(がん)化学療法の発見と開発
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0:07 - 0:11第一次大戦 塹壕戦で
恐れられていたものに -
0:11 - 0:15マスタードガスと呼ばれる
黄色い毒ガスがありました -
0:15 - 0:18不運にも浴びてしまうと
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0:18 - 0:22呼吸困難になり
目に化学熱傷を来します -
0:22 - 0:26浴びた皮膚上には
大きな水疱ができました -
0:26 - 0:32科学者たちは手を尽くして
この残忍な兵器の解毒剤の開発を試みました -
0:32 - 0:37その過程で発見したのは
毒ガスが骨髄を壊滅させることでした -
0:37 - 0:42毒ガスにやられた兵士の血液細胞産生能力が
止まっていたのです -
0:42 - 0:47このように毒ガスはひどいものでしたが
科学者に示唆を与えました -
0:47 - 0:53がん細胞と骨髄細胞は
どちらも急速に分裂するという特徴があります -
0:53 - 0:55ということは 戦争の残酷な一例が
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0:55 - 0:58がんとの闘いでは
勝者といえるかもしれません -
0:58 - 1:021930年代の科学者たちは
この考えを検討すべく -
1:02 - 1:05マスタードガスから分離した化合物を
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1:05 - 1:08がん患者の静脈に注射したのです
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1:08 - 1:13害よりも利が上回る治療法を見つけるために
時間をかけ 試行錯誤しました -
1:13 - 1:15しかし 第二次世界大戦の終わりには
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1:15 - 1:20最初の化学療法薬として知られるものが
発見されました -
1:20 - 1:23こんにち 100以上にものぼります
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1:23 - 1:26化学療法薬は 錠剤や注射の形で投与されます
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1:26 - 1:33「細胞毒製剤」という
生きた細胞には有毒な化合物を用います -
1:33 - 1:38本質的に このような薬は人体の全細胞に
一定程度の害を与えます -
1:38 - 1:40健康な細胞にも です
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1:40 - 1:45しかし がんの特質である
急速に分裂する細胞に対しては -
1:45 - 1:48こういった薬の最も強力な効果が発揮されます
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1:48 - 1:51例えば 今も使用されている
最初の化学療法薬を取り上げましょう -
1:51 - 1:56アルキル化剤と呼ばれます
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1:56 - 1:58化学療法薬が血流内に注射されると
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1:58 - 2:01全身の細胞へ くまなく届けられます
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2:01 - 2:06まず細胞に入ると
細胞の複製時に そのDNAを露出する際 -
2:06 - 2:10薬剤はDNA二重らせんの構成分子を
傷害します -
2:10 - 2:13傷害が修復されない限り
細胞は死に至ることがあります -
2:13 - 2:16がん細胞は急速に複製しますので
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2:16 - 2:20高濃度のアルキル化剤を取り込み
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2:20 - 2:24そして がん細胞のDNAは何度も薬剤を浴び
かつ ほとんど修復されません -
2:24 - 2:28つまり 正常細胞よりも高頻度で
がん細胞は死に至ります -
2:28 - 2:30正常細胞は
DNAの損傷を治す時間がありますし -
2:30 - 2:35同じ濃度のアルキル化剤を蓄積しません
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2:35 - 2:41化学療法に使われる薬剤として
微小管安定化剤もあります -
2:41 - 2:44細胞には
細胞分裂や DNA複製に必要な -
2:44 - 2:48重合したり 脱重合する 微小管があります
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2:48 - 2:51微小管安定化剤は 細胞内に入ると
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2:51 - 2:54微小管が脱重合するのを妨ぎます
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2:54 - 2:59細胞は複製を完成できず 死に至ります
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2:59 - 3:04これらは 現代において がん治療に使われる
6つの化学療法薬の -
3:04 - 3:06たった2例です
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3:06 - 3:11しかし 大きな治療効果に反して
化学療法には一つ 大きな欠点があります -
3:11 - 3:17体内で通常 高速に再生される
健康な細胞にダメージを与えるのです -
3:17 - 3:21つまり 毛根 口内の細胞 消化器系の粘膜や
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3:21 - 3:27生殖器系 そして骨髄が
がんと同様に激しく攻撃されます -
3:27 - 3:32がん細胞と同じく
これら正常細胞の急速な産生が意味するのは -
3:32 - 3:35より頻繁に栄養を取り込んでいるので
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3:35 - 3:39化学療法薬の影響を受けやすい
ということです -
3:39 - 3:42化学療法には
一般的な副作用がいくつかあります -
3:42 - 3:47例えば 脱毛 易疲労感 不妊
吐き気 嘔吐などです -
3:47 - 3:51このような副作用を抑えるよう
通常 処方されるのが -
3:51 - 3:54強い吐き気止めです
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3:54 - 3:59脱毛には 冷却キャップと呼ばれる機器で
頭部の温度を下げ -
3:59 - 4:02血管を収縮することで
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4:02 - 4:06毛根の細胞に届く化学療法薬の量を制限します
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4:06 - 4:09そして 一連の化学療法が終わると
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4:09 - 4:13薬剤でひどい影響を受けた
正常な組織が回復し -
4:13 - 4:15通常通りに 再生を始めます
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4:15 - 4:222018年だけで 世界の1,700万人が
がんの診断を受けました -
4:22 - 4:27しかし 化学療法とその他の治療は
多くの人の回復の見通しを変えました -
4:27 - 4:31例えば 95%ほどの精巣がん患者が
実際にがんを克服しています -
4:31 - 4:35治療法が改善したおかげです
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4:35 - 4:40悪性度の高い血液がんといわれる
急性骨髄性白血病にかかった人でさえも -
4:40 - 4:44化学療法を受けた
60歳以下の患者の6割が -
4:44 - 4:48初回コースを終えて 寛解しています
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4:48 - 4:51研究者がさらに開発しているのは
より精度の高い治療法で -
4:51 - 4:55がん細胞だけを標的にします
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4:55 - 4:58健康な組織に対する悪影響を
少なくしつつ -
4:58 - 4:59生存率を改善し
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4:59 - 5:04がん治療の優れた治療法の一つである
化学療法をより良くするものです
- Title:
- (がん)化学療法の発見と開発
- Speaker:
- ノ・ジョシュア・ヒュンスー
- Description:
-
第一次大戦中、科学者はマスタードガスとして知られる黄色い毒ガスの解毒剤を開発中に、ガスで負傷した兵士の骨髄が再生不能なほど破壊されていることを発見しました。科学者は、がん細胞と骨髄はどちらも急速に複製すると気づきました。マスタードガスはがん治療に使えるでしょうか?ノ・ヒュンスーが(がん)化学療法の発見と開発について解説します。
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TED-Ed
- Duration:
- 05:05
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