Return to Video

世界最長の海中トンネルはどうやって建設されたか ― アレックス・ジェンドラー

  • 0:08 - 0:12
    ヨーロッパの2つの大国に
    挟まれたイギリス海峡は
  • 0:12 - 0:16
    古くから世界で最も重要な
    航路の1つです
  • 0:16 - 0:18
    しかし その歴史において
  • 0:18 - 0:21
    イギリス海峡は岩石海岸である上に
    時化になりやすく
  • 0:21 - 0:24
    横断するのは危険なことでした
  • 0:24 - 0:28
    19世紀初頭の技術者は
  • 0:28 - 0:31
    33キロ離れた両国間をつなぐ
    様々な計画案を提出しました
  • 0:31 - 0:35
    人工島を橋でつなげる計画
  • 0:35 - 0:39
    浮遊式の構造物から
    水中のトンネルをつり下げる計画
  • 0:39 - 0:44
    既存のどのトンネルよりも2倍長い
    海底トンネルを作る計画などがありました
  • 0:44 - 0:46
    19世紀末頃には
  • 0:46 - 0:50
    この最後の提案がヨーロッパの人たちの
    興味をかき立てました
  • 0:50 - 0:53
    トンネルの掘削機が考案され
  • 0:53 - 0:57
    海底下に安定した
    チョーク・マール層を見つけると
  • 0:57 - 1:00
    この空想上のトンネルは
    現実味を帯びてきました
  • 1:00 - 1:06
    しかし 工事の喫緊の課題に対処できる
    技術者はいませんでした
  • 1:06 - 1:07
    当時
  • 1:07 - 1:12
    イギリス人は地理的な孤立を
    戦略的に優位と捉えており
  • 1:12 - 1:16
    フランス侵攻の恐怖から
    トンネル計画は頓挫しました
  • 1:16 - 1:20
    空中戦が始まったことで
    このような恐怖は過去のものとなりましたが
  • 1:20 - 1:24
    新たな経済問題への懸念が
    これにとって代わりました
  • 1:24 - 1:28
    最初に掘削してから100年後に
  • 1:28 - 1:30
    イギリスとフランスは
    ようやく合意に達し
  • 1:30 - 1:33
    民間資金を投じて工事が進みました
  • 1:33 - 1:37
    1985年にフランスとイギリスの
    企業グループが
  • 1:37 - 1:41
    約140億ポンド相当の費用をかけて
    トンネルを建設しました
  • 1:41 - 1:46
    それまでで最も高額な
    インフラ整備プロジェクトとなりました
  • 1:46 - 1:49
    独立したトンネルが3本という設計で
  • 1:49 - 1:53
    フランス行きの鉄道トンネルが1本
    イギリス行きの鉄道トンネルが1本
  • 1:53 - 1:55
    その間に保守用トンネルが1本
    ありました
  • 1:55 - 2:00
    トンネル間をつなぐ渡り線や
    避難通路や通気孔が設置され
  • 2:00 - 2:04
    総延長200キロを超える
    トンネルとなりました
  • 2:04 - 2:08
    1988年 イギリスとフランス側の両方から
    掘削をはじめ
  • 2:08 - 2:11
    中間地点で合流する計画でした
  • 2:11 - 2:16
    フランス海岸での初期の調査により
    建設対象地域に多くの断層線が見つかりました
  • 2:16 - 2:19
    これらの小さな亀裂から
    水が岩盤に染み込むので
  • 2:19 - 2:23
    技術者は防水性の掘削機を
    開発しなくてはなりませんでした
  • 2:23 - 2:29
    イギリス側は乾燥していると見込み
    通常の掘削機で工事を進めましたが
  • 2:29 - 2:34
    着工からわずか数か月後
    未検出の亀裂から海水が入り込みました
  • 2:34 - 2:38
    この湿ったチョーク層を掘削するのに
    イギリスは注入剤を使って
  • 2:38 - 2:41
    掘削した後にできた亀裂を塞ぎ
  • 2:41 - 2:43
    さらには 主トンネル坑の掘削前に
  • 2:43 - 2:47
    前方のチョーク層の補強工事を
    行うこともありました
  • 2:47 - 2:52
    このような障害がありながらも
    双方ともフル稼働で掘削を開始しました
  • 2:52 - 3:00
    1,300トンにも及ぶ掘削機で
    毎時約3.5メートルを掘進しました
  • 3:00 - 3:05
    掘り進むごとに覆工用のリングを設置して
    掘削済み部分を固定し
  • 3:05 - 3:09
    掘削機の後方で
    作業車が通れるようにしました
  • 3:09 - 3:13
    フル稼働で作業しながらも
    工事は慎重に進められました
  • 3:13 - 3:18
    チョーク層は不安定な岩層と
    粘土層の間にあり
  • 3:18 - 3:24
    前回の測量で100か所以上の
    ボーリング坑が開いていました
  • 3:24 - 3:28
    さらに 双方とも絶えず座標を確認し
  • 3:28 - 3:32
    誤差が互いに2センチ以内で
    収まるようにしました
  • 3:32 - 3:35
    この精密な軌道を維持しつつ
  • 3:35 - 3:38
    掘削作業員は
    衛星測位システムを使い
  • 3:38 - 3:42
    また 古生物学者は
    掘り出された化石を使って
  • 3:42 - 3:45
    正しい深さかを確認しました
  • 3:45 - 3:50
    工事期間中
    13,000人以上の作業員が投入され
  • 3:50 - 3:53
    うち10人が犠牲になりました
  • 3:53 - 3:55
    トンネルを掘り始めてから2年半後に
  • 3:55 - 3:59
    ようやく貫通しました
  • 3:59 - 4:02
    イギリスの作業員 グラハム・ファッグが
    フランス側に現れ
  • 4:02 - 4:08
    陸続きであった氷河時代以降では
    イギリス海峡を渡った最初の人になりました
  • 4:08 - 4:10
    まだ工事は残っていました
  • 4:10 - 4:13
    渡り線やポンプ室の設置から
  • 4:13 - 4:17
    約160キロの線路、ケーブル
    センサーの敷設などです
  • 4:17 - 4:23
    1994年5月6日 トンネル完成を記念する
    開通式が行われました
  • 4:23 - 4:27
    16か月後に全線開通し
  • 4:27 - 4:31
    乗客用の列車と乗用車とトラック用の
    貨物シャトル列車が運行しました
  • 4:31 - 4:37
    こんにち 海峡トンネルを
    年間2千万人以上の乗客が行き来しており
  • 4:37 - 4:41
    海峡の通過時間は
    約35分となっています
  • 4:41 - 4:46
    あいにく 誰でも合法的に
    乗れるわけではありません
  • 4:46 - 4:50
    何千もの難民が このトンネルを通って
    イギリスへの入国を試み
  • 4:50 - 4:53
    命を落とした人もいます
  • 4:53 - 4:56
    このような悲劇から
    トンネルの南側入口は
  • 4:56 - 4:59
    紛争が起こる場所へと変容しています
  • 4:59 - 5:03
    願わくば この建造物の歴史を振り返ることで
    人々の間の障壁を取り除くことが
  • 5:03 - 5:06
    最高の人道的行為であると
    思い出して欲しいのです
Title:
世界最長の海中トンネルはどうやって建設されたか ― アレックス・ジェンドラー
Speaker:
アレックス・ジェンドラー
Description:

ヨーロッパの2つの大国に挟まれたイギリス海峡は、古くから世界で最も重要な航路の1つです。しかし、その歴史において、横断するのは危険なものでした。技術は両国をつなぐ様々な計画案を出し、その中には既存のどのトンネルよりも2倍長い海底トンネルを作る計画もありました。アレックス・ジェンドラーが英仏海峡トンネル建設の詳細をお話しします。

講師:アレックス・ジェンドラー
監督: Studio Kimchi
このビデオの教材 :View full lesson: https://ed.ted.com/lessons/how-the-world-s-longest-underwater-tunnel-was-built-alex-gendler

more » « less
Video Language:
English
Team:
closed TED
Project:
TED-Ed
Duration:
05:08

Japanese subtitles

Revisions