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← 刑務所で起きた「詩」という奇跡 | クリスティーナ・ドメネック | TEDxRíodelaPlata

刑務所における、言葉と詩の力を描いたトークです。
ライターであり哲学者でもあるクリスティーナ・ドメネックは、子供や大人をはじめ、さらにブエノスアイレスの第48刑務所に設置されたサン・マルティン国立大学のコースで受刑者に読み書きを教えています。言葉の力で精神を解放し、そして世界を変えていこうというアイデアを紹介します。

このビデオはTEDカンファレンスとは独立して運営されるTEDxイベントにおいて収録されたものです。

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Showing Revision 4 created 12/28/2016 by Riaki Poništ.

  1. 詩人であるためには
    地獄を経験しなければならないと言われます
  2. 私がその刑務所を初めて訪れた時
  3. 南京錠の音も ドアの閉まる音も
    独房の鉄格子の音も
  4. その他想像していた物事全てにも
    驚きませんでした
  5. 多分 その刑務所が
    とても開放的な環境にあったからでしょう
  6. 空も見えて
  7. カモメが頭上を飛ぶと
    海のそばにいるような
  8. ビーチ付近にいるような気がします
  9. でも実は そのカモメたちは
    近くのゴミ溜めに餌を探しているのですけどね
  10. さらに中に進むと 不意に
    廊下を横切って行く受刑者が目に入りました
  11. その光景に私は
    現実から一歩引いて見た時
  12. もし 違う人生や 生い立ちや
    巡り合わせがあったら
  13. 自分も受刑者の1人になっていた可能性は
    大いにあり得ると思いました
  14. なぜなら誰も そう誰も
    生まれる場所を選べないからです
  15. 2009年に
    あるプロジェクトに招かれ
  16. サン・マルティン国立大学が
    第48刑務所で運営する—
  17. 文芸創作ワークショップを任せられました
  18. 刑務所の端にある一角が提供され
  19. そこに大学のセンターが建ちました
  20. 初めて受刑者たちと話した時
  21. なぜ文芸創作ワークショップを
    受けたいのか尋ねてみました
  22. すると 言いたいけど言えない事や
    やりたいけどできない事を
  23. 全て紙に書き留めたいのだという
    答えが返ってきました
  24. すぐさま私はこの刑務所に
    詩の世界を紹介しようと心に決めました
  25. そして こう提案しました
    「もし詩というものをご存知なら
  26. 一緒に書きましょう」
  27. だけど 詩というものが実際何なのか
    知っている人はいませんでした
  28. 受刑者たちからも提案がありました
    「大学講義を受けている受刑者に限らず
  29. 受刑者全員がこのワークショップを
  30. 受けられるようにするべきだ」
  31. そこで私は
    「このワークショップを始めるためには
  32. 全員に共通するツールをを見つけなくては」
    と言いました
  33. そのツールとは「言葉」でした
  34. 言葉は持っているし ワークショップもある
    詩も作れるだろうと思ったのです
  35. しかし計算外だったのは 世の中の不平等が
    刑務所内にも存在することでした
  36. 多くの受刑者は高校さえ出ていません
  37. 多くが筆記体を使えず
    活字体もやっとです
  38. スラスラと書くこともできません
  39. そこで私たちは短い詩から始めました
    とても短くて とても力強い詩
  40. 1人の詩人 そして次の詩人へと
    作品を読み進めました
  41. 短い詩を読んでいると
    詩的な表現とは
  42. ロジックを壊して
    新たなシステムを作ることだと
  43. 全員が気づき始めます
  44. ロジックを壊すことは
    自分たちがそれまで
  45. 刷り込まれてきたシステムを
    崩すことにもなります
  46. こうして 新たなシステムが出現し
    新たな文法が生まれ
  47. 理解がとても速くなりました
    本当に速くなったのです
  48. 詩的表現を使えば言いたいことが何であっても
    確実に表現することができるのです
  49. 詩人であるためには
    地獄を経験しなければならないと言われます
  50. 受刑者たちは
    沢山の地獄を経験しています
  51. ある受刑者が こう発表しました
    「刑務所の中で眠ることはない
  52. 牢屋の中では絶対に眠れない
    まぶたを閉じるなんて永遠にできない」
  53. そこで 私は受刑者たちの前で
    このように少し黙り
  54. そして こう言いました
    「皆さん それが詩というものです
  55. これが皆さんを取り巻く
    刑務所の世界です
  56. “眠ることはない”と語ること
  57. そのものから恐怖がにじみ出ています
    書かれていないもの全てが詩と言えるのです」
  58. そして私たちは
    その地獄を利用することから始めました
  59. ダンテの詩に登場する
    「暴力者の地獄」へ飛び込んだのです
  60. 自ら慣れ親しんできた
    その地獄の谷で
  61. 受刑者たちは 詩の世界なら
    壁を消し去ることも
  62. 窓が話をするようになるようにも
    影の中に隠れたりもできるのだと学びました
  63. ワークショップの初年度が終了した時
  64. 私たちは小さな修了式を開きました
  65. 大好きな仕事が終わった時に
  66. お祝いに打ち上げをやるようなものです
  67. 家族や友人たちや
    大学関係者を呼んで
  68. 受刑者たちが詩を読み
  69. 修了証書と拍手をもらうだけの
    とてもシンプルな式でした
  70. 今日 帰る前に ただ1つお伝えしたいのは
    その時のことです
  71. 私の横に立つ受刑者たちは
    なかには大男もいれば
  72. 非常に年若く しかし
    とても自意識の強い者まで様々でしたが
  73. 誰もが手に紙を握り
    小さい子のように震え 汗をかきながら
  74. 自分の詩を
    ひどくかすれた声で読みました
  75. その時 強く思ったことがあります
    彼らのほとんどにとって
  76. 何かをやり遂げて拍手をもらうのは
    これが初めてのはずだと思ったのです
  77. 刑務所の中では
    できない物事があります
  78. 刑務所の中で 夢は見れません
    刑務所の中で 泣くこともできません
  79. 「時間」や「未来」や「願い」
    などの言葉は
  80. 事実上 禁句なのです
  81. それでも私たちは あえて夢を見ました
    それも大きな夢です
  82. 受刑者たちに
    本を書いてもらうことにしたのです
  83. ただ本を書くのではなく
    自分たちで製本するというものです
  84. 2010年末のことでした
  85. その後 私たちは
    本をもう1冊出すという賭けに出ました
  86. この本も自分たちで製本しました
  87. そっちは つい最近で
    昨年末のことです
  88. 週を追うごとに 目に見えて
    受刑者たちが別の人間になっていきます
  89. 別人に生まれ変わっていくのです
  90. 言葉が それまで味わったこともなく
    想像さえできなかった「尊厳」を与え
  91. 受刑者たちを力づけているのです
  92. それまでは自分たちに尊厳があるなんて
    思ってもみなかったのですからね
  93. ワークショップ中は 全員お馴染みの
    地獄の中で誰もが何かを提供します
  94. 手と心を開き
    自分たちにあるものや
  95. できることを提供します
  96. 誰もが全員 平等にです
  97. こうすることで誰もが
    少なくとも 少しでも
  98. 自分たちの多くが 刑務所に
    行き着いてしまう元凶である—
  99. 「社会の巨大なほころび」を
    修復していると感じられるのです
  100. 第48刑務所でのワークショップで
    非常に優れた詩人が作った詩が
  101. 記憶に残っています
    ニコラス・ドラドという受刑者です
  102. 「この巨大な傷口を縫うには
    無限の糸が必要になるだろう」
  103. 社会から疎外されるという「傷」を
    繕ってくれるのが詩です
  104. 詩の世界は様々な物事への扉を開き
    鏡のような役割を果たします
  105. 詩という鏡を作り出します
  106. そこに映る自分の姿を確認し
    詩に映し出される自分を観察し
  107. 自分が何者なのかを書き
    書いたものが自分自身を形作ります
  108. 書くためには 書くことが可能になる時間を
    最大活用する必要があります
  109. 書いている時に経験する自由は
    桁違いですからね
  110. 自分の頭の中を探らねばなりません
  111. 創作中には絶対に奪われることのない
    わずかな自由を探すわけです
  112. 刑務所の中でさえ自由になれるということに
    気づくことは有意義です
  113. 自分が過ごすこの素晴らしい空間に
    存在する鉄格子は
  114. 「鉄格子」という言葉でしかないことや
  115. その言葉の芯に光を灯す時
    この地獄にいる私たち全員が
  116. 幸せに身を焦がすのだと
    気づくことに意味があるのです
  117. (拍手)
  118. さて ここまで 刑務所についてや
    毎週 私が経験している事について
  119. どれだけ私が楽しみ 受刑者と共に
    変わっていっているか沢山お話ししました
  120. でも実際に 私が毎週
    楽しんでいることや
  121. 現在の私をいう人間を作ってくれたものを
    皆さんが少しの間でも
  122. リアルな体験として感じられたらと
    願ってやみません
  123. (拍手)
  124. (マルティン・ブフタマンテ)
    「時間が流す涙を心が噛み砕く
  125. 光に目が眩み
  126. 存在のスピードを隠してしまう
  127. そこには悠然と進む光景がある
  128. 心は葛藤し しかし持ちこたえる
  129. 悲しい目で見つめられ
    心にひびが入り
  130. 炎を広げる嵐に乗って
  131. 恥ずかしさでしぼんだ胸を張る
  132. ただ朗読し続けるだけが
    手段ではないと知っており
  133. 終わりのない青を望んでもいる
  134. 心は腰を落ち着けて
    あれこれと考えを巡らせ
  135. 平凡であることを
    避けようと葛藤したり
  136. 傷つくことなく愛そうとする
  137. 太陽を吸って
    勇気を吐き出し
  138. 屈服し
    道理を求めて旅をする
  139. 心は沼地の中で戦い
  140. 地獄をつな渡りする
  141. 疲れ果てても
    安易さの誘惑には負けず
  142. 酩酊というガタガタの階段を歩き
  143. 目を覚まし
  144. 静寂を覚ます」
  145. 俺はマルティン・ブフタマンテ
  146. サン・マルティンの第48刑務所の
    囚人です
  147. 今日は仮釈放の日です
  148. 詩と文学は
    俺の人生を変えてくれました
  149. 詩と文学は
    俺の人生を変えてくれました
  150. 本当にありがとう!
    (拍手)
  151. (クリスティーナ・ドメネック)
    ありがとう!
  152. (拍手)