自分の物語を変えることで人生は変わる
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0:01 - 0:03私が最近受信箱に見つけた
メールについて -
0:03 - 0:05まずお話ししましょう
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0:05 - 0:08私の受信箱は
なかなか変わっています -
0:08 - 0:09私はセラピストで
-
0:09 - 0:13「親愛なるセラピストさんへ」という
相談コラムを書いているからです -
0:13 - 0:16どんなメールが来るか
想像できますよね -
0:16 - 0:20私は世界中の
見知らぬ人から寄せられる -
0:20 - 0:22極めて立ち入った内容の手紙を
何千と読んできました -
0:22 - 0:25失恋や死別の話もあれば
-
0:25 - 0:27親や兄弟との
いさかいの話もあります -
0:27 - 0:32私はそれを「生きることの問題」という
フォルダに入れています -
0:32 - 0:36私はたくさんのメールを
受け取りますが -
0:36 - 0:38私の世界を知ってもらうため
-
0:38 - 0:40そんなメールの1つを
お読みしましょう -
0:40 - 0:42こんな内容です
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0:47 - 0:48「親愛なるセラピストさんへ
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0:48 - 0:50私は結婚して10年になり
-
0:50 - 0:522年前までは順調でした
-
0:52 - 0:55その頃から夫が
あまりセックスしたがらなくなり -
0:55 - 0:57最近ではほとんど
しなくなりました」 -
0:57 - 0:59こんな話だとは
思ってなかったでしょう -
0:59 - 1:00(笑)
-
1:00 - 1:02「昨夜 知ったんですが
-
1:02 - 1:04この数か月というもの
-
1:04 - 1:08夫は真夜中に会社の女性と
長電話をしていたんです -
1:08 - 1:10ネットで調べたら
すごく綺麗な人でした -
1:10 - 1:12こんなことになるなんて―
-
1:12 - 1:15まだ小さい頃
父が同僚の女性と関係を持ち -
1:15 - 1:17家族がバラバラになる
経験をしたんです -
1:17 - 1:19言うまでもなく
本当にショックです -
1:19 - 1:21結婚生活を続けても
-
1:21 - 1:23夫を二度と信用は
できないでしょう -
1:23 - 1:25でも子供達に
親の離婚や継母なんかを -
1:25 - 1:27経験させたくはありません
-
1:27 - 1:29どうしたらいいのでしょう?」
-
1:31 - 1:34皆さんは どうしたらいいと
思いますか? -
1:35 - 1:36こんな手紙を見たら
-
1:36 - 1:40浮気されるつらさを
気の毒に感じ -
1:40 - 1:43子供時代に起きた
父親の問題のために -
1:43 - 1:46余計つらかろうと
思うかもしれません -
1:46 - 1:49私と同じように
この女性に共感し -
1:49 - 1:50彼女の夫に対し
-
1:50 - 1:52なんというか
-
1:52 - 1:54あんまり良くない印象を
持つことでしょう -
1:55 - 1:58受信箱のメールを
読んでいると -
1:58 - 2:00私もそういう
気持ちになります -
2:00 - 2:03でも こういうメールへの返信では
よく考える必要があります -
2:03 - 2:05私が受け取るメールはどれも
-
2:05 - 2:09一個の著者によって書かれた
物語に過ぎないことを知っているからです -
2:09 - 2:12その物語には別のバージョンも
存在するのです -
2:12 - 2:14常に存在します
-
2:14 - 2:15そう分かるのも
-
2:15 - 2:18セラピストとして学んだことが
何かあるとしたら -
2:18 - 2:21それは誰もが自分の人生の
信用できない語り手だということだからです -
2:21 - 2:23私はそうだし
-
2:23 - 2:24皆さんもそう
-
2:24 - 2:27皆さんが知る人の
誰もがそうなんです -
2:27 - 2:29これは言うべきでは
なかったのかも -
2:29 - 2:31私の話を皆さんもう
信じないでしょうから -
2:31 - 2:34意図的に嘘をついている
というのではありません -
2:34 - 2:37人々の語ることの多くは
正真正銘の真実です— -
2:37 - 2:39その人の その時の
視点からするなら -
2:39 - 2:41何を強調し
何を軽く見るか -
2:41 - 2:43何を含め
何を除外するか -
2:43 - 2:45何を見て
何を見せようとするかによって -
2:45 - 2:48話は偏ったものになるのです
-
2:48 - 2:51心理学者のジェローム・ブルーナーは
このことを見事に言い表しています -
2:51 - 2:56「話をするとき 何らかの道徳的立場を
取ることは避けられない」 -
2:56 - 2:59私達はみんな 自分の人生の
物語とともに生きています -
2:59 - 3:01選択の理由
物事が悪化した理由 -
3:01 - 3:03自分が誰かを
そんな風に扱った理由— -
3:03 - 3:05もちろん当然の報いです
-
3:05 - 3:07誰かが自分を
そんな風に扱った理由— -
3:07 - 3:09もちろんそれは
不当なんですけど -
3:09 - 3:11物語というのは私達が人生を
理解する方法なのです -
3:12 - 3:14でも私達の語る物語が
誤解を招くものだったり -
3:14 - 3:18不完全だったり
単に間違っていたとしたら? -
3:19 - 3:21理解しやすくなるどころか
-
3:21 - 3:23身動きができなく
なってしまいます -
3:23 - 3:26私達は 物語は状況によって
形作られるものだと思っています -
3:26 - 3:28でも私が仕事を通じて
繰り返し見てきたのは -
3:28 - 3:30それとまったく逆のことです
-
3:30 - 3:34自分でどう語るかによって
人生は形作られるのです -
3:35 - 3:37それが物語の危険なところで
-
3:37 - 3:38本人を不幸にもします
-
3:38 - 3:39でも そこに力もあって
-
3:39 - 3:42自分の物語を変えることで
-
3:42 - 3:45自分の人生を変えることも
できるのです -
3:45 - 3:47今日は そのやり方を
お話ししたいと思います -
3:48 - 3:49セラピストだと
言ったのは本当で -
3:49 - 3:52その点では信用できない語り手では
ないわけですが -
3:52 - 3:55飛行機に乗っている
ときなんかには -
3:55 - 3:56誰かに仕事を聞かれると
-
3:56 - 3:59編集者だと答えています
-
3:59 - 4:01セラピストだと
言おうものなら -
4:01 - 4:05妙な反応が
返ってくるからです -
4:05 - 4:06「まあ セラピスト?
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4:06 - 4:08じゃあ 私
精神分析されちゃうんですか?」 -
4:08 - 4:10心の中で思います
「(a) しませんって -
4:10 - 4:12(b) 何でこんなとこで?
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4:12 - 4:14産婦人科医だと答えたら
-
4:14 - 4:17これから内診されちゃうのかと
聞いてくるわけ?」 -
4:17 - 4:19(笑)
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4:19 - 4:21でも私が編集者だと
言っているのは -
4:21 - 4:23本当のことだからでもあります
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4:23 - 4:26セラピストの仕事は
人の編集を手助けすることです -
4:26 - 4:28「親愛なるセラピストさんへ」での
役割が面白いのは -
4:28 - 4:31一人のために
編集しているのではないことで -
4:31 - 4:33毎週一通の手紙を例に
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4:33 - 4:36読者のみんなに編集の仕方を
教えようとしています -
4:36 - 4:38そこでは いろんなことを考えます
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4:38 - 4:40「ここで無関係なことは何か?」
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4:40 - 4:43「主人公は前進しているのか
ぐるぐる回っているだけなのか」 -
4:43 - 4:46「脇役の人は重要か
それとも邪魔になっているか」 -
4:46 - 4:49「この展開は隠れたテーマを
明かしているか?」 -
4:49 - 4:50すると 多くの人の物語は
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4:50 - 4:542つの主要テーマに
集中していることに気づきます -
4:54 - 4:561つは「自由」で
-
4:56 - 4:58もう1つは「変化」です
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4:58 - 4:59私が編集をするときは
-
4:59 - 5:01そこを出発点にします
-
5:01 - 5:04自由について
ちょっと考えてみましょう -
5:04 - 5:06自由についての物語は
こんな感じに進みます -
5:06 - 5:08私達は一般に
-
5:08 - 5:12自分は大きな自由を手にしている
と思っているが -
5:12 - 5:14目下の問題のこととなると
-
5:14 - 5:17急に自由などまったく
ないように感じられる -
5:17 - 5:20私達の物語の多くは
囚われた感覚についてです -
5:20 - 5:22家族や 仕事や 人間関係や
過去のしがらみのせいで -
5:22 - 5:25囚われているように
感じるのです -
5:25 - 5:28時に自虐的な物語で自らを
閉じ込めていることもあります -
5:28 - 5:29そういう話を皆さん
ご存知でしょう -
5:29 - 5:31ソーシャルメディアによる
-
5:31 - 5:34「みんな自分よりいい人生だ」
という物語があり -
5:34 - 5:36「自分はまがい物だ」という物語があり
「自分は愛されない」という物語があり -
5:36 - 5:38「自分は何もかもうまくいかない」
という物語があり -
5:38 - 5:42「Siriと呼んでも答えてくれないのは
自分を嫌ってるからだ」という物語があります -
5:42 - 5:45あなたも?
私だけじゃないんだ -
5:46 - 5:47あの手紙を書いた女性もまた
-
5:47 - 5:49囚われたように感じています
-
5:49 - 5:52結婚生活を続けても
二度と夫を信用できないし -
5:52 - 5:55離婚すれば子供達が苦しむ
-
5:55 - 5:58こういう話で実際に
起きていることを -
5:58 - 6:00よく表している
漫画があります -
6:00 - 6:03囚われた人が外へ出ようと
-
6:03 - 6:05必死に鉄格子を
揺すぶっています -
6:05 - 6:07でも横は開いていて
-
6:07 - 6:09鉄格子がありません
-
6:09 - 6:11この人は囚われては
いないのです -
6:12 - 6:13私達の多くがそうです
-
6:13 - 6:15すっかり囚われているように感じ
-
6:15 - 6:17感情的な牢獄の中で
身動きできなくなっています -
6:17 - 6:19自由になろうと
鉄格子をよく調べないのは -
6:19 - 6:21罠があると
知っているからです -
6:21 - 6:24自由には責任が伴います
-
6:24 - 6:27物語の中の役割で
責任を引き受けるためには -
6:28 - 6:30変わる必要が出てきます
-
6:30 - 6:33それが 人々の物語によく見られる
もう1つのテーマです -
6:33 - 6:34こんな感じの物語です
-
6:34 - 6:37「私は変わりたい」と
その人は言うが -
6:37 - 6:39本当に意味しているのは
-
6:39 - 6:42「物語の中の他の人物に
変わってほしい」ということ -
6:42 - 6:44このジレンマをセラピストは
-
6:44 - 6:47「女王に“玉”さえあれば王になれた」
と言い表します -
6:47 - 6:49(笑)
-
6:49 - 6:51意味ないですよね
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6:52 - 6:54なぜ 物語の中心である主人公に
-
6:54 - 6:56変わってほしいと
思わないのでしょう? -
6:56 - 6:58変化というのは
-
6:58 - 7:00ポジティブなものであっても
-
7:00 - 7:02驚くほど多くの喪失を
伴うからでしょう -
7:02 - 7:04慣れ親しんだものの喪失です
-
7:04 - 7:07その慣れ親しんだものが
不快でみじめなものであっても -
7:07 - 7:10人物や設定や筋書きから
物語の中で繰り返される会話まで -
7:10 - 7:12よく知っているものだからです
-
7:12 - 7:13「あなた洗濯してくれないんだから!」
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7:13 - 7:14「この前やっただろ!」
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7:14 - 7:16「あら いつよ?」
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7:16 - 7:19物語が毎回どう進むか
分かっているのは -
7:19 - 7:21妙にほっとするものがあります
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7:22 - 7:26新しい章を書くのは
未知の領域に足を踏み入れることです -
7:26 - 7:28真っ白なページを
見つめることです -
7:28 - 7:29物書きなら誰でも
言うでしょう -
7:29 - 7:32真っ白なページほど
怖いものはないと -
7:32 - 7:34でも知ってほしいのは
-
7:34 - 7:36自分の物語を
いったん編集したら -
7:36 - 7:39次の章を書くのは
ずっと楽になるということです -
7:39 - 7:43私達の文化では「自分自身を知れ」と
よく言いますが -
7:43 - 7:46自分を知るためには
自分を忘れることも必要なんです -
7:46 - 7:50自分にずっと言い聞かせてきた物語を
捨てるということです -
7:50 - 7:52自分の人生を生きるために
-
7:52 - 7:56これまで自分に語ってきたのとは
違う物語を生きるために -
7:56 - 7:59そうやって あの鉄格子の
外に出るんです -
7:59 - 8:03夫の浮気に悩む女性の話に
戻りましょう -
8:03 - 8:05どうしたらいいのか
という相談でした -
8:05 - 8:07私が仕事場に掲げている
言葉があります -
8:07 - 8:09“ultracrepidarianism”
-
8:09 - 8:14「自分の知識や能力の範囲を超えた
アドバイスや意見を述べる癖」という意味です -
8:14 - 8:15いい言葉ですよね
-
8:15 - 8:17いろんな状況で
使うことができ -
8:17 - 8:19この講演の後も
皆さん使うことでしょう -
8:20 - 8:22私は自分に言い聞かせるために
使っています -
8:22 - 8:25セラピストとして相手がどうしたいのか
整理する手助けはできても -
8:25 - 8:28人生の選択を相手に代わって
してやることはできないのだと -
8:28 - 8:30自分の物語を書けるのは
自分だけであり -
8:30 - 8:33そのために必要なのは
ちょっとした道具だけです -
8:33 - 8:34ここで皆さんと一緒に
-
8:34 - 8:36この女性の手紙を編集することで
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8:36 - 8:40自分の物語をどうやって
改訂できるか示したいと思います -
8:40 - 8:43では まず皆さんが
自分に語っているけれど -
8:43 - 8:46良い結果になっていない
物語がないか -
8:46 - 8:48ひとつ考えてみてください
-
8:48 - 8:51それは自分の状況かもしれないし
-
8:51 - 8:53自分に関わる
誰かのことかもしれないし -
8:53 - 8:55自分自身のことかもしれません
-
8:56 - 8:59それから他の登場人物に
目を向けてください -
8:59 - 9:01その まずい物語を
維持し続けているのに -
9:01 - 9:04一役買っているのは
誰でしょう? -
9:04 - 9:06たとえばあの手紙の女性が
-
9:06 - 9:07友達に相談をしたなら
-
9:07 - 9:11たぶん「愚かな同情」とでも
言うべきことをするでしょう -
9:11 - 9:14愚かな同情をする人は
相手の物語に合わせ -
9:14 - 9:18望んでいた昇進ができなかった友人に
「ほんとすごく不公平よね」などと言います -
9:18 - 9:21たとえ 前に何度も
同じ事があって -
9:21 - 9:24それは当人が大した
努力をしておらず -
9:24 - 9:26オフィス備品をくすねるような
奴だからだとしても -
9:26 - 9:27(笑)
-
9:27 - 9:33男に捨てられたという友人に対し
「ほんと最低な奴だよね」などと言います -
9:33 - 9:35たとえ友人の恋愛での行動に
少し問題があって -
9:35 - 9:37ひっきりなしにメッセージを
送り付けたり -
9:37 - 9:39相手の引き出しの中を
探ったりするせいで -
9:39 - 9:41そうなるのだと
知っていようとも -
9:41 - 9:43問題は分かっているのです
-
9:43 - 9:45どこのバーに行っても
喧嘩になるのなら -
9:45 - 9:47たぶんあなたが
原因なのでしょう -
9:47 - 9:49(笑)
-
9:49 - 9:53良い編集者になるためには
賢明な同情を示す必要があります -
9:53 - 9:55友達に対してだけでなく
自分に対しても -
9:55 - 9:58これを専門用語では
-
9:58 - 10:01「思いやりを持って
真実という爆弾を届ける」と言います -
10:01 - 10:03真実という爆弾には
思いやりがあります -
10:03 - 10:06物語から除外していたものに
目を向けさせるからです -
10:06 - 10:08本当のところ
私達には分かりません -
10:08 - 10:10この女性の夫が
浮気をしているのかも -
10:10 - 10:12なぜ2年前に
性生活が変わったのかも -
10:12 - 10:16深夜の電話が
どのようなものなのかも -
10:16 - 10:18もしかすると過去の経験から
-
10:18 - 10:20一方的な裏切りの物語を
書いているのかもしれず -
10:20 - 10:24おそらく何か
手紙で人には言いたくなかったこと -
10:24 - 10:28あるいは自分自身でさえ
目を向けたくなかったことがあるのです -
10:28 - 10:30ロールシャッハテストを受ける
男の話のようなものです -
10:30 - 10:32ロールシャッハテストは
ご存じですよね? -
10:32 - 10:35心理学者がこのような
インクの染みを見せて -
10:35 - 10:38「何に見えますか?」と聞くやつです
-
10:38 - 10:41それで男は答えます
-
10:41 - 10:45「まったく血には見えませんね」
-
10:46 - 10:47すると心理学者は言います
-
10:47 - 10:51「そうですか 何に見えないか
もっと教えてください」 -
10:51 - 10:54書き物では
これを視点と言っています -
10:54 - 10:57語り手が見ようと
しないものは何か? -
10:57 - 11:00手紙をもう一通
読みましょう -
11:01 - 11:03こんな内容です
-
11:05 - 11:07「親愛なるセラピストさんへ
-
11:08 - 11:10妻についての相談です
-
11:10 - 11:12近頃私が何をしても
妻を苛立たせるようで -
11:12 - 11:15食べ物を噛む音のような
些細なことでさえそうです -
11:15 - 11:18朝食のとき妻が
牛乳を多めに入れて -
11:18 - 11:21グラノーラが音を立てにくく
しているのに気づきました」 -
11:21 - 11:22(笑)
-
11:22 - 11:26「2年前に私の父が亡くなってから
妻が私に批判的になった気がします -
11:26 - 11:28私は父とすごく仲が良く
-
11:28 - 11:32小さい頃に父親が出て行った妻には
私のつらさが分かりません -
11:32 - 11:35職場の友人で 何か月か前に
父親をなくした人がいて -
11:35 - 11:37その人は私の悲嘆を
理解してくれました -
11:37 - 11:40その友人と話すように
妻とも話せればと思いますが -
11:40 - 11:43妻はもう私のことが
我慢ならないようなのです -
11:43 - 11:45どうしたら妻と
よりを戻せるのでしょう?」 -
11:45 - 11:49さて 皆さん たぶん
お気づきでしょうが -
11:49 - 11:52これは前に読んだのと
同じ物語で -
11:52 - 11:55ただ別の語り手の視点で
語られたものです -
11:55 - 11:57妻の物語は
浮気する夫の話で -
11:57 - 12:01夫の物語は自分の悲嘆を
理解できない妻の話です -
12:01 - 12:03ここで注目すべきなのは
-
12:03 - 12:092つの物語は大きく異なってはいても
いずれも繋がりを求める話だということです -
12:09 - 12:11一人称の語りを脱却して
-
12:11 - 12:14他の人物の視点で
物語を書けたなら -
12:14 - 12:17相手にずっと
共感できるようになり -
12:17 - 12:19話の筋が開けて
見えるようになります -
12:19 - 12:22これは編集のプロセスで
最も難しい部分ですが -
12:22 - 12:25そこから変化は始まるのです
-
12:25 - 12:28自分の物語を
他の人の視点で書いたなら -
12:28 - 12:31どうなるでしょう?
-
12:32 - 12:35その広がった視野から
何が見えるでしょう? -
12:36 - 12:37だから私は落ち込んでいる人に
-
12:37 - 12:38よくこう言うんです
-
12:38 - 12:42「今のあなたは あなた自身について
話す相手として良くない」と -
12:42 - 12:45落ち込むと人は
自分の物語を歪めてしまいます -
12:45 - 12:47視野を狭めてしまいます
-
12:47 - 12:50孤独や 心の痛みや 拒絶を
感じているときも同じです -
12:50 - 12:54すごく狭いレンズを通して
歪められた物語を作ってしまい -
12:54 - 12:57レンズがあることに
気付きもしません -
12:57 - 13:00そして自分についての
フェイクニュースを流すのです -
13:01 - 13:03皆さんに打ち明ける
ことがあります -
13:04 - 13:07夫のほうの手紙は
私が書きました -
13:07 - 13:09グラノーラにするか
ピタ・チップスにするかで -
13:09 - 13:11ずいぶん迷いましたが
-
13:11 - 13:16長年セラピストの仕事や
コラムを通じて見てきた -
13:16 - 13:20様々な別バージョンの話を元に
書いたものです -
13:20 - 13:231つの状況に関わる2人が
-
13:23 - 13:26そうとは知らずに
両方とも私に手紙を書き -
13:26 - 13:30同じ物語の 2通りのバージョンが
私の受信箱に見つかる -
13:30 - 13:32そういうことが
本当に起きるんです -
13:32 - 13:35この女性については
別のバージョンがどんなものか分かりませんが -
13:35 - 13:36ひとつ言えるのは
-
13:36 - 13:38それを自分で
書かねばならないということ -
13:38 - 13:40勇気ある編集によって
-
13:40 - 13:44彼女はもっと奥行きのあるバージョンを
書くことでしょう -
13:44 - 13:48彼女の夫が実際に何らかの
浮気をしていたとしても -
13:48 - 13:52話の筋が何かを彼女は
まだ知る必要はありません -
13:52 - 13:55編集を行うということによって
-
13:55 - 13:59どういう筋になりうるか ずっと多くの
可能性が得られるからです -
13:59 - 14:03時々 本当にひどい
行き詰まり状態になっていて -
14:03 - 14:06その行き詰った状態に当人が
入れ込んでいることがあります -
14:06 - 14:09「助けを拒絶する不平屋」と
呼んでいます -
14:09 - 14:10そんな人をきっと
ご存じでしょう -
14:10 - 14:14何かを勧めても
いつも否定します -
14:14 - 14:19「うーん それはうまくいかないよ
だって…」 -
14:19 - 14:22「うーん 無理よ
そんなことできないもの」 -
14:22 - 14:26「うーん 友達は欲しいけど
人間って煩わしいじゃない?」 -
14:26 - 14:28(笑)
-
14:28 - 14:30そういう人が本当に
拒絶しているのは -
14:30 - 14:34行き詰った みじめな自分の物語を
編集することなんです -
14:34 - 14:38だからそういう人に対しては
やり方を変えます -
14:38 - 14:41何か違ったことを言うんです
-
14:42 - 14:45「私達はみんな死ぬんですよ」とか
-
14:45 - 14:48こいつが自分のセラピストでなくて
良かったと お思いでしょう -
14:48 - 14:49言われた当人も
-
14:49 - 14:51皆さんと同じように
-
14:51 - 14:53まったく困惑した様子を見せます
-
14:53 - 14:58でも 自分について いつか必ず
書かれることになる物語がありますよね -
14:58 - 15:00追悼文という物語です
-
15:01 - 15:05自分で自分の不幸を
書くのではなく -
15:05 - 15:09生きているうちに
この物語を形作ってはと言いたいのです -
15:09 - 15:12自分の物語の中で
被害者でなくヒーローになりましょう -
15:12 - 15:15心のページ上で展開することを
自分で選び -
15:15 - 15:16現実を形作りましょう
-
15:17 - 15:21人生とは どの物語に耳を傾け
どの物語を変えるか決めることなのだと -
15:21 - 15:23私は言っています
-
15:23 - 15:26改訂する努力は
する価値があります -
15:26 - 15:28自分自身に言い聞かせる
物語以上に -
15:28 - 15:31人生のクオリティを
左右するものはないからです -
15:31 - 15:34自分の人生の物語
ということであれば -
15:34 - 15:38ピュリッツァー賞ものにしようと
努めるべきなのです -
15:38 - 15:41私達の多くは
助けを拒絶する不平屋ではないし -
15:41 - 15:43少なくとも自分でそうだとは
思っていません -
15:44 - 15:46でも不安や怒りや
弱さを感じるときには -
15:46 - 15:49そうなってしまいやすいのです
-
15:50 - 15:52だから今度
何か問題を抱えたときには -
15:52 - 15:55みんな死ぬんだと
思い出してください -
15:55 - 15:57(笑)
-
15:57 - 15:59それから編集道具を
取り出して -
15:59 - 16:01自問してください
-
16:01 - 16:04自分の物語を
どんなものにしたいだろうかと -
16:05 - 16:08そして傑作を書いてください
-
16:09 - 16:10ありがとうございました
-
16:10 - 16:13(拍手)
- Title:
- 自分の物語を変えることで人生は変わる
- Speaker:
- ロリ・ゴットリーブ
- Description:
-
物語は自分の人生を理解する助けになるものですが、その物語が不完全だったり、誤解を招くものだったりすると、物事を分かりやすくするどころか身動きできなくしてしまいかねません。この実践的な講演を通して心理セラピストでコラムニストのロリ・ゴットリーブが教えるのは、人は自分に言い聞かせている物語からどうやって自由になれるかということで、そのためには自分の物語の編集者になって別の視点から語ることが鍵になります。
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 16:41
Riaki Ponist approved Japanese subtitles for How changing your story can change your life | ||
Riaki Ponist accepted Japanese subtitles for How changing your story can change your life | ||
Riaki Ponist edited Japanese subtitles for How changing your story can change your life | ||
Yasushi Aoki edited Japanese subtitles for How changing your story can change your life | ||
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