人生はラク、なぜそんなにややこしくするのか？ | ジョン･ジャンダイ | TEDxDoiSuthep

ジョン氏はタイ北東の農業従事者で、ラクで幸せな人生を送るための自らの気付きとアドバイスを人々へ伝えています。継続可能な暮らし方を伝えるために「パンパン」センターを設立し、人々の基本的ニーズを満たすためのよりやさしい方法を見い出すべく熱心に活動しています。

人生でいつも伝えたかった

フレーズがあります

「生きるのはラクだ」ということです

生きるのはとてもラクで楽しいです

以前はそのようには思いませんでした

バンコクにいた頃 生きるのは過酷で
とてもややこしいと感じていました

私は タイ北東の貧しい村に生まれました

子どもの頃 何もかも楽しくて簡単でした

でもテレビやたくさんの人が村に来て

言うには

「気の毒に　成功を追い求めなさい

バンコクへ行って人生で成功しなさい」と

気分が悪く 貧しさを感じました

バンコクに行く必要があると

バンコクに行ったとき
そんなに楽しくありませんでした

たくさん学んだり 勉強したり
一生懸命働かなければなりません

そうして 成功できると言われます

一生懸命働きました 最低 １日に８時間です

でも１回の食事で食べられるのは
茶碗１杯の麺か

タケノコとライスの炒め物くらいでした

私の住まいは最低でした
小部屋に大人数で寝ていました

すごく暑くて

たくさんの疑問を持ち始めました

一生懸命働いているのに
なぜ生きるのが辛いのか

何かが間違っている

たくさんの物を作るのに 十分な見返りがない

学ぼう 勉強しようとしました

大学で勉強しようとしました

大学で勉強するのは大変です
なぜなら すっごく退屈なので

(笑)

大学での科目を見たとき

どの学部も 科目の多くは
悪影響を及ぼす知識ばかりでした

私にとって 大学で実りある学問など
ありませんでした

建築家やエンジニアになるために勉強すれは

より多くを破壊します

もっとこうした人々が働けば
もっと山が破壊されるでしょう

チャオプラヤー川流域の豊かな土地が

コンクリートでもっともっと覆われるでしょう

もっと破壊します

農学部か似たような学部に行けば

どうやって汚染するか

土壌や水を汚すのか

破壊することを学びます

すべてがややこしく とても難しく感じました

ただ物事を難しくしているのだと

生きるのが辛くて がっかりしました

なぜバンコクに来る必要があったか
考え始めました

子どもの頃を思い返しました

８時間も働きません

２時間働き それも年に２か月ほど

米を植えるのにひと月 収穫にまたひと月

残りは自由時間 10か月間自由です

だから タイではお祭りがとても盛んで

毎月あります

(笑)

時間を持て余しています

日中には昼寝をします

今でもラオスはそうです

ランチの後には昼寝をします

起きたら 世間話をして

嫁婿がどうだとか 妻が 嫁がどうだとか

たくさんの時間があります

でもたくさんの時間があるがゆえに

ひとりで過ごす時間があります

ひとりの時間があると

自分を理解する時間があります

自分自身がわかれば

人生で欲しいものがわかります

多くの人が幸せになりたい

愛が欲しい 人生を楽しみたがります

人生でたくさんの美しさに遭遇します

そうして 様々な方法で美しさを表現します

ナイフの柄を彫る人もいます

とても美しく

籠を上手に編む人もいます

でも 今はそんなことはしません

誰もそんなことをできないからです

どこでもプラスティックを使います

何かが間違っている

こんな暮らしは無理だ

そうして 大学を辞めることにしました

家に帰りました

家に戻り 昔のように生活し始めました

子どもの頃のように

年に２か月間働き始めました

４トンのお米を作りました

家族全員が６人

年に５百キロ足らずを食べます

お米を売りに出せます

魚を１キロ捕り

年中食べられます

小さな菜園を始めました

２千平米より小さいくらいです

１日に15分かけて庭仕事をして

菜園には30種類以上の野菜がなります

家族６人では食べ切れません

市場で売るだけの余りがあり

収入も得られます

ラクで なぜバンコクに行かなきゃ
いけなかったんだろうと思いました

７年間も一生懸命働いて
食べることもままなりませんでした

でもここでは年に２か月と日に15分だけで

６人を養えます

簡単です

でも以前は私のように頭の悪い人は

学校で良い成績を収められず

家も持てないと考えていました

私より賢い人たち

毎年クラスで１番のような人が

良い仕事に就くんだと

でも家を手に入れるのに
30年以上も働かなければなりません

でも大学を終えられない私が
どうして家を持てましょう

私のように低学歴の人々には絶望的です

でも土造の家を建て始めたら 簡単でした

毎日２時間 朝の５時から

朝の７時まで 日に２時間

３か月かけて 家ができました

一方でクラスで１番賢かった友達も

家を建てるのに３か月かかりました

でも借金を負い 30年間の返済が必要でした

彼と比べ 29年10か月の時間があります

(笑)

だから 私は生きるのはラクだと感じました

家を建てるのがあんなに簡単だとは
思いもしませんでした

毎年家を立て続け 最低でも１年に１件

今や お金はないものの
たくさんの家があります

(笑)

毎晩どの家に泊まろうか悩みます

(笑)

「どのように」は 問題ではなく
誰でも家を建てられます

13歳の子どもたちが 学校で

煉瓦を積み 家を作ります

１か月後 図書館ができました

子どもも家を建られます

年老いた尼僧さえ小屋を建てられます

多くの人が家を建てることができます

簡単なのです

信じられないのなら 試してみてください

家が欲しかったら 試してください

次は「衣服」です

私は貧相で ハンサムでないと感じました

他の誰か 例えば映画スターのように
着こなそうとしました

見た目を良くしよう より良くみせようとしました

１着のジーンズを買うために
１か月お金を貯めました

ジーンズをはいて
左を向いて　右を向いて

鏡を見ました

何度見ても 変わりませんでした

すごく高価なズボンでさえ
人生を変えられません

馬鹿だなぁ なんであんなものを買う
必要があったんだ

１か月も１着のズボンのために費やして

変わらないのに

さらに考え始めました

なぜ 流行を追う必要があるのか

流行は追っても 絶対に追いつけません

追いかけるものだから

なので追いかけません

(笑)

持っているものを使います

その後 今まで20年間 服を買っていません

服は全部 他人からの譲りものです

私を訪ね 帰るときに

たくさんの服を残します

今は何着も服があります

(笑)

くたびれた服を着ているのを見ると

より多くの服をくれます

(笑)

もっと服をあげなければと悩みます

(笑)

ですから 簡単なのです

服を買うのを止めると
服だけではないと感じました

人生の他のことも同じでした

私が学んだのは 何かを買うとき

好きだから買うか

必要だから買うか考えます

好きで買うときは 間違っています

こう考えると より自由に感じます

最後に 病気になったら どうするか

最初 とても心配しました お金がなかったので

でも じっくり考え始めました

普通 病気は正常で 悪いことではありません

生活での過ちを気付かせてくれます

だから 病気になります

病気になったら
立ち止まって考える必要があります

何が良くなかったのかを考えます

治すために 水の使い方を

治すために 土壌の使い方を

治すための基礎知識を学びました

今ではこの４つを頼みにしていて

生きるのがラクです

自由な気がします 私は自由だと

心配ないような気がします

恐れが減り 人生で何でもできると感じます

昔は不安が多く 何もできなかったものの

今はとても自由で 地球で唯一だと感じます

私のような人はいない 誰かのマネをしなくていい

自分は自分だと

こんな感じは ラクで とても身軽です

その後 考え始め

バンコクにいたとき お先真っ暗でした

多くの人が自分と同じではと考え始めました

それで チェンマイで「パンパン」を始めました

主な狙いは 種を確保することです

種は食料で 食料は人生だからです

種がなければ 生きられません

自由もなく

幸せもありません

もし食べ物がなければ

他人に頼ります

種を確保するのはとても重要です

種の確保を重視します

パンパンでの重要なことです

また そこは学びの場所でもあります

自分たちが学べる場所が欲しいのです

ラクな生き方を学びます

いつも ややこしくて辛い生き方を教わってきました

ラクにできるでしょうか　簡単なのです

でも もはやその方法はわかりません

ややこしくしてばかりだから

今 学び始めたのは 共存することです

これまで教わったのは
全ての繋がりを断つことでした

独立するために

お金だけが頼りになり

頼り合いません

でも 幸せになるために必要なのは

自分自分と繋がり 他人と繋がり

ココロとカラダを再び一つにすることです

幸せになれ 生きるのがラクになります

一貫して 学んできたことは

４つの基本的ニーズである
「食料」「家」「衣服」「薬」 は

安く 入手されるべきです

それが文明です

でもそれを難しくして 入手困難にしたら

文明とは言えません

周りを見渡したとき

何もかも 入手困難です

「現代」は 人類がもっとも文明から
かけ離れているように思います

大学を卒業した人は多くいて

地球上には多くの大学があります

地球上には賢い人がたくさんいるのです

でも生きるのは辛くなるばかりです

誰のためにそんなに難しくし

誰のために今 一生懸命働くのか

おかしいと思います　正常じゃないと

ただ正常に戻りたいのです

健全な人 動物と同じように

鳥は１日か２日で巣を作ります

ネズミはひと晩で穴を掘ります

でも私たちのように賢い人間は

家に 30年も費やすか

家が持てるなど 信じていません

間違っています

なぜ我々の強みを 能力を
そんなにダメにするのでしょうか

普通に生きるのはもう十分だと感じました

「異常な」生き方は

正常に生きていますが

人は私を異常者と見なします

(笑)

頭がおかしいと

でも気にしません 私のせいではないからです

そう考える彼らの責任です

だから 今 私の人生はラクで身軽です

十分です

人はやりたいように考え

私は外の世界を変えることはできません

自分でできることと言えば
気持ちを入れ替え やっていくことです

今 気持ちは軽くラクです それで十分です

選択肢が欲しければ 誰でも持てます

ラクにするか 辛くするか あなた次第です

ありがとうございました

(拍手)