1 00:00:00,000 --> 00:00:03,000 さっそく素晴らしい写真を見ていくことにしましょう 2 00:00:05,000 --> 00:00:08,000 これはナショナルジオグラフィック誌の象徴とも言うべき写真です 3 00:00:08,000 --> 00:00:11,000 スティーブ・マッカリーが撮ったアフガン難民の女性です 4 00:00:11,000 --> 00:00:14,000 ハーバードランプーン誌がちかぢか 5 00:00:14,000 --> 00:00:16,000 ナショナルジオグラフィックのパロディを出版する予定で 6 00:00:16,000 --> 00:00:20,000 彼らがこの写真をどうするかと思うとぞっとします 7 00:00:20,000 --> 00:00:22,000 おお、Photoshopの災いよ 8 00:00:24,000 --> 00:00:27,000 ブルース・デイルによるサンフランシスコでの着陸の光景 9 00:00:27,000 --> 00:00:30,000 彼は尾翼にカメラを装着しました 10 00:00:34,000 --> 00:00:37,000 サム・アベルによるトルストイの小説の詩的な表現 11 00:00:40,000 --> 00:00:42,000 ランディ・オルソン コンゴのピグミー族 12 00:00:42,000 --> 00:00:44,000 この写真が好きです なぜならこれを見ると 13 00:00:44,000 --> 00:00:47,000 ドガの小さな踊り子のブロンズ像を思わせるからです 14 00:00:50,000 --> 00:00:55,000 ポール・ニクリンによる北極海を泳ぐシロクマです 15 00:00:55,000 --> 00:00:58,000 シロクマは動き回れるために氷が必要で 16 00:00:58,000 --> 00:01:00,000 泳ぎはあまり上手くありません 17 00:01:00,000 --> 00:01:02,000 北極の氷がどうなっているかはご存知ですね 18 00:01:04,000 --> 00:01:08,000 アフリカのリフトバレーを横断しているラクダです 19 00:01:08,000 --> 00:01:10,000 クリス・ジョンズの写真です 20 00:01:11,000 --> 00:01:17,000 真上から撮影していて、見えているのはラクダの影です 21 00:01:19,000 --> 00:01:21,000 ウィリアム・アルバート・アラードによる 22 00:01:21,000 --> 00:01:24,000 テキサスの牧童 素晴らしいポートレイトです 23 00:01:25,000 --> 00:01:27,000 そしてジェーン・グドールの特別な絆 24 00:01:27,000 --> 00:01:29,000 ニック・ニコルズの写真です 25 00:01:32,000 --> 00:01:36,000 デビッド・アラン・ハーベイによる、スペインの石鹸ディスコの写真です 26 00:01:36,000 --> 00:01:38,000 「フロアではあちこちで 27 00:01:38,000 --> 00:01:40,000 奇妙なことが起きていた 28 00:01:40,000 --> 00:01:43,000 まどっちにしろ、衛生的だね」と言っていました 29 00:01:43,000 --> 00:01:47,000 (笑) 30 00:01:47,000 --> 00:01:51,000 こっちはオーストラリアのアシカのダンスです 31 00:01:51,000 --> 00:01:53,000 デビッド・デュビレの写真です 32 00:01:54,000 --> 00:01:58,000 こちらはユアン・メイソン博士の撮影した彗星です 33 00:02:00,000 --> 00:02:04,000 そして、映画スターのいないタイタニックの船首 34 00:02:04,000 --> 00:02:06,000 エモリー・クリストフの写真です 35 00:02:11,000 --> 00:02:13,000 今日の飽和し切ったメディア世界の 36 00:02:13,000 --> 00:02:17,000 容赦ない渦の中で、写真は厳然と力を保ち続けています 37 00:02:17,000 --> 00:02:19,000 なぜなら、写真は私たちの心が、大切な一瞬を 38 00:02:19,000 --> 00:02:21,000 固定するのを真似ているからです 39 00:02:21,000 --> 00:02:23,000 例を挙げましょう 40 00:02:23,000 --> 00:02:25,000 4年前、私は息子とビーチにいました 41 00:02:25,000 --> 00:02:28,000 彼は泳ぎの練習中で 42 00:02:28,000 --> 00:02:31,000 デラウェアビーチの波はまあまあ穏やかでした 43 00:02:32,000 --> 00:02:35,000 しかしちょっと眼を離した隙に、彼は引き潮に捉えられ 44 00:02:35,000 --> 00:02:36,000 防波堤に向かって流され始めたのです 45 00:02:38,000 --> 00:02:41,000 今ここに立っていても目に浮かびます 46 00:02:41,000 --> 00:02:44,000 私が息子を追って波をかき分けていると 47 00:02:44,000 --> 00:02:47,000 場面がスローモーションになり、ある配置で凍り付く 48 00:02:47,000 --> 00:02:51,000 岩がこちらにあり、 49 00:02:51,000 --> 00:02:53,000 波が息子の上に砕けようとしている 50 00:02:53,000 --> 00:02:56,000 息子は手を伸ばし 51 00:02:56,000 --> 00:02:58,000 顔には恐怖の色を浮かべ 52 00:02:58,000 --> 00:03:01,000 私の方を見てこう言う:「パパ、助けて」 53 00:03:02,000 --> 00:03:04,000 私は彼を捕まえ、波が私たちに砕け 54 00:03:04,000 --> 00:03:06,000 彼を浜に引き揚げ、無事でした 55 00:03:06,000 --> 00:03:08,000 少しばかりガタガタしていました 56 00:03:08,000 --> 00:03:12,000 しかしこの「フラッシュ写真の記憶」には 57 00:03:12,000 --> 00:03:14,000 そこにあった全ての要素が 58 00:03:14,000 --> 00:03:19,000 出来事だけでなく、それと私の感情的な繋がりも焼き付いているのです 59 00:03:19,000 --> 00:03:21,000 これこそ、写真が、見る人と 60 00:03:21,000 --> 00:03:24,000 強い繋がりを生み出す力の元なのです 61 00:03:24,000 --> 00:03:26,000 ついでに打ち明けますが 62 00:03:26,000 --> 00:03:28,000 先週このことについて息子と話をして 63 00:03:28,000 --> 00:03:30,000 あの話をするんだ、と言いました 64 00:03:30,000 --> 00:03:32,000 すると彼が「ああ、あれね 覚えてるよ! 65 00:03:32,000 --> 00:03:34,000 あの時の父さんは 66 00:03:34,000 --> 00:03:36,000 砂浜から僕に叫んでたよね」 67 00:03:36,000 --> 00:03:38,000 (笑) 68 00:03:38,000 --> 00:03:40,000 自分はヒーローだと思っていたのに 69 00:03:40,000 --> 00:03:41,000 (笑) 70 00:03:41,000 --> 00:03:44,000 それで… 71 00:03:44,000 --> 00:03:46,000 世界有数のフォトジャーナリストによる 72 00:03:46,000 --> 00:03:50,000 素晴らしい写真のサンプルです 73 00:03:50,000 --> 00:03:53,000 業界でもトップの人たちです 74 00:03:53,000 --> 00:03:55,000 一つを除いては 75 00:03:55,000 --> 00:03:58,000 この写真はユアン・メイスン博士が撮影しました 76 00:03:58,000 --> 00:04:00,000 昨年ニュージーランドでです 77 00:04:00,000 --> 00:04:03,000 そして投稿され、ナショナルジオグラフィック誌に掲載されました 78 00:04:03,000 --> 00:04:05,000 昨年私たちは「あなたの一枚」というセクションを 79 00:04:05,000 --> 00:04:09,000 ウェブサイトに追加し、みんなの投稿した写真が雑誌に載るチャンスを作ったのです 80 00:04:09,000 --> 00:04:12,000 これは大成功となり 81 00:04:12,000 --> 00:04:15,000 熱心な写真コミュニティを動かすことになりました 82 00:04:15,000 --> 00:04:17,000 こういうアマチュア写真の質の高さには 83 00:04:17,000 --> 00:04:19,000 時に驚くべきものがあります 84 00:04:19,000 --> 00:04:21,000 こういう写真を見ると、私は 85 00:04:21,000 --> 00:04:24,000 誰でも一枚や二枚は凄い写真を撮っているという 86 00:04:24,000 --> 00:04:26,000 思いを強くします 87 00:04:26,000 --> 00:04:29,000 しかし偉大なフォトジャーナリストになるためには 88 00:04:29,000 --> 00:04:31,000 一枚や二枚の凄い写真では 89 00:04:31,000 --> 00:04:33,000 足りません 90 00:04:33,000 --> 00:04:35,000 ずっと生み出し続けている必要があるのです 91 00:04:35,000 --> 00:04:38,000 しかしそれよりさらに重要なのは 92 00:04:38,000 --> 00:04:41,000 視覚的に語るすべを知っている必要があるということです 93 00:04:41,000 --> 00:04:44,000 物語を語れなくてはならない 94 00:04:44,000 --> 00:04:46,000 そこで、写真がいかに物語るかを 95 00:04:46,000 --> 00:04:49,000 示している作品を一緒に見ていきたいと思います 96 00:04:51,000 --> 00:04:54,000 写真家ニック・ニコルズは、チャドにある 97 00:04:54,000 --> 00:04:57,000 ザコーマという、比較的小さくあまり知られていない 98 00:04:57,000 --> 00:04:59,000 野生動物保護区に撮影しに行きました 99 00:05:00,000 --> 00:05:02,000 最初の計画は 100 00:05:02,000 --> 00:05:04,000 異郷の地の、多様な生物の 101 00:05:04,000 --> 00:05:06,000 よくあるような物語でした 102 00:05:06,000 --> 00:05:08,000 ここまではニックはそうしていたのです 103 00:05:08,000 --> 00:05:10,000 これはサーバルキャットです 104 00:05:10,000 --> 00:05:12,000 この猫は自分で写真を撮りました 105 00:05:12,000 --> 00:05:14,000 カメラトラップという方法でです 106 00:05:14,000 --> 00:05:16,000 赤外線ビームが仕掛けられていて 107 00:05:16,000 --> 00:05:18,000 遮断するとシャッターが切れます 108 00:05:18,000 --> 00:05:22,000 水場にいるヒヒです 109 00:05:23,000 --> 00:05:25,000 ニックはここでも自動式のカメラを使って 110 00:05:25,000 --> 00:05:27,000 ヒヒの写真を何千枚も撮りました 111 00:05:27,000 --> 00:05:29,000 結局どうなったかというと、たくさんの 112 00:05:29,000 --> 00:05:31,000 ヒヒのお尻が撮れたわけです 113 00:05:31,000 --> 00:05:32,000 (笑) 114 00:05:32,000 --> 00:05:35,000 夜食中のライオンです 115 00:05:35,000 --> 00:05:37,000 牙が折れていますね 116 00:05:40,000 --> 00:05:43,000 クロコダイルが川から上がって巣に向かうところです 117 00:05:43,000 --> 00:05:45,000 この写真は、尻尾から水が 118 00:05:45,000 --> 00:05:47,000 したたり落ちているところがいいですね 119 00:05:49,000 --> 00:05:52,000 しかし、ザコーマの中心的な動物は象です 120 00:05:52,000 --> 00:05:56,000 アフリカのこの地域では最大の、野生の群れの一つです 121 00:05:56,000 --> 00:05:58,000 これは月明かりで撮った写真で 122 00:05:58,000 --> 00:06:01,000 デジタル写真技術によって大きく変わった領域です 123 00:06:01,000 --> 00:06:03,000 象によって物語ががらりと変わりました 124 00:06:03,000 --> 00:06:07,000 ニックは研究者のマイケル・フェイ博士と同行して 125 00:06:07,000 --> 00:06:09,000 群れのリーダーに発信器を取りつけ 126 00:06:09,000 --> 00:06:11,000 アニーと名前を付け 127 00:06:11,000 --> 00:06:13,000 追跡を開始しました 128 00:06:13,000 --> 00:06:15,000 群れは保護区の中にいる間は 129 00:06:15,000 --> 00:06:17,000 監視員のグループがいるので安全です 130 00:06:17,000 --> 00:06:21,000 しかし毎年雨期になると 131 00:06:21,000 --> 00:06:24,000 群れは保護区の外のエサ場に移動します 132 00:06:24,000 --> 00:06:26,000 そこでトラブルが起きたのです 133 00:06:27,000 --> 00:06:29,000 安全な保護区の外には密猟者がいて 134 00:06:29,000 --> 00:06:33,000 高価な象牙を求めて群れを襲うのです 135 00:06:34,000 --> 00:06:36,000 無線で追跡していたリーダー象は 136 00:06:36,000 --> 00:06:39,000 何週間も保護区の中と外を行ったり来たりしていましたが 137 00:06:39,000 --> 00:06:41,000 保護区の外で動かなくなりました 138 00:06:41,000 --> 00:06:46,000 アニーは、他の20頭の仲間とともに殺されていました 139 00:06:49,000 --> 00:06:51,000 象牙だけのために襲撃されたのです 140 00:06:55,000 --> 00:06:57,000 これは監視員の一人です 141 00:06:57,000 --> 00:07:00,000 彼らは密猟者の一人を追い払い、象牙を回収したのです 142 00:07:00,000 --> 00:07:02,000 それには価値があるので 143 00:07:02,000 --> 00:07:04,000 置いて行くわけにはいきません 144 00:07:04,000 --> 00:07:06,000 ニックは、 145 00:07:06,000 --> 00:07:10,000 昔ながらの手法の「ねえ、これ面白いじゃない?」 146 00:07:10,000 --> 00:07:12,000 を遥かに越えたものを持ち帰り 147 00:07:12,000 --> 00:07:16,000 我々の読者の心に深く響く物語を創り上げたのです 148 00:07:16,000 --> 00:07:18,000 保護区に関する単なる知識ではなく 149 00:07:18,000 --> 00:07:20,000 象や、監視員や、その他の 150 00:07:20,000 --> 00:07:22,000 人間と野生の紛争に関する 151 00:07:22,000 --> 00:07:25,000 理解と共感を生み出したのです 152 00:07:26,000 --> 00:07:28,000 さて、インドに行ってみましょう 153 00:07:28,000 --> 00:07:31,000 一つのことを深く追うことで、より普遍的な物語を語れることがあります 154 00:07:31,000 --> 00:07:34,000 「New World Population Project」で 155 00:07:34,000 --> 00:07:37,000 リチャード・ワーマンが触れたのと同じものを見ています 156 00:07:37,000 --> 00:07:39,000 人類史上初めて 157 00:07:39,000 --> 00:07:43,000 農村部より都市部に、より多くの人が住んでいます 158 00:07:43,000 --> 00:07:45,000 そして人口増加は都市の中ではなく 159 00:07:45,000 --> 00:07:47,000 その周辺のスラムで起きています 160 00:07:48,000 --> 00:07:51,000 ジョナス・ベンディクセンは非常にエネルギッシュな写真家ですが 161 00:07:51,000 --> 00:07:53,000 私の所に来て言いました: 162 00:07:53,000 --> 00:07:56,000 「これを是非撮らなきゃ こういうのはどうです? 163 00:07:56,000 --> 00:07:59,000 『世界中のスラムというスラムを写真に収める』」 164 00:07:59,000 --> 00:08:02,000 私は言いました:「予算に対してちょっと野心的すぎやしないか?」 165 00:08:02,000 --> 00:08:04,000 そこで私たちがやったのは 166 00:08:04,000 --> 00:08:07,000 出かけていって、いろんなものをちょっとずつ見てきましたという 167 00:08:07,000 --> 00:08:09,000 いわゆる概観的な物語で 168 00:08:09,000 --> 00:08:12,000 終わらせてしまうのではなく、 169 00:08:12,000 --> 00:08:15,000 ジョナスをインドのムンバイの 170 00:08:15,000 --> 00:08:17,000 ダラヴィに送って 171 00:08:17,000 --> 00:08:19,000 そこに滞在してもらい、この街の 172 00:08:19,000 --> 00:08:25,000 一番奥の奥にまで入り込んでもらうことでした 173 00:08:26,000 --> 00:08:28,000 そういう場所のひどい状態を 174 00:08:28,000 --> 00:08:31,000 ちょっと出かけていって表層的に見てくるのではありません 175 00:08:31,000 --> 00:08:34,000 生活と、息吹と、その都市域全体がどう機能しているかの 176 00:08:34,000 --> 00:08:36,000 核となる部分を見てきたのです 177 00:08:37,000 --> 00:08:39,000 一つの場所を見据えることで 178 00:08:39,000 --> 00:08:42,000 その生活圏の裏にある魂と不屈の人間精神に 179 00:08:42,000 --> 00:08:44,000 触れることができたのです 180 00:08:46,000 --> 00:08:48,000 彼はそれを美しく表現しました 181 00:08:51,000 --> 00:08:54,000 物語を語る方法が、広範囲の写真しかない場合もあります 182 00:08:54,000 --> 00:08:57,000 我々は水中写真家ブライアン・スケリーと 183 00:08:57,000 --> 00:08:59,000 フォトジャーナリストのランディ・オルソンに 184 00:08:59,000 --> 00:09:02,000 世界の漁業における枯渇問題を取材してもらいました 185 00:09:02,000 --> 00:09:05,000 このテーマに挑んだのは私たちだけではありませんが 186 00:09:05,000 --> 00:09:08,000 ブライアンとランディの写真は、中でも 187 00:09:08,000 --> 00:09:10,000 乱獲による自然と人間の荒廃を 188 00:09:10,000 --> 00:09:12,000 誰よりもよく捉えていました 189 00:09:12,000 --> 00:09:14,000 これはブライアンの写真で 190 00:09:14,000 --> 00:09:17,000 鮫が十字架に架けられたような姿で 191 00:09:17,000 --> 00:09:19,000 バハの刺し網にかかっています 192 00:09:19,000 --> 00:09:22,000 ある魚の漁で別の魚がかかってしまうという 193 00:09:22,000 --> 00:09:24,000 「混獲」を扱った 194 00:09:24,000 --> 00:09:26,000 写真を見てきましたが、 195 00:09:26,000 --> 00:09:28,000 ブライアンはここで 196 00:09:28,000 --> 00:09:31,000 自分でボートの下に位置して、いらない魚が 197 00:09:31,000 --> 00:09:35,000 投げ捨てられるところをユニークに捉えています 198 00:09:37,000 --> 00:09:39,000 ブライアンはさらに危険を冒し 199 00:09:39,000 --> 00:09:41,000 かつて一度も撮られたことのない 200 00:09:41,000 --> 00:09:43,000 海底をこそぎ取る底引き網を撮しました 201 00:09:46,000 --> 00:09:48,000 陸上では、ランディ・オルソンが 202 00:09:48,000 --> 00:09:50,000 アフリカの仮設の魚市場を撮影し 203 00:09:50,000 --> 00:09:53,000 身の部分がヨーロッパに送られた後の 204 00:09:53,000 --> 00:09:56,000 残り物が売られているのを記録に収めました 205 00:09:56,000 --> 00:09:59,000 ここ中国では、ランディはクラゲの市場を撮っています 206 00:10:00,000 --> 00:10:02,000 主要な食料資源は捕り尽くされ 207 00:10:02,000 --> 00:10:04,000 捕獲はさらに海の深いところで行われ 208 00:10:04,000 --> 00:10:06,000 このようなタンパク源まで運んで来ているのです 209 00:10:06,000 --> 00:10:09,000 食物連鎖の底辺まで捕り尽くしているのです 210 00:10:09,000 --> 00:10:11,000 しかし希望の光も見えています 211 00:10:11,000 --> 00:10:14,000 このように非常に大きな問題を取り扱う時は 212 00:10:14,000 --> 00:10:16,000 我々は単に問題ばかりに 213 00:10:16,000 --> 00:10:18,000 眼を向けたくはないのです 214 00:10:18,000 --> 00:10:19,000 解決策も見たい 215 00:10:19,000 --> 00:10:23,000 ブライアンはニュージーランドの海洋保護地域を撮影し 216 00:10:23,000 --> 00:10:25,000 商業漁業が禁止されたことで 217 00:10:25,000 --> 00:10:29,000 乱獲された種が回復してきており 218 00:10:29,000 --> 00:10:32,000 そこから持続的な漁業の可能性が生まれてきています 219 00:10:32,000 --> 00:10:35,000 写真はまた、我々を無理矢理にでも 220 00:10:35,000 --> 00:10:38,000 憂鬱で議論の多い問題へと直面させます 221 00:10:38,000 --> 00:10:42,000 昨年TEDで表彰されたジェームズ・ナクトウェイは 222 00:10:42,000 --> 00:10:44,000 イラクで負傷したアメリカ兵を扱う 223 00:10:44,000 --> 00:10:47,000 医療システムの全体を記録しました 224 00:10:47,000 --> 00:10:50,000 それはまるで魔法のチューブで、一方から負傷兵が入り 225 00:10:50,000 --> 00:10:53,000 帰還すると反対側から出てくるようなものでした 226 00:10:53,000 --> 00:10:55,000 ジムは戦場から始めました 227 00:10:55,000 --> 00:10:59,000 ここでは医療スタッフが負傷兵を野戦病院へと運ぶ 228 00:10:59,000 --> 00:11:01,000 ヘリコプターの中で手当しています 229 00:11:02,000 --> 00:11:04,000 こちらは野戦病院です 230 00:11:04,000 --> 00:11:07,000 右の兵士は胸に娘の名前があり 231 00:11:07,000 --> 00:11:10,000 故郷へのよすがとして胸に入れ墨してあります 232 00:11:10,000 --> 00:11:14,000 ここから、より重傷者は移送され 233 00:11:14,000 --> 00:11:16,000 ドイツへ戻り、彼らは初めて 234 00:11:16,000 --> 00:11:18,000 家族と対面するのです 235 00:11:21,000 --> 00:11:25,000 それから故郷に戻り退役軍人病院で回復期を過ごします 236 00:11:25,000 --> 00:11:27,000 ここウォルター・リード病院の様に 237 00:11:27,000 --> 00:11:29,000 そして最後に、多くはハイテク義肢をつけ 238 00:11:29,000 --> 00:11:31,000 医療システムを抜けて、彼らの 239 00:11:31,000 --> 00:11:33,000 戦場以前の生活を取り戻すのです 240 00:11:33,000 --> 00:11:36,000 ジムは、普通なら医療技術の話にしかならないような写真を撮りながら 241 00:11:36,000 --> 00:11:40,000 それに人間的側面を付け加え、読者に深い感銘を与えたのです 242 00:11:42,000 --> 00:11:44,000 さて、これらは 243 00:11:44,000 --> 00:11:46,000 我々にとって重要な話題を扱う上で 244 00:11:46,000 --> 00:11:49,000 写真がいかに使えるかを示すよい例でした 245 00:11:49,000 --> 00:11:51,000 しかし写真家は、時に撮影で 246 00:11:51,000 --> 00:11:53,000 何かと出会い、その結果として 247 00:11:53,000 --> 00:11:55,000 とても楽しめる場合もあります 248 00:11:55,000 --> 00:11:57,000 写真家ポール・ニクリンは南極大陸を旅し 249 00:11:57,000 --> 00:11:59,000 ヒョウアザラシを撮影しました 250 00:11:59,000 --> 00:12:02,000 これはめったに撮影されることがありません 理由の一部は、彼らが 251 00:12:02,000 --> 00:12:04,000 最も危険な海の捕食動物と考えられているからです 252 00:12:05,000 --> 00:12:07,000 実際、一年前に研究者が 253 00:12:07,000 --> 00:12:09,000 海に引きずりこまれて亡くなっています 254 00:12:09,000 --> 00:12:11,000 だから、ポールも水に入るのをちょっと 255 00:12:11,000 --> 00:12:13,000 躊躇したと思うかも知れません 256 00:12:14,000 --> 00:12:17,000 ヒョウアザラシは、大体はペンギンを食べています 257 00:12:17,000 --> 00:12:19,000 「ペンギン・マーチ」をご存知でしょう; 258 00:12:19,000 --> 00:12:21,000 これは「ペンギン・ランチ」です 259 00:12:21,000 --> 00:12:23,000 (笑) 260 00:12:24,000 --> 00:12:27,000 ペンギンが水際に来て、浜が安全か 261 00:12:27,000 --> 00:12:29,000 調べています 262 00:12:29,000 --> 00:12:32,000 そしてみんな押し出したり飛び込んだりしていくのです 263 00:12:35,000 --> 00:12:37,000 ポールは水に入りました 264 00:12:37,000 --> 00:12:40,000 別に怖くはなかったと言っていました 265 00:12:40,000 --> 00:12:42,000 そして、この一匹のメスが近寄ってきました 266 00:12:42,000 --> 00:12:45,000 写真では分からないのが残念なのですが 267 00:12:45,000 --> 00:12:47,000 3メートル半くらいあったそうです 268 00:12:47,000 --> 00:12:49,000 非常に大きいのですが 269 00:12:50,000 --> 00:12:51,000 ポールは別に怖くなかったと言うんです 270 00:12:51,000 --> 00:12:54,000 彼女が、威嚇するというよりは好奇心を持っていたからです 271 00:12:54,000 --> 00:12:56,000 右側の大きく口を開けているのは、彼女が 272 00:12:56,000 --> 00:12:59,000 こう言ってるんです:「ねえ、私って大きいでしょ!」 273 00:12:59,000 --> 00:13:02,000 それか:「ねえ、私の歯は大きいでしょ」 274 00:13:02,000 --> 00:13:03,000 (笑) 275 00:13:03,000 --> 00:13:05,000 それからポールは、彼女が単に彼を哀れんでいるんだと思いました 276 00:13:05,000 --> 00:13:09,000 彼女からみれば、水の中に何か変な生きものがいて 277 00:13:09,000 --> 00:13:11,000 なぜだかわからないが、 278 00:13:11,000 --> 00:13:13,000 全然ペンギンを追う気がないらしいんですから 279 00:13:13,000 --> 00:13:17,000 それで彼女は、彼にペンギンを持って来はじめました 280 00:13:17,000 --> 00:13:20,000 生きたまま、彼の目の前に 281 00:13:20,000 --> 00:13:23,000 彼女が放すと、ペンギンは逃げ出そうとする 282 00:13:23,000 --> 00:13:25,000 それを見て彼女は「あんたなにやってんのよ?」と 283 00:13:25,000 --> 00:13:28,000 追いかけて、また捕まえて戻ってきて 284 00:13:28,000 --> 00:13:30,000 彼の前に落とす 285 00:13:30,000 --> 00:13:33,000 彼女はこれを二日ばかりやって 286 00:13:33,000 --> 00:13:35,000 いいかげん頭に来て 287 00:13:35,000 --> 00:13:38,000 ついにペンギンを彼の頭の上に直接置くようになったんです 288 00:13:38,000 --> 00:13:40,000 (笑) 289 00:13:40,000 --> 00:13:43,000 それでこの素晴らしい写真が撮れた 290 00:13:43,000 --> 00:13:46,000 (笑) 291 00:13:46,000 --> 00:13:49,000 結局、彼女はポールが 292 00:13:49,000 --> 00:13:51,000 生き残れないな、と思ったらしく 293 00:13:51,000 --> 00:13:54,000 愛想を尽かして 294 00:13:54,000 --> 00:13:56,000 タメ息をついて 295 00:13:56,000 --> 00:13:58,000 (笑) 296 00:13:58,000 --> 00:14:01,000 そして彼に興味をなくして、去っていったのです 297 00:14:01,000 --> 00:14:03,000 ポールはこの不思議な生き物の 298 00:14:03,000 --> 00:14:05,000 写真を撮りに行って 299 00:14:05,000 --> 00:14:07,000 ただ写真のコレクションを得ただけでなく 300 00:14:07,000 --> 00:14:10,000 驚くべき体験と素晴らしい物語を持ち帰ったのです 301 00:14:11,000 --> 00:14:13,000 この様な物語こそが 302 00:14:13,000 --> 00:14:16,000 単に直裁的で表面的なものを越えた 303 00:14:16,000 --> 00:14:18,000 フォトジャーナリズムの力を示すのです 304 00:14:19,000 --> 00:14:24,000 私は、写真が、人々とリアルに結びつくことができ 305 00:14:24,000 --> 00:14:27,000 今日世界が直面している課題と可能性を 306 00:14:27,000 --> 00:14:29,000 理解するために役立てられると 307 00:14:29,000 --> 00:14:31,000 信じています 308 00:14:31,000 --> 00:14:32,000 ありがとう 309 00:14:32,000 --> 00:14:36,000 (拍手)