アイディアが溢れかえる世界における意味あるイノベーション | ロベルト・ベルガンティ | TEDxPolitecnicodiMilanoU
-
0:16 - 0:18皆さんに聞いてみましょう
-
0:19 - 0:22“イノベーションの最も力強い
シンボルはなんでしょう?” -
0:23 - 0:25殆んどの方は “電球” と答えるでしょう
-
0:27 - 0:28もっともなことです
-
0:28 - 0:31イノベーションをアイディアの
実現と考えられているからです -
0:32 - 0:35目の前に問題があり
暗闇の中で 解決策を求めて奮闘し -
0:35 - 0:38目の前に問題があり
暗闇の中で 解決策を求めて奮闘し -
0:38 - 0:41とうとう誰かが
アイディアを思いつくのです -
0:42 - 0:46このように描かれるイノベーションは
意味あるものです -
0:46 - 0:50まあ かつては意味あるものでした
我々の世界は暗かったからです -
0:50 - 0:53アイディアは稀で
進歩の機会もずっと少なかったのです -
0:53 - 0:56しかし 現代の世界は
そうではありません -
0:57 - 0:59世界はこんな感じです
-
1:02 - 1:06私たちは アイディアが稀ではない
世界に住んでいます -
1:06 - 1:09アイディアが溢れかえる世界です
-
1:10 - 1:12毎日 携帯を開くだけで
アイディアを目にします -
1:14 - 1:15機会だらけです
-
1:15 - 1:17しかし こう思う方もいるでしょう
-
1:17 - 1:19“ 確かにそうだ
世界には沢山のアイディアが溢れている -
1:19 - 1:22しかし 大きなアイディアは足りていない
-
1:23 - 1:24世界が変わるようなのが欲しい”
-
1:24 - 1:26実際 殆どの場合
-
1:26 - 1:29大きなアイディアは目の前にあっても
見えていないのです -
1:29 - 1:32暗いからではなく
明るすぎるからです -
1:33 - 1:36どうして これほどアイディアの多い
世界になったのでしょうか? -
1:36 - 1:38理由は3つあります
-
1:38 - 1:40第1に人
クリエイティブな人が増えました -
1:40 - 1:43第2にツール
創造のための良いツールがあります -
1:43 - 1:46第3に
デジタル・テクノロジーです -
1:47 - 1:49デジタル機器を使うことによって
-
1:49 - 1:52何処にいても 様々なアイディアに
手軽にアクセスできます -
1:53 - 1:55覚えている方もいるでしょう
2011年 -
1:55 - 1:59メキシコ湾で
石油掘削基地の爆発がありました -
1:59 - 2:05石油掘削の歴史上
もっとも衝撃的な事故でした -
2:05 - 2:07ご記憶のように
数週間にわたって -
2:07 - 2:09石油の流出を止められませんでした
-
2:09 - 2:14そこで 専門家たちは 提案しました
“ 石油の流出を防ぐ案を -
2:14 - 2:18一般の人たちから募れるような サイトを
立ち上げよう” -
2:19 - 2:21ウェブサイトが立ち上げられました
2~3週間で -
2:21 - 2:262万件ものアイディアが
無償で提案されたのです -
2:27 - 2:28そして このアイディアを集める試み
-
2:28 - 2:31つまり 会社が抱える問題に
解決策を募集するサイトは -
2:31 - 2:35こんにちでは
1000サイト以上あります -
2:35 - 2:39つまり 私たちがいるのは
アイディアが稀ではない世界です -
2:39 - 2:41アイディアで一杯の世界
-
2:41 - 2:42素晴らしいことです
-
2:42 - 2:45もちろん アイディアを減らすべきだと
言いたいのではありません -
2:45 - 2:48世界の問題を解決するには
沢山のアイディアが必要です -
2:49 - 2:52さて どんな結果になるでしょう?
-
2:53 - 2:54この結果として
-
2:54 - 2:57イノベーションの性質が
著しく変化してきています -
2:58 - 3:02その変化は まだ私たちには見えず
まだ皆さんにも見えていません -
3:03 - 3:06しかし 見えないのは
暗いからではないのです -
3:06 - 3:08見えないのは
明るすぎるからなのです -
3:11 - 3:14残念ながら 今使っている
イノベーションのツールは -
3:14 - 3:17まだ世界が暗闇の中にいた頃に
作られたものです -
3:18 - 3:22デザイン思考もオープンイノベーションも
15年も前に創出されたものです -
3:22 - 3:24今とは違う世界でした
-
3:26 - 3:30当時は 光を増やすこと
アイディアを創出することが目的でした -
3:30 - 3:31そして成功しました
-
3:31 - 3:34実際に 今やアイディアはずっと
多くなりました -
3:34 - 3:36さあ どうしますか?
-
3:37 - 3:40この溢れんばかりのアイディアを
どう活かしたら -
3:40 - 3:44この明るすぎる世界に
実際の変化をもたらせるでしょうか -
3:44 - 3:47研究の結果 3つの異なった
考え方を発見しました -
3:48 - 3:53アイディアで溢れた世界で
イノベーションを生み出せる考え方です -
3:53 - 3:55これら3つの考え方は
こんにちまで -
3:55 - 3:57暗闇の世界で使われてきた考えとは
-
3:57 - 3:59全く逆のものです
-
4:00 - 4:01手始めに
-
4:02 - 4:04照明を弱めてみましょう
-
4:05 - 4:09そしてキャンドルを灯してみましょう
-
4:16 - 4:1830年前
-
4:18 - 4:20もし 母に
-
4:21 - 4:24” うちにキャンドルはある?”
と聞いたら -
4:27 - 4:29母の答えは
-
4:29 - 4:31“あるわよ 停電の時の為にね” と
-
4:31 - 4:32そうです
-
4:33 - 4:35その当時のイタリアでは
-
4:35 - 4:36電気は信頼性に欠けていましたから
-
4:36 - 4:39しかし 現代では
そんなことは 起きません -
4:39 - 4:41そして もし実際に停電したら
-
4:42 - 4:44携帯が手元にあります
-
4:44 - 4:46キャンドルを買う必要など
あるのでしょうか? -
4:46 - 4:49キャンドル産業は
もう消滅してしまってるはずです -
4:50 - 4:53今や キャンドルを買う
意味はもうないのです -
4:54 - 4:57キャンドルは 今までで 一番売れています
-
4:57 - 4:58キャンドルは大人気です
-
4:59 - 5:01家庭がキャンドルに費やす額は
-
5:01 - 5:04電球に費やす額よりもずっと多いのです
-
5:05 - 5:08どうして 私がこれを例にとっているって?
-
5:08 - 5:11これを例にとっている理由は
現代のイノベーションの見通しを -
5:11 - 5:15とてもシンプルに説明できるからです
-
5:15 - 5:18イノベーションには
2つの違う段階があるのです -
5:19 - 5:211つ目は意味です
-
5:21 - 5:23もう1つは 解決です
-
5:24 - 5:26「意味」とは イノベーションにあたって
-
5:26 - 5:29「意味」とは イノベーションにあたって
-
5:29 - 5:30達成したい目的のこと
-
5:31 - 5:33「解決」とは その目的を達成するための
-
5:34 - 5:36製品やサービス又は過程なのです
-
5:37 - 5:41意味は方向付けであり
イノベーションの理由です -
5:41 - 5:44解決は
どうやってその目的に辿り着くか -
5:46 - 5:49現在の世界は アイディアで
溢れているので -
5:49 - 5:51解決に至るのは とても簡単です
-
5:53 - 5:56しかし 斬新で 意味のある方向を
創出したり 見い出すことは -
5:56 - 5:57もっと複雑なのです
-
5:57 - 6:00キャンドルビジネスの成功は
より良い解決だからではありません -
6:00 - 6:03現代のキャンドルが
30年前のキャンドルよりも -
6:03 - 6:05より良い照明になったわけではないのです
-
6:06 - 6:09ただ 母がかつて買っていたキャンドルと
今のキャンドルは全く別物です -
6:09 - 6:12今のキャンドルは
違う目的で買われます -
6:12 - 6:14違う意味で買われます
違う理由で買われます -
6:14 - 6:17部屋の雰囲気づくりのために
購入するのです -
6:17 - 6:20部屋の明かりを少し暗くするときに使うのです
-
6:23 - 6:26現在 解決策は沢山あります
しかし 解決策が増える程 -
6:26 - 6:29意味を探すのが困難になるのです
-
6:30 - 6:33そうです もしキャンドル産業を見てみると
-
6:33 - 6:37かつて業界をリードしていた
キャンドルの製造者は -
6:37 - 6:39もはやうまく行っていません
-
6:39 - 6:421830年創業のプライシズ社は
-
6:42 - 6:45キャンドルのトップメーカーでした
-
6:45 - 6:50キャンドル産業が拡大していた2011年に
この会社は 倒産しました -
6:52 - 6:56想像してみてください
ブレインストーミングを行って -
6:56 - 6:57アイディアが色々溢れます
-
6:57 - 7:00そして キャンドルが
より良い照明になる方法を探します -
7:00 - 7:02実際にアイディアは沢山あるのです
-
7:02 - 7:04キャンドルには
多くのイノベーションがありえます -
7:04 - 7:08さまざまな素材
LED、電気、ブタンガス -
7:08 - 7:12性能をよくするためにできる
あらゆることを試せます -
7:12 - 7:14しかし ちょっと想像してみてください
-
7:14 - 7:19この壁が付箋で覆われているとします
そこに小さな付箋が一枚混じっています -
7:19 - 7:20それには何かが描かれてます
-
7:20 - 7:25“ ビンの中にロウを詰めて
-
7:26 - 7:28中の火を遮るような
大きなラベルを貼り付けたキャンドル -
7:28 - 7:31こういうのを作ったらどうだろう?”
-
7:32 - 7:37皆は こう言うでしょう
“面白いけど キャンドルの意味がない” -
7:41 - 7:46瓶詰のロウに大きなラベルを付けた
キャンドルはこれです -
7:46 - 7:48“キャンドルを燃やしても
炎は遮られています” -
7:48 - 7:50明るさを求めているとすれば
-
7:50 - 7:52このようなキャンドルは無意味でしょう
-
7:52 - 7:53しかし
-
7:53 - 7:57暖かい雰囲気のでるキャンドルを探して
いるのであれば十分意味があるのです -
7:57 - 8:00ヤンキーキャンドル社が
このキャンドルを作り出しました -
8:00 - 8:01キャンドル産業の後発企業でした
-
8:01 - 8:05この会社がトップ企業になったのは
より良い解決策があったからではなく -
8:05 - 8:08物の持つ意味を変えたからです
-
8:09 - 8:13第一の考え方は
この溢れかえる世界で -
8:13 - 8:16チャンスとアイディアで溢れている世界で
-
8:16 - 8:19イノベーションとは解決策を探すことではく
-
8:19 - 8:22意味を探すということです
-
8:23 - 8:25新しい 意味を探すことです
-
8:26 - 8:28どうしたら 新たな意味を見つけることが
できるでしょう -
8:29 - 8:34これまでのイノベーションの手法である―
-
8:34 - 8:37さっきのデザイン思考や
オープンイノベーションは -
8:37 - 8:40解決のレベルで問題に取り組むために
作られたことが問題なのです -
8:40 - 8:43沢山の解決策を生み出すことができましたが
-
8:43 - 8:45意味のレベルに持ちこむと
-
8:46 - 8:48これらの手法は
苦戦し 失敗するのです -
8:49 - 8:53例えば これらの手法のほとんどは
イノベーションの過程において -
8:53 - 8:55外部から開始することが必要です
-
8:56 - 8:57外に出て
-
8:57 - 8:59利用者に会い
-
8:59 - 9:01外部の人たちと交流します
-
9:01 - 9:04枠にはまらない考えを必要とします
-
9:04 - 9:06だから イノベーションは外側から内側へ
向かうものなのです -
9:07 - 9:10もしこの考えを意味の階層で
使うとどうなるでしょう -
9:11 - 9:14数年前のこと ある温調機器の会社が
イノベーション開発の -
9:14 - 9:15プロジェクトを実施して
-
9:15 - 9:18サーモスタットの新規開発を試みました
-
9:18 - 9:19外から内への方法が使われました
-
9:19 - 9:24まず外の声を聞きました
利用者に会い 外部の人たちと議論して -
9:24 - 9:27ブレインストーミングで
色々なアイディアが生まれました -
9:27 - 9:31殆どのアイディアはプログラム式の
サーモスタットに関係していました -
9:31 - 9:32プログラム式とは
-
9:32 - 9:35動作時間を設定したり
-
9:35 - 9:39時間によって温度の上げ下げが可能な
サーモスタットです -
9:39 - 9:41殆どのアイディアは
-
9:41 - 9:42多彩な機能の提供でした
-
9:42 - 9:44プログラミングの改善や
-
9:44 - 9:46温度調整の性能向上です
-
9:48 - 9:50しかし 全く新しいアイディアもありました
-
9:50 - 9:52学習式のサーモスタットです
-
9:52 - 9:56人によるプログラミング機能はありません
-
9:57 - 10:02つまり サーモスタット自身が
家庭の日常を学習して自己プログラムするのです -
10:02 - 10:04家に戻る時間や出る時間を覚え
-
10:04 - 10:08何日もかけ ゆっくりと徐々に自分で
プログラミングしていくのです -
10:08 - 10:10性能向上のアイディアではありません
-
10:10 - 10:14他のサーモスタットほど
正確なわけではありません -
10:14 - 10:15完璧にプログラムすることは不可能です
-
10:15 - 10:17しかし新しい意味がありました
-
10:17 - 10:22プログラミングに時間をかけたくない
という人に向いています -
10:22 - 10:24何も気にしなくてすみます
-
10:24 - 10:27サーモスタットに全部お任せできるからです
-
10:27 - 10:30なので 正確性には欠けましたが
開発が試みられました -
10:30 - 10:33様々な試作品を生み出し
-
10:33 - 10:36利用者に披露して
こんなことが分かりました -
10:38 - 10:42学習サーモスタットについて
得られた結論はこうです -
10:42 - 10:46” 消費者は サーモスタットに
コントロールされるより -
10:46 - 10:49サーモスタットをコントロールする方が
良いと考えるとわかった” -
10:51 - 10:54この製品アイディアは却下され
放棄されました -
10:55 - 10:57それから数年後
-
10:57 - 11:00アップル社のマネージャー2人が
-
11:00 - 11:04退職してサーモスタット関連の
会社を立ち上げました -
11:05 - 11:09彼らは分析はせず
外側から内側へという動きはせず -
11:09 - 11:13ブレインストーミングもせず
社外の人や利用者と会ったりはしませんでした -
11:13 - 11:15自分たち自身から着手しました
-
11:15 - 11:17ある一つのビジョンから着手したのです
-
11:18 - 11:20すなわち 人々にとって意味あることは
何かという理解からです -
11:20 - 11:22何を信じたかというと
-
11:22 - 11:25家にいるときには サーモスタットの脇で
プログラムに費やす時間ではなく -
11:25 - 11:27家にいるときには サーモスタットの脇で
プログラムに費やす時間ではなく -
11:27 - 11:30家族と過ごす時間が
はるかに意味あるものだということです -
11:32 - 11:35彼らは Nest 社を立ち上げ
-
11:35 - 11:37自己学習式のサーモスタット
第一号を発売しました -
11:38 - 11:40そして 大人気を得ました
-
11:41 - 11:43その意味するところは何か
-
11:43 - 11:46解決策から着手するときや
解決策を探索するときには -
11:46 - 11:50外に出て 情報を
集めるのは良いことです -
11:50 - 11:54しかし 新しい意味を求めるときには
それは中から出てくるべきものなのです -
11:54 - 11:56イノベーションの動きは逆向きとなり
-
11:56 - 11:59外から中ではなく
中から外へと向かうべきです -
12:01 - 12:05とても理にかなっています
解決策は外部の意見が必要かもしれませんが -
12:05 - 12:07意味や方向性
-
12:07 - 12:09これらは誰かに尋ねるものではなく
-
12:09 - 12:11私たち自身から生み出すものなのです
-
12:11 - 12:13初めての失敗
-
12:13 - 12:15初めての問題
-
12:15 - 12:17イノベーションを進めると
いくつかの問題に直面します -
12:17 - 12:19もし 信念がなければ
諦めてしまうでしょう -
12:20 - 12:23信念がなければ
誰からも好まれることはないでしょう -
12:24 - 12:27アイディアで溢れた世界で
イノベーションを進めるのは -
12:27 - 12:28プレゼントを考えるのと似ています
-
12:29 - 12:32プレゼントを準備するとき
何を考えますか? -
12:33 - 12:36解決策が問題ではありません
欲しいものは何でも買えます -
12:37 - 12:39買えないものはありません
-
12:40 - 12:43彼女や彼氏へのクリスマスプレゼント
-
12:43 - 12:44解決策は問題ではないのです
-
12:44 - 12:47問題は それに意味があるかどうかなのです
-
12:48 - 12:49本人に聞いてはダメです
-
12:49 - 12:53“クリスマスプレゼントは何が欲しい?”
と電話で聞けますが -
12:53 - 12:56それでは 受け取ってもらえても
気に入ってもらえることはありません -
12:57 - 12:59知人に聞いてみるのもダメです
-
12:59 - 13:03“ 彼女へのプレゼントの
アイディアは何かない?” -
13:04 - 13:05なんてことでしょう
-
13:05 - 13:08心がこもってないと彼女に気づかれます
-
13:08 - 13:12気に入ってもらえるプレゼントとは
心のこもっているものを言うのです -
13:12 - 13:16彼女にとって何が意味あるかを
自分で解明したものです -
13:17 - 13:20彼女の新たな一面を引き出すのも
あなた次第なのです -
13:21 - 13:24つまり このアイディアだらけの世界で
-
13:24 - 13:26イノベーションを一段上に立って考えると
-
13:26 - 13:28イノベーションは 逆向きになり
-
13:28 - 13:29内から外へ行くべきです
-
13:29 - 13:30人々にとってより意味のあるものとは何か
-
13:30 - 13:33気に入られるものは何か
-
13:34 - 13:36それを理解することから始まるのです
-
13:36 - 13:38それはただの始まりにすぎません
-
13:39 - 13:45そして 第2の過程で
さじ加減が必要になります -
13:45 - 13:49自分が好きなものが他のみんなに
気に入られる訳ではないからです -
13:49 - 13:51自分が気に入らない物は
誰にも気に入られないですが -
13:52 - 13:55私たちと他の人が好むものが
必ず一致する訳でもないのです -
13:55 - 13:56他の何かが必要なのです
-
13:56 - 14:00不足を補う第3の考え方が必要なのです
-
14:00 - 14:02この考え方を理解するには
-
14:02 - 14:05サーモスタットの会社の話に戻る
必要があります -
14:05 - 14:08学習能力付きのサーモスタットを試みて
却下した話です -
14:08 - 14:10アイディアは目の前にあるのに
-
14:10 - 14:12却下されました
なぜでしょう -
14:12 - 14:15この結論を出した人の
肩書に注目してみましょう -
14:15 - 14:16彼の役割は何でしょう?
-
14:16 - 14:20彼は空調ボイラー制御機器の事業部長でした
-
14:21 - 14:23”制御機器”です
-
14:24 - 14:25もしあなたが
-
14:25 - 14:28空調ボイラー制御機器の
事業部長だったとします -
14:28 - 14:31どの言葉に敏感になってしまうでしょうか?
-
14:33 - 14:34”制御” でしょう
-
14:35 - 14:36言いたいのは
-
14:36 - 14:40このアイディアで溢れた世界で
私たちは情報をふるいにかけて -
14:40 - 14:42見たいものだけに
目を向けがちです -
14:42 - 14:45もちろん 自分のところから着手するしか
方法はないのですが -
14:45 - 14:47もし内側から始めるのなら
-
14:47 - 14:50自分の好む意見にばかり集中したり
-
14:50 - 14:53一方向に囚われないよう
心がけないといけません -
14:53 - 14:56つまり 他の人からの評価も
必要だということです -
14:58 - 15:01アイディアだらけの世界では
これ以上アイディアは不要なのです -
15:02 - 15:06人生を理解するうえでのアイディアも
見直す必要があります -
15:07 - 15:09批評とはネガテイブな意味ではなく
-
15:09 - 15:10深く掘り下げ
-
15:11 - 15:13物事を違う面から見ていくことです
-
15:13 - 15:16そして 少しずつ
方向性を変えていくことです -
15:17 - 15:18どうやって?
-
15:18 - 15:22Nest 社の創設者2人の話に戻りましょう
-
15:23 - 15:26ブレインストーミングや
ユーザー分析は一切せずに -
15:26 - 15:29自らの信じる一つの理想を手に
始めたのです -
15:29 - 15:30どんな始まりだったのか
-
15:30 - 15:34彼らはアップル社を退職し
とあるレストランで話し合いました -
15:34 - 15:38“ トニー 僕は会社を立ち上げたいんだ
そして 僕は君と一緒に始めたいんだ” -
15:38 - 15:40“ 一体何の会社をやりたいんだ?”
-
15:41 - 15:43“ 僕はスマートホームの会社を
立上げたいんだ” -
15:44 - 15:45“君はバカだ”
-
15:45 - 15:48ブレインストーミングでは
こうは言いません -
15:49 - 15:53“スマートホームは売れない
買おうとするのはオタクだけだ” -
15:53 - 15:57批評を述べるにしても ちょっと柔らかめの
言い方もあるでしょう -
15:57 - 15:58しかし この場合
-
15:58 - 16:01トニー・フェデルはマット・ロジャーの
アイディアを却下しているのではなく -
16:02 - 16:03アイディアを信頼していたのです
-
16:03 - 16:05実際 彼らは話を深く掘り下げ
-
16:05 - 16:08新しい方向性へと進んでいきました
-
16:08 - 16:11さもなければ 彼らはプログラム可能な別の
サーモスタットを開発したでしょう -
16:12 - 16:15これが この 混雑しすぎた世界での
イノベーションを実現するための -
16:15 - 16:17核心部なのです
-
16:18 - 16:20私たち自身から始める必要があります
-
16:20 - 16:22他に方法はありません
-
16:22 - 16:25世界の変化に対する自分たちの理解
-
16:25 - 16:28他の人たちに何が意味あることなのか
という自分たちの理解 -
16:28 - 16:29それが私たちのギフトです
-
16:30 - 16:32しかし まだ始まりにすぎません
-
16:32 - 16:34これは ラッピングされておらず
-
16:34 - 16:37他の誰かの物と
一緒にする必要のあるギフトです -
16:37 - 16:39他の誰かとは どんな人でしょう?
-
16:39 - 16:42それは2つの特徴を持っている人たち
-
16:42 - 16:45それは 私たちとは違うギフトを持っていて
-
16:45 - 16:46何か違う信念を持ちながら
-
16:46 - 16:49私たちを人間として信用していること
-
16:49 - 16:52そして 別々のギフトとの衝突と
お互いのサポートが融合する中で -
16:52 - 16:56少しずつ 少しずつ 新しい方向へと
向かっていきます -
16:57 - 17:02アイディアで溢れた世界のイノベーションでは
ツールや過程は重要ではないのです -
17:02 - 17:04大事なのは人なのです
-
17:04 - 17:07熱く議論できるパートナーが
必要なのです -
17:07 - 17:08ボクシングの練習相手です
-
17:08 - 17:10熱く議論できるパートナーとは
どんな人か? -
17:10 - 17:14それは 旅の道連れに
なってくれるような人 -
17:15 - 17:17自分を信頼してくれる人
-
17:17 - 17:21一緒に戦ったり 挑戦してくる人のこと
-
17:21 - 17:23倒したいからではなく
-
17:23 - 17:25そのギフトを強く仕上げて
欲しいと思っているから -
17:26 - 17:28つまり
-
17:28 - 17:31このアイディアで溢れた世界で
アイディアを探すのではなく -
17:31 - 17:32人を探すことなのです
-
17:32 - 17:34ありがとうございます
-
17:34 - 17:35(拍手)
- Title:
- アイディアが溢れかえる世界における意味あるイノベーション | ロベルト・ベルガンティ | TEDxPolitecnicodiMilanoU
- Description:
-
チャンスで溢れている世界では、意味のあるビジョンを作り出せれば価値が生まれる。 数年前まではネガティブに捉えらえてきた批評が、アイディアで溢れているが新規なビジョンの不足した現在の世界では、価値を生み出す方法として解釈されている。
ロバートの研究はある疑問に端を発している。どうしたら意味のあるイノベーションを生み出すことができるだろうか? さらにどうやってそれを実現できるだろうか?
ロバート・ベルガンティはミラノ工科大学でリーダーシップとイノベーション講座の教授を務め、リーダーシップ、デザインやイノベーションの教育を行うLeadin'Lab の役員でもある。著書に『突破するデザイン』や『デザイン・ドリブン・イノベーション』。
ハーバードビジネススクールでは2度、コペンハーゲンビジネススクールやカリフォルニア工科大学でも客員研究員の経歴を有し、また欧州委員会の研究・イノベーション総局の委員、カルロス・モエダスのアドバイザーでもある。この ビデオは、TEDカンファレンスの形式で地元コミュニティーが独自に運営するTEDxイベントにおいて収録されたものです。詳しくはhttps://www.ted.com/tedx をご覧ください。
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TEDxTalks
- Duration:
- 17:42
Natsuhiko Mizutani
FB グループで翻訳、レビュアーの調整を行っているタスクですので、約束した翻訳者以外の方は、翻訳タスクを取らないよう、ご協力をお願いします。
2019年2月8日 水谷