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僕が世界一明るい理由 | 成澤俊輔 | TEDxSapporo

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    最初に 皆さんに
    こんな質問をできたらなと思っています
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    皆さんライターとストローの共通点って
    何かご存じでしょうか
  • 0:35 - 0:36
    カタカナ4文字であること
  • 0:37 - 0:39
    カタカナ3文字プラス棒線があること
  • 0:39 - 0:42
    それ以外 一つ共通点があります
  • 0:43 - 0:46
    5秒 10秒くらい 考えてみましょう
  • 0:46 - 0:50
    その間に 僕の緊張が和らぐと思いますので
  • 0:51 - 0:53
    両手を空中に出してみてください
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    マッチを使ってみましょう
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    そしてライターを使ってみましょう
  • 1:00 - 1:02
    その通り
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    ライターというのは
    片手のない障がい者が作ったものです
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    そして ストローというのは
    首が座らない障がい者が作ったものです
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    私は 就労困難な方の雇用創造
  • 1:14 - 1:18
    そんな理念のもと NPO法人
    フューチャードリームアチーブメントという
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    組織を経営しています
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    僕らがやっていきたいことは
    当たり前を作っていくこと
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    ライター ストローを見て
    皆さんが 白い杖や車いすのように
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    支援を受けていると思うでしょうか
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    ライターやストローは
    欧米でもアジアでも皆さんの手元にある
  • 1:39 - 1:44
    どんな人だって働ける
    そして 社会とつながれる
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    そんな当たり前を作っていきたいなと思って
    この組織を経営しています
  • 1:49 - 1:53
    今日皆さんに一つだけ 伝えたいことがあって
    僕は参りました
  • 1:53 - 1:57
    それは「大丈夫」っていう
    メッセージです
  • 1:57 - 1:59
    大丈夫というメッセージです
  • 2:00 - 2:04
    皆さんが うつ病で
    会社を辞めたとしても
  • 2:04 - 2:08
    皆さんが
    シングルマザーになっても
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    皆さんが
    定時制の学校を卒業しても
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    障害 引きこもり 生活保護
    ホームレス 難民 難病
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    薬物依存 HIV 犯罪歴がある
    若年性の認知症である
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    LGBTである 虐待を受けている
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    どんな人だって働ける
    そして 社会とつながれる
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    そんな「大丈夫」という言葉を
    皆さんに伝えたくて 今日は参りました
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    そろそろ僕の眼の話を
    できたらいいなと思います
  • 2:42 - 2:47
    3歳の時にですね 家族みんなで
    花火をしていました
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    「俊輔 燃えかすを
    バケツの中に入れてごらん」と
  • 2:51 - 2:53
    母親に言われて
  • 2:53 - 2:57
    明るくきれいに映っていた
    花火は見えていたんですけど
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    花火が消えた瞬間
    僕は 暗闇を分からなくなってしまいました
  • 3:01 - 3:04
    そして バケツの中に
    燃えかすを入れられなくなった
  • 3:04 - 3:07
    この子は暗いところが見えていない
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    そんなことに両親が気付き
    全国の病院を回り
  • 3:11 - 3:15
    網膜色素変性症という病名が付きました
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    そして 私は普通の学校に行きました
    小 中 高
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    小学校の頃はですね 1メートル離れると
    サッカーボール1個分見える範囲がありました
  • 3:27 - 3:30
    中学 高校でソフトボール
    大学で500円玉
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    今は この光しか見えません
  • 3:32 - 3:34
    小 中 高 普通の学校に行ったんですね
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    普通の学校に行ってよかったなって
    周りの人に言われるんです
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    いやいや ちょっと待ってね
    僕は漫画とゲームと部活動ができませんでした
  • 3:43 - 3:48
    教室の中にしか支援ってないんです
    教科書を大きくしてくれたり
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    でもね 僕には部活動ができなかったので
  • 3:50 - 3:55
    ルール 仲間 達成感 一体感
    そんな言葉が全然分からなかった
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    そして 漫画やゲームができないので
    人と話すネタがありませんでした
  • 4:00 - 4:05
    そして 小中高と学期に1回
    眼の病院に通います
  • 4:06 - 4:10
    目の見えない僕に対して
    先生方はこう言うんです
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    「点字を覚えるといいよ」って
    「白い杖をつけるといいよ」
  • 4:14 - 4:19
    「パソコン使えると便利だよ」って言うんです
    いやいや待ってねって
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    白い杖をついて 出かける先がないから
    困っているのに
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    点字を覚えて誰とやり取りしたらいいか
    困ってるのにって
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    パソコンを読んで
    どんな情報を得られたら
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    この心がすっきりするか分かるのに
    分からないから困っているのにって
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    富士山を上るうえで大事なことは
    靴でもウェアでも戦略でもないです
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    ご来光がきれいなことを忘れないこと
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    支援の現場では この目的と手段が
    ひっくり返ることがよくあります
  • 4:46 - 4:50
    僕は「働けるの?」って そして
    「光って見え続けるの?」って
  • 4:50 - 4:52
    そんなことを言ってほしかったです
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    そんな中 18年間は暗黒時代でした
  • 4:57 - 4:59
    今は 人様の前でこうやって
    毎日のように話しますけど
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    おそらく 1日に今喋る量がですね
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    10年前の3か月分くらいかなと思います
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    (笑)
  • 5:07 - 5:09
    「はい」くらいしか
    言えませんでした
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    そんな中 3つのターニングポイントが
    ありました 僕には
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    1回目のターニングポイント
    僕は 2年間引きこもったんです
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    障害をもって 目が見えなくて
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    俺みたいな人って
    どうやって生きてるのかなと思って
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    東京に出てきました
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    そして福祉を勉強することにしました
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    自分の存在を示すために
    自分の価値は勉強しかないって思っていたので
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    努力している成澤君
    勉強ができる成澤君
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    偏差値をとれる成澤君
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    僕自身に価値がないから
    この形容詞や副詞に力を入れようと
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    で 大学2年生の時にある必修科目が
    不可になっちゃったんです
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    人生が終わったと思ったんです
    人生がって
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    目が見えなくて留年している
    目が見えなくて引きこもり
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    目が見えなくて不登校
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    俺捨てられるんちゃうかなと思って
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    明日行こう 明日行こう
    と思っていたら
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    学校に2年間行けなかったんです
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    ちょっと変わってるんです
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    恋人にも 家族にも 友達にも
    誰にも言わなかったんです
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    丸2年間 社会とつながりながら
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    こんな1日です
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    九州から 母が
    年に1、2回くらい来るわけですよ
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    学校行ってくるねと言って
    近くのマックに隠れてました
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    そして 恋人が急に泊まりに来たりすると
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    「今日授業じゃなかった?」
    いや早く終わったんだよみたいな感じで
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    そして 盆と暮れも
    ちゃんと九州に帰ってたんですよ
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    今の時代 就活って結構大変だよって
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    ぜーんぶ嘘です
    ぜーんぶ嘘
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    そんな中 大学4年生の社会福祉の
    国家試験のその日も僕は嘘をついていました
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    だから 弟からメールが来たんです
    「お兄ちゃん今日国家試験頑張ってね」って
  • 6:46 - 6:50
    俺家にいるんだけどなって思いながら
    そのメールを受け取りました
  • 6:50 - 6:53
    で 手元には合格祈願のお守りが
    いっぱいありました もらったものが
  • 6:53 - 6:56
    合格祈願より俺は祈りたいことが
    あるぜって思ってました
  • 6:57 - 7:00
    そして1日 反省文のように
    メールを書いてたんです
  • 7:00 - 7:02
    裏切ってごめんなさいっていうメールを
  • 7:02 - 7:05
    そして国家試験が終わった時間の頃
    メールを送りました
  • 7:06 - 7:09
    みんなは 無事に終わったよって
    メールかと思ったんですけど
  • 7:09 - 7:12
    「ごめんなさい
    学校に2年行ってませんでした」
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    誰も責めなかったです
    そして 父はこう言ってくれた
  • 7:17 - 7:20
    「俊輔もスーパーマンじゃ
    なかったんだな」って
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    僕ね 失敗したことなかったんですよ
    大学2年生まで
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    失敗したら捨てられると思っていたので
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    その時 親父に愛されてるなと思いました
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    1個目の引きこもったことによって
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    僕は自分で人生で選んで
    初めて失敗するという経験ができました
  • 7:38 - 7:40
    そして 2つ目に
  • 7:40 - 7:43
    皆さんよく僕こうやってお話をするんで
    「何の仕事されてるんですか?」
  • 7:43 - 7:45
    大体「営業のお仕事ですか?」って
    言われるんですけど
  • 7:45 - 7:47
    あ ごめんなさい 会社を経営していますって
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    こんなことがありました
  • 7:51 - 7:55
    当事者として悶々として東京に出てきて
    そして福祉を勉強したら
  • 7:55 - 7:57
    もっと悶々としたんですよ
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    だって 40、50代の健常者の先生が
    「障がい者ってな」って授業するんです
  • 8:01 - 8:04
    いやちょっと俺20年だぜって
    思ったりとか
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    クラスメイト9割女子で
    ゲームしながら授業受けてるんです
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    僕いままで 慣れと経験と勘とキャラで
    生きてきたんですよ
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    慣れと経験と勘とキャラ
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    で 誤魔化しながら生きてきたんですよ
  • 8:14 - 8:17
    そしたら 福祉が障がい者の大変さを
    いっぱい僕に見せつけてきたんで
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    「やべえ 居れないこの業界に」と思って
  • 8:20 - 8:24
    そんな中 僕は経営という仕事に出会いました
    20歳前後の頃
  • 8:25 - 8:29
    大変でしたよ
    入社倍率4千倍くらいの会社にいました
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    30名のコンサルタントで
    1万社くらいの会社の
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    IPOやM&Aや
    役員の紹介業をお手伝いしている会社に
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    僕は大学行きながら 有償の
    インターンシップに行くことになりました
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    いっぱい良いことがあったんです
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    始発から終電まで仕事して
    毎晩のように会食があって
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    夜中に資料が作れなかったら
    親にお願いしたりとかしてました
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    でも そんな中
    まず1つ目
  • 8:51 - 8:55
    人生で初めて結果を求められたんですよ
    結果を
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    今まで結果を求められたことがなかったんです
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    1位から最下位まで営業成績が出る会社でした
  • 9:00 - 9:04
    そして 不謹慎ながらも僕が数字を外すと
    上司が謝ってくれるんです
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    で それ見てて
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    「いや 成澤が数字を外したのは
    私のせいです」って謝ってるの見て
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    幸せだったんですよ
    愛されてるって
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    ずっと自分ひとりで生きていたのが
    結果を求められた
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    それは 自分の辞書に
    相手というのが生まれたんですよ
  • 9:19 - 9:24
    お客様とか 部下とか チームっていうのが
    超幸せだなって思って
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    そんな中 飛び込み営業しながら
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    20歳前後の僕に経営のアドバイスなんか
    何もできなかったんです
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    でも 皆さん最後に こう言ってくれたんです
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    「成澤君 また会いに来てくれよ」って
  • 9:37 - 9:42
    なぜかっていうと 経営者の孤独と
    就労困難な僕の孤独が一緒だったんです
  • 9:43 - 9:45
    答えのない苦しみに向き合っている
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    人に必要とされたり
    褒められる機会がほとんどない
  • 9:49 - 9:53
    だから 僕はその頃これだけ目を近づけたら
    まだ資料が見えてました
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    杖をつきながら
    なんかできることないですかって
  • 9:56 - 10:00
    その試行錯誤してる感が
    なんか近かったんでしょうね
  • 10:00 - 10:06
    そこから僕は 経営者の孤独に
    向き合う仕事をしようと決めたんです
  • 10:06 - 10:09
    恋人でも友達でも家族でも
    先生でも医療者でもなく
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    僕を最初に必要としてくれたのは
    経営者だったんです
  • 10:12 - 10:16
    だから 僕は2つ目の
    経営という仕事に出会ってですね
  • 10:16 - 10:21
    初めて自分の辞書に相手というものが生まれて
    自分の人生が変わりました
  • 10:21 - 10:23
    で 今度3つ目
  • 10:23 - 10:29
    僕いま この光しか見えないんですよ
    10年前に失明をしました
  • 10:30 - 10:33
    失明したんですけど
    そんな大変なことないんです
  • 10:33 - 10:35
    今 職員が約20名
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    就労困難なトレーニングを受けている
    メンバーが約80名
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    100名の組織を束ねてます
    そんなに難しくないです
  • 10:41 - 10:44
    失明をして1個だけ困ったことがあるんです
  • 10:44 - 10:46
    皆さん何だと思います?
    失明をして
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    それは 鏡の前で
    自分の存在が分からなくなったことです
  • 10:53 - 10:58
    失明するまで 偏差値や売上っていうのに
    一生懸命すがっていました
  • 10:58 - 11:02
    失明をしてですね 僕は
    1つの癖が増えたんです
  • 11:02 - 11:03
    手を掻く癖が
  • 11:03 - 11:05
    それは自分を探してるんです
  • 11:06 - 11:10
    自分の存在って何だろうって
    誰か教えてくれよって
  • 11:10 - 11:14
    もう偏差値や売上 そして
    色んな武器を持とうと思ったんですけど
  • 11:14 - 11:18
    それじゃあ 僕の心の
    ドキドキは止まらなかったんです
  • 11:18 - 11:21
    自分のどこ行った?って
    俺どこ行った?って思うようになりました
  • 11:22 - 11:26
    自分の存在って何だろうって
    皆さんもそうじゃないですか
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    お母ちゃんも サラリーマンも
    学生も 経営者も
  • 11:31 - 11:34
    自分の存在って何だろうって
    皆さん思いますよね
  • 11:35 - 11:39
    僕は 先ほど話したように
    ちょっと変わってるんです
  • 11:39 - 11:43
    父が国内随一の名医で
    お姉ちゃんがガンで死んで
  • 11:43 - 11:46
    僕は難病で 僕は帰国子女で
    僕は普通校に無理やり行って
  • 11:46 - 11:51
    大学7年通って うち2年間引きこもって
    大学在学中から経営の仕事して
  • 11:51 - 11:55
    3年前には 髄膜炎という病気で死にかけてる
    色んな社会課題が僕に降ってくるんです
  • 11:56 - 11:58
    でも 見ていただいて分かるように
    僕ね 幸せなんです
  • 11:59 - 12:04
    今 100名の組織を束ねてます
    97%就労困難者なんです
  • 12:04 - 12:06
    17歳から68歳まで
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    40以上の病気を持ったメンバーが
    僕の部下にいます
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    それでも 幸せなんです
  • 12:11 - 12:15
    毎日誰か自殺未遂します
    毎日誰か入院をします
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    そして たまに
    訴えるぞって言われます
  • 12:17 - 12:19
    (笑)
  • 12:19 - 12:21
    それでもね 幸せなんです
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    だから 皆さんに言われるんです
    「成澤さん その笑顔の原点は何ですか」って
  • 12:26 - 12:28
    なんかやっちゃってるんじゃないですか
    みたいな
  • 12:28 - 12:30
    いやいや そんなことないですよ
  • 12:30 - 12:34
    その笑顔の原点は何ですかって言われたら
    僕はいつもこう答えます
  • 12:34 - 12:37
    今あなたが
    笑顔って言ってくれたことですよって
  • 12:37 - 12:40
    自分の存在って何だろうって
    モヤモヤしながら
  • 12:40 - 12:43
    ずっと自分のことって
    自分で示さなあかんなって思ってたんですよ
  • 12:43 - 12:47
    違かったんです
    相手がいるから自分がいるんです
  • 12:47 - 12:51
    そういうことに失明を通して気付けたんです
    だから もう手の傷ないんです
  • 12:51 - 12:53
    皆さんがこうやって拍手したり
    笑ってくださって
  • 12:53 - 12:56
    あ 俺もう 分からないけど
    皆さんに示してもらって
  • 12:56 - 12:58
    このドキドキが止まったんです
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    だから いま僕がやってる仕事っていうのは
    誰かの相手になるって仕事なんです
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    3千万人の就労困難者
    そして 400万人の経営者に
  • 13:08 - 13:12
    大丈夫だぜって言うのが仕事
    ここの隣にいる人たちはいつも
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    「とは言え」、「どうせ」
    「だって」って言う人たちです
  • 13:15 - 13:20
    その人たちに「大丈夫だから」って
    「俺がいるからさ」って言うのが僕の仕事です
  • 13:20 - 13:22
    3つのターニングポイント
    引きこもって初めて
  • 13:22 - 13:26
    人生で失敗することができて
    人を頼れるようになった
  • 13:26 - 13:30
    経営という仕事に出会って 自分の辞書に
    相手というものが生まれた
  • 13:30 - 13:35
    そして 失明をして誰かの相手になる
    相手が自分を示してくれる
  • 13:35 - 13:37
    そんなことに気付くことができました
  • 13:38 - 13:42
    そんな中 いま僕が何をやっているか
    3つの仕事をしています
  • 13:42 - 13:47
    仕事の5割は 障がい者雇用とか
    多様な働き方改革という領域の
  • 13:47 - 13:49
    コンサルティングをしています
  • 13:49 - 13:53
    全国で そして 1業界1社しか
    クライアントを持たないです
  • 13:53 - 13:55
    そして 必ず経営者に出てきてもらいます
  • 13:55 - 14:01
    なので リサイクル屋さんから
    産廃の会社から 清掃の会社から 飲食店から
  • 14:01 - 14:04
    木くず屋さんから 桶屋さんから
    印刷の会社から
  • 14:04 - 14:06
    40以上の業界業種を見ています
  • 14:06 - 14:09
    なんでかって言うと
    皆に選ばしてやりたいんですよ
  • 14:09 - 14:11
    色んな仕事あるぜって
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    で 色んな業界でこの支援をすることによって
  • 14:14 - 14:19
    宮崎でも 北海道でも 広島でも
    皆を幸せにすることができる
  • 14:19 - 14:23
    私の1つの仕事は 障がい者雇用の
    コンサルタントをしています
  • 14:23 - 14:28
    おそらく日本でトップのコンサルタントだと
    領域や定着率の点から見てもそうだと思います
  • 14:28 - 14:35
    2つ目に 年間相談を約2千件くらい受けます
    2千件くらい 当事者や家族の
  • 14:35 - 14:39
    人の視線が怖くて髪の毛がここまである人
    身長がこれくらいしかない人とか
  • 14:39 - 14:43
    犯罪歴が7犯ある人とか
    LGBTの人
  • 14:43 - 14:45
    色んな人たちに毎日のように会います
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    そして言うんです 彼らに
    「大丈夫だぜ」って
  • 14:48 - 14:50
    そして3つめに 講演や研修をしています
  • 14:50 - 14:54
    年に200くらいスピーチや挨拶
    講演 研修する機会があります
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    なぜなら この取り組みを今日知れば
    無理心中する家族が減ると思っています
  • 15:00 - 15:01
    この取り組みを今日知れば
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    障害を持つ子供を殺す
    お母ちゃんが減ると思います
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    この取り組みを今日知れば
    うつ病で自殺する人が減るかなと思っています
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    で 200のうち100くらいが
    無料やボランティアです
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    なんで 私自身は
    大丈夫って皆さんに言うために
  • 15:15 - 15:18
    企業さんのコンサルティングをし
    当事者にダイレクトに会い
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    そして 講演 研修をしています
  • 15:21 - 15:25
    そんなことをしていたら
    色んな結果が 出てきました
  • 15:25 - 15:27
    写真も映ると思いますけれども
  • 15:28 - 15:31
    20年間引きこもっていた人が
    3年トレーニングを受けて
  • 15:31 - 15:34
    ITの会社で正社員で働いています
  • 15:35 - 15:39
    写真に写っているのは
    50代で 障害が5種類もある人が
  • 15:39 - 15:42
    正社員でボーナスをもらいながら
    働いています
  • 15:42 - 15:44
    でも 心配なんで2か月に1回くらい
  • 15:44 - 15:47
    そろそろリストラですか?って
    メール送るんですけど
  • 15:47 - 15:48
    「いや されねーし」って
  • 15:48 - 15:50
    で 「ボーナスが少ない」って言ってきたら
  • 15:50 - 15:52
    いや貰ってるだけええやんって話で
  • 15:52 - 15:55
    5年間引きこもってる人が
    僕とメールを3往復しただけで
  • 15:55 - 15:57
    家から出てきたりします
  • 15:57 - 15:59
    そんなことができています
  • 15:59 - 16:00
    誰だって働ける
  • 16:01 - 16:05
    働くというのは フルタイム働けて
    空気が読めて 愛想笑いができて
  • 16:05 - 16:07
    エクセルができて
    プレゼンができてじゃないです
  • 16:07 - 16:10
    それだったら僕 プレゼンしかできないんで
  • 16:10 - 16:14
    でも 一応幸せに
    世界中で仕事をさせて頂いてます
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    働くって強みが1個あればいい
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    弱みを受け止められる素直さが1個あればいい
  • 16:19 - 16:23
    僕は 世界一明るい視覚障がい者という
    キャッチコピーを持っています
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    それはなぜか
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    10年前のある日 トイレで
    ポッとこの言葉を思いついたんですよ
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    不安だったんでしょう
  • 16:30 - 16:33
    40歳から60歳くらいで
    光を失うというこの病気が
  • 16:33 - 16:35
    だから 僕はこのキャッチコピーをつけました
  • 16:35 - 16:37
    明るく生きたいなって
  • 16:37 - 16:40
    で 暗いときこの明るいモードに
    入っていけるので
  • 16:40 - 16:44
    で 僕はまだ未練があるみたいです
  • 16:45 - 16:49
    明るく生きといた方が 長く光って
    見えるんちゃうかなって思ってるんでしょう
  • 16:50 - 16:53
    でも もう進行が進んできました
  • 16:54 - 16:58
    おそらく あと数年で僕は光を失うでしょう
  • 16:58 - 17:01
    それでも 世界一明るい視覚障がい者―
  • 17:01 - 17:04
    そんな生き方ができる
    準備できたんじゃないかって
  • 17:04 - 17:07
    周りの人に言われてるような気がします
  • 17:08 - 17:10
    今日いらっしゃっている皆さんに届けたい
  • 17:10 - 17:13
    どんな人だって働ける
    社会とつながれる
  • 17:13 - 17:17
    大丈夫だぜって
    そんな言葉を贈れたらなと
  • 17:17 - 17:21
    そして皆さんも
    既に誰かにとっての相手になっている
  • 17:21 - 17:24
    そんなことに気付いていただけたらな
    という風に思っています
  • 17:24 - 17:26
    ありがとうございました
  • 17:26 - 17:30
    (拍手)
Title:
僕が世界一明るい理由 | 成澤俊輔 | TEDxSapporo
Description:

成澤俊輔は、徐々に視力を失う難病・網膜色素変性症を持っています。視覚障害による孤独感や挫折感から大学在学中に2年間引きこもりましたが、克服して経営コンサルティング会社でのインターン経験などを重ね、2009年に独立しました。就労困難者の就労支援と雇用創造をするNPO法人FDA(Future Dream Achievement)事務局長に就任した成澤は、就労困難者の「強み」に焦点をあてた、相互に働きやすい環境づくりに取り組んでいます。「世界一明るい視覚障がい者」をキャッチフレーズに、障がい者雇用分野の当事者・福祉の専門家・経営者という3つの立場を生かし、日夜奔走しています。

このビデオは、TEDカンファレンスの形式で地元コミュニティが独自に運営するTEDxイベントにおいて収録されたものです。詳しくは http://ted.com/tedx をご覧ください。

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Video Language:
Japanese
Team:
closed TED
Project:
TEDxTalks
Duration:
17:41

Japanese subtitles

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