ジョナサン・フォーリー: もう一つの「不都合な真実」
-
0:01 - 0:03今夜 皆さんにお話したいのは
-
0:03 - 0:05ある重大な地球規模の問題についてです
-
0:05 - 0:09それは土地利用・食糧・環境の
各方面に渡り複雑に絡み合っています -
0:09 - 0:11私はこの問題を
-
0:11 - 0:14「もう一つの不都合な真実」と呼んでいます
-
0:14 - 0:17本題に入る前に お見せしたいものがあります
-
0:17 - 0:20それは 宇宙から見た
-
0:20 - 0:21夜の地球の姿です
-
0:21 - 0:24軌道上の宇宙ステーションからだと
-
0:24 - 0:26夜の地球はこんな風に見えるのです
-
0:26 - 0:29これを見ると私たち人類がどれだけ
-
0:29 - 0:32地球上で幅を利かせているかを
-
0:32 - 0:34改めて気付かされます
-
0:34 - 0:37都市や油田が見えます
-
0:37 - 0:40目を凝らせば 海上の漁船団も見えます
-
0:40 - 0:43いたるところに人類がいるということが
-
0:43 - 0:45エネルギーの消費によって
-
0:45 - 0:46はっきりと照らし出されています
-
0:46 - 0:49ではここで 本題に戻り
-
0:49 - 0:51昼の地球を見ながら 話を続けましょう
-
0:51 - 0:54昼間は地表の様子がよく見えます
-
0:54 - 0:58これはブラジルアマゾンの中南部にある
ロンドニア州です -
0:58 - 1:02これはブラジルアマゾンの中南部にある
ロンドニア州です -
1:02 - 1:04右上のあたりを よく見てください
-
1:04 - 1:07白い線のようなものが見えます
-
1:07 - 1:10これは1970年代に建設された道路です
-
1:10 - 1:14同じ場所を2001年に撮影したものがこちら
-
1:14 - 1:16無数の道路が葉脈のように広がり
-
1:16 - 1:20次々に分岐を重ねています
-
1:20 - 1:23それぞれの道の先には小さな開拓地があって
-
1:23 - 1:25熱帯雨林の中で牛が飼われています
-
1:25 - 1:28牛肉として 食糧となる牛たちです
-
1:28 - 1:31この地域の牛肉は ブラジルやアルゼンチンなど
-
1:31 - 1:34主に南米で消費されており
アメリカには出荷されていません -
1:34 - 1:37しかし この魚の骨のような森林破壊のパターンは
-
1:37 - 1:39熱帯雨林地域でよく見られるものであり
-
1:39 - 1:41この地域ではそれが特に顕著です
-
1:41 - 1:45もう少し南に目を移してみると
-
1:45 - 1:47アマゾンのボリビア側の端が見えます
-
1:47 - 1:51同じように1975年の写真を見てみると
-
1:51 - 1:55ミシン目のような白い線が走っていて
-
1:55 - 1:56その先の原生林の中に
-
1:56 - 1:59農家が一軒ポツンと建っています
-
1:59 - 2:03この場所はその後どうなったのでしょうか?
2003年の写真を見てみると -
2:03 - 2:06熱帯雨林の風景というよりは
-
2:06 - 2:09アイオワ州の大豆畑みたいです
-
2:09 - 2:12実際 ここでは大豆を育てているのです
-
2:12 - 2:15欧州や中国に輸出するための
-
2:15 - 2:19飼料用大豆です 約10年前の狂牛病パニック以降
-
2:19 - 2:21動物性タンパク質を飼料に混ぜなくなりました
-
2:21 - 2:25感染の危険があるからです
-
2:25 - 2:27代わりに 植物性タンパク質を与えるようになりました
-
2:27 - 2:29そのため 大豆の栽培は爆発的に広がり
-
2:29 - 2:33グローバリゼーションと貿易が
-
2:33 - 2:36アマゾンの熱帯雨林に影響を与えていることを
-
2:36 - 2:38証明する結果となったのです
-
2:38 - 2:40世界は今や 複雑に繋がっているのです
-
2:40 - 2:43このような例は他にもあります
-
2:43 - 2:45これを見てください 世界中どこを見ても
-
2:45 - 2:49食糧や飼料を生産するために
-
2:49 - 2:51切り開かれた広大な土地が
-
2:51 - 2:54目につきます
-
2:54 - 2:56そこで私たちが興味を持ったのは
-
2:56 - 2:59地球の何割が食糧生産のために使われているのか?
-
2:59 - 3:01生産地は一体どこか?
将来のために何ができるのか? -
3:01 - 3:03それが何を意味するのか? ということです
-
3:03 - 3:06私のチームは これを地球規模で調査しています
-
3:06 - 3:09衛星からのデータと地上のデータを使って
-
3:09 - 3:11地球全体の耕作状況を調べているのです
-
3:11 - 3:15驚くべき調査結果が得られました
-
3:15 - 3:18この地図は地球上での
-
3:18 - 3:20農地や牧場の分布を表しています
-
3:20 - 3:23緑色の部分は 農耕に使用されている土地です
-
3:23 - 3:26小麦・大豆・トウモロコシ・米などが栽培されています
-
3:26 - 3:30その面積は1600万平方キロにもなります
-
3:30 - 3:33一か所に集めるとすれば
-
3:33 - 3:35南米大陸に相当する大きさです
-
3:35 - 3:38次に茶色のエリアを見てみましょう
-
3:38 - 3:40酪農や畜産に使用されている土地です
-
3:40 - 3:43面積は3000万平方キロにもなり
-
3:43 - 3:45アフリカ大陸の大きさに相当します
-
3:45 - 3:48実に広大で 最も豊かな土地が使われています
-
3:48 - 3:50まだ手のついていない土地は
-
3:50 - 3:52サハラ砂漠やシベリアの真ん中か
-
3:52 - 3:54熱帯雨林などしか残っていません
-
3:54 - 3:58つまり 地球上で利用可能な土地は
既にすべて活用中なのです -
3:58 - 4:01よく考えてみれば
-
4:01 - 4:03これらの農地は全陸地の40%を占めており
-
4:03 - 4:06私たちの多くが暮らしていて
-
4:06 - 4:08いつも話題に上っている
-
4:08 - 4:12都市や郊外の60倍もの面積になります
-
4:12 - 4:15世界人口の半分が生活する都市や郊外の
-
4:15 - 4:1860倍もの面積が食糧生産に使用されているのです
-
4:18 - 4:20これは実に驚くべきことで
-
4:20 - 4:23この調査結果に 私たちはショックを受けました
-
4:23 - 4:25大変な面積の土地を 農地に使用していますが
-
4:25 - 4:28それだけでなく 水も大量に使用しています
-
4:28 - 4:30これはアリゾナ付近の写真ですが
-
4:30 - 4:31「そんなとこで何を育てる?」と
不思議に思うでしょう -
4:31 - 4:32「そんなとこで何を育てる?」と
不思議に思うでしょう -
4:32 - 4:35この砂漠で栽培しているのは レタスです
-
4:35 - 4:38上から水を撒けば 砂漠でも育ちます
-
4:38 - 4:39皮肉にも このレタスはおそらく
-
4:39 - 4:42レタス栽培に もっと適した地域に出荷されます
-
4:42 - 4:44しかし それよりもさらに興味深いのは
-
4:44 - 4:47この水がどこから来たか です
-
4:47 - 4:49水源は北米のコロラド川でした
-
4:49 - 4:521950年代の コロラド川の平常時の写真です
-
4:52 - 4:54洪水でも干ばつでもない
-
4:54 - 4:57普通の状態は このようなものでした
-
4:57 - 5:00今日 同じ場所を平常時に訪れると
-
5:00 - 5:04水位はこんなにも低下してしまっています
-
5:04 - 5:07原因は 食糧生産のための 砂漠への灌漑です
-
5:07 - 5:10さもなければ
ゴルフ場の水遣りのせいでしょうか… -
5:10 - 5:13大量の水を汲み上げて
-
5:13 - 5:15食糧生産のために使った結果
-
5:15 - 5:18今日 コロラド川は下流で干上がり
-
5:18 - 5:21海に流れ込むことはありません
-
5:21 - 5:24灌漑のために1本の川をまるごと
-
5:24 - 5:27使い切ってしまったのです
-
5:27 - 5:28これはまだ最悪のケースではありません
-
5:28 - 5:31最悪のケースは 「アラル海」でしょう
-
5:31 - 5:34地理の授業で習ったでしょう
-
5:34 - 5:36アラル海があるのは
-
5:36 - 5:39カザフスタンとウズベキスタンの間で
-
5:39 - 5:41旧ソ連時代には世界最大級の内陸海でした
-
5:41 - 5:43これは奇妙に思われるかもしれません
-
5:43 - 5:47砂漠の真ん中になぜ海があるのか?
-
5:47 - 5:49その答えは画面右手にあります
-
5:49 - 5:512本の川が砂漠から流れ込んで
-
5:51 - 5:55湖を満たしているのです
-
5:55 - 5:58川の水は 遥か東にある山脈の雪解け水で
-
5:58 - 6:00それが砂漠の中をずっと下って
-
6:00 - 6:04アラル海に流れ込みます
-
6:04 - 6:08ソビエト連邦は1950年代に
川の流れを変える決定をします -
6:08 - 6:10綿花栽培のために カザフスタンの砂漠を
-
6:10 - 6:14灌漑するためでした
綿花を国際市場に出荷することで -
6:14 - 6:16外貨獲得を目指したのです
-
6:16 - 6:18ソビエトは外貨不足に困っていました
-
6:18 - 6:20皆さんは想像できますよね
-
6:20 - 6:23アラル海への水を止めれば どうなるか…
-
6:23 - 6:25これが1973年
-
6:25 - 6:271986年
-
6:27 - 6:301999年
-
6:30 - 6:332004年
-
6:33 - 6:38こちらは約11ヶ月前です
-
6:38 - 6:40これは異常な事態です
-
6:40 - 6:43皆さんの多くは アメリカ中西部にお住まいでしょう
-
6:43 - 6:46もしこれがスペリオル湖だったら?
-
6:46 - 6:49ヒューロン湖だったら?
-
6:49 - 6:51これは異常な変化です
-
6:51 - 6:53水位の低下は 海の大きさだけでなく
-
6:53 - 6:55この地域の環境に根本的な
-
6:55 - 6:58影響を与えました
-
6:58 - 6:59そうですね…
-
6:59 - 7:01ソビエト連邦には自然保護団体がなかったんでしょう…
-
7:01 - 7:03まあ それはさておいて
-
7:03 - 7:06アラル海の海底から現れたものは
とんでもないものでした -
7:06 - 7:08膨大な量の有毒廃棄物やゴミです
-
7:08 - 7:10これが有害な砂塵となって飛散します
-
7:10 - 7:13離れ小島の1つは
-
7:13 - 7:14誰も近づけない場所として
-
7:14 - 7:17ソビエトの生物兵器の実験に使われていました
-
7:17 - 7:18今では歩いて行けてしまいます
-
7:18 - 7:20天候のパターンも変化しましたし
-
7:20 - 7:23アラル海固有の20種の魚のうち
-
7:23 - 7:2619種が地球上から姿を消しました
-
7:26 - 7:29これは明らかな環境災害です
-
7:29 - 7:30でもこの辺で本題に戻りましょう
-
7:30 - 7:33これはアル・ゴアが数年前にくれた写真です
-
7:33 - 7:35ソビエト連邦を訪問中に撮影したそうです
-
7:35 - 7:36かなり昔のものです
-
7:36 - 7:39アラル海の漁船が写っています
-
7:39 - 7:41水路を掘ろうとした跡が見えますか?
-
7:41 - 7:44彼らは何とかして漁船を残っている水たまりに
-
7:44 - 7:46移動しようとして結局あきらめたのでしょう
-
7:46 - 7:48なぜなら港の設備を 下がり続ける水位に
-
7:48 - 7:51合わせていくことはできなかったからです
-
7:51 - 7:53皆さんがどうか分かりませんが
私は恐怖を感じます -
7:53 - 7:55将来 考古学者がこれを発掘して本を書くのです
-
7:55 - 7:58「こいつらは何を考えていたのか」と首をひねりながら
-
7:58 - 8:01実際のところは 未来にならないと分かりませんが…
-
8:01 - 8:04私たちは地球上の淡水の50%を
-
8:04 - 8:06すでに使用していて 農業はそのうちの
-
8:06 - 8:0870%を使用しています
-
8:08 - 8:11つまり私たちは大量の水と広大な土地を
農業で使用しているのです -
8:11 - 8:15それだけでなく
農業は大気にも大きな影響を与えています -
8:15 - 8:17通常 大気が話題になるのは
-
8:17 - 8:20気候変動や温室効果ガスや
-
8:20 - 8:22エネルギー問題についてですが
-
8:22 - 8:24実は農業こそが二酸化酸素の 単独では最大の
-
8:24 - 8:27排出源なのです
-
8:27 - 8:29熱帯雨林の焼き畑農業によって
-
8:29 - 8:31排出される二酸化炭素
-
8:31 - 8:33牛や水田からのメタンガス
-
8:33 - 8:36肥料から出る窒素ガス
-
8:36 - 8:39実は農業で排出される温室効果ガスは
-
8:39 - 8:42人間の活動で排出されるガスの30%を占めています
-
8:42 - 8:44これはすべての交通機関からのガスよりも
-
8:44 - 8:46発電によって生まれるガスよりも多く
-
8:46 - 8:48製造業で排出されるガスよりも多いのです
-
8:48 - 8:51農業こそが人類の活動における最大の
-
8:51 - 8:54温室効果ガス排出源なのです
-
8:54 - 8:56なのに 私たちはそれを話題にしようとしません
-
8:56 - 8:59農業の存在は実に巨大になっており
-
8:59 - 9:01地上を占拠しています
-
9:01 - 9:04全陸地の40%を占有し
-
9:04 - 9:06私たちの水の70%を使用し
-
9:06 - 9:09温室効果ガスの30%を排出しています
-
9:09 - 9:12世界の窒素とリンの流量は 2倍に膨れ上がりました
-
9:12 - 9:14肥料の使用がその原因です
-
9:14 - 9:17川や湖そして海でも
-
9:17 - 9:19水質汚染の問題を引き起こしているとともに
-
9:19 - 9:22生物多様性喪失の最大の原因となっています
-
9:22 - 9:24つまり 農業はまぎれもなく
-
9:24 - 9:28地球上で最強の力となったのです
-
9:28 - 9:31これは氷河期以降 最大の力に間違いありません
-
9:31 - 9:34重要性においては 気候変動に匹敵します
-
9:34 - 9:36そしてその重要なことが
両方とも同時に起きているのです -
9:36 - 9:39しかし 悪いことばかりではありません
-
9:39 - 9:42農業が悪いと言いたいのではありません
-
9:42 - 9:44私たちは 農業なしでは生きていけません
-
9:44 - 9:49代用できないし 贅沢品でもない…
つまり必需品なのです -
9:49 - 9:51食べるための食糧が必要だし
-
9:51 - 9:55繊維や生物燃料を
全世界で70億人ともいわれる人々に -
9:55 - 9:57供給する必要があるだけにとどまらず
-
9:57 - 9:59農業の需要は 将来もっと増大していきます
-
9:59 - 10:02これを避けることはできません
-
10:02 - 10:04必ず増大するのです なぜならば
-
10:04 - 10:07人口が増え続けているからです
現在は およそ70億人ですが -
10:07 - 10:0990億人になるペースで増加しており
-
10:09 - 10:12最終的に95億人まで増加する可能性があります
-
10:12 - 10:15食生活の変化も重要な要素です
-
10:15 - 10:18人口増加に加え 生活水準が向上してきたため
-
10:18 - 10:21世界の食肉消費量は増加しています
-
10:21 - 10:24肉の生産には 作物の生産よりも
はるかに多くの資源を消費します -
10:24 - 10:28人口が増え 食べる量が増え
食生活も変化し -
10:28 - 10:31それだけでなく同時にエネルギー危機を抱え
-
10:31 - 10:35石油の代替エネルギーが必要で
-
10:35 - 10:37その中には生物燃料や生物エネルギーも
-
10:37 - 10:39含まれることになる
-
10:39 - 10:42これらの条件を合わせて考えてみてください
-
10:42 - 10:4421世紀の残りを 切り抜けていくには
-
10:44 - 10:49農業生産量を
少なくとも2倍にする必要があるでしょう -
10:49 - 10:51どうすればよいのでしょうか?
-
10:51 - 10:53世界の農業生産量を2倍にするには?
-
10:53 - 10:56耕作地域を広げるというアイデアも出てくるでしょう
-
10:56 - 10:59分析を見てみましょう
左側が現在耕作されている地域 -
10:59 - 11:02右側が耕作可能な地域です
-
11:02 - 11:05この分析は土壌と気候をもとにし 気候変動は
-
11:05 - 11:07大して影響を与えないという前提になっています
-
11:07 - 11:09この前提条件はよくありませんね
-
11:09 - 11:11耕作可能な土地はまだあります
しかし問題は -
11:11 - 11:14残っている土地はデリケートな地域だということです
-
11:14 - 11:16そこは多様な生物や炭素の貯蔵庫といった
-
11:16 - 11:19保護したいものが存在する土地なのです
-
11:19 - 11:21耕作面積を拡大することは不可能ではありませんが
-
11:21 - 11:23やめた方がいいでしょう
-
11:23 - 11:26なぜならそれはエコロジーにとって
非常に危険なことだからです -
11:26 - 11:29そうではなく 農業で使用される資源を増加させずに
-
11:29 - 11:33すでにある土地で
よりよい農業を行うことも考えられます -
11:33 - 11:35この図で示しているのは
-
11:35 - 11:38環境を壊さずに作物の増収を
-
11:38 - 11:40達成できる可能性のある場所です
-
11:40 - 11:42例としてトウモロコシを取り上げますが
-
11:42 - 11:44緑のエリアはトウモロコシの収穫量が既に
-
11:44 - 11:47非常に高く おそらく
最大収穫量に達している場所です -
11:47 - 11:50その地域の土壌と気候を考慮しています
-
11:50 - 11:52しかし茶色や黄色のエリアは
-
11:52 - 11:55本来可能な収穫量の20%から30%しか
-
11:55 - 11:56収穫できていないエリアです
-
11:56 - 11:58アフリカや中南米に多いことが分かりますね
-
11:58 - 12:01面白いことには
かつて旧ソビエトと東側諸国と呼ばれていた -
12:01 - 12:03東欧諸国の農地もまだ改良の
-
12:03 - 12:06余地があるということです
-
12:06 - 12:08それには栄養と水が必要です
-
12:08 - 12:10従来農法か有機農法か もしくはその併用で
-
12:10 - 12:12供給することになります
-
12:12 - 12:14植物に必要な水と栄養素を
-
12:14 - 12:18これは私たちにできることで
実現の可能性もあります -
12:18 - 12:20しかし慎重なやり方も必要になってきます
-
12:20 - 12:23将来の食糧確保のニーズと
-
12:23 - 12:26環境保護のニーズを
同時に満たすためには -
12:26 - 12:29食糧生産と環境保全を
-
12:29 - 12:33バランスよく両立させる方法を
見つけ出さなくてはなりません -
12:33 - 12:35現在のやり方では どちらかに片寄ってしまいます
-
12:35 - 12:37奥の方では 食糧を育てています
-
12:37 - 12:38― この写真では大豆畑ですね ―
-
12:38 - 12:42ここではたくさんの食糧が生産されていることが
グラフに示されています -
12:42 - 12:44しかしきれいな水は少ないし
-
12:44 - 12:47CO2を吸収する能力や
生物多様性も低い -
12:47 - 12:49手前の方には草原が広がっています
-
12:49 - 12:51環境の面では素晴らしい場所です
-
12:51 - 12:54でもここには食べ物がありません
-
12:54 - 12:56この2つを融合させる方法を
考え出さなくてはいけません -
12:56 - 13:01両者が共存できる 新しい農業のあり方を
-
13:01 - 13:03この話をすると よくこう言い返されます
-
13:03 - 13:06「それなら ____が解決策になるのでは?」 ってね
-
13:06 - 13:11有機食品・地産地消・遺伝子組み換え・
新しい補助金や農業法案… -
13:11 - 13:14良いアイデアならたくさんあります
-
13:14 - 13:17しかし一発で問題を解決できる
銀の弾丸は持っていないようです -
13:17 - 13:20むしろ銀の散弾というほうが近いでしょう
-
13:20 - 13:22私はこの喩えが好きです
小さな散弾が集まることで -
13:22 - 13:24強力な威力を発揮するものになる
-
13:24 - 13:27しかし そのためには1つにまとめなくてはいけません
-
13:27 - 13:29そのために私たちに必要なのは
最良のアイデアを融合させた -
13:29 - 13:32新しい農業のあり方を発明することだと思います
-
13:32 - 13:35商業的農業や緑の革命のアイデアのうちよい部分を
-
13:35 - 13:39有機農法や地産地消の良い部分や
-
13:39 - 13:42環境保護の良い部分と融合させた方法をです
-
13:42 - 13:44どの立場が正しいのか争っても答えは出ません
-
13:44 - 13:48みんなが協力してこそ
新しい農業のあり方を生み出せるのです -
13:48 - 13:52私が「テラカルチャー(地球農業)」と呼んでいる
地球全体のための農法です -
13:52 - 13:55これまでこういう話をするのは難しいことでした
-
13:55 - 13:57今日述べたポイントを
たくさんの人に理解してもらい -
13:57 - 14:00論争を減らして 協力を増やすために
-
14:00 - 14:01私たちも努力を重ねています
-
14:01 - 14:04これからお見せするビデオでは 一部ではありますが
-
14:04 - 14:06各立場の人々を同じ話し合いに参加させるために
-
14:06 - 14:10行っている私たちの活動をご覧いただけると思います
-
14:10 - 14:13(音楽)
-
14:13 - 14:17(ミネソタ大学 環境研究所 「発見を求めて」)
-
14:17 - 14:19(音楽)
-
14:19 - 14:20地球上の人口は
-
14:20 - 14:23毎年7500万人増えている
-
14:23 - 14:26それはほぼドイツの人口に匹敵する
-
14:26 - 14:29現在の地球の人口はおよそ70億人
-
14:29 - 14:31このペースでは 2040年までに90億人に到達する
-
14:31 - 14:33そのすべての人に食糧が必要だ
-
14:33 - 14:34でも どうすれば
-
14:34 - 14:37環境を破壊せずに
増え続ける人口に食糧を供給できるのか? -
14:37 - 14:41気候変動が大きな問題だということには
みんな気づいている -
14:41 - 14:42でも 問題はそれだけじゃない
-
14:42 - 14:45「もう一つの不都合な真実」 に
向き合う必要がある -
14:45 - 14:47地球規模の農業危機
-
14:47 - 14:54人口増加 + 肉の消費 + 乳製品消費 + エネルギー コスト + バイオ エネルギー生産= 天然資源への負荷
-
14:54 - 14:57全陸地の40%以上は農業のために開拓されている
-
14:57 - 14:59農耕地は1600万平方キロメートル
-
14:59 - 15:02これはほぼ南アメリカに相当する大きさ
-
15:02 - 15:04牧草地は3000万平方キロメートル
-
15:04 - 15:06アフリカ大陸の大きさだ
-
15:06 - 15:11農業に使用されている土地の面積は
都市+郊外の60倍 -
15:11 - 15:14灌漑は地球上で最大の水の消費原因
-
15:14 - 15:19毎年2800立方キロメートルもの水が
作物に与えられている -
15:19 - 15:23エンパイアステートビルディングを
毎日7305回 満杯にできる量だ -
15:23 - 15:26現在では多くの大河の水量が低下している
-
15:26 - 15:28完全に干上がったものもある
-
15:28 - 15:32アラル海はもはや砂漠に
-
15:32 - 15:35コロラド川は海にたどり着く前に干上がっている
-
15:35 - 15:39肥料は環境中の窒素とリンの量を
2倍以上に増加させた -
15:39 - 15:40どういう結果を生むのか?
-
15:40 - 15:42大規模な水質汚染
-
15:42 - 15:45湖や河川の後退
-
15:45 - 15:49驚くべきことに 気候変動の一番の原因は農業である
-
15:49 - 15:51温室効果ガスの30%を排出している
-
15:51 - 15:54電気利用と産業全体の排出量の合計よりも多い
-
15:54 - 15:57それは飛行機と電車と自動車から
排出される量よりも多い -
15:57 - 15:59農業による主な排出は三つある
熱帯地域の森林破壊 -
15:59 - 16:01家畜や水田からのメタンガス
-
16:01 - 16:03肥料のやり過ぎによる窒素ガスの発生
-
16:03 - 16:06人類の活動の中で
農業ほど世界に大きな影響を与えるものは他にない -
16:06 - 16:09私たちが生き延びるために
農業ほど重要なものも他にない -
16:09 - 16:11私たちはジレンマを抱えている…
-
16:11 - 16:15世界の人口があと数十億人増える間に
-
16:15 - 16:20世界の食糧生産量を2倍
もしかしたら3倍に増やさなければならない -
16:20 - 16:21どこへ向かえばいいのだろうか?
-
16:21 - 16:24みんなを巻き込んだ 国際的な対話が必要だ
-
16:24 - 16:26必要なのは現実的な解決策への投資
-
16:26 - 16:30農家への補助金・精密農業・新種の作物・点滴灌漑
-
16:30 - 16:34家庭雑排水の再利用・より良い農業・賢い食生活
-
16:34 - 16:36話し合いに全員が参加する必要がある
-
16:36 - 16:38商業的農業の擁護も
-
16:38 - 16:39環境問題の議論も
-
16:39 - 16:41有機農業も
-
16:41 - 16:43協力しなければいけない
-
16:43 - 16:44どれか1つで解決できる問題ではない
-
16:44 - 16:46協力が必要だ
-
16:46 - 16:47想像力と
-
16:47 - 16:48決意も
-
16:48 - 16:52なぜなら やり直しはできないから
-
16:52 - 16:55世界を破壊せずに必要な食糧を供給するには
どうすればよいのか? -
16:55 - 16:58私たちはかつてない強大な課題に直面しています
-
16:58 - 17:00人類史上最大のチャレンジ
-
17:00 - 17:03それは90億人の人々に食糧を供給することです
-
17:03 - 17:07持続可能で公平で公正なやり方で
-
17:07 - 17:08しかも地球環境を保護しながら
-
17:08 - 17:11次の世代のためにも
-
17:11 - 17:13私たちは人類史上 かつてないほど
-
17:13 - 17:15困難な課題に取り組むことになります
-
17:15 - 17:18しかも最初から正解を出していかなくてはいけません
-
17:18 - 17:22チャンスは1回きりなのです
-
17:22 - 17:26ありがとうございました (拍手)
- Title:
- ジョナサン・フォーリー: もう一つの「不都合な真実」
- Speaker:
- Jonathan Foley
- Description:
-
食糧需要の急増に伴い、農業が気候変動・生物多様性・環境に与える影響は、見過ごせないほど大きくなっています。TEDxTC でジョナサン・フォーリーが「テラカルチャー」(地球全体のための農業)に取り組む必要性を訴えます。(撮影場所: TEDxTC)
- Video Language:
- English
- Team:
- closed TED
- Project:
- TEDTalks
- Duration:
- 17:46
Akiko Hicks approved Japanese subtitles for The other inconvenient truth | ||
Akiko Hicks edited Japanese subtitles for The other inconvenient truth | ||
Akiko Hicks edited Japanese subtitles for The other inconvenient truth | ||
Takahiro Shimpo accepted Japanese subtitles for The other inconvenient truth | ||
Takahiro Shimpo edited Japanese subtitles for The other inconvenient truth | ||
Takahiro Shimpo edited Japanese subtitles for The other inconvenient truth | ||
Takahiro Shimpo edited Japanese subtitles for The other inconvenient truth | ||
Takahiro Shimpo edited Japanese subtitles for The other inconvenient truth |