1
00:00:07,152 --> 00:00:09,812
あなたも聞いたことがあるだろう

2
00:00:09,949 --> 00:00:12,023
"男の子は泣かない"

3
00:00:12,378 --> 00:00:17,424
そんな風潮が私たちの文化に流れている

4
00:00:18,091 --> 00:00:20,602
興味深いフレーズだ

5
00:00:21,148 --> 00:00:26,650
この言葉は単に文字通りのものではない

6
00:00:27,555 --> 00:00:33,353
大人の男性も泣くことがあるからだ

7
00:00:34,507 --> 00:00:36,458
よく見るだろう

8
00:00:36,718 --> 00:00:38,498
現実でも

9
00:00:38,648 --> 00:00:40,247
映画でも

10
00:00:40,378 --> 00:00:44,543
タフな男もたまには泣く

11
00:00:45,680 --> 00:00:48,265
このフレーズの本当の意味は何だろう？

12
00:00:48,439 --> 00:00:50,500
これは男らしさの

13
00:00:50,627 --> 00:00:54,320
理想についての主張ではないだろうか

14
00:00:54,608 --> 00:00:57,582
"泣くな 泣くな 泣くな…"

15
00:00:57,688 --> 00:01:01,726
"男は泣かないものだ"という意味だ

16
00:01:01,843 --> 00:01:06,386
"泣くなよ弱虫野郎　やめろ"

17
00:01:06,567 --> 00:01:09,474
だがそれは正確ではない

18
00:01:09,596 --> 00:01:14,315
ある状況では泣くことは許されるからだ

19
00:01:15,000 --> 00:01:17,737
"泣いていいのは葬式と"

20
00:01:17,881 --> 00:01:19,834
"グランドキャニオンでだけだ"

21
00:01:20,324 --> 00:01:22,856
だからもっと正確に言えばこうだ

22
00:01:22,989 --> 00:01:24,966
"男は泣くものではない"

23
00:01:25,080 --> 00:01:29,035
"一部の状況を除いては"

24
00:01:29,561 --> 00:01:31,686
印象が違うかもしれない

25
00:01:31,814 --> 00:01:35,403
"どうしてだよ！"

26
00:01:36,378 --> 00:01:41,580
ここではその一部の状況を見ていこう

27
00:01:42,533 --> 00:01:46,223
その弱さに関する瞬間が

28
00:01:46,373 --> 00:01:50,204
男らしさの構造をよく物語るのだ

29
00:01:54,701 --> 00:01:59,401
この動画に出てくる映画やドラマを

30
00:01:59,510 --> 00:02:03,420
批判する意図はないので理解してほしい

31
00:02:04,302 --> 00:02:09,582
多くの例では涙は適切に流される

32
00:02:10,170 --> 00:02:12,669
あるシーンでは力強く

33
00:02:12,780 --> 00:02:15,788
役者の演技が印象付けられる

34
00:02:15,910 --> 00:02:19,414
"雨の中の"

35
00:02:21,224 --> 00:02:23,280
"涙のように"

36
00:02:23,905 --> 00:02:27,376
私はこれまでの動画を通して

37
00:02:27,516 --> 00:02:30,932
メディアのパターンを調べてきた

38
00:02:31,287 --> 00:02:36,562
パターンは社会規範を形作っている

39
00:02:38,185 --> 00:02:39,725
"泣きたい"

40
00:02:39,948 --> 00:02:44,212
もちろん 型にはまらない男性もいる

41
00:02:44,425 --> 00:02:48,968
"いつも泣く 水しぶきみたいに"

42
00:02:49,080 --> 00:02:52,862
まだ男らしくなっていない少年たちは

43
00:02:52,999 --> 00:02:57,550
感情表現の幅が広いようだ

44
00:02:58,709 --> 00:03:01,293
"男だって泣いていい"

45
00:03:01,432 --> 00:03:04,777
"でも俺は違う　戻れ俺の涙"

46
00:03:05,266 --> 00:03:09,541
典型的な男らしさは黒人男性に見られ

47
00:03:09,743 --> 00:03:15,150
白人男性よりも許される弱さは小さい

48
00:03:16,069 --> 00:03:20,285
"みんながからかってくる"

49
00:03:20,425 --> 00:03:24,575
ゲイの男性はストレートの男性よりも

50
00:03:24,716 --> 00:03:29,104
感情表現が豊かになるようだ

51
00:03:30,770 --> 00:03:34,617
わかっているだろうが男も泣く

52
00:03:34,731 --> 00:03:36,940
しかし暗黙のルールとして

53
00:03:37,066 --> 00:03:41,086
男が表立って泣いていいのは

54
00:03:41,232 --> 00:03:45,114
ごくわずかな状況でだけなのだ

55
00:03:46,010 --> 00:03:48,201
これを感情の窓としよう

56
00:03:48,318 --> 00:03:52,029
男性が自分の立場を危うくせずに

57
00:03:52,170 --> 00:03:55,779
弱さを見せていい範囲のことだ

58
00:03:56,820 --> 00:04:02,773
究極的な状況では叫ぶことも許される

59
00:04:04,814 --> 00:04:09,115
だから男性キャラが泣いていた場合

60
00:04:09,244 --> 00:04:13,116
観客が理解するのは その状況が

61
00:04:13,228 --> 00:04:18,091
とてつもなく悪いということだ

62
00:04:18,211 --> 00:04:21,648
二度と家族に会えなくなるとか

63
00:04:21,787 --> 00:04:25,072
人を大勢殺したとか

64
00:04:25,209 --> 00:04:26,411
"殺した…"

65
00:04:26,548 --> 00:04:29,104
人を食べたとか

66
00:04:29,224 --> 00:04:31,014
"脳を食べた"

67
00:04:31,497 --> 00:04:34,220
"人間の味を知ってる"

68
00:04:34,470 --> 00:04:38,875
"ソイレント・グリーンの材料は人だ"

69
00:04:39,289 --> 00:04:43,576
ソイレント・グリーンは極端な例だが

70
00:04:44,254 --> 00:04:48,709
一般的に涙の窓が開いているのは

71
00:04:48,864 --> 00:04:50,657
死の場面だ

72
00:04:51,040 --> 00:04:53,425
通常 愛する人の死

73
00:04:53,555 --> 00:04:55,718
"会いたいよジェニー"

74
00:04:56,728 --> 00:05:00,830
犠牲になった人のこともある

75
00:05:02,803 --> 00:05:06,260
死が差し迫っている時や

76
00:05:06,701 --> 00:05:11,228
死に近い体験が終わった時

77
00:05:12,843 --> 00:05:16,315
戦争はよく使われる

78
00:05:16,425 --> 00:05:20,366
究極の状況を表現するものとして

79
00:05:20,481 --> 00:05:24,955
そこでは弱さを見せても許される

80
00:05:26,650 --> 00:05:29,291
悲劇的な犠牲でも

81
00:05:30,881 --> 00:05:36,666
個人的失敗で泣くことも許されている

82
00:05:36,769 --> 00:05:41,366
"信じてくれたのに 裏切った"

83
00:05:41,746 --> 00:05:47,060
それは何か献身や保護の大きな失敗だ

84
00:05:47,181 --> 00:05:50,506
結婚生活の失敗や

85
00:05:50,642 --> 00:05:54,510
大惨事阻止の失敗

86
00:05:57,662 --> 00:06:02,351
涙の窓はまた 野球場でも開く

87
00:06:02,490 --> 00:06:07,138
"泣くな　野球で泣くことない"

88
00:06:07,410 --> 00:06:08,911
トム・ハンクスは面白い男だが

89
00:06:09,021 --> 00:06:10,999
このシーンでは間違っている

90
00:06:11,111 --> 00:06:13,298
野球で泣くことはある

91
00:06:13,413 --> 00:06:15,198
他のスポーツでも

92
00:06:15,328 --> 00:06:19,028
"人生最高の夜です"

93
00:06:20,239 --> 00:06:25,490
しかし特に厳しい競争の瞬間でだけだ

94
00:06:26,142 --> 00:06:28,522
シーズンの最終試合とか

95
00:06:28,932 --> 00:06:31,374
プレーオフ進出とか

96
00:06:33,248 --> 00:06:37,500
基本的にこのような緊張状態でのみ

97
00:06:37,643 --> 00:06:42,889
男性は嘲笑されずに泣くことができる

98
00:06:44,585 --> 00:06:46,730
"スポットに会えてよかった"

99
00:06:47,892 --> 00:06:49,532
"泣いてる"

100
00:06:49,655 --> 00:06:54,773
嬉し涙は許されているレアな涙だろう

101
00:06:54,989 --> 00:06:58,896
奇跡的な再会や

102
00:06:59,308 --> 00:07:01,902
成し遂げたことへの理解

103
00:07:01,999 --> 00:07:03,623
子供の誕生や

104
00:07:03,729 --> 00:07:06,789
娘が結婚する父親

105
00:07:08,120 --> 00:07:13,794
しかし自身や息子の結婚ではあまりない

106
00:07:16,817 --> 00:07:21,011
他にも涙の窓が開く場合はあるが

107
00:07:21,140 --> 00:07:24,567
そのような状況はレアだ

108
00:07:24,694 --> 00:07:25,560
"泣かないで"

109
00:07:25,646 --> 00:07:27,709
"やってる"

110
00:07:27,802 --> 00:07:33,229
生涯で数回あるかどうかのレベルである

111
00:07:34,912 --> 00:07:38,189
男性が泣くのをよく見るのは

112
00:07:38,317 --> 00:07:41,376
人生系や恋愛系の場合が多い

113
00:07:43,536 --> 00:07:46,666
アクション系で男が泣くとすれば

114
00:07:46,799 --> 00:07:51,696
超自然レベルのトラウマが必要だ

115
00:07:53,139 --> 00:07:56,332
悲劇的な出来事においても

116
00:07:56,487 --> 00:08:01,250
男性キャラの涙はよく抑制される

117
00:08:02,260 --> 00:08:05,317
一筋の涙はよく見るものだ

118
00:08:06,492 --> 00:08:11,741
一粒の涙が男性の頬を伝うことで

119
00:08:11,907 --> 00:08:17,007
観客は彼の内側の深い感情を知る

120
00:08:17,400 --> 00:08:21,224
そしてその感情は語られない

121
00:08:24,022 --> 00:08:27,279
一粒の涙も流れないこともある

122
00:08:27,419 --> 00:08:30,292
目がうるむだけで

123
00:08:30,584 --> 00:08:33,246
流れてはいかない

124
00:08:35,538 --> 00:08:38,300
この動画を作る過程で

125
00:08:38,428 --> 00:08:41,188
私は一時停止を多用した

126
00:08:41,628 --> 00:08:43,798
ズームしてその人物が

127
00:08:43,942 --> 00:08:48,764
涙を流したか確認する必要があった

128
00:08:49,870 --> 00:08:51,199
"泣いてるのか？"

129
00:08:51,622 --> 00:08:52,772
"いや"

130
00:08:54,473 --> 00:08:58,457
なぜこんなに涙の話をするかといえば

131
00:08:58,582 --> 00:09:01,416
涙は健康的だからだ

132
00:09:01,564 --> 00:09:04,638
生理的にも感情的にも

133
00:09:06,152 --> 00:09:09,504
生物的には涙はストレスを和らげ

134
00:09:09,633 --> 00:09:12,116
不安を減らしてくれる

135
00:09:12,312 --> 00:09:16,996
社会的には涙で人に弱みを見せることは

136
00:09:17,127 --> 00:09:21,030
関係性の構築にとって重要だ

137
00:09:21,154 --> 00:09:22,484
"君が…"

138
00:09:24,094 --> 00:09:25,784
"僕を完成させる"

139
00:09:26,554 --> 00:09:31,080
それなしに深い関係を作るのは難しい

140
00:09:31,202 --> 00:09:32,787
"大丈夫"

141
00:09:34,129 --> 00:09:35,877
"約束する"

142
00:09:36,050 --> 00:09:38,301
"悲しむより悪いことは"

143
00:09:38,422 --> 00:09:41,218
"一人で悲しむことだ"

144
00:09:42,130 --> 00:09:47,207
であれば涙の窓を広げることは

145
00:09:47,336 --> 00:09:50,913
有益と考えられる

146
00:09:51,020 --> 00:09:52,980
"泣いた方がいい？"

147
00:09:54,466 --> 00:09:56,100
"いや別に"

148
00:09:57,293 --> 00:10:00,631
男性は男らしさを失う恐れがある

149
00:10:00,758 --> 00:10:01,886
"泣くのか？"

150
00:10:01,980 --> 00:10:05,456
痛みで泣きそうになった時

151
00:10:05,585 --> 00:10:06,605
"いや平気だ"

152
00:10:06,914 --> 00:10:10,461
恐怖　失恋　仕事のプレッシャー

153
00:10:10,607 --> 00:10:13,172
抑鬱や不安の経験

154
00:10:13,270 --> 00:10:15,990
恥や苦痛で

155
00:10:16,125 --> 00:10:18,441
"おい泣いてるぞ"

156
00:10:19,063 --> 00:10:21,358
"別れ話してると思われる"

157
00:10:21,480 --> 00:10:23,686
"今すぐやめろ"

158
00:10:24,110 --> 00:10:26,288
男が泣くのはおかしい

159
00:10:26,416 --> 00:10:29,268
感動映画や

160
00:10:29,383 --> 00:10:31,950
美しい夕日を見て

161
00:10:32,140 --> 00:10:34,734
親密さを感じた時も

162
00:10:34,864 --> 00:10:35,994
"泣いてるの？"

163
00:10:36,110 --> 00:10:39,550
"ごめん　おかしいよね"

164
00:10:39,666 --> 00:10:43,438
どれも人生でよくありそうで

165
00:10:43,552 --> 00:10:48,375
男性にも日々起こっていることだ

166
00:10:49,953 --> 00:10:54,557
もし男性がその程度で泣いていたら

167
00:10:54,684 --> 00:10:58,535
それは人目を引くことになるだろう

168
00:10:58,860 --> 00:11:01,291
"接続を確かめよう"

169
00:11:01,461 --> 00:11:03,060
他の社会通念同様

170
00:11:03,192 --> 00:11:07,806
涙の窓のルールは時と共に変わりうる

171
00:11:08,904 --> 00:11:10,554
だがルールを破れば

172
00:11:10,675 --> 00:11:15,279
男性は嘲笑されるリスクに晒され

173
00:11:15,710 --> 00:11:19,780
悪ければ ネット上のミームとなる

174
00:11:22,140 --> 00:11:25,438
今見た映像のように

175
00:11:25,599 --> 00:11:29,945
男性が許された窓の外で泣くのは

176
00:11:30,080 --> 00:11:32,790
通常コメディでだ

177
00:11:33,093 --> 00:11:35,963
"感情のガラスケースだ"

178
00:11:36,505 --> 00:11:39,396
いろんなコメディ俳優によって

179
00:11:39,511 --> 00:11:43,586
哀れな男性キャラの構築に使われる

180
00:11:43,740 --> 00:11:48,562
"なんでこんなことになるんだ"

181
00:11:49,750 --> 00:11:53,774
男があまりに長く泣いたり

182
00:11:54,504 --> 00:11:59,249
急に泣き出すのは笑いになる

183
00:11:59,358 --> 00:12:01,121
"大人が泣くの？"

184
00:12:01,211 --> 00:12:04,367
"ビッチみたいでかわいいじゃん"

185
00:12:04,478 --> 00:12:05,398
"メイガン!?"

186
00:12:05,546 --> 00:12:09,065
男性が泣くことによる笑いはいつも

187
00:12:09,185 --> 00:12:10,806
感情の爆発か

188
00:12:10,896 --> 00:12:14,686
哀れな弱さを描く

189
00:12:14,794 --> 00:12:17,154
"もう泣いちゃう"

190
00:12:17,273 --> 00:12:19,400
男らしさはない

191
00:12:19,536 --> 00:12:23,415
"ドレス着て女の子みたいに泣けば？"

192
00:12:23,606 --> 00:12:26,049
涙と女性らしさの関連は

193
00:12:26,169 --> 00:12:30,180
無数のジョークで明確に表現される

194
00:12:30,321 --> 00:12:32,621
女の子みたいに泣く と

195
00:12:33,403 --> 00:12:34,463
"泣いてるの？"

196
00:12:34,577 --> 00:12:36,633
"女の子みたいにね！"

197
00:12:37,060 --> 00:12:41,898
"監督は家で女の子みたいに泣いてるぞ"

198
00:12:43,523 --> 00:12:44,781
"女の子みたいに泣くな"

199
00:12:44,904 --> 00:12:46,445
"女の子みたいには泣いてない"

200
00:12:46,539 --> 00:12:50,101
男性の感情表現に対する侮辱は

201
00:12:50,216 --> 00:12:53,065
性差の概念を強化してもいる

202
00:12:53,175 --> 00:12:57,450
女性は感情的になりやすいというものだ

203
00:12:58,937 --> 00:13:01,574
"女は感情的になる"

204
00:13:01,811 --> 00:13:03,624
"君もそう見えるが"

205
00:13:04,256 --> 00:13:06,449
"ああ つらいんだ"

206
00:13:06,574 --> 00:13:09,723
泣くことは人の基本的反応であり

207
00:13:09,850 --> 00:13:13,179
性別に関係ないものだが

208
00:13:13,300 --> 00:13:16,963
性別的な現象が見られている

209
00:13:17,100 --> 00:13:21,185
"45分泣いてた　もう女だ"

210
00:13:21,330 --> 00:13:24,989
"お前は男だろ　どうしたんだ"

211
00:13:25,263 --> 00:13:27,124
"泣いていいのよ"

212
00:13:27,247 --> 00:13:28,161
"よくねぇよ"

213
00:13:28,289 --> 00:13:32,931
"ケツでか男がファミレスで泣くのか？"

214
00:13:33,060 --> 00:13:36,500
人前では強くあるべきだという

215
00:13:36,628 --> 00:13:39,827
男性へのプレッシャーは強いのだ

216
00:13:39,940 --> 00:13:43,969
"泣くなら そのケツをトイレに持ってって"

217
00:13:44,070 --> 00:13:47,898
"個室の中で泣け　男らしく"

218
00:13:49,729 --> 00:13:51,996
精神科医は言う

219
00:13:52,114 --> 00:13:56,115
"私たちは弱さを軽蔑する文化の中にいる"

220
00:13:56,218 --> 00:13:59,556
"関係構築術の育成に失敗するだけでなく"

221
00:13:59,666 --> 00:14:01,416
"恐れてもいる"

222
00:14:03,472 --> 00:14:05,733
映像で男性が泣いている時

223
00:14:05,858 --> 00:14:08,540
その場所はどこだろう

224
00:14:10,859 --> 00:14:15,589
大抵 プライベートであったりする

225
00:14:17,269 --> 00:14:20,422
映画の古典的手法だ

226
00:14:20,539 --> 00:14:23,610
その瞬間を見ることで観客は

227
00:14:23,730 --> 00:14:27,201
主人公が弱さに直面するのを見る

228
00:14:27,926 --> 00:14:31,923
それは他の人物には伝わらない

229
00:14:34,977 --> 00:14:39,247
弱さの表出は女性と結びついているため

230
00:14:39,417 --> 00:14:43,709
よく女性が男性の感情を引き出している

231
00:14:44,639 --> 00:14:48,003
男性を癒やす感情労働者は

232
00:14:48,140 --> 00:14:51,320
大抵 恋人の女性だ

233
00:14:51,761 --> 00:14:56,435
その支えも一方的である

234
00:14:58,105 --> 00:15:00,402
男性は弱くないものだという

235
00:15:00,518 --> 00:15:02,868
文化に住む帰結として

236
00:15:02,990 --> 00:15:06,799
人は泣いている人を嫌がるようになる

237
00:15:06,916 --> 00:15:08,316
"泣いてるのか？"

238
00:15:08,440 --> 00:15:09,440
"いや"

239
00:15:10,147 --> 00:15:13,719
"しっかりしろよ　気持ち悪い奴だな"

240
00:15:13,839 --> 00:15:14,951
"うるせえ"

241
00:15:15,168 --> 00:15:17,065
男性は泣いている人を

242
00:15:17,177 --> 00:15:20,157
支えようとしないかもしれない

243
00:15:20,299 --> 00:15:21,616
"よしよし"

244
00:15:21,766 --> 00:15:24,549
弱さに向き合うことで

245
00:15:24,684 --> 00:15:27,744
男らしさが低下するからだ

246
00:15:29,714 --> 00:15:32,823
泣いている男が近くにいれば

247
00:15:32,976 --> 00:15:34,331
"おいやめろよ"

248
00:15:34,441 --> 00:15:36,801
"ティッシュか？　テディベアか？"

249
00:15:36,921 --> 00:15:38,905
"毛布とハグか？"

250
00:15:39,000 --> 00:15:41,020
背中は叩くが

251
00:15:42,100 --> 00:15:43,530
"ハグはやめよう"

252
00:15:43,645 --> 00:15:47,225
距離を取ろうとする

253
00:15:49,923 --> 00:15:51,414
"ごめん"

254
00:15:51,551 --> 00:15:52,736
"かけろ"

255
00:15:53,903 --> 00:15:55,512
"人前で泣くな"

256
00:15:55,619 --> 00:15:57,893
実際 涙を流しても

257
00:15:58,010 --> 00:16:00,269
男性キャラはよく否定する

258
00:16:00,381 --> 00:16:01,599
"泣いてるのか？"

259
00:16:01,880 --> 00:16:02,680
"泣いてない"

260
00:16:02,768 --> 00:16:04,972
そして平気なふりをする

261
00:16:05,090 --> 00:16:06,153
"泣いてる"

262
00:16:06,250 --> 00:16:06,874
"何？"

263
00:16:06,978 --> 00:16:07,636
"泣いてる？"

264
00:16:07,757 --> 00:16:10,412
"え？泣いてないよ　お前だろ"

265
00:16:10,936 --> 00:16:11,920
"泣いてる？"

266
00:16:12,029 --> 00:16:14,140
"いやアレルギーで"

267
00:16:15,128 --> 00:16:17,365
"大丈夫だ　コショウが"

268
00:16:17,804 --> 00:16:19,000
"泣いてるの？"

269
00:16:19,127 --> 00:16:21,785
"いや 目にゴミが"

270
00:16:21,910 --> 00:16:25,817
古典的言い訳「目にゴミが」は

271
00:16:25,959 --> 00:16:30,010
人物が実際泣いていることを表す

272
00:16:30,150 --> 00:16:32,124
"違う　ふざけるな"

273
00:16:32,234 --> 00:16:34,184
"俺は泣いてない"

274
00:16:34,284 --> 00:16:35,859
"ゴミが多いんだ"

275
00:16:36,496 --> 00:16:37,164
"泣いてる？"

276
00:16:37,267 --> 00:16:40,717
もっともらしい否定の手段だ

277
00:16:40,840 --> 00:16:43,864
"いや　ここは埃っぽい"

278
00:16:44,918 --> 00:16:48,300
メディアはしばしば信念を強化する

279
00:16:49,179 --> 00:16:51,833
男は感情を隠すべきだと

280
00:16:52,149 --> 00:16:54,533
"ここに泣く奴はいらない"

281
00:16:54,671 --> 00:16:56,591
"戦う男の前で"

282
00:16:58,314 --> 00:17:03,165
ハリウッドの物語では感情と行動が

283
00:17:03,275 --> 00:17:06,152
よく対立する

284
00:17:07,275 --> 00:17:09,668
"こんなのありえない"

285
00:17:09,790 --> 00:17:12,464
片方しかないかのように

286
00:17:12,589 --> 00:17:13,916
"泣いてるのか？"

287
00:17:14,359 --> 00:17:15,240
"いや"

288
00:17:17,270 --> 00:17:18,338
"そうだ"

289
00:17:18,500 --> 00:17:19,914
"もうわからない"

290
00:17:20,035 --> 00:17:21,215
"しっかりしろ"

291
00:17:21,616 --> 00:17:24,173
映画が繰り返し語るのは

292
00:17:24,310 --> 00:17:27,377
弱さを感じている男は

293
00:17:27,520 --> 00:17:29,871
無能だということだ

294
00:17:30,703 --> 00:17:35,096
感情が運動機能を停止させ

295
00:17:36,947 --> 00:17:40,198
すべてを崩壊させるかのように

296
00:17:40,341 --> 00:17:43,350
"切り替えろ　男になれ"

297
00:17:43,830 --> 00:17:45,933
もちろん実際は違う

298
00:17:47,115 --> 00:17:50,520
泣くことは行動を妨げない

299
00:17:53,728 --> 00:17:58,820
しかし弱さは心神喪失と同義語にされる

300
00:18:00,213 --> 00:18:05,396
力とは破壊や強さであるとされ

301
00:18:06,083 --> 00:18:08,062
多くの男性は信じる

302
00:18:08,172 --> 00:18:10,823
社会で有能とされたいなら

303
00:18:10,942 --> 00:18:13,934
感情は殺す必要があると

304
00:18:14,412 --> 00:18:17,200
"弱い部分を断ち切って"

305
00:18:19,174 --> 00:18:20,994
"男になる"

306
00:18:22,219 --> 00:18:26,750
感情の断絶は有害な結果にもなる

307
00:18:26,878 --> 00:18:30,693
"泣けないことに腹が立つ"

308
00:18:31,365 --> 00:18:34,577
"娘のために泣くこともできない"

309
00:18:35,119 --> 00:18:37,604
苦しみを乗り越えるプロセスは

310
00:18:37,742 --> 00:18:40,330
ゆっくりで痛ましいが

311
00:18:40,657 --> 00:18:44,339
癒やしのためにも必要なものだ

312
00:18:46,354 --> 00:18:49,646
スクリーンの中の男性はその落ち込みも

313
00:18:49,777 --> 00:18:52,164
すぐに過ぎ去る

314
00:18:53,560 --> 00:18:56,285
泣くことが許される窓は

315
00:18:56,422 --> 00:18:59,467
短い間しか開かないのだ

316
00:19:01,427 --> 00:19:04,290
家族の死体を見つけても

317
00:19:04,414 --> 00:19:08,787
涙は１分程度で過ぎ去る

318
00:19:10,414 --> 00:19:16,277
男性キャラが長い間悲しむのは珍しい

319
00:19:16,464 --> 00:19:19,630
"泣くな！　こらえろ！"

320
00:19:23,205 --> 00:19:25,084
"どうにかしろ"

321
00:19:27,612 --> 00:19:31,271
"どうにかしろ　いいな？"

322
00:19:35,223 --> 00:19:37,675
多くの映画において

323
00:19:37,814 --> 00:19:42,382
男性の涙は暴力に向かう機能となる

324
00:19:45,119 --> 00:19:49,055
侵害行為による深い悲しみが

325
00:19:49,205 --> 00:19:54,024
同じシーンの中で変換されることもある

326
00:19:56,275 --> 00:20:00,549
よく見るのは 男性が悲しむのではなく

327
00:20:01,283 --> 00:20:05,102
怒り 復讐するところだ

328
00:20:06,432 --> 00:20:09,015
"荒々しく血を求めた"

329
00:20:12,445 --> 00:20:14,749
このように暴力的復讐が

330
00:20:14,867 --> 00:20:19,629
悲しみのプロセスに取って替わられる

331
00:20:21,127 --> 00:20:22,824
このパターンは男性の

332
00:20:22,950 --> 00:20:26,300
あらゆる感情を攻撃性に向かわせる

333
00:20:27,926 --> 00:20:33,202
攻撃性を自身の表現として使うのだ

334
00:20:36,792 --> 00:20:40,267
怒りは必ずしも破壊的感情ではない

335
00:20:40,673 --> 00:20:42,873
建設的に使えば

336
00:20:43,004 --> 00:20:46,634
不正に対する適切な反応となる

337
00:20:46,936 --> 00:20:49,588
問題は 攻撃性の表出が

338
00:20:49,724 --> 00:20:52,795
弱さの対極に存在することだ

339
00:20:53,576 --> 00:20:57,181
怒りはほとんどの場合で

340
00:20:57,305 --> 00:20:59,992
男の強さを示す

341
00:21:00,590 --> 00:21:05,086
長すぎる悲しみは弱さとみなされる

342
00:21:05,966 --> 00:21:09,298
精神不安定とされることも

343
00:21:10,157 --> 00:21:14,327
これが映画製作者がよく涙を

344
00:21:14,449 --> 00:21:19,466
狂気に落ちる表現として使う理由だろう

345
00:21:20,560 --> 00:21:24,411
悪へと落ちるのも

346
00:21:28,274 --> 00:21:32,817
「鎧の破壊」という本の中で

347
00:21:32,989 --> 00:21:34,841
カウフマンは言う

348
00:21:34,978 --> 00:21:39,043
"感情の流出がブロックされると"

349
00:21:39,159 --> 00:21:43,839
"結果は男性と周囲にとって破壊的となる"

350
00:21:43,975 --> 00:21:48,192
"表に出ていなくても感情はなくならない"

351
00:21:48,317 --> 00:21:50,312
"それが奥底に溜まると"

352
00:21:50,424 --> 00:21:53,889
"最終的に次のどちらかに変形する"

353
00:21:54,008 --> 00:21:58,951
"怒りとなるか 自分を責めるかだ"

354
00:21:59,057 --> 00:22:03,181
"自己嫌悪 自己非難 身体的病気"

355
00:22:03,285 --> 00:22:05,825
"不安障害や依存症に"

356
00:22:07,372 --> 00:22:11,824
これはハリウッドでなぜ男性の苦痛が

357
00:22:11,946 --> 00:22:16,612
自己破壊に繋がるかをよく表現している

358
00:22:16,919 --> 00:22:20,093
"つらすぎる　チクショー"

359
00:22:25,440 --> 00:22:29,261
攻撃性が外に出ようと 内に行こうと

360
00:22:29,387 --> 00:22:32,139
それは男性の感情的苦痛の

361
00:22:32,271 --> 00:22:37,521
ほとんど不可避的な症状として描かれる

362
00:22:39,001 --> 00:22:43,622
粗野な男らしさに対する批判というより

363
00:22:43,880 --> 00:22:46,320
美化したか

364
00:22:46,450 --> 00:22:50,859
少なくとも詩的にした男性の表現だ

365
00:22:51,855 --> 00:22:57,003
不健全な感情の扱い方であるのに

366
00:22:58,630 --> 00:23:02,971
私たちは自己破壊的な男性を

367
00:23:03,149 --> 00:23:07,187
映画では親しみを持って理解している

368
00:23:09,185 --> 00:23:11,545
「変化への意志」という本で

369
00:23:11,668 --> 00:23:13,808
フックスは大衆文化が

370
00:23:13,922 --> 00:23:17,661
男性の感情を別の方法で描くのは

371
00:23:17,783 --> 00:23:19,836
珍しいと指摘した

372
00:23:20,865 --> 00:23:24,108
"現代映画の大半がメッセージを送る"

373
00:23:24,255 --> 00:23:27,515
"男性は内側の野獣から逃げられないと"

374
00:23:27,623 --> 00:23:30,165
"演じ 隠すことはできるが"

375
00:23:30,282 --> 00:23:34,191
"男性優位的な意識は壊せないのだ"

376
00:23:35,988 --> 00:23:39,203
男性の物語がこのパターンにはまらず

377
00:23:39,324 --> 00:23:43,989
感情の処理がうまくなされることは

378
00:23:44,100 --> 00:23:46,388
とても少ない

379
00:23:52,013 --> 00:23:53,957
「グッド・ウィル・ハンティング」は

380
00:23:54,055 --> 00:23:56,508
伝統的な男らしさを拒否した

381
00:23:56,610 --> 00:23:59,210
珍しい映画の一つで

382
00:24:00,052 --> 00:24:05,033
弱さをさらけ出す選択がなされた

383
00:24:07,000 --> 00:24:09,320
「エターナル・サンシャイン」で

384
00:24:09,451 --> 00:24:11,699
ジョーも似た選択をした

385
00:24:11,807 --> 00:24:14,845
つらい感情を消そうとせず

386
00:24:14,951 --> 00:24:16,941
表に出した

387
00:24:19,517 --> 00:24:22,719
「ムーンライト」でシャロンは

388
00:24:22,845 --> 00:24:26,055
孤独で腐った人生を離れ

389
00:24:26,192 --> 00:24:30,150
弱さと親密さを受け入れる選択をする

390
00:24:31,560 --> 00:24:35,425
これらの表現はもちろん喜ばしい

391
00:24:35,596 --> 00:24:38,573
だがその描写は未だレアであり

392
00:24:38,712 --> 00:24:42,350
ルールの例外となっている

393
00:24:44,232 --> 00:24:47,753
それは確かに人の心を掴む

394
00:24:47,867 --> 00:24:52,641
男性の裏側にある裂け目を見るのは

395
00:24:53,375 --> 00:24:56,204
男性をよく見てみれば

396
00:24:56,325 --> 00:24:59,564
涙を流し 唇を震わせ

397
00:24:59,686 --> 00:25:05,551
究極的な状況では叫んでもいる

398
00:25:06,221 --> 00:25:09,118
それはユーモラスでもある

399
00:25:09,312 --> 00:25:10,913
"お父さん"

400
00:25:12,110 --> 00:25:13,465
"元気出して"

401
00:25:13,586 --> 00:25:16,174
認識するのは重要だ

402
00:25:16,297 --> 00:25:20,745
そのレアなシーンが強力なのは

403
00:25:20,866 --> 00:25:26,270
社会に根付いた価値観が原因であると

404
00:25:28,011 --> 00:25:32,232
私たちはたいして感動しなかっただろう

405
00:25:32,374 --> 00:25:37,395
人が涙を流すのを頻繁に見ていたなら

406
00:25:38,781 --> 00:25:43,299
映画やドラマはただの娯楽を超えている

407
00:25:43,440 --> 00:25:46,119
それはフックスが言うように

408
00:25:46,221 --> 00:25:48,761
"可能性の芸術"だ

409
00:25:49,126 --> 00:25:50,910
"なぜ許すのですか？"

410
00:25:51,045 --> 00:25:53,365
"怒っていたでしょう"

411
00:25:53,600 --> 00:25:56,427
"怒ってなどいない"

412
00:25:57,001 --> 00:26:01,364
"お前を失いそうで悲しかったのだ"

413
00:26:01,488 --> 00:26:03,910
だからこそメディアが

414
00:26:04,030 --> 00:26:08,810
男性の弱さを映すのは重要だ

415
00:26:09,390 --> 00:26:12,829
私たちは男性が堂々と泣き

416
00:26:13,133 --> 00:26:16,995
人と感情で繋がるのを見る必要がある

417
00:26:17,356 --> 00:26:19,576
男性への癒やしは

418
00:26:19,695 --> 00:26:23,253
人間性の範囲に含まれるはずだ

419
00:26:24,745 --> 00:26:28,926
涙の窓は常に開いていていい