デザイナー・ベビーの倫理的ジレンマ
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0:01 - 0:03私がもしデザイナー・ベビーを
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0:03 - 0:05作ることが出来たら?
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0:06 - 0:08子供が欲しいあなたと
-
0:08 - 0:15科学者の私が手を組むと
決めたとしたら? -
0:15 - 0:18あるいは 私たちが
「そんなことは良くない」 -
0:18 - 0:21と思っていても
大多数の家族や友達や同僚が -
0:22 - 0:23そう決めたとしたら
どうでしょう? -
0:24 - 0:28早送りして
15年先の未来を見てみましょう -
0:28 - 0:31私たちはいま2030年にいると
仮定します -
0:31 - 0:32あなたには子供がいます
-
0:33 - 0:36あなたの側には
マリアンという娘がいて -
0:36 - 0:392030年の世界で 彼女は
「ナチュラル」と呼ばれます -
0:39 - 0:42彼女が何の遺伝子操作も
受けていないからです -
0:43 - 0:47あなたと配偶者が
意図的にそう決めたという事を -
0:47 - 0:51あなたの周囲の人々の多くは
良く思っていません -
0:51 - 0:54彼らはあなたが技術革新や
テクノロジー恐怖症だと思っています -
0:56 - 0:58隣に住む
マリアンの親友ジェナは -
0:59 - 1:00全く違っていて
-
1:01 - 1:07遺伝子操作により数々の「アップグレード」を
施されたデザイナー・ベビーです -
1:09 - 1:10そう アップグレードです
-
1:11 - 1:14こうした「機能拡張」は
-
1:14 - 1:16新しい遺伝子工学技術により
もたらされました -
1:16 - 1:19変わった名前—
「CRISPR」という技術です -
1:19 - 1:21"crisp"(新鮮) みたいな響き
-
1:21 - 1:22「クリスパー」です
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1:24 - 1:27ジェナの両親は科学者を
-
1:27 - 1:29数百万ドルで雇い
-
1:30 - 1:33CRISPR技術を
受精卵の一群へ使い -
1:34 - 1:36そして遺伝子検査を用いて
-
1:36 - 1:40その小さな胚が
一番優良だろうと予測しました -
1:40 - 1:42ジェナの胚です
-
1:43 - 1:47そして ジェナは実際に
本物のヒトとなり -
1:47 - 1:50リビングのカーペットに座り
-
1:50 - 1:52あなたの娘
マリアンと遊んでいます -
1:53 - 1:56子供たちの家族同士には
数年来の交流があり -
1:56 - 1:59今ではあなたには
ジェナが際立っている事が -
1:59 - 2:01はっきりと分かってきました
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2:01 - 2:03ジェナは大変知能が高く
-
2:03 - 2:06正直言って
あなたよりも賢いと言えます -
2:07 - 2:08たった5歳でもね
-
2:09 - 2:13彼女は美しく 背が高く
運動も得意で -
2:13 - 2:15彼女の優れている点の
枚挙にいとまがありません -
2:16 - 2:19そしてこのジェナのような
「遺伝子組み換えキッズ」が -
2:19 - 2:21生まれているのです
-
2:22 - 2:24今までのところ
-
2:24 - 2:26彼らは
親やあなたの世代に比べて健康で -
2:26 - 2:28彼らは
親やあなたの世代に比べて健康で -
2:28 - 2:30健康維持にかかるコストも低く
-
2:32 - 2:35エイズや遺伝子疾患などに
-
2:35 - 2:38対する耐性があります
-
2:39 - 2:41これらは素晴らしい事ですが
-
2:41 - 2:44あなたは落ち着かない
気持ちをぬぐえません -
2:45 - 2:50直感的にジェナは何か
正常ではないと感じてしまうのです -
2:50 - 2:54他の遺伝子組み換えキッズにも
その感覚を覚えました -
2:55 - 2:58あなたは折しも
週明けに新聞で -
2:59 - 3:02これらのデザイナー・ベビーたちが
より攻撃的で -
3:02 - 3:04ナルシシズムを持つ傾向にある
-
3:04 - 3:08という研究報告を
読んだところでした -
3:10 - 3:11それよりも気がかりなのが
-
3:11 - 3:15ジェナの家族から
聞かされたばかりの話です -
3:15 - 3:17ジェナは知能が高いために
-
3:17 - 3:20特殊な学校へ進み
-
3:20 - 3:22マリアンとは違う教育を
受けるというのです -
3:22 - 3:26これはあなたの家族を
困惑させてしまいました -
3:26 - 3:27マリアンは泣き続けて
-
3:27 - 3:31昨晩あなたがベッドで
おやすみのキスをした時 -
3:31 - 3:35「ダディ ジェナはもうお友達じゃ
なくなるの?」と聞いたのです -
3:36 - 3:40さあ 2030年の
空想物語をお話ししましたが -
3:40 - 3:43おそらく皆さんの中には
空想科学の世界にいるような -
3:43 - 3:45気持ちになってしまった人も
いるかと思います -
3:45 - 3:48まるでSF小説を
読んでいるような感じでしょう -
3:48 - 3:51あるいは
ハロウィンの物語のような -
3:51 - 3:53でもこれは
実現可能な未来なのです -
3:53 - 3:55たった15年先の未来
-
3:55 - 3:58私は幹細胞と遺伝子の
研究をしていますが -
3:58 - 4:01私にはこの
新しいCRISPR技術の -
4:01 - 4:03潜在的な
インパクトが予測できます -
4:04 - 4:07私たちはこういう未来に直面し
-
4:07 - 4:12そこでは様々な事柄が 私たちが
現在下す判断に左右される事になります -
4:12 - 4:14まだこれがSF的
空想物語だと感じているなら -
4:14 - 4:19今年 科学界が大きく震撼する
出来事が起こり -
4:19 - 4:22それは未だに知られてすらいない事を
頭に入れて下さい -
4:22 - 4:25ほんの数ヶ月前に
中国の研究者たちが -
4:25 - 4:29遺伝子編集をしたヒト受精卵を
作成したことを報告しました -
4:29 - 4:32これは歴史上初のことです
-
4:32 - 4:35彼らはこのCRISPR技術を
使ってそれを行いました -
4:36 - 4:37完全な成功では
ありませんでしたが -
4:37 - 4:41しかしこのことは
パンドラの箱の蓋を -
4:41 - 4:43開けてしまったと考えています
-
4:44 - 4:47この技術を持ち出し
デザイナー・ベビーを生み出そうとする人も -
4:47 - 4:49出てくるだろうと思います
-
4:50 - 4:53話を続ける前に—
中にはこういう意見もあるかもしれません -
4:53 - 4:56「ポール ちょっと待って
-
4:56 - 4:57そんなこと法に反するだろう?
-
4:57 - 5:01そんなに自分勝手に
デザイナー・ベビーを作るなんてありえない」 -
5:02 - 5:04その意見はある意味
正しいんです -
5:04 - 5:06それが出来ない
国々もありますが -
5:07 - 5:10我が国アメリカを含む
多くの国々では -
5:10 - 5:14まだこれについて何の法律も無く
理論的には問題ないのです -
5:15 - 5:19今年もう一件
これに関連した展開がありました -
5:19 - 5:22(ウィーンから)そう遠くない
イギリスで起こったことです -
5:22 - 5:26イギリスは元来
人の遺伝子操作に関しては -
5:26 - 5:28最も厳格な国で
-
5:28 - 5:30そこでもヒトの胚の
遺伝子操作は違法でした -
5:30 - 5:32しかし ほんの数ヶ月前
-
5:32 - 5:34そのルールに
例外が設けられました -
5:34 - 5:36新たな法律が通り
-
5:36 - 5:39希少遺伝子疾患の予防という
崇高な目的のためなら -
5:40 - 5:44崇高な目的のためなら作っても良い
ということになったのです -
5:44 - 5:48しかし これらの出来事によって
-
5:48 - 5:51私たちはヒトの遺伝子編集を
受け入れる方向に -
5:51 - 5:53流されていっていると
感じています -
5:54 - 5:57CRISPRのお話をしてきましたが—
-
5:57 - 5:59一体 CRISPRとは
何なのでしょう? -
5:59 - 6:03私たち皆が良く知る
遺伝子組み換え作物を想像してください -
6:03 - 6:06遺伝子組み換えトマトや小麦
-
6:06 - 6:08そんなものです
-
6:08 - 6:11CRISPR技術は
そうした作物を作る -
6:11 - 6:12技術と似ていますが
-
6:12 - 6:15それが驚異的に進化し
-
6:15 - 6:17安価になり 速く
達成できるようになったものです -
6:18 - 6:20さてどんなものでしょう?
-
6:20 - 6:22それはまるで遺伝子用の
スイス・アーミーナイフのようなものです -
6:22 - 6:24これが色々なツールの
組み込まれた -
6:24 - 6:26スイス・アーミーナイフとします
-
6:26 - 6:29一つは拡大鏡のようなもの
-
6:29 - 6:31あるいは私たちのDNAに対する
GPSのようなもの -
6:32 - 6:34それで ある一点に
焦点を 当てることができます -
6:34 - 6:36次はハサミのようなツール
-
6:36 - 6:39遺伝子をその場で
切り取ることが出来ます -
6:39 - 6:41それからペン
-
6:41 - 6:46その場所にある遺伝子のコードを
文字通り書き換えることができます -
6:46 - 6:47本当にこんな
単純な仕組みなんです -
6:48 - 6:51この技術はたった3年前に
出てきたばかりですが -
6:51 - 6:53業界を席巻しました
-
6:54 - 6:58技術はとても速く発展していて
科学者たちには途轍もなく刺激的です -
6:58 - 7:02私も魅了された科学者の一人で
自身の研究所で実際に使っています -
7:03 - 7:07誰かがその先まで踏み出して
-
7:07 - 7:09遺伝子組み換えヒト胚を作成し続け
-
7:09 - 7:12デザイナー・ベビーを作ってしまう
のではと思っています -
7:13 - 7:15この技術は今や世界中へ
伝わっています -
7:15 - 7:17ほんの3年前に現れて
-
7:17 - 7:22こんにち文字通り
数千のラボが これを所有し -
7:22 - 7:24それぞれに
重要な研究を行なっています -
7:24 - 7:27その殆どは
デザイナー・ベビーには興味もなく -
7:27 - 7:29疾患やその他重要な科学的テーマを
-
7:29 - 7:32研究しています
-
7:32 - 7:34CRISPR技術で
多くの良質な研究が行われ -
7:35 - 7:38以前は何年もの歳月と
数百万ドルの費用をかけて行なっていた -
7:38 - 7:42遺伝子組み換えが
-
7:42 - 7:45今では数週間と
数千ドルでできてしまうというのは -
7:45 - 7:47科学者の私には非常に
素晴らしいと感じられます -
7:47 - 7:50しかし同時に
-
7:50 - 7:53極端に行き過ぎる人に対しても
そのドアが開いてしまいます -
7:53 - 7:55そしてある種の人々にとっては
-
7:55 - 7:58その活用目的は
科学的なものでは無いでしょう -
7:58 - 8:00彼らは科学の目的により
動機付けられておらず -
8:00 - 8:03イデオロギーや
利益の追及などに駆られて -
8:04 - 8:07デザイナー・ベビーを
生み出そうとするでしょう -
8:08 - 8:12私たちは何故この事を
憂慮するべきなのでしょう? -
8:12 - 8:15ダーウィンの言う通り
数世紀前には -
8:15 - 8:19進化と遺伝子が
人類へ大きく影響を与え -
8:20 - 8:22私たちが出来上がりました
-
8:22 - 8:26社会進化論のようなものが
この世を運命付けていると考える人もいるし -
8:26 - 8:28優生学の考えもあるでしょう
-
8:29 - 8:32そうした考えの勢力がそれぞれ
-
8:32 - 8:35とても影響力が強く
広く浸透した技術である -
8:35 - 8:38CRISPRという推進力を
味方につけると想像してみてください -
8:39 - 8:43実際 1世紀遡って 前世紀に
-
8:43 - 8:46優生学思想がどのような影響を
及ぼしたかを考えてみましょう -
8:47 - 8:49私の父ピーター・ノフラーは
-
8:49 - 8:52ここウィーンで生まれました
-
8:52 - 8:57彼は1929年にここで生まれた
ウィーンっ子で -
8:57 - 9:00私の祖父母が父を授かった時
-
9:01 - 9:02世界はまるで違っていました
-
9:02 - 9:04ウィーンは今とは違いました
-
9:04 - 9:05アメリカも然り
-
9:05 - 9:06世界は今とは違っていました
-
9:06 - 9:09その頃 優生学的思想が勢力を増し
(ナチスによるユダヤ人迫害) -
9:09 - 9:11私の祖父母はかなり早期に
-
9:11 - 9:13気づきました
-
9:13 - 9:16彼らは優生学思想の方程式の
「分が悪い側」にいたことに -
9:17 - 9:19それで彼らは
故郷であるウィーンを離れ -
9:19 - 9:21親戚たちからも
-
9:21 - 9:26何世代にも渡って住んでいた
-
9:26 - 9:29この地を離れることにしました
-
9:29 - 9:30優生学の迫害が理由です
-
9:31 - 9:33そして彼らは生き延びましたが
心は疲れ切り -
9:33 - 9:37父がウィーンを忘れられたかどうか
私は知りません -
9:37 - 9:391938年―彼は8歳の時に
-
9:39 - 9:41そこを去りました
-
9:43 - 9:46現在 また新たな
優生学的風潮が -
9:46 - 9:48頭をもたげて来ているのを
感じています -
9:48 - 9:53これはより共感的で 紳士的で
ポジティブな優生学であり -
9:53 - 9:55過去の優生学とは違う
ということになっていますが -
9:56 - 10:01私は例えその焦点が人々を
「改良」することにあったとしても -
10:01 - 10:03ネガティブな結果を
招きかねないと思っており -
10:03 - 10:05私が心底危ぶんでいるのは
-
10:05 - 10:07この新たな優生学の
著名な推奨者たちは -
10:07 - 10:11CRISPRがその実現へのチケットだと
考えているということです -
10:12 - 10:14私にもそれが理解できない
訳ではないと認めます -
10:14 - 10:17優生学―より優れた人間を作る
-
10:17 - 10:19でもそれは難しい問いです
-
10:19 - 10:22人間について語るとき
何をもって「より良い」とするのでしょう? -
10:22 - 10:25しかしまた 私たちの多くが
-
10:25 - 10:28人間には ほんのちょっと
改良が必要だと -
10:28 - 10:30思っているのも真実です
-
10:30 - 10:32政治家たちを見てください
-
10:32 - 10:34ここに比べて
私の国アメリカでは— -
10:34 - 10:38いや今 その話はやめましょう
-
10:38 - 10:40多分鏡を覗くだけでも—
-
10:40 - 10:43どう「改良」すべきか
思いつくでしょう -
10:43 - 10:47私ならこんな禿げ頭ではなく
髪がもっと欲しいと思いますね -
10:47 - 10:50ある人は
もっと身長を高くしたいとか -
10:50 - 10:53体重がああだったら、顔がこうだったら
そう願っています -
10:54 - 10:57遺伝子編集ができれば
こうした変身ができたり -
10:57 - 11:00自分の子供たちに
そうした調整を行ったりできます -
11:00 - 11:01とても魅惑的でしょうね
-
11:02 - 11:05でもこうしたリスクがつきものです
-
11:05 - 11:07優生学についてお話ししましたが
-
11:07 - 11:10個人単位でのリスクもあります
-
11:10 - 11:12人間を改良する
という考えから離れて -
11:12 - 11:17遺伝子操作を用いて単に
人を更に健康にしようとするとします -
11:17 - 11:19この技術は非常に新しく
-
11:19 - 11:21非常にパワフルですから
-
11:21 - 11:24間違って逆に病気を引き起こして
しまうかもしれません -
11:25 - 11:27これは容易に起こり得ることです
-
11:27 - 11:28もう1つのリスクは
-
11:28 - 11:34研究室で行われている あらゆる
正当で重要な遺伝子改変の研究も -
11:34 - 11:37—デザイナー・ベビーには
何の関係も無い研究です— -
11:37 - 11:40ごく一部が行う
デザイナー・ベビー開発のせいで -
11:40 - 11:42混乱に巻き込まれ
-
11:42 - 11:45学術分野全てが
痛手を負うという事です -
11:45 - 11:48私は政府が
そのうち遺伝子編集に -
11:48 - 11:52乗り気にならないとも
限らないと考えています -
11:53 - 11:58遺伝子編集をされたジェナは
-
11:58 - 11:59より健康優良ですが
-
11:59 - 12:03もしヘルスケアコストが
今よりもかからない世代ができれば -
12:03 - 12:07政府が遺伝子組み換えを
促進するよう -
12:07 - 12:09国民に働きかけるかもしれません
-
12:09 - 12:11例えば中国の一人っ子政策
-
12:11 - 12:17これは4億人の出生を
防いだと考えられています -
12:18 - 12:21ですから政府が
遺伝子操作を推進する -
12:21 - 12:25というのも
現実的にあり得るでしょう -
12:25 - 12:29もしデザイナー・ベビーが
-
12:29 - 12:31このデジタル時代に
主流になったら— -
12:31 - 12:33バイラル・ビデオや
ソーシャルメディアで -
12:33 - 12:36デザイナー・ベビーが
「ファッショナブル」だとか -
12:36 - 12:38カーダシアンのような
セレブみたいに -
12:38 - 12:40扱われたらどうします?
-
12:40 - 12:41(笑)
-
12:41 - 12:45そうしたトレンドを 本当に私たちが
コントロールできるものでしょうか? -
12:45 - 12:48私は手に負えないのではと
思っています -
12:49 - 12:52ですから 今日はハロウィンで
-
12:52 - 12:54遺伝子操作について
話しているのですが -
12:54 - 12:57ハロウィンにちなんだ
キャラクターとして -
12:57 - 13:00誰よりもふさわしいキャラがいます
-
13:00 - 13:02フランケンシュタインです
-
13:03 - 13:07フランケンの物語は
色々ありますが -
13:07 - 13:12これをこの話の文脈に当てはめて
こんなハロウィンの日に -
13:12 - 13:13考えてみると
-
13:13 - 13:18もし親が子供を遺伝子的に
仮装させられるようになるとしたら -
13:18 - 13:23これは「フランケンシュタイン2.0」
のような状況になるのでしょうか? -
13:24 - 13:27いや そこまで極端な話には
ならないでしょう -
13:27 - 13:31でも私たちが人間の遺伝子を
ハッキングし始めたら -
13:31 - 13:35何が起こるか
全く予測不可能です -
13:35 - 13:36危険が伴うでしょう
-
13:38 - 13:39歴史を振り返ると
-
13:39 - 13:42革新的な科学技術が
-
13:42 - 13:46もはや制御不能な状態に発展し
-
13:46 - 13:47社会に浸透する例が
見えてきます -
13:48 - 13:51例えば体外受精という例です
-
13:52 - 13:56ほぼ丁度40年前
-
13:56 - 14:00世界初の「試験管ベビー」である
ルイーズ・ブラウンが生まれました -
14:00 - 14:01それは素晴らしい事です
-
14:01 - 14:07それから5百万人程の
試験管ベビーが生まれ -
14:07 - 14:08計り知れない幸せを
もたらしました -
14:08 - 14:11今多くの親御さんたちが
こうした子供たちを持ちます -
14:12 - 14:14しかし考えてみてください
40年のうちに -
14:14 - 14:17新技術によって5百万人の
こうした赤ちゃんが生まれた -
14:18 - 14:19これは凄い事です
-
14:19 - 14:22そして遺伝子編集技術や
デザイナー・ベビーにより -
14:22 - 14:25同じ事がもたらされる
可能性があるのです -
14:25 - 14:28私たちが
次の数ヶ月で下す決断に基づき -
14:28 - 14:30来年あたりに
-
14:30 - 14:33もしデザイナー・ベビー
第1号が生まれたら -
14:33 - 14:34数十年以内に
-
14:34 - 14:38何百万もの遺伝子組み換えベビーが
生まれるかもしれません -
14:38 - 14:42これが少し特殊なのは
-
14:42 - 14:45もし私やあなたが
デザイナー・ベビーを持つと決めたら -
14:45 - 14:49ベビーたちの子供たちにもまた
遺伝子編集が引き継がれる -
14:49 - 14:51遺伝する ということです
-
14:51 - 14:52それが大きな違いです
-
14:54 - 14:55これらの事を踏まえて
-
14:56 - 14:57今後どうするべきなのでしょうか?
-
14:58 - 15:00これからおよそ
-
15:00 - 15:031ヶ月後に
ワシントンD.C.で行われる -
15:03 - 15:05米国科学アカデミーが
開催する会議に於いて -
15:05 - 15:07まさにこの質問が
取り上げられます -
15:07 - 15:11ヒトの遺伝子編集技術の
進むべき道はどんなものでしょう? -
15:12 - 15:14今の時点では
-
15:14 - 15:16猶予期間が必要です
-
15:16 - 15:17これは禁止しておくべきです
-
15:17 - 15:21私たちは遺伝子編集された人間を
作る事を許すべきではありません -
15:21 - 15:24なぜならこれは危険過ぎる
全く予測不可能な行為だからです -
15:25 - 15:27そして—
-
15:27 - 15:28(拍手)
-
15:28 - 15:29ありがとうございます
-
15:29 - 15:33(拍手)
-
15:36 - 15:38これも言わせてください
科学者として -
15:38 - 15:41これを私が公の場で言うのは
少し怖いのです -
15:41 - 15:46科学は 大抵自ら規制を課すような事を
忌避するものですからね -
15:47 - 15:50私たちはこれを今は
禁止しておくべきだと思うのですが -
15:50 - 15:53それに反対するだけでなく
真逆の意見を持つ人々も -
15:53 - 15:55多く存在します
-
15:55 - 15:58彼らはまるでこうです
「よしフルスピードで進もう -
15:58 - 16:00デザイナー・ベビーを作ろう」
-
16:00 - 16:0312月の会議では
-
16:03 - 16:06そして続く数ヶ月に
予定される会議では -
16:06 - 16:09猶予期間を儲ける事が採択されない
可能性も大きくあります -
16:09 - 16:12私が思うのは
この問題の一部には -
16:12 - 16:14こうした流れや
-
16:14 - 16:19遺伝子編集技術の人間への応用という
革命が起こっているのが -
16:19 - 16:20知られていない事もあります
-
16:20 - 16:22誰も皆に伝えていないのです
-
16:22 - 16:26「これは大変な 革命的な事で
あなたにも個人的に -
16:26 - 16:28影響を与えかねないですよ!」と
-
16:28 - 16:31私の目標の一つは
それを変える事であり -
16:31 - 16:34公衆を教育し関心を高め
-
16:34 - 16:37皆さんにこの事について
議論を始めてもらう事です -
16:38 - 16:41これらの会議において
皆さんが参加して一端を担い -
16:41 - 16:44意見が取り入れられる事を
願っています -
16:46 - 16:50さて2030年の仮定の世界に
再び視点を戻すと -
16:51 - 16:54本当に時間は残されていません
-
16:54 - 16:56こんにちの決断が影響する
この技術は -
16:56 - 16:58翌数ヶ月、翌年くらいで
-
16:58 - 17:01山火事のように
急速に拡がっているのですから -
17:02 - 17:042030年の現実に
戻ったとしましょう -
17:05 - 17:06公園にいて
-
17:06 - 17:10子供はブランコに乗っています
-
17:11 - 17:13その子は従来の
自然なままの子供なのか -
17:13 - 17:17それとも私たちはデザイナー・ベビーを
持つことにしたでしょうか? -
17:17 - 17:20私たちは手を加えない従来の
自然なままの子供を選んだとしましょう -
17:20 - 17:23その子はブランコで揺られていて
-
17:23 - 17:26まあその格好はぐちゃぐちゃです
-
17:26 - 17:28髪は私のように乱れて
-
17:28 - 17:30洟をたらしていて
-
17:31 - 17:33世界基準で
最も賢い子供でありませんが -
17:33 - 17:35かわいくて あなたはメロメロです
-
17:35 - 17:37その隣のブランコには
-
17:37 - 17:40親友の遺伝子組み換えキッドがいます
-
17:40 - 17:43二人が並んで
ブランコに揺られているので -
17:43 - 17:45二人をつい
比べずにはいられません -
17:45 - 17:47遺伝子組み換えキッドは
より高くブランコを揺らし -
17:47 - 17:50見た目も上等
学校でも良い生徒です -
17:50 - 17:53拭いてあげなければならない
洟もありません -
17:53 - 17:55あなたはこれをどんな思いで
見つめるでしょう? -
17:55 - 17:58あなたなら
どんな選択をするでしょう? -
17:59 - 18:00ありがとうございました
-
18:00 - 18:06(拍手)
- Title:
- デザイナー・ベビーの倫理的ジレンマ
- Speaker:
- ポール・ノフラー
- Description:
-
遺伝子編集されたヒトを作り出す。それはもう空想の世界の話ではなく、実現するであろう未来のシナリオです。15年内に科学者たちは遺伝子編集技術CRISPRを用いて、ヒトの胚に身体的特徴を調整したり自己免疫疾患のリスクを消す等といった「アップグレード」を施すことが出来ると、生物学者ポール・ノフラーは推測しています。 この示唆に富むトークで、ノフラーは来たるデザイナー・ベビー革命と、それが引き起こす身近で予測不可能な事態を想定するよう私たちに語ります。
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 18:19
Natsuhiko Mizutani approved Japanese subtitles for The ethical dilemma of designer babies | ||
Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for The ethical dilemma of designer babies | ||
Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for The ethical dilemma of designer babies | ||
Shoko Takaki commented on Japanese subtitles for The ethical dilemma of designer babies | ||
Shoko Takaki accepted Japanese subtitles for The ethical dilemma of designer babies | ||
Eriko Tsukamoto edited Japanese subtitles for The ethical dilemma of designer babies | ||
Shoko Takaki declined Japanese subtitles for The ethical dilemma of designer babies | ||
Shoko Takaki edited Japanese subtitles for The ethical dilemma of designer babies |
Shoko Takaki
LCの方へ
このトークにはTEDx版もありますので、併せて承認をお願い致します。
http://amara.org/en/videos/S1MkAmeRHvGO/ja/1766050/