Every Frame a Paintingへようこそ
母の日に上げたかったが遅れてしまった
ごめん母さん
今回は「おおかみこどもの雨と雪」だ
愛らしい映画で
日本のアニメ映画の賞も受賞した
ネタバレはないので
まだ見てなくても楽しめる
今回の話はこのシーンから始まる
ここから57秒画面が水平移動し
雨と雪の二人の子供が
1年生から4年生に上がる
雨は雪とは違い孤独に過ごし
いじめも受ける
雪はクラスでの居場所を作っていく
非常にうまい
どんな原理だろうか
水平移動の方法論は実はよくわからない
美しい使われ方は目にする
だがその本質は難しい
水平移動は何か変なのだ
映画で最も客観的なショットと言える
誰の視点でもなく
神のようにただ見ている
文字通り あるがままを見る
どう使うべきか
場面の立ち上げによく使われる
シーンを始めるシンプルな方法だ
"乳首剃っても労災になるかな"
残念だがここ最近は少なくなっている
デジタルカメラにより事情が変化した
もっといい方法があるのだ
戦争映画ではよく見る
軍全体を映すのに水平移動は適している
軍の野営地が見渡せる
"干し草から針を探すんだ"
ランニングもいい
自身の運命に走り
恋人に走り
ただ走る
スローモーションも
トム・クルーズも
"どけ!どけ!"
なぜかスーパーでもよく使われる
変化のない日常だからか
ゴダールはスーパーが嫌いなようだ
様々な使用例がある
グリーナウェイは絵画のように使い
チャヌクは戦闘に使い
キートンはコメディに使う
スコセッシは虐殺に使った
僕が好きなのはトイ・ストーリーだ
監督たちの言葉もある
キューブリックは
ありのままが映し出せると言い
「突撃」において塹壕全体を描いた
「シャイニング」は恐怖を描いている
辺りが重々しさを出している
アンダーソンは頻繁に使う
絵本のように出来事が表現される
まっすぐ走る人が
何かに巻き込まれるのは面白い
親しさの表現に使われるのは珍しい
親しさには向かない
関係に距離があるように見えてしまう
そういう効果がある
水平移動を使って
親しさは表現できるだろうか?
"花は届いた?"
スコセッシはこうした
"来てないかな 送ったんだ"
キャラから離れる
"また掛ける"
この無気力なシーンがよく機能している
空虚さや孤独さが
視線を外すことで作り出されている
"何回も掛けたが 彼女はもう出なかった"
他にも
これは映画の歴史でも特筆される
すごいのは長さだ
9分かけて男がキャンドルを運ぶ
一つの目標に集中しながらも
タルコフスキーは話を展開させた
人物は歩き 失敗し また歩む
見ていると変な感じだ
ここには人間の奮闘が込められている
簡潔さのいい見本だ
そしてこれ
ここ最近で最も感動的な例だと思う
ただ場面を繋げた場合はこうなる
ディゾルブ
プッシュイン
これは水平移動の完璧な使用例だ
この移動は悲しみも演出する
右への移動は戻せない時間の流れなのだ
「おおかみこども」に戻ろう
このシーンは親しみを表現し
子供たちは成長していく
これは物理的には不可能だ
これは比喩である
特にアニメだからこそ使える魔法だ
左右の移動が二人の成長を語っている
水平移動の使い方はわからなくても
見ればその意味は理解できる
視覚的文法の発達がここに見られる
ところで この映画は本当におすすめだ
あなたの母親にも見せてほしい
母の日おめでとう