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アメリカの保釈制度の問題点

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    2000年以降 米国の年間受刑者数は
    横ばい傾向を続けていますが
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    年間平均収監者数は
    毎年著しく増加しています
  • 0:18 - 0:20
    これはどうしてでしょうか?
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    その答えは保釈制度にあります
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    制度が意図した仕組みが
    機能していないからです
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    「保釈」とは 公判を待つ被疑者の
    暫定的な釈放を意味しますが
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    その条件が被疑者が法廷へ出頭し
    容疑と向き合うことです
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    世界中の国では
    様々な条件の保釈を適用しますが
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    中には保釈という措置は
    使わない国もあります
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    米国の保釈制度は
    主に現金保釈により成り立っています
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    この制度は次のような仕組みです
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    罪に問われた人に対し
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    裁判官は妥当と思われる保釈金を設定します
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    被疑者は保釈金を納めることにより
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    判決が下るまで
    刑務所から釈放されます
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    訴訟が終結すると
    有罪無罪に関わらず
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    被疑者が無欠席で出廷していれば
    保釈金は返金されます
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    この制度の根拠にあるのが
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    米国司法制度の推定無罪の原則です
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    罪に問われた如何なる人も
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    有罪判決確定まで
    収監されるべきではないというものです
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    ところが現行の米国の保釈制度では
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    推定無罪の原則が守られていません
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    それどころか 被疑者の人権を侵害し
    特に多大な被害が及ぶのは
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    低所得層と有色人種の人々が住む地域社会です
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    その主な原因は保釈金の負担です
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    現金保釈が従来の役割を果たすには
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    被疑者に支払いが可能な
    額でなくてはなりません
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    有罪の可能性を示唆した額の
    保釈金のはずではありませんでした
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    保釈金設定の時点では
    裁判所は検証をまだしていません
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    例えば罪が非常に重い等の
    特別な事情がある場合に限り
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    裁判官が保釈請求を拒否し
    被疑者を公判前に拘置することもできます
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    裁判官がこの権限を行使するのは
    例外であるべきとされ
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    頻繁に行われると
    調査の対象になる可能性もあります
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    そのため 公判前の釈放を阻止する
    2つ目の方法として
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    負担しきれない高額な保釈金を
    設定するようになりました
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    この場合には
    裁判官の個人的な裁量や偏見が
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    誰をこの方法で拘束するかの選択に
    大きく左右しました
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    年々上昇する保釈金額と共に
    支払いができない被疑者の数が増大しました
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    その結果さらに多くが
    刑務所に留まりました
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    19世紀後半には この状況が背景となり
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    保釈保証業が出現しました
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    被疑者の保釈金を立て替えて
    高額な手数料を請求する業者です
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    現在の平均保釈金は1万ドルです
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    それはアメリカ国民の半数近く
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    そして被疑者の10人中9人にとって
    きわめて高額といえる金額です
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    支払いができない被疑者は
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    保釈保証業者へ
    ローンを申し込むことができますが
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    誰の保釈金を立て替えるかは
    業者が独断で決めることができます
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    業者は返金できそうだと思える
    被疑者を選び
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    年間約20億ドルの利益を得ています
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    事実 過去20年において
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    公判前の拘置が
    米国の収監者増加の主な要因です
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    毎年 何十万という数の人が
    保釈金が払えないか あるいは
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    保釈金ローンの確保に困り
    訴訟の終結まで刑務所に留まります
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    この不公正の影響は
    アフリカ系とラテン系の米国人に偏っていて
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    裁判官は往々にして
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    同等の罪に問われた白人よりも
    高額な保釈金を設定します
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    負担しきれない保釈金は
    無実の被疑者さえ無理な状況に追い込みます
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    犯していない罪を認めてしまう人もいます
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    軽犯罪の場合には
    検察側が被疑者に提示することもあるのが
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    罪を認める答弁を司法取引として
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    すでに終えた留置期間を
    減刑要素に充てる条件です
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    多くの場合 留置期間と刑期は同じで
    すぐに釈放が許されます
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    しかし犯罪歴は残ります
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    その一方で 無実を主張し続けると
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    公判を待ちながら
    無期限に収監されることもあります
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    だからと言って無罪判決の保証はありません
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    そもそも 保釈金制度の必要性は
    ないかもしれません
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    ワシントンDCは1990年代に
    現金保釈をおおまか廃止しました
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    2017年には 被疑者の94%を
    保釈金なしで釈放しましたが
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    その88%の人たちが
    全ての出廷義務を果たしています
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    非営利団体
    「The Bail Project (保釈プロジェクト)」は
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    毎年 何千人もの低所得者に
    無償で保釈金を援助することにより
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    保釈制度が意図とした
    返金にかられた目的を無くします
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    その結果は?
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    被疑者は返金に関係なく
    公判の90%に出廷し
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    出廷日を逃した場合でも
    その理由は主に
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    育児や仕事
    急病などの事情によるものです
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    ある調査結果によると
    被疑者の公判前の拘置は
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    多くの場合保釈金が払えないのが
    主な理由ですが
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    その結果として再逮捕や再犯の
    可能性が高まると立証されています
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    公判前の収監は 被疑者だけでなく
    地域社会全般に被害を与え
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    その被害を家族の人たちは
    何世代にも渡り負い続けます
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    収監された被疑者は生計手段や家や
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    生活に必要な様々なサービスを
    失うこともあります
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    その全てを罪の確定前に失うこともあるのです
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    さらに この制度はかなりコストがかかります
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    米国の納税者は 毎年140億ドル近くを
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    司法上では無罪とされる人たちの
    収監に支払っています
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    この現状は人種や富に関係なく
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    法律に基づく公平な裁判の権利に反しています
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    現金保釈をとりまく問題は
    多くの社会問題—
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    例えば 構造的な人種差別や
    過剰な留置制度への依存の表れです
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    The Bail Project のような
    改革を推進する団体が
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    現金保釈制度のジレンマに陥る
    人々の助けに当面は務めながら
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    今よりも公平で人道的な公判前制度の確立を
    将来に向けてめざしています
Title:
アメリカの保釈制度の問題点
Speaker:
カミロ・ラミレズ
Description:

2000年以降、米国の年間受刑者数は横ばい傾向を続けていますが、年間平均収監者数は毎年著しく増加しています。これはどうしてでしょうか?その答えは保釈制度にあります。元々意図していた制度の仕組みが機能していないからです。カミロ・ラミレズは、現金保釈制度が低所得層と有色人種の人々に特に被害を与えている理由を詳しく説明します。

講師:カミロ・ラミレズ、監督:パトリック・スミス

このビデオの教材: https://ed.ted.com/lessons/the-problem-with-the-u-s-bail-system-camilo-ramirez

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Video Language:
English
Team:
TED
Project:
TED-Ed
Duration:
06:10

Japanese subtitles

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