除きます
    人権侵害の記録や
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    著作権に関する講義から
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    検索結果の中の
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    著作権法第13条への批判記事まで
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    それ以外にも多くのものを
    取り除いてしまいます
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    フィルターは特定のコンテンツを
    取り除くだけではなく
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    紐づけられたアカウントまで
    失うことになるかもしれません
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    メールアドレスや、文書や、写真や
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    作家のデニス・クーパー氏に起きたように
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    書きかけの本までも
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    このようなシステムが
    政治家や競争相手に
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    どのように悪用されるか
    想像に難くありません
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    第13条はこのようなフィルターを
    全インターネットに拡張するもので
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    強烈に反対されています
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    ウィキペディア Github Mozilla
    その他多くの人々
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    インターネットやウェブの生みの親である
    ヴィント・サーフやバーナーズ=リーも
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    反対しています
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    しかし こういった強い反対にもかかわらず
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    前回の欧州議会の投票において
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    3分の2の議員はこの法律を支持しました
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    最終投票は2019年の初めになります
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    その結果は重要ですが
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    どちらに転ぼうとも
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    似たような提案が
    世界中で数多くされることでしょう
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    分散化されたウェブにおいては
    運営する会社がないので
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    こういった規制を
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    押し付けられにくいのです
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    ウェブサイトは訪問者によって支えられます
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    私はこのネットワークを
    三年前から作り始めました
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    それ以来 何千時間も何万時間も
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    開発に費やしました
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    なぜでしょう?
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    なぜ 誰でもコピーでき
    名前を変え 売ることさえできるものに
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    そんな時間をかけるのでしょう?
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    私の場合はですね
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    理由の一つは何か重要なことをするためです
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    ウェブ開発者としての
    普段の仕事には
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    自分を超えた何かになる可能性を
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    感じたことがありませんでした
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    単純に 私は自分の限られた人生を
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    意味のあるものにしたかったのです
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    昨年 中国のファイアウォールが
    私の作ったネットワークをブロックし始めました
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    これにより私は この政府支援による
    インターネット検閲と
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    敵対関係になりました
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    それ以来 本当にいたちごっこです
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    中国政府がファイアウォールに
    新しいルールを作ると
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    私はなるべく早くそれに対応します
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    中国のインターネットに
    検閲されてしまうような
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    コンテンツやウェブサイトを
    ユーザーが作り続けられるようにです
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    私がこのネットワークを作る
    もう一つの理由は懸念です
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    将来のインターネットには
    自由が無いのではと恐れています
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    集中化が進み法律が提案されることによって
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    言論の自由が脅かされ
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    それにより民主主義も脅かされています
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    私にとって分散化されたウェブの構築は
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    セーフハーバー(安全港)を
    創ることなのです
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    ルールが 巨大企業や政党によって
    作られるのではなく
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    民衆によって作られる場所です
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    ご清聴ありがとうございました
  • 9:44 - 9:47
    (拍手)
Title:
分散化されたインターネットの必要性
Speaker:
タマス・コチシュ
Description:

誰がインターネットを支配しているのでしょう?その答えは次第に巨大企業と政府ということになってきており、この流れはインターネットにおけるプライバシーや情報へのアクセスを脅かしていると、ウェブ開発者のタマス・コチシュは言います。この有益な講演において、 コチシュはインターネット上の自由に対する脅威を分析し、一般ユーザーが力を取り戻せる分散化されたインターネットを代わりのものとして構築する計画についてお話しします。

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Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TEDTalks
Duration:
10:00

Japanese subtitles

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