政府の不正を暴く 私の闘争
-
0:01 - 0:06昔々 この世界は大きな大きな
機能不全家族でした -
0:06 - 0:10偉大で強大な親と
-
0:10 - 0:12自分では何もできず
-
0:12 - 0:14救いようのない悪い子供たち
-
0:14 - 0:17その中でもうるさい子たちが
-
0:17 - 0:21親の権威に盾突こうとすると
こっぴどく叱られ -
0:21 - 0:23親の部屋に忍び込んで
-
0:23 - 0:28秘密の書類の入った引き出しを
覗こうものなら罰せられ -
0:28 - 0:30これもお前たちのためだから
-
0:30 - 0:34二度と立ち入るなと言いつけられました
-
0:34 - 0:36そんなある日
男が町にやって来て -
0:36 - 0:39親の部屋から盗んだ
秘密文書の入った箱を -
0:39 - 0:41たくさん持ってきて言いました
-
0:41 - 0:45「君らの親はこんなに色々
隠してきたんだよ」 -
0:45 - 0:48子供たちはそれを見て驚愕しました
-
0:48 - 0:51地図や会合の議事録には
-
0:51 - 0:54親たちがお互いに罵り合っている様子が
書かれていたのです -
0:54 - 0:57まるで子供のように振る舞い
-
0:57 - 1:01子供のように失敗もしていました
-
1:01 - 1:03子供たちとの唯一の違いといえば
-
1:03 - 1:06親の失敗は秘密の収納庫に
隠されていたことでした -
1:06 - 1:09しかしその町に住むある女の子は
こう思いました -
1:09 - 1:11これは秘密裏に保管されるべきではないし
-
1:11 - 1:14もしそうするとしても
法律を作って -
1:14 - 1:16子供にも知る権利を与えるべきだと
-
1:16 - 1:19女の子はそれを実現するべく
行動を起こしました -
1:20 - 1:24この物語の女の子は 実は私です
そして私が探していた秘密文書は -
1:24 - 1:27この建物の中にありました
-
1:27 - 1:31イギリスの国会議事堂です
-
1:31 - 1:34そして私が入手したかったデータとは
-
1:34 - 1:37国会議員の経費の領収書でした
-
1:37 - 1:44訊いて当然だと思っていました
それが民主主義じゃないですか!(拍手) -
1:44 - 1:47核兵器貯蔵庫の暗証番号を
教えろとは言っていませんしね -
1:47 - 1:49でもこの「知る権利」の行使に対し
まるでそんな -
1:49 - 1:52核兵器レベルの要求をしたかのような
-
1:52 - 1:55ものすごい抵抗を受けました
-
1:55 - 1:59この戦いは5年間続きました
そもそもこれは -
1:59 - 2:03私が送った数百件の問い合わせの一つに
過ぎなかったのです -
2:03 - 2:06イギリス議会に革命を起こそうだなんて
正直 これっぽっちも -
2:06 - 2:07思ってなかったのですから
-
2:07 - 2:11そんな意図はなく
ただ情報公開の請求をしただけです -
2:11 - 2:14当時書いていた初の著書の
下調べの一環に過ぎませんでした -
2:14 - 2:17でも結果的に延々と続く法廷闘争に
なってしまったのです -
2:17 - 2:215年間にわたる議会との闘争の末
ある日私は -
2:21 - 2:24イギリスの高等法院で
最も高位な3人の判事を前に -
2:24 - 2:28情報公開を議会に強制するか否かの
判決を待っていました -
2:28 - 2:31正直な話
大して期待していませんでした -
2:31 - 2:33それまでに色々見てきた経験から
権威というものは -
2:33 - 2:36常に癒着するものだからと
自分の運を諦めていました -
2:36 - 2:42でも結果はなんと私の勝訴でした
やったー!(拍手) -
2:42 - 2:45しかしこの話はそこで終わりません
-
2:45 - 2:48議会は情報公開を散々遅らせたうえに
-
2:48 - 2:51遡及的な法改正を図りました
-
2:51 - 2:54判決が議員に適用されないように
しようとしたのです -
2:54 - 2:57過去に成立していた
議員を対象外とする情報公開法を -
2:57 - 2:59維持することで公開義務から
逃れようという目論見です -
2:59 - 3:03しかし彼らの計算外だったのが
記録のデジタル化です -
3:03 - 3:05紙の領収書がすべて
-
3:05 - 3:09スキャンされ保存されていたため
そのデータベース全体をコピーして -
3:09 - 3:12ディスクに落とし
議会の外に悠々持ち出すといったことが -
3:12 - 3:16非常に簡単に出来るようになっていたのです
-
3:16 - 3:18実際にデータは持ち出され 売りに出され
-
3:18 - 3:21デイリーテレグラフ紙が競り落としました
-
3:21 - 3:24その後数週間にわたり暴露が続いたのを
皆さんも覚えていますよね -
3:24 - 3:27ポルノ映画の領収書に始まり
-
3:27 - 3:31お風呂の栓 キッチンのリフォーム
-
3:31 - 3:34未返済のローンまで
全てが公にさらされました -
3:34 - 3:39最終的に6人の閣僚が辞任
-
3:39 - 3:43300年の歴史上初めて
議長が辞任を余儀なくされ -
3:43 - 3:47情報の透明性の公約を基に
新たな政権が発足しました -
3:47 - 3:51その選挙でも120人の議員が引退し
-
3:51 - 3:55さらにそこから
下院議員4人と上院議員2人が -
3:55 - 3:58詐欺罪で服役することになりました
-
3:58 - 4:04ありがとうございます
(拍手) -
4:05 - 4:09こんな話をしたのは これが
イギリスだけの問題ではなかったからです -
4:09 - 4:12現在世界中で起こっている
権力との軋轢のほんの一例です -
4:12 - 4:16国のトップで権力を握るお偉方が
-
4:16 - 4:19あまり世間の詮索を受けずに
-
4:19 - 4:21民衆を支配できると思ってきたのが
-
4:21 - 4:24そんなやり方を不満に思った民衆に
-
4:24 - 4:28突然糾弾されることになるという流れです
-
4:28 - 4:31今では 民衆は
ただ不満を抱えているだけでなく -
4:31 - 4:35公式のデータという証拠をつかんでいる
というわけですね -
4:35 - 4:40というわけで世界では
情報の民主化が進んでいます -
4:40 - 4:43私はこの業界ではかなり長い方です
-
4:43 - 4:45ちょっと恥ずかしい話なんですが
子供の頃でさえ 私は -
4:45 - 4:47小さなスパイ帳を作って
-
4:47 - 4:50近所の人たちの行動を
観察して記録していました -
4:50 - 4:52将来調査報道の記者になる
-
4:52 - 4:55前兆だったように思えます
-
4:55 - 5:00情報を調査するこの業界で
長く働いてきましたが -
5:00 - 5:02かつては非常にニッチだったこの分野が
今では主流となり -
5:02 - 5:06権力の座にある人間の動向に対し
世界中の人々が -
5:06 - 5:09これまでにないほどに
興味を持つようになっています -
5:09 - 5:12自分たちの名前や金を使って行われる
意思決定に物申したいのです -
5:12 - 5:15このような情報の民主化が起こっている現代を
-
5:15 - 5:18情報の啓蒙時代とも呼べるでしょう
-
5:18 - 5:2217~18世紀の啓蒙運動と
共通する概念が多いからです -
5:22 - 5:24例えば 真実の追求
-
5:24 - 5:29言われたことを鵜呑みにはしません
「俺が言うからそうなんだ」は通じません -
5:29 - 5:31むしろ自分の目で見て試して
初めてわかる真実を -
5:31 - 5:34探求していくということです
-
5:34 - 5:37初代啓蒙運動の時 同じ原理で
様々な疑問が生まれました -
5:37 - 5:40「民衆を支配する王には
神聖な権利がある」とか -
5:40 - 5:42「女は男に従属するべきだ」とか
-
5:42 - 5:45「教会の権威は神が与えた」などという
既成概念に挑戦したのを -
5:45 - 5:47当然ながら 教会はよく思わず
-
5:47 - 5:50運動を抑え込もうとしました
-
5:50 - 5:52しかし教会にとって計算外だったのが
技術の力でした -
5:52 - 5:55活版印刷技術のお陰で 突然
-
5:55 - 5:59こういった思想が安く、速く、遠くまで
広められるようになりました -
5:59 - 6:01そして人々はコーヒー・ハウスに集い
-
6:01 - 6:04アイデアを練ったり
革命を企てたわけです -
6:04 - 6:08今日ではデジタル化がこれにあたります
情報から物質的な質量をすべて取り除き -
6:08 - 6:12コピーして情報を共有する
これが今の時代 ほぼ無料でできます -
6:12 - 6:16活版印刷機はインターネットに
コーヒー・ハウスはソーシャルネットワークになり -
6:16 - 6:21時代は ネットで完全に繋がったシステムに
向かって動いていますが -
6:21 - 6:24ここでは今やグローバルな意思決定が
求められています -
6:24 - 6:28温暖化や 金融システム
-
6:28 - 6:31地球資源についてなどです
-
6:31 - 6:33たとえば
家を買うという重要な決断をする時 -
6:33 - 6:36即決はしませんよね
皆さんはどうだか知りませんが -
6:36 - 6:39私はそのレベルの大金を払うなら
色々見て決めたいですから -
6:39 - 6:42金融システムについて考えるなら
-
6:42 - 6:46かなりの情報が必要です
だって これだけの量の情報を -
6:46 - 6:49たった一人で処理し 分析して
-
6:49 - 6:53適切な意思決定をするのは
不可能な話ですから -
6:53 - 6:56情報公開を要求する人が
-
6:56 - 6:58増え続けている理由はここです
-
6:58 - 7:01情報開示法が生まれている理由です
-
7:01 - 7:03環境について言えば
-
7:03 - 7:04欧州議会のオーフス条約がありますね
-
7:04 - 7:06かなり強い 「知る権利」を
-
7:06 - 7:09住民に与える政令です
もし地域の水道会社が -
7:09 - 7:13下水処理水を川に流しているとしたら
-
7:13 - 7:16住民にはそれを知る権利があるというものです
-
7:16 - 7:20金融業界について言えば
-
7:20 - 7:22国民の知る権利は以前より拡大しています
-
7:22 - 7:25例えば 様々な反汚職対策法や
金融規制があり -
7:25 - 7:30企業の情報開示義務も増え
国境を越えて資産追跡もできるので -
7:30 - 7:35資産隠蔽や脱税や給与不平等などが
起こりにくくなっています -
7:35 - 7:38いいことですよね
こういった情報がどんどん -
7:38 - 7:40一般市民の手に入りやすくなっています
-
7:41 - 7:43外から中へ
完全に網羅するシステムが -
7:43 - 7:46完成しつつあります
-
7:46 - 7:49しかし一つだけ例外があります
何だと思いますか? -
7:49 - 7:52この全てのシステムを支える
基盤システムそのものです -
7:52 - 7:56権力を体系付けて
行使するためのシステムです -
7:56 - 7:59つまり 政治のことです
-
7:59 - 8:03トップダウン的階層構造である
政治制度に話が戻るわけです -
8:03 - 8:06このシステムで処理されるべき
莫大な量の情報は -
8:06 - 8:09どうやったら処理しきれるのでしょうか?
-
8:09 - 8:11残念ながらできません
どうにもなりません -
8:11 - 8:14これこそ 今あちこちで起こっている
-
8:14 - 8:18政府の不正行為絡みの問題の
根本的原因だと思います -
8:18 - 8:20さて 先ほど私の体験談を
少しお話しましたね -
8:20 - 8:23英国議会に物を申し
メディアを騒がせながら -
8:23 - 8:25無理やり現代化を推し進めてきました
-
8:25 - 8:28他にも同じような運動を
している人々について -
8:28 - 8:30ご紹介します
-
8:30 - 8:33この方はセブ・ベーコンという
-
8:33 - 8:37コンピュータープログラマーですが
Alaveteliという -
8:37 - 8:41情報の自由を推進するプラットフォームを
作った人です -
8:41 - 8:44オープンソースで情報を記録する仕組みで
-
8:44 - 8:48情報開示の要求をしたり
-
8:48 - 8:50国や地域の政府組織に質問をしたりする際
-
8:50 - 8:54こういった手続きにありがちな煩雑さを
省いてくれます -
8:54 - 8:56通常はそれはもう非常に面倒ですが
-
8:56 - 8:59これを使えば簡単です
質問を入力するだけでいいのです -
8:59 - 9:03例えば「前科のある警察官は何人?」
などです -
9:03 - 9:08質問は答えられる人に送られ
-
9:08 - 9:11タイムリミットが近づくと通知が来ます
-
9:11 - 9:13やりとりは全て記録・公表され
-
9:13 - 9:16誰にでも見れるように
アーカイブされるわけです -
9:16 - 9:20これはオープンソースなので
どの国でも使えます -
9:20 - 9:23どんな形でも情報公開法がある国なら
どこでも利用できます -
9:23 - 9:26現在このシステムが存在する
国のリストがこちらです -
9:26 - 9:28これにまた何ヶ国か加わる予定です
-
9:28 - 9:30この仕組みをいいなと思った方で
-
9:30 - 9:33お住まいの国に該当する法律がある方
-
9:33 - 9:35そういう方からの連絡は大歓迎とのことです
-
9:35 - 9:39ぜひ協力し合って このシステムを
あなたの国でも始めてください -
9:39 - 9:44この方はビルギッタ・ヨンスタティアー
アイスランドの議員です -
9:44 - 9:47国会議員としては
非常に変わった経歴を持つ方で -
9:47 - 9:51元々はアイスランドの経済が破綻した時期
-
9:51 - 9:54議事堂の外でデモをしていた人です
-
9:55 - 9:58その後 ある改革案の委員に選出され
-
9:58 - 10:01現在はプロジェクトの先頭に立っています
-
10:01 - 10:04アイスランド現代メディア構想
と呼ばれるもので -
10:04 - 10:06最近 資金が増えて
世界規模の展開を始めました -
10:06 - 10:09表現の自由や 内部告発者の保護
-
10:09 - 10:12名誉毀損罪からの保護
情報公開元の保護など -
10:12 - 10:15世界最高の法律をそろって取り入れ
-
10:15 - 10:19アイスランドを安全な出版天国にしよう
という取り組みです -
10:19 - 10:22どんな人のデータでも安全に保護されます
-
10:22 - 10:25近年 ユーザーデータに 政府の手が
伸びてきていますが -
10:25 - 10:28アイスランドは国を挙げて
情報の避難所を -
10:28 - 10:31作ろうとしているわけです
-
10:31 - 10:34私の専門分野の調査報道でも
-
10:34 - 10:37世界規模で考える必要が増しています
-
10:37 - 10:40これはInvestigative Dashboard
というサイトで -
10:40 - 10:43独裁者の資産についてなどの
調査をしたい時に使えます -
10:43 - 10:46例えばホスニ・ムバラク
エジプトでは立場が悪くなったので -
10:46 - 10:49資産を海外に逃がしている真っ最中です
-
10:49 - 10:51この件について調べるとなると
-
10:51 - 10:53世界中 できるだけ多くの
-
10:53 - 10:56企業登記記録データベースへの
アクセス権が必要になります -
10:56 - 11:01このサイトでは そういったデータベースを
-
11:01 - 11:04一箇所に集約することで
ムバラク氏の親戚や友人や -
11:04 - 11:08護衛の責任者は誰か などの情報を
探せるようになっています -
11:08 - 11:11ムバラク氏がどうやって
エジプトから資産を移動しているか -
11:11 - 11:13試しに調べてみてください
-
11:13 - 11:17しかし 意思決定の中でも
最も影響力がある事柄 -
11:17 - 11:20例えば戦争などについての
-
11:20 - 11:23最も重要な決定事項についてとなると
-
11:23 - 11:26こういう情報はただ開示要求を
すればいいというわけにはいきません -
11:26 - 11:29非常に難しい題材なので
こればかりは -
11:29 - 11:33情報リークなど
違法な手段に頼る他ないのが現状です -
11:34 - 11:37例えば ガーディアン紙が
アフガン戦争について -
11:37 - 11:39調査した時のことです
おわかりでしょうが -
11:39 - 11:43国防省に行って 情報を要求しても
どうにもなりませんね -
11:43 - 11:45当然ながら 何も出てきません
-
11:45 - 11:48この記事の時はアフガン戦争に関し
アメリカ兵が記録した -
11:48 - 11:51何万もの報告書がリークして
-
11:51 - 11:53このお陰でガーディアン紙は
-
11:53 - 11:57調査を行えたわけです
-
11:57 - 12:02もう一つ かなり大規模な調査になるのが
世界の外交についてです -
12:02 - 12:05これも完全にリークがベースです
-
12:05 - 12:0925万1千件に及ぶ
米国の外交公電のリーク -
12:10 - 12:15この件では私も調査に関与していました
というのもこのリーク情報を -
12:15 - 12:18米国政府を恨むウィキリークス利用者を
通じて得た結果 -
12:18 - 12:20ガーディアン紙から仕事が入ったためです
-
12:20 - 12:23このリークを手にした時の経験
当事者の私の口から -
12:23 - 12:25言わせてもらうと
素晴らしいの一言でした -
12:25 - 12:28「オズの魔法使い」のあるシーンを
を思わせるものでした -
12:28 - 12:31どのシーンかわかりますか?
子犬のトトが -
12:31 - 12:34魔法使いのいる場所まで走っていって
-
12:34 - 12:35カーテンを引っ張って―
-
12:35 - 12:39「スクリーンの後の男を見てはならぬ!」
となるシーンです -
12:39 - 12:41まさにそんな感じでした
-
12:41 - 12:45非常に尊大な顔をした
大物政治家の面々が -
12:45 - 12:47ただの人であると
わかってきたのです -
12:47 - 12:50皆 お互い文句を言い合ってました
この公電文書 -
12:50 - 12:53かなり際どい内容でしたよ
でも この人たちが -
12:53 - 12:55私たちと同じ ただの人間で
特別な力もない -
12:55 - 12:57魔法使いでもなく 私たちの親でもないと
-
12:57 - 13:01皆に理解してもらうのは
大事なことだと思ったんです -
13:01 - 13:06でもさらに
一番興味をそそられたのが -
13:06 - 13:08世界中の様々な国で蔓延する
-
13:08 - 13:11汚職のひどさでした
権力の中枢にある人々や -
13:11 - 13:15公務員に特に多く
-
13:15 - 13:17自分個人の利益の追求のため
-
13:17 - 13:20国の金を横領していました
-
13:20 - 13:23公務上機密という制度のおかげです
-
13:23 - 13:27ウィキリークスの話 しましたよね
この機密文書を全公開する以上に -
13:27 - 13:30オープンなことはないと思いませんか
-
13:30 - 13:33ジュリアン・アサンジは
それをやってくれたわけです -
13:33 - 13:36合法で無難な新聞社のやり方は生ぬるいと
-
13:36 - 13:39ウィキリークスで 何もかも暴露し
-
13:39 - 13:43アフガン戦争で罪のない一般市民が
攻撃されていたことが明らかになりました -
13:43 - 13:47しかし同時に ベラルーシでは独裁政権が
-
13:47 - 13:50アメリカ政府に連絡を取った国内の民主活動家
全員のリストを入手する -
13:50 - 13:54ということも起こりました
-
13:55 - 13:59こんな情報開示は行き過ぎでしょうか?
私はそうは思いません -
13:59 - 14:02徹底的情報開示というものは
権力、義務、説明責任などを -
14:02 - 14:06求めないのではなく
むしろ権力と協力して -
14:06 - 14:09義務や説明責任を分担していくものだと
考えています -
14:09 - 14:11実は ウィキリークスの
二重リークを得た件で -
14:11 - 14:14ジュリアンに訴えられそうになりました
-
14:14 - 14:16これって正直
ウィキリークスのコンセプトと -
14:16 - 14:22ものすごく矛盾していますよね
(笑) -
14:22 - 14:25もう一つ気をつけたいのが
権力が持つ恐ろしいほどの誘惑です -
14:25 - 14:28権力を手に入れたときや
権力を扱うとき -
14:28 - 14:30権力について語るとき
人が手に入れる力の -
14:30 - 14:32誘惑に堪えるためには
-
14:32 - 14:352つの資質が絶対不可欠です
-
14:35 - 14:38懐疑心と謙虚さです
-
14:38 - 14:40懐疑心はつまり
何でも鵜呑みにせず常に疑う心ですね -
14:40 - 14:43何に対しても理由を問うべきです
誰かがそうだと言っただけでは不十分 -
14:43 - 14:46なぜそうなのか根拠や証拠を求めるべきです
-
14:46 - 14:50謙虚さが必要なのは 人は誰でも
間違いを犯すものだからです -
14:50 - 14:53懐疑心と謙虚さがない人は
-
14:53 - 14:56権力を手に入れたが最後
改革者から独裁者へまっしぐらです -
14:56 - 15:02ジョージ・オーウェルの『動物農場』を
読めばすぐわかります -
15:02 - 15:07権力が人を腐敗させる様を
語った本ですから -
15:07 - 15:12では解決策は何でしょうか?
-
15:12 - 15:16情報を得る権利を法の下で
具現化することだと私は思います -
15:16 - 15:19私たち一般人が現在持つ権利は
とてつもなく弱いものです -
15:19 - 15:21公的機密法がある国は
たくさんあります -
15:21 - 15:24イギリスにもあります
イギリスの公的機密法には -
15:24 - 15:27公益性の審査基準がありません
つまり 公的機密を手に入れた人は -
15:27 - 15:31犯罪者として罰を受けるのです
実際 公的機密を報道して -
15:31 - 15:35極めて重い罪で罰せられた事件が
たくさんあります -
15:35 - 15:38これが変わったらいいと思いませんか
-
15:38 - 15:42考えてみてください
もしも公的情報開示法があって -
15:42 - 15:46公職者が公共の利益に反して
情報をもみ消したり -
15:46 - 15:49隠ぺいしたことが判明した際
罰を受けることになったら -
15:49 - 15:51素晴らしいと思いませんか?
-
15:51 - 15:57そう そうです!「力」のポーズ なんちゃって
(拍手)(笑) -
15:57 - 16:00世界がそんな方向に向かえばいいと
願っています -
16:00 - 16:04ですから 悪いことばかりではないんです
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16:04 - 16:07状況は確実に良いほうに向かっています
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16:07 - 16:11でも権力の中枢に近づけば近づくほど
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16:11 - 16:15情報は閉ざされ 不透明になってきます
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16:15 - 16:17ちょうど先週のことですが
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16:17 - 16:21ロンドン警察の警視総監の
話を聞きました -
16:21 - 16:26警察は国民の情報通信の全てに
アクセスすべき理由 -
16:26 - 16:29司法の管理を受けずに
国民を監視する権利が必要な理由が -
16:29 - 16:30生死に関わる問題だからだそうです
-
16:30 - 16:34本当にそう言ったんですよ
生死に関わる って -
16:34 - 16:38そこには何の根拠もありませんでした
理由も証拠も示さずに -
16:38 - 16:41「俺がそうだと言うからそうなんだ
-
16:41 - 16:44ただ信じてくれ」
と言っているわけです -
16:44 - 16:46国民の皆さんには残念ですが
-
16:46 - 16:50啓蒙時代前の教会支配に逆戻り
してしまったようですね -
16:50 - 16:54私たちはこの支配に対し
立ち上がらねばなりません -
16:54 - 16:57先ほどの警視総監は
イギリスの通信データ法という -
16:57 - 17:01法律に言及しました
これは本当に最悪な法律です -
17:01 - 17:05アメリカではサイバーセキュリティー法
というものがあり -
17:05 - 17:08国内の監視管理用途にボット使用を
検討しているそうです -
17:08 - 17:11さらに国家安全保障局は
-
17:11 - 17:15世界一巨大なスパイセンターを建設中です
-
17:15 - 17:17米国議会議事堂の5倍の大きさです
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17:17 - 17:19ここでは情報通信を傍受・分析し
-
17:19 - 17:22インターネットのトラフィックや
個人データも監視しています -
17:22 - 17:25社会の毒は誰なのかか
目を光らせているわけです -
17:25 - 17:30さて 冒頭の話に戻りましょうか
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17:30 - 17:34秘密を暴露された親たちは慌てふためき
全てのドアに鍵をかけ -
17:34 - 17:37家中にCCTVカメラを取り付け
-
17:37 - 17:40私たち皆を監視し始めました
地下を掘って -
17:40 - 17:42スパイセンターを開設
コンピューターアルゴリズムを作り -
17:42 - 17:45面倒を起こす子供は誰か目を光らせ
-
17:45 - 17:49誰かが苦情を言おうものなら
テロ容疑で逮捕するようになりました -
17:49 - 17:53これっておとぎ話でしょうか
それとも悪夢のような現実でしょうか -
17:53 - 17:56おとぎ話にはハッピーエンドもありますが
そうでないこともありますね -
17:56 - 17:59グリム童話を読んだことない人は
いないと思いますが -
17:59 - 18:02grim(不吉な)という言葉通り
厳しい状況です -
18:03 - 18:07でも世の中はおとぎ話とは違います
あると思いたくないような -
18:07 - 18:10更に酷い現実も存在しうる一方で
-
18:10 - 18:12皆が思っているより
状況は明るいという可能性も -
18:12 - 18:16いずれにせよ そろそろ私たちは
あらゆる問題をひっくるめて -
18:16 - 18:20世界をありのままの姿で捉えられるように
なるべきだと思います -
18:20 - 18:22そうすることで初めて
問題が解決できるから -
18:22 - 18:26「皆 いつまでも幸せに暮らしたのでした」
と言えるような -
18:26 - 18:30世界を作っていけるからです(笑)
ありがとうございました -
18:30 - 18:33(拍手)
-
18:33 - 18:37ありがとう(拍手)
- Title:
- 政府の不正を暴く 私の闘争
- Speaker:
- ヘザー・ブルック
- Description:
-
我々のリーダーは説明責任を負うべきである、とジャーナリストのヘザー・ブルックは語る。2009年に英国議会の経費の用途を公にし、結果的に一大政治スキャンダルのきっかけとなったブルックが、我々は情報公開を要求する仕組みを利用して世界のリーダー達に疑問を投げかけるべきだと訴える。
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 18:57
Natsuhiko Mizutani approved Japanese subtitles for My battle to expose government corruption | ||
Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for My battle to expose government corruption | ||
Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for My battle to expose government corruption | ||
Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for My battle to expose government corruption | ||
Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for My battle to expose government corruption | ||
Natsuhiko Mizutani edited Japanese subtitles for My battle to expose government corruption | ||
Claire Ghyselen accepted Japanese subtitles for My battle to expose government corruption | ||
Claire Ghyselen edited Japanese subtitles for My battle to expose government corruption |